『窓から見える景色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#窓から見える景色
人生で初めて飛行機に乗った。
飛行機が離陸する時のあの浮遊感はとても苦手だと思った。
けど、窓から見えるあの景色だけはまた見たいと思えたから、多分また乗るんだと思う。
またいつか、他の素敵な景色を見るために海外へ旅行に行くのもいいかもしれない。
港までの散歩
彼のプライドや自尊心は、もはやズタズタだった。
何一つ仕事もできない、親がいないとまともに生きていけない、大学時代の友人らはとっくに社会に出て仕事をしている。
彼は小説家を目指すべく、子供部屋に引きこもっては小説の構想を練っていた。
が、ある朝、彼は自分には才能も成功も無いことを無慈悲なまでに叩きつけられた現実を思い知る。
よく晴れた月曜日の朝だ。
彼は髪を整え、髭を剃り、ネクタイを結んだ。
「就活に行ってくる」と家族に嘘をつき、手作りのサンドイッチを持って散歩に出かける。
途中、老婆がにこやかに話しかけてきた。
「これから、お仕事ですか?」
彼はにっこりとこう答えた。
「そうです。全て順調に進んでいますよ」
老婆は「まあ、素敵。頑張ってくださいね」と再び笑顔を見せ、彼は軽く会釈すると去って行った。
港について、海がよく見える場所に腰掛けると、彼はぼうっとコンテナ船を見ていた。中国語のレタリングから、外国の船かな、とぼんやり考えていた。
ふと、隣を見ると、釣りをしている青年がいた。
「釣れてる?」と彼は聞いた。
「いやあ、今日はあんまり手応えないっすね。貴方は今お仕事の休憩か何かですか?」
彼は「まあ、そうだね」と答えた。それから彼は急に自分の存在がこの青年にとって邪魔なんじゃないかと思った。
「僕がいると、魚が釣れないと思うから、向こうに行くよ」
「え。俺は別にそんなことはないっすけど…」
「僕は魚に嫌われているからさ」
青年は首をかしげながら彼を見ていたが、彼は移動した。もっとコンテナ船がよく見える場所へ行くと地面にどかっと座り、サンドイッチを食べた。
もう嘘をつき続ける人生に疲れた。僕は結局なあんにも無いんだな、と汽笛が響く青空の下の港でそのまま死んだように大の字で寝転び、笑った。
あの人の心の窓を開けてみた。
中身は空っぽだった。
あそこに座っている人の心の窓を開けてみた。
お金のことしか考えてなかった。
じゃあ、今自分の隣にいる人は……?
自分への愛で満ち溢れていた。
目には見えなくても、
ほわほわと暖かい雰囲気で分かるのだ。
〜形の無いもの〜
〜窓から見える景色〜
「窓から見える景色」
地球が見えてきた
私たちは歓迎されるだろうか?
窓に映る私の顔…大きな目、小さな鼻と口…そして灰色の肌
地球人がまず思い浮かべる宇宙人の顔、そのものだ
そしてこの宇宙船…子供から大人までみんなが知ってるアダムスキー型のUFO…もう300年以上モデルチェンジしてない
笑われないだろうか?
舐められたら終わりだ
実はもう地球人と科学力の差はほとんどない
抜かれてからでは遅いのだ
星を失った今、地球で生きていくしかない
頭の中でシミュレーションしてみる
コテコテのUFOから降りてくるコテコテの宇宙人
ダメだ…笑われそう
気を強く持たなければ…
こちらの手札は三枚
UFO、STAP細胞、リアルな映像のゲーム機
この三つで驚かせて永住権を勝ち取る
だいじょうぶ、笑顔、笑顔
鏡の前で作るその笑顔は地球人が見たこともない恐ろしいものだった
『街は水色』
街は水色 シャボンに溶ける街並みは 気持ちを洗濯してくれる 覚えてる いつかカメラに納めた この街のこと 君は記憶を逆手にとって遊んでる 私はその中で思い出に支配されている
#窓から見える景色
ガラス越し
いくら手を伸ばしたところで
私の世界は閉ざされたまま
それでも刻々と
景色は変わってゆく
この透明な檻を
この微かに冷たい戸張の向こうから
何かが手招きするように…
あの煌めいて見える世界は
私の弱さを嗤う
※残酷描写
【UNDER_TAKER 外伝】
弧を描いて吹き出した紅を、今もよく覚えている。
