『突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鈴虫の声が聞こえる静かな夜だった。
食卓には、ラップのかかった皿に私の大好物であるハンバーグ。
そして一枚の書き置きが添えてある。
「ごめんね、大好きよ」
丸みを帯びた優しい文字。私の大好きな字。
台所の隅には、泣き腫らした目をした妹が背を丸めて膝を抱えていた。
彼女のお気に入りのぬいぐるみは、力無く床に横たわっている。
22時を知らせる古時計の鐘が鳴り終わり、私は確信した。
ママはもう、帰っては来ない。
5/19 突然の別れ
[突然の別れ]
恐らく
俺の家は裕福では無かったと思う
そのせいなのか
時代背景なのか
子供の頃に外食をした記憶があまり無い
たまに行った時は
たいそうはしゃいだが
もう二度と行かない
とならないよう
金額と親の顔色を見ながら
メニューを決めてた
バイトをするようになり
多少なりとも収入が出来る頃になると
友人達と外食する機会が増えた
最初に驚いたのは
焼肉屋だった
家での焼肉では聞いた事のないメニューが沢山あった
クッパ
ビビンバ
テール
ミノ
チャンジャ
ユッケ
レバ刺し
チョレギ
ナムル
冷やし中華とは違う冷麺
そこは夢の国だった
とりわけ
初めて食べたユッケには
こんな美味い物があったのかと
大人になった喜びに一人浸った
だが友人の手前
知ってたけどね
みたいな顔して食べた
もちろん
次に行った時に
またアレが食べたいと思って
「とりあえずビールとクッパ」
とオーダーした時も
俺はこのスタイルですけど?
みたいな顔して食べた
そしてもう1つ
レバ刺し
もともとレバー(焼いたの)は苦手だったが
恐る恐る食べてみると
これまた美味かった
焼きの方も克服するくらいに
ユッケと並ぶ
まず頼むメニューになった
そう
あのニュースが出るまで
〖突然の別れ〗
別れの中でも嫌な別れ方
よく別れは突然来るからって聞くから
みんないつ来てもいいように
準備できてるはずなんだよね
それでも油断してるときに来る
もっと話しておけばとか
もっと何かしてあげてたらとか
やっぱり後悔しか残らない
どうすることもできない
でもこれが本当の別れなんだよね
(こういうこと書こうとすると絶対ポエムっぽく なるんだけど大丈夫かな〜?)
突然の別れ
突然の別れの度に、日々を大切に過ごしたいと思う
いつ何があっても後悔しないように
「突然の別れ」
涙がポタポタと落ちた。
もう君には会えない事がすごく寂しい。
突然の別れは受け入れられない。
辛いよ。
君ともっと話せば良かった。
後悔だけが残っていて消えない。
君の笑顔を思い出すよ。
君の事を忘れないよ。
「あれ、今日は君たちだけなのかな?」
「ニャー」
3ヶ月ほど前、近所を散歩してる際に出会った野良猫の家族。
黒猫のお父さんと、雉虎の三兄弟。
初めこそ警戒されていたものの、ほぼ毎日会っていたこともあって、最近は撫でさせてくれるくらいには仲良くなれていた。
今日も会えるかなと、いつも彼らがいる池の麓に来てみると、いつもいるはずの黒猫と末っ子猫の姿が見えない。
「お父さんと妹ちゃんはどこかに出かけているのかな?」
「ニャー」
長男猫と次男猫に構ってもらいながら、しばらく待ってみたけれど、結局その日は黒猫と末っ子猫には会えなかった。
会いに行ってもいないことは、これが初めてではなかった。
野良猫なのもあって、タイミングが合わないと会えない日もある。
今日はたまたまタイミングが悪かったんだ。
そう自分に強く言い聞かせたが、心の奥底に小さな不安が残った。
それから、何日経っても、季節が変わっても、黒猫と末っ子猫に会えることはなかった。
お題『突然の別れ』
学生時代の卒業式を思い出す。高校三年間楽誇れるようなことなんてなかった。ただ漫然と時間を貪っていた。部活に入って、勉強もそこそこ頑張った。友達とも遊んでいたような気がする。それでも自分の高校時代を代表するものをあげろと言われると答えに詰まってしまう。ただただ意味を考えることなく日々を積み重ねた。いつかくる卒業という日がまるで何十年も先かのように、永遠に訪れないものかのように感じていた。
