猫とモカチーノ

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「あれ、今日は君たちだけなのかな?」
「ニャー」

3ヶ月ほど前、近所を散歩してる際に出会った野良猫の家族。
黒猫のお父さんと、雉虎の三兄弟。

初めこそ警戒されていたものの、ほぼ毎日会っていたこともあって、最近は撫でさせてくれるくらいには仲良くなれていた。

今日も会えるかなと、いつも彼らがいる池の麓に来てみると、いつもいるはずの黒猫と末っ子猫の姿が見えない。

「お父さんと妹ちゃんはどこかに出かけているのかな?」
「ニャー」

長男猫と次男猫に構ってもらいながら、しばらく待ってみたけれど、結局その日は黒猫と末っ子猫には会えなかった。

会いに行ってもいないことは、これが初めてではなかった。
野良猫なのもあって、タイミングが合わないと会えない日もある。

今日はたまたまタイミングが悪かったんだ。
そう自分に強く言い聞かせたが、心の奥底に小さな不安が残った。

それから、何日経っても、季節が変わっても、黒猫と末っ子猫に会えることはなかった。



お題『突然の別れ』

5/19/2024, 3:14:05 PM