輝くような大理石の窓枠に、一点の曇りもなく磨きあげられた硝子窓。
そこに点々と飛び散った真紅は、皮肉な事にとても綺麗だった。
「おとぅ、さ」
「シャルロッテ!見てはいけませんっ!」
「お、おか、さま、でも、」
「いけません!!!」
骨が軋むほど乱暴に抱き上げられ、そのまま視界が動き出す。
「っ゙やだぁっ!おと、さまがっ……」
お母様がぎり、と音を立て私を抱きしめる力を強めた。
「……お゙とうさま゙ぁっ……」
お母様の肩越しに目が合ったその刹那。
窓が深紅に染め上げられ、お父様を隠してしまった。
だから、最期の表情はよく覚えていない。
「窓から見える景色」
通勤電車では、極力スマホに触らず、目を瞑って頭を空っぽにするのがよい。
端末を操作し情報を選別・取得していくと、思っている以上に脳が疲れてしまうからだ。
職場に着いたら、気力、体力、集中力がある午前中に、厄介な仕事をスピーディーに片付けてしまいたい。
仕事のための貴重なエネルギーを浪費しないために、緊急の連絡やどうしても調べなくてはいけないことがない限り、スマホは使わない。
暇になってしまったら、窓から見える景色を眺めることにしている。
スマホを見るとどうしても姿勢が悪くなるが、顔を上げて外を見れば自然と背筋も伸びる。
また、いろいろな建物や看板、道行く人を観察していると、いい気分転換になる。
あなたも電車通勤をしているのであれば、たまにはスマホ無しルールで過ごしてみてはいかがだろうか?
窓から見える景色
春風を追い越し
列車で駆け抜ける
スコールのあとの
虹も少し綺麗だから
あの港町の
borderショップがみえてくると
君の待つ あの懐かしい
海はもうすぐだ
きっと待ってる
何て君に伝えよう
あれだけ待ち続けた
時間の分だけ君に
かえって携帯の電源を
オフにする
君の近くの町まで
君に音信不通
車掌のアナウンス
もうすぐだ君の町
窓から見える景色
見慣れた町の 君のところへ
乗り込んだ夜汽車の窓から外の世界を覗く。
暗闇の中に、街の明かりが点々と、一人一人が持っている命の灯火のように見えた。
それはとても美しくて、この汽車に乗り込んだのは私自身の意思なのに、涙で景色が滲んだ。
走り出した汽車はもう止まらない。
それは、街を走り抜けて、世界を走り抜けて、宙へと浮かび、天を翔ける。
この世界を忘れないようにと、最期にしっかりと両目に焼き付ける。
窓の外の景色は移り変わって、街の明かりから星の光へ。
どちらもキラキラと輝いていて、目を見張るほど美しい。
あぁ、もっと見ていたいのに。この先は何が待ち受けているんだろう。
そして汽車は知らない世界へ。
全くの新しい景色が、窓の外に広がり出した。
『窓から見える景色』
カーテンを開けると
動き回りながら
餌を啄む雀たち
おはよう
今日もいい天気
見渡しても
見たい景色は
ここからは見えない
いつもと変わらない
絵にもならない
見慣れた景色があるだけ
貴方が偶然通りかかる
なんて事
あるはずもなく
動かぬ貴方に会えるのは
この手の上にある
小さな窓の中だけ
もうすぐ
この窓の中の
景色も変わる
次の季節までには
真っ白に染まり
何も見えなくなるだろう
探す手だてを
一つずつ消した
探される道を
一つずつ閉ざした
探しながら
消して
探されては
見ないふりして
求めながら
手放した
馬鹿な私と
泣き笑いしながら
想い
断ち切るために
全て
忘れるために
「窓から見える景色」
カギに、手が届かない。
ガラスにぺたぺたと両手を貼り付けて、爪先立ちをして。懸命に片手を伸ばしてみるけれど、それでも私の指先よりもずっとずっと上にカギはある。
「ふふっ」
背後から笑い声がする。私はむっとして振り返る。母が、可笑しくて堪らないというように相好をくずして、それでも取り繕うように片手を口元に当てて隠している。
「どうして開けてくれないの」
「どうして開けて欲しいの?」
質問に質問で返さないで欲しい。でも私は利口なので、腕を組んでふんすと鼻息荒く答える。
「だって窓の中からだと、ガラスに写ってるわたしが邪魔なんだもの」
夜の闇の中で、窓ガラスに光る瞳が反射する。
窓から見える景色
俺はいつ寝てもまだ夜が開ける前に目が覚める