そんな私にもお気に入りの場所があった。もともと人と関わるのが嫌いだったので一人で過ごすことが多かった。休み時間になると逃げ込むように図書館へと足を運んだ。始めは人の目を避けるように通った図書館。本を読む気にもなれず図書館の奥へ潜り込んでは昼寝をした。暖かな午後の陽射しに見守られながら昼食後のまどろみを楽しむ。そんなのんびりとした時間の流れが大好きだった。
お昼になる度に図書館に通う。そんな私が読書に興味を持つのは自然なことだった。初めて手に取った本はきれいなサンゴ礁の写真集だった。表紙はサンゴ礁の中で踊るタツノオトシゴだったと思う。普段活字なんて読まないからこれなら自分も読めるかもなんて思った。
きっかけなんてそんなものだった。そこから私はたくさんの本を読んだ。海の話や森の話、新書や純文学、小説やライトノベルなんかも読んだりした。本を書いた人はなにを考えて、何を伝えようとしたのか。本を通して対話をする。そんな臭いセリフも確かにそうかもしれないと思った。
そんなこんなで私は図書館に通い続けた。そして迎えた卒業式。式を終え友達に別れを告げ、部活の仲間に軽く挨拶をし、お世話になった先生にお礼を言いに行く。それだけだった。それだけだった。そこに感慨も寂しさも何もなかった。ただ終わるだけだった。
卒業に対してどう向き合えばいいのか、この別れになんの意味があるのか。わからなかった。言葉の上でこの日々が終わることはわかっていてもその本当の意味を知らなかった。
気がつけば足は図書館に向かっていた。卒業式のこの日まで本を返し損ねていたからだ。受験休みを挟んでの久しぶりの登校日。ようやくという感じだ。リュックの中から3冊の本を取り出しカウンターへと向かう。
「本の返却をお願いします。」
カウンターの司書さんに声をかける。なんとなく手持ちぶたさを感じでカウンターに手をかけた。木製でできたそれは柔らかな暖かみが感じられた。
慣れた手つきで本のバーコードを読み込んでいく。1冊、2冊。3冊。機械がバーコードを読み取る音を立てる。
「卒業生?」司書さんが話しかけてきた。
「はい。今年無事卒業することができました。今までありがとうございました。」
自分で言ったはずなのに今までという言葉に思わずドキッとした。
「進学先は決まったの?」
「おかげさまで第1志望の大学に進学できました」
「そう、よかった。図書館で勉強してきた子は合格してる子が多いのよ。ずっと頑張ってたもんね。」
一瞬何を言っているのかわからなかった。少しして理解た。見ていてくれたんだ。
3年生の間は受験勉強に掛かりきりで図書館にこもっていた。授業の空き時間やお昼休み放課後、空いてる時間は図書館にいた。勉強は孤独だった。受験は過酷だった。でも見ていてくれた。それだけで全てが報われたような気がした。
「今までありがとうございました。」
もう少しだけ図書館にいたいと思った。
明日になればもう学校に行かなくていい。行ってはいけない。遅刻におびえて通学路を駆け上がることも、クラスで集まって朝の出席を取ることも、ぼんやりと夕焼けを眺めたあの時間も。もう迎えることがない。高校生という肩書もなくなって、この制服に袖を通すことも二度とない。通いつめた図書館に行くことももうない。
たった一つの出来事が今までの日々がとても素晴らしいものだったと教えてくれた。失いたくない、寂しい。いつの間にか自分でも気が付かなかった感情があふれ出した。何気ない日常の積み重ねがこんなにも愛おしいものだったなんて気が付かなかった。もう手に入らないものだと知らなかった。
終わってみて初めて
別れの意味を知った。
突然じゃない別れなんてない。来るとわかっていても別れた後のこの気持ちを知ることなんてできない。
別れはいつだって突然なのだ。だからまた次の別れために今日を大切に生きようと思う。
突然の別れ
それは突然…
春休みに入る前、いつもの様に、あの人と他愛もない会話を交わしていた…まだまだ夕方の帰り道は、冷たい風が吹いていた。別れ道の手前の小さな公園にあるブランコを揺らしながら…夕陽に照らされるあなたの横顔を、いつもみたいに、そっと見つめて…いつもは、もう少し明るい雰囲気なのに、何故だか口数少なく感じていたけど…
