多田野一人

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突然の別れ
それは突然…
春休みに入る前、いつもの様に、あの人と他愛もない会話を交わしていた…まだまだ夕方の帰り道は、冷たい風が吹いていた。別れ道の手前の小さな公園にあるブランコを揺らしながら…夕陽に照らされるあなたの横顔を、いつもみたいに、そっと見つめて…いつもは、もう少し明るい雰囲気なのに、何故だか口数少なく感じていたけど…
オレンジ色の空から、群青色に変わり始めて、寒くなったね、って言いながら、公園を出た。そして、いつもの様に、バイバイして、左右に別れて、少し歩いて振り返る…あの人も、いつもみたいに、優しく微笑み乍ら、小さく手を振っていた…そして、突然、
ずっと、ずっと好きだから…
そう言って踵を返して、夕闇に消えて行った…
其れから4月になって、あの人が、この街から居なくなったのを、人伝に聞いてから…突然のサヨナラに、ただただ、どうすることも出来ずに…

5/19/2024, 3:04:28 PM