『空が泣く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「空が泣く」
誰からも愛されていた子が居た。それは空の神様にも…。彼女が死んだら皆が泣く。彼女が笑ったら皆嬉しい。そんな彼女が死んだ。空は泣き、世界は悲しみの色に染まった…。
空が泣く
空は泣く。
たんたんと雫をこぼす。
空は泣く。
哀しみではないなにかをはらみ、雲をつくる。
空は泣く。
しとしとと泣き止まない空は、きっとあの子の分も泣いている。
泣けないあの子に変わって水を落とす。
空が泣く。
ああ、またあの子が泣いている。
早くきて。
最近、空が泣いている。どういうことかというと、雨が降っている。晴れてくれないか、いや、それは無茶か。
空も君も泣いている。
だから、僕は優しく抱きしめた。
#空が泣く
#29
【空が泣く】
しとしと、と言うよりはサラサラとした雪の日だった。
「お空が泣いてるよ」
と言い出したのは俺に肩車されている姪っ子だ。
「空が? ただの雪だろ」
「ううん。今日のは違うよ」
何が違うのかわからなくて首を捻る俺。絵本の話かなんかだろうか?
生憎だが高校生になる俺に、絵本の話などちっとも理解がなかった。理系だから、と言うよりも本を読むのがそこまで好きじゃなかったから、さ。
アスファルトに沿って並ぶ住宅も、冬になると気まぐれに降る雪も、俺にとってはいつもと同じだし違いなどわからない。
しかし、姪はそんなことは気にせず。どこか不思議な様子で続けた。
「今日は何かが起こる日なのね」
肩車越しでも、姪がどこか遠くを見るような声で言ったのはわかった。
何がって……何が?
見上げようとして、俺の頬に雪が落ちる。液体となったそれは涙のように頬を伝った。
5歳児の話に真面目に受け止める俺も変かもしれない。
「そうなのかもな」
適当に答えると、うん、と姪は頷く。
それから事件が起こったのは、夜、雪が積もってからのことだった、
なんも考えなくていい
考えること自体ほとんど無意味だから
空(くう)から生まれたひとつの星
星は産声をあげる
大雨、突風、竜巻、雷鳴。とにかく大荒れに荒れ狂う
まるで生まれたばかりの赤ちゃんが
「今ここに生まれたよう!」
って精一杯の泣き声で、
その存在を世界に宣言してるみたい
それから何億年かの月日が流れ、
星の大気は海と空と陸とに分かれ始める
まだ誰も、何もいない
ただひたすらに大地が広がっている
ふとそこに風が吹いた
最初の風
静かな
…あれ?このイメージ、知ってる。
どこかのライブハウスで聴いたのか、
テレビかなにかで目にしたのか。
アンコールのそのまた後の、誰かの急なリクエストに、さらっと応えて歌ってた
めちゃくちゃかっこよくて痺れたのと
その歌を聴いて浮かんでくる風景が
あまりに懐かしかったこと
誰も見たことないはずなのに
誰もがみんな知っている
遠い遠い昔の風景
ギターの音、
組んだ足、
強くてものすごく温かい声、
ゴロワーズを吸ったことがあるかい?
ただ風が吹いてた
優しく
思い出すのをためらったり、
急に怖くなり途中でシャッター降ろしたり、
そんなん全部やめたんだった。
知らないはずなのに思い出せるということは、
それはやっぱり知ってるってことなんだ
私は思い出す
ただ風が吹いていたあの風景
♪なんにもない なんにもない
まったくなんにもない
生まれた生まれた なにが生まれた
星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた
星には夜があり そして朝が訪れた
なんにもない大地に ただ風が吹いてた
(「やつらの足音のバラード」より)
あなたは空を見上げた時
なにを思いますか?
いい天気だなぁ
今日はどんより曇り空かぁ
早く雨止まないかなー
多くの方はその日の天気をみているでしょう
でも、仮に大切な人を亡くした時
同じように空を見上げたらなにを思いますか?
笑って見守ってくれているんだなぁ
今日は泣いてるのかなぁ
なんか怒ってるのかな
こんな風に誰かの感情として
想像することがあると思います
空が笑えばあの人が笑っている
空が泣けばあの人も泣いている
こうやって考えていると
寂しくなった時、あの人が近くにいて
見守ってくれているように感じられて
少しだけ心が包まれている感覚がする
明日の空が笑っていますように
『空が泣く』
「雨が降っていた」
時刻は夕方6時30分。
田舎とも都会とも言い難い町の、細いとも太いとも言い難い道の真ん中に、君はいた。
濡れた髪が額に張り付き、雨を含んで色が濃くなった服が、重たそうに地面へと伸びている。
君の左後ろにはチカチカと点滅を繰り返す街路灯があって、少し離れた所でぽつねんと生えているカーブミラーがそれらを映し出していた。
地面のアスファルトを雨が打つ度に、雨粒が爆ぜてキラキラとした光を弾く。
「強い雨が降っていたんだ」
分厚い雲に覆われた空の下、君の近くに出来た小川は、夕日に照らされて鮮やかな朱色を魅せていた。
何時までも降る、雨に見られて。
空が泣く
ポツン
ん?
