川柳えむ

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 乗り込んだ夜汽車の窓から外の世界を覗く。
 暗闇の中に、街の明かりが点々と、一人一人が持っている命の灯火のように見えた。
 それはとても美しくて、この汽車に乗り込んだのは私自身の意思なのに、涙で景色が滲んだ。

 走り出した汽車はもう止まらない。
 それは、街を走り抜けて、世界を走り抜けて、宙へと浮かび、天を翔ける。
 この世界を忘れないようにと、最期にしっかりと両目に焼き付ける。
 窓の外の景色は移り変わって、街の明かりから星の光へ。
 どちらもキラキラと輝いていて、目を見張るほど美しい。
 あぁ、もっと見ていたいのに。この先は何が待ち受けているんだろう。

 そして汽車は知らない世界へ。
 全くの新しい景色が、窓の外に広がり出した。


『窓から見える景色』

9/25/2023, 7:08:34 PM