どうすればいいの?
なんで…
こんなに、あなたを想っているのに…あなたには、届かない…本当は、あなたの側に居て、あなたを支えていたい…
でも、あなたは、遠い存在で、何も出来ない…ただ、遠くから、見つめるだけ…どうすれば…
いつも、堂々巡りの片思い
宝物
押入れの整理をしていたら、埃だらけで、色褪せた段ボールが出てきた…段ボールには、汚い字で、宝、とだけ書いてある…
埃を払い、止めてあるガムテープに手を掛けると、簡単に外れた…開けると、もう何のためにしまっていたのか判らない様な、ガラクタが、沢山投げ込まれていた…
幾つか取り出してみると、その下に、小箱が見えた…緑と白のストライプの箱を開けると、陶器でできた、ピエロの風鈴が入っていた…途端に、中学生の頃の2つ下の後輩の女の子の顔が浮かんできた…
そして、誕生日プレゼントだった事も、憶い出した…痩せっぽちで、あどけない顔で…お兄ちゃんになって下さいって、手紙をくれたっけ…
風鈴の音と、あの笑顔、今でも忘れない…
キャンドル
久しぶりに灯した蝋燭…
子供の頃は、台風の度に停電があり、ガタガタなる雨戸や突風でミシミシ揺れる家の音が怖かった…そんな中で、薄暗く、ゆらゆらしている、蝋燭の明かりが、少しだけ、心が休めてくれた…
また、夏祭りの時に飾られた手作りの灯籠も、蝋燭の明かりだった…四角の木枠に、和紙に好きな絵を描いたものを貼り付けて、ピンと張った縄にぶら下げて、足元を照らしていた…
そんな遠い故郷の景色が、目の前の揺らめく蝋燭の炎に浮かんでくる…
たくさんの想い出
気泡の様に、沸々浮かんでくる小さな記憶…モノクロ写真の様に現れて、段々と色づいてくる…
忘れかけていた、沢山の想い出たち…その一つ一つが、段々と鮮やかに蘇る…今は、もう、バラバラになった仲間達だけれど、こうして、ふっと浮ぶのは、いつも皆の笑顔…
想い出は、美しい儘にあるのがいいけれど…少しだけ、想い出から抜け出して、逢いたい…
冬になったら
そろそろ寒くなってきたね…そう言いながら、きみは、私の手に絡めてきたね…きみの小さくて、柔らかい指は、少し冷たく、いつもみたいに、一緒にポケットに突っ込んだ…
きみの、その手を繋ぐ行為に、いつも、心が落ち着かない…毎年そうしているし、もう少しすると、もっと体をくっつけてくる…
私は、この気持が、いつか知られてしまいそうで、心が、落ち着かない…
もしも、この冬に、君への想いを、伝えたい…