今頬に雨が降った気がした
手をかざす
...
降ってないな
何か悲しい事があったのかい?
私に聞いて欲しいのかい?
空のSOSが私を選んだようだ
雲を見て、人とか、動物とか、色んな形を考える。どれだけの人が同じ雲を見ているのかな。
眠らない街があるのだとすれば、その街は休むことなく動き続け息もできず、苦しみが積もる。そして夢を見る場所でありながら悪夢の方が多く見るのだと思った。
夢は終わるからこそ、新たな始まりを告げる。
光は消えるからこそ、暗闇にはなる。しかし、その間に安らぎを得る。
失望ではなく安泰。闇があるからこそ、光の意味がわかり、灯火の中に人の優しさがわかるのかもしれない。
眠りについて。
死を望むのではなく、穏やかに眠り、休みたい。
人々のたくさんの夢が集う場所でありながら
それを叶えるための街というのが眠らないのであれば
空は泣いている。嘆くのだと。
遠く離れた国からかつてその街に行くことを望んだ自分は思ったのであった。
どんなに青空が広がっていても、夕焼けがあっても、雨が止まらなくて泣いてしまうのかもと。
テーマ 空が泣く
空が泣く
今の私は夢や目標がない。ただ日々をダラダラと過ごしている。
今の私を見て天国に行った父はどう思うのかとふと考えてしまう。人間関係も人生も上手くいかない私。
お父さん、今の私を見てどう思いますか。父は空から私を見て悲しんでいるのかもしれない。
早くやりたいことを見つけたい。夢が欲しい。ただ日々に悩み、疲れてダラダラ過ごして生産性の無い日々を過ごしていてかっこ悪い。
明日も雨なのかな。
天使の羽
私らしくいられない時
無理して笑顔を作らなきゃいけない日
理不尽なことを言われても何も言い返せない私。
弱い私も好きになろうとグッと堪えて頑張っています。
ーーハンディーは、恥ずかしいことですか??
誰がが言った。
私には、生まれた時から脚が歩けない……。私にも、歩ける脚がほしい(´;ω;`)
誰にも、気をつかわずに予定なんて決めないで、一人で歩けたらいいな〜💛と、何度、夢みたことだろう…。
free!の七瀬遙君なら、どんな言葉をかけてくれるだろう。
『お前の生きてきたから見れる風景があるんだろう』と、ボソリと、いうのだろうか。
こんな、私だから、見れた風景か……。
負荷だっていっぱいあるし、思うようにいかず涙した日も数しれないんだヨ。
学生の頃だって、大好きなバスケだって、みんなは、バスケをエンジョイして駆け回ってはっても
私は、ゴールの下で、ポツンと、……。
芸人さんなら、笑い話に変えられる素敵職業
『でも、バスケが好きなんだろう』と、七瀬遙君は、呟かれるんだろうな。
こんな、私だから、シュートした瞬間の喜びはひとしおだヨ(#^.^#)Vヤッター\(^o^)/って想う。
自分の身体のことまで分析するくらい大好きです。
想先生は、ゲーセンで、155のスコアを出して、私には、見れない風景を見せてくれた🏀✨
背が高い想先生だなら、ポイと軽く置くような感じで片手でシュートした。
すごいな〜(*^^*)♫と思った。
私は、全力で、頑張って1点入れば万歳なの(#^.^#)♫
でも、私が脚が悪くなければ想先生には、もちのろんお会い出来てなかった。
なんか、ぐちゃぐちゃな想いになる。
負荷だって、出来る喜びを知るためのしれんかしら。
私の大好きなことを頑張ろう💛(#^.^#)V
今迄、数えくれない抜かされたことなんてある。
私は、七瀬遙君とは、違うマーメイドなんだ。
おちこぼれだけれど、負荷を私らしく楽しもう💛(#^.^#)V
悲しかったり、悔しかったり、心ない言葉を言われたりしたら
私の代わりに空に泣いてもらおう(#^.^#)♫
私は、雨が昔から大好きだった。☔
想先生と会う日は不思議と雨の日が多かったな……。
私は、書くことがも好き_φ(・_・スポーツも大好き🏀水泳も大好き〜(#^.^#)♫読書も大好き📕
誰にも勝てなくても、私の大好きを頑張ろう💛(#^.^#)♫私らしく(#^.^#)V💛終わり
雷か雨か。地球は温暖化するっていう意見と寒冷化するって意見があるけど、吾輩はやっぱ最後は寒冷化するのでは派である。