もしくは寝付く
だけどその後必ず眠くなって日の出は見たことは無い
外を見ると薄暗い空、そして近所の家の明かり
いつもそれを見て少し寝っ転がり今日は何をしようかと考え眠りにつく
考えていると瞼が重くなってきて眠ってしまう
次に起きるといつも昼で朝は起きれない
まぁ夜中は2時過ぎてからじゃないと寝れないし眠くもならない体質になってしまったからかもしれない
俺の窓から見える景色には昼と夜しか無い
名前も声も知らない。
二枚の硝子と遊び場を隔てて、
少しの間笑いあっただけのあの子。
一日のほとんどをすやすやと眠りこけているあの子。
細い管を細い腕に何本も付けたあの子。
それなのに、あしたを信じてやまないその瞳。
ああ、なんて眩しいのでしょう。
ああ、なんて素敵なのでしょう。
ああ、私もあの子のように笑えていたら。
あの子のように満ちた目を見せられていれば。
何かが変わっていたのでしょうか。
それは小さな嫉妬でした。
それは膨れた妬みでした。
でも、あの子は醜さにしらないふりをしてくれた。
宝石みたいなきらきらした瞳が
遠い遠い私の濁りを捉えるたびに、
あの子はとてもとても嬉しそうに、へにゃりと笑って管だらけの白い手を振るのです。
いつしか私の盛った濁りは澄んでゆきました。
けれど、澄んだ濁りはいつか水にとけてしまうもの。
それは、お別れでした。
ひらり、ひらりと飛んでゆけ。
私の最期よ、小さな彼の瞳にささやかな彩りを。
中庭を挟んで南棟と向き合う小さな個室。
まっさらなその部屋で、不格好な飛行機を飛ばした少女を
はためいたカーテンが包みました。
久しぶりに母校を訪れた
窓から見る景色があんまり変わってないからか
通学してたあの頃の自分が
隣にいるかのように肌で感じられる
あの頃は特に日々がむしゃらに励んでいたから
時間なんてあっという間だったけど
苦しいこともたくさん経験したし
またやり直したいかと聞かれてもそうは思わない
でも少なくともあの頃の自分の努力は
今の自分に繋がってると思うし
辛いことも乗り越えてきたという事実が
少なからず今の自分の自信になっていると思う
彼女 が 転んで ふわり スカート 浮いた 。
嗚呼 恥じらった 可愛い 。
彼女 怒っている ,
綺麗な 顔を 赤く染めて 声を あげているの だろう。
笑う彼女 の 友人に 彼女 は つられている。
本当に 美しい 。
「 ねぇ , __ ちゃん あの子
何時も あの花畑 で お花を 摘んで いるね 。」
私は 知っているわ 窓の 先に
素敵な お花の 王子様 が 居ることを ,
早く 会いに 来てね , 私の 王子 。
この 城 から 抜け出せる様に 。
ふと目を開けると窓の先に広がる緑の海
遠くにキノコのような大きな木がぽつり
空は快晴、青空に浮かぶ雲がまるで羊の群れのよう
私は起き上がって窓を開いた、ふわりと風が部屋の中に入り込み机の上の紙をばら撒いていく
ぼぅと眺めていてふと気づいた、あ、起きなきゃ
ピピピピ
携帯のアラーム音に無理やり微睡から引き上げられ不快感を覚える
良い夢を見ていたと思うのだけどなぁ
寝起きの怠い体を起こしてカーテンを手に取る
バシャ
いつも通りの灰色のコンクリートと少しの緑の風景
朝早い学生が足速に歩いて行き、車が一台通り過ぎていく
少しだけ眺めて私もそこの通行人になるために慌ただしく準備を始めるのだった
月がこころを写してる
今夜の月は滲んでいる
秋明菊が小さく揺れて
元気出してと微笑んだ
隣家の楓が伐採された
人間の都合で植樹され
人間の都合で伐採する
風がボクに伝えたんだ
キミはどうしたいのと
『窓から見える景色』
窓と言われて思い出すのは
君の運転する車窓から見た
夜明けの東雲色の空
長期休みになると決まって
深夜に一緒にカラオケへ行って
気付くと世界は朝を迎えていて
慌てて夢から抜け出すように
二人して眠い目を擦って帰る
その時の空はあまりにも綺麗で
段々白んで時を刻んでいく空が
酷く残酷に思えて、少し憎いくらいで
こうして同じ時間を重ねていくことは
幸せなはずなのに同じ重さで怖くて
気を抜くと泣きそうだった
生き急いでる人達と車達
「窓から見える景色」