手のひらの宇宙
掌には、見えない宇宙が隠れている…とか、いない…とか…
目の前には、見慣れた自分の掌…傷だらけで、ガサガサ荒れた、ゴツゴツして人よりは大きいらしい掌…
窓の向こうには、夜空が拡がり、星が散らばっている…果てのない夜空の向こうにある宇宙と、このチッポケな掌…
計り知れない宇宙の歴史と、自分が刻んで来たこの掌…どちらも、見えない何かが、まだまだあるのかもしれない…
風のいたずら
あなたが好き…
気が付いたら、心の声が、唇から零れた…あなたの前では、言わない心算でいたのに…
振り向いたあなたが、私の口元を見ている…周章ててどうしたの?
と視線を返す私…
何か言わなかった?
そうにこやかに、小首を傾げるあなた…
何も…云ってないけど…風の音じゃない?
素直に言えない私…本当は、早くあなたに、伝えたい、この想い…あなたの前では、心とは違う事しか言えない…
せめて、この風に、想いを乗せられるなら…
透明な涙
貴女の瞳の奥に光る…
僕は、その光るものが、貴女の瞳から溢れないようにずっと守りたい…そう貴女に誓いたいのに、意気地なしの僕は、ただ、黙って目で追うばかり…
貴女は、何時でも優しい笑顔でいるけれど、本当は、一人で抱え込んで、苦しんでいる事、知っているのに…貴女の側で、支えになりたい…のに…
いつか屹度、貴女の瞳が、その光で曇らないように、寄り添える男になりたい…
あなたのもとへ
あの空を飛べるなら…今すぐにでも、逢いたい…向きあって、言葉を交わしたい…
奇跡的な出逢いだと思うから、逢える時間を少しでも多く一緒に過ごしたい…
心は溢れる想いで、どんどん膨らむ焦りたけが募ってくる…段々と自分でも整理がつかなくて、ただ、あなたに逢いたい…気持ちだけが空回り…
そっと
あなたへの想いは、溢れているけれど…伝えたくて、あなたの側に行きたいのに…
あなたを見るだけで、鼓動が激しくなってしまう…あなたが、誰かと一緒にいるのが、堪らなく辛いのに、いざとなると、すくんでしまう…
あなたに、気付いて欲しいのに、ただただ、遠くから、そっと想うだけ…