氷河が全部溶けたら海の分量上がって今人間が生きてる部分の結構な面積が沈むじゃん。人間は物流の楽さを取って割りと海沿いに住んでるから新たに山間部を切り開くことになるだろうけど、食料自給が追っつかなくなって大部分は死にそうだ。
水の総量は循環してるだけで変わりにくいから一旦は温暖化するけどその後雲が増えたらめちゃくちゃ雨降るから熱帯化して、雨が降り続くならやっぱり地表の温度は下がる。
その頃には人間は減ってるだろうから健やかにそれ以外の生物の楽園の出来上がり。生きてるのは風の谷のナウシカみたいな超近未来な乗り物乗りこなす山の者。滑走路は山間で難しそうなら空輸はヘリとかかな。
#空が泣く
しとしとと空が泣き始めた。
その泣き方は長年連れ添った親友と彼氏に裏切られたのに、泣けない私の代わりに泣いてくれているようで、少しだけ天気が味方してくれているように感じられて、心が救われた。
いつか、この思い出を吹っ切ることが出来たなら、青空の広がる晴れの日のように笑えますように。
そう願わずにはいられなかった。
『空が泣く』
遠坂蒼空 Tosaka Ao
戸崎菜生 Tozaki Nao
空を見上げてみれば、いろんな形の雲があったり、月があったり、直視できないほどの輝きを放つ太陽があったり、溢れんばかりの星々がきらめいていたり。
君と見上げた空も、いろんな顔をしていた。
「空って毎日違う表情だからつい見上げちゃう」
あの日も君は、見上げたのかな。
君が好きだと言った、あの空を。
今もどこかで見ているのかな、あの景色を。
俺は今日も見上げたよ、君が愛したこの空を。
——————
「ねー聞いてる?」
「ん?」
隣にいる君は笑った。
「蒼空っていつも遠くを見てるよね」
「は?それ褒めてる?」
「もちろん褒めてる! だって、それが蒼空の良さだもん」
いまいちピンと来ない褒め言葉を並べ、君は嬉しそうにした。
俺には、そんな君の姿が眩しく見えた。
クラスの中心人物、人気者の君。
対して俺は、存在感も薄い、教室の隅で本を読むような奴だ。
そんな相容れなさそうな俺らがこうして隣を歩くのは、幼なじみという昔からの腐れ縁だから。
カーストなんか関係ない、素の自分たちでいられた頃からの付き合い。
互いに干渉しすぎず、程よく理解し合っているこの関係は、俺にとってはもちろん居心地がよかったし、君にとっても悪くはなかったと思う。
だから、、自分がわかってる以上に自分のことを知っているのはたぶん、君だけだった。
そんな君に言われた褒め言葉___
ごめんだけど、俺には理解できそうにない。
「蒼空はね、他人なんか興味無いってふりして、1番みんなを見て知って、相手のために動ける人だと思うんだ」
「そんなわけないだろ」
「ううん、私の知ってる蒼空は、空みたいに広くて大きい視野と心を持ってる人」
「お前の中で俺って美化されてんの?」
「そんなわけないじゃん! 今も昔も、私にとっての蒼空は、そういう人だよ」
きらっと効果音の付きそうな程眩しい笑顔を向ける君に、俺はいつも思うんだ。
____お前の方が余程空みたいだよ
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「私ね、空を見上げるようになったの、蒼空のおかげなの」
「は?なに急に」
「いいから聞いてよ」
少し拗ねる君に、俺はしかたないって意味を込めて大袈裟にため息をついた。
「私ね、空が好き。晴れてる日も曇ってる日も、雨の日も台風の日も、雪の日も……。空っていろんな顔をしてて、毎日違うから見てて楽しい。似てる空でも必ずどこか違うじゃん?一緒なんてない。その日のその時間だけの空って考えたら、すごく幻想的に思えたんだ、、。」
そうやって、言いながら空を見つめる君に、なぜか心臓が嫌な音を立てた。どくん、、って、波打つように....
「俺のおかげっていうのは?」
「それはね、、蒼空って名前を口にする度に、空とリンクするから。それに、蒼空と空って似てるから。存在が。 みんなを包み込むような暖かさも、ズバズバした物言いも、気分屋なとこも、今日の蒼空はいつの日に見たあの空みたいだなーって考えるのが好きなの」
「えらく変な趣味をお持ちで」
「だよね、、自分でも思うよ変だなーって。