オレンジ色の空から、群青色に変わり始めて、寒くなったね、って言いながら、公園を出た。そして、いつもの様に、バイバイして、左右に別れて、少し歩いて振り返る…あの人も、いつもみたいに、優しく微笑み乍ら、小さく手を振っていた…そして、突然、
ずっと、ずっと好きだから…
そう言って踵を返して、夕闇に消えて行った…
其れから4月になって、あの人が、この街から居なくなったのを、人伝に聞いてから…突然のサヨナラに、ただただ、どうすることも出来ずに…
ペットを飼っていました
うさぎです
元気でした
死ぬまでは
-突然の別れ-
遠距離恋愛をしていた私。終わりは呆気なかった。
「バイバイ」
そう書かれたLINEを見てははぁ…とため息をつく。思えばいつも受け身だった私。付き合い始めたのも彼から。好きだよって言われて「私も」って返すレベル。別に好きじゃなかったわけじゃない。それなりにちゃんと好き…だったと思う。私は『好き』という感情が分からない。恋愛沙汰には疎いから全く分からない。今まで、そんなに率直に思いを告げてくれる人なんていなかったし、こんな私を好きになってくれたのはあの人しかいないんだろうな。突然の別れは涙を流す暇もなかった。そもそも泣けなかった。それほど相手のことが好きでは無かったのだろうか。自分はそんなにもドライな人間だったのかと思いながら毎日時を進める。遠距離だったから会うこともないであろう彼のことを忘れる日は来るのだろうか。
「突然の別れ」
突然の別れ
子供の頃は、自分の好きな人や物、風景や習慣など自分が大切にしている全てとの別れは突然だった。
単純で純粋だったから。
今は、色々な経験をしたし、どこでどう仕入れたか分からない、整理しきれない膨大な知識がある。
だから、予測する。
好きであればあるほど、大切であればあるほど、辛く悲しい身悶えする様な別れを予測する。
そして身構える。
傷付いてなるものかと。
それは、表情や声色に出る。
すると相手の、特に人には何故だか伝わる。
そして、相手も身構える。
それを私は察知して、さらに身構える。
すると、相手と一緒に居ても楽しくなくなり、綺麗な景色だとか、良い音色だとか、思わなくなる。
そして、ちゃんと確実に、思い描いた通りの別れがやってくる。
それは自分が招いた事なのに、この世の終わりかのように泣いたり喚いたりする。
つまり、何が言いたいかというと、純粋に誰か何かを大切に愛していたのなら、別れは突然でも大丈夫、その痛みは強烈だが後には残らない、という事と、私は別れ製造マシーンだったという事。
そんな自分と別れてから1年。
最近は、誰とも何とも別れていない。
家の鍵以外は。
2.024/5/19
【5/19 テーマ:突然のお別れ】
突然の別れは文字通りやってくる。
けど神様、これはあんまりじゃないか。
こんな無惨な姿でのお別れなんて、ねぇ。
ヒーローの色だと言っていた赤色と夕日が重なって溶けていく。
そしていつかは同化して思い出せなくなってしまう。君はあんなにも暁色に輝いてたのに。
Theme.突然の別れ
最後にあなたを見かけたのは、あなたが
エレベーターに乗っている時でしたね。
私はあなたが、転職することになるなんて
考えもせずに、笑顔で、
いつものように手を振ることしか出来ませんでした。。
もっと、あなたと、お話したかった。。
別れとはそういうものか。。
突然連絡が取れなくなった友人に
今も時折電話をかけている。
奇跡で繋がりますようにと思いながら。
もしかしたらこういうしつこいところが
嫌になって縁を切ったつもりかもしれないけど
私直接はっきり言われて泣くまで諦めないから。
突然の別れ
(本稿を下書きとして保管)
2024.5.19 藍
「上京するから。家族のことは任せた。」
今朝、兄ちゃんに言われた。いつかは上京するだろう、と分かっていたがいきなり過ぎる。せめて1ヶ月くらい前に言ってほしかった。僕以外の家族は、兄ちゃんの上京を前から聞いていたのだと後に知った。兄ちゃんなりの気遣いなのだろう。
「お盆になったら帰って来るから。そのときはお土産でも持っていくよ。」
僕は兄ちゃんが見えなくなるまで、何回も手を振った。
数日後、手紙を書くことにした。今日は学校で友だちができた、算数の授業が難しすぎる、夕ご飯が僕の好きなオムライスだった、…今思えばしょうもないことしか書かなかった。とにかく兄ちゃんと話したかった。お盆が待ちきれなかった。
「早く帰って来ないかなー?」
夏休みに入り、あっという間に宿題を片付ける頃になった。自由研究や読書感想文に苦戦し、夏の暑さにも潰されそう。なんとか宿題を終わらせ、すぐに学校が始まった。
僕は疑問に思った。兄ちゃんは帰って来なかった。お盆は8月の真ん中くらいだよ、と母さんは言っていた。それなら、夏休み中に帰って来るはずだ。しかも、夏休み前頃から手紙の返事が返って来ない。毎日書いてはポストに入れていた。そのことを母さんや父さんに伝えたが、忙しいのだろう、としか言わない。しばらくの間待ってみたが、兄ちゃんが家に来ることも返事が来ることも無かった…。
僕が上京するとき、母さんから手紙を受け取った。そこには兄ちゃんについてのことが書かれていた。
[兄は上京した年の夏に亡くなりました。交通事故です。ずっと黙っていてごめんね。 母]
※フィクション
【お題:突然の別れ】
別れはいつも突然だ。
よく聞く話だ。
ドラマや映画、漫画や小説で書かれがちの言葉。
自分には関係の無い事だと思っていた。
その時が来るまでは。
そう、別れいつも突然なのだ。
1つ年上の元バイト先の先輩
困ってる時に助けてくれた優しい人
約1年お付き合いしていたけど別れた
彼とは趣味が合わなかった
会う回数も減り、好きの気持ちもなくなってしまった
続くと思っている関係にも突然別れがくる
友達と電車で遠出をすることにした。
ホームに来た列車に乗り込む。
「―――よ」
後ろから声が聞こえたので振り返ると、友達が電車に乗っていなかった。
締まりかけるドアの向こうから、友達は私に言った。
「そっち方面じゃないよ――」
――突然の別れ
突然の別れ
三千四百十円。なんとも収まりの悪い金額だ。
私は手にした財布を仕舞い、隣を見た。
「いくら?」
「ハズレだった。千円ちょっと」
淡い金髪のセミロングをふんわり肩にかけた彼女は、悔しそうにそう言うと、同じように財布を仕舞う。高級そうな革財布。恐らく、高い財布なら金額もリッチだと思って選んだのだろうが、見事に当てを外したようだ。中身より入れ物の方が高い。
「あーあ。最近みんな持ち歩くお金少なくない?ペイペイのせい?」
「そんなことないと思うけど」
むくれる彼女に苦笑して、私は立ち上がった。コンビニにご飯を買いに行くのだ。水は公園にある。
週に一度、私達は財布を盗む。奪ったお金でご飯を買って、二人で食べて、毎日あてどなく歩き回る。
「今日は何食べるの?」
「パン。千円じゃあ、贅沢できないし」
彼女は答える。盗んだお金は互いにあげない。それが私達が決めたルールだ。犯罪は犯罪だから、自分で盗んだお金は責任を持って自分で使う。そんなルールしか私達に守れるものはない。
陽射しの降り注ぐ河原を歩きながら、私は思う。かつて地獄の底から私を救ってくれた彼女の姿を。一緒に逃げようと言って、赤く汚れた手を差し出した彼女の笑った顔を。
私は彼女がいればそれでいい。身一つで、財布を盗んで、公園の温い水を飲む生活だって構わない。彼女が隣で笑ってくれるなら、そこが私の天国だ。
今日は後ろがうるさい。通行人のひそひそ話。あの子、ニュースの−−−−同級生を刺したっていう−−−−本当かしら−−−−−
そんな声が聞こえたのだろうか。
「行こう!」
いきなり、彼女が笑って駆け出した。
人が追って来る気配がした。彼女は止まらない。汗が飛び散り、息が上がり、不規則に足音が鳴り響く。春の終わりの熱い日の下を、私の手を引いて、どこまでも走っていく。
−−−―-−−~〜〜−−ーーーーーーーー……………
それは、私の最後の記憶だ。二人きり、小さな旅の最後の一日の、最後の思い出だ。
彼女はいなくなった。私達は捕まって彼女と引き離され、彼女は泣き喚いて、私はどんな顔をしていたのか覚えていない。
何年経っても、金色の髪を揺らして私に微笑みかけた彼女の神々しいまでの美しさを、私は反芻している。彼女の手がまだ赤く染まっているのも知っている。
あなたがいなくなった日、私は人生を歩くことに決めた。あなたの人生を歩むことに決めた。広い世界が好きだったあなたは、まだ暗く狭い部屋にいる。
人生は選ぶものだ。そうあるべきだ。少なくとも私はそう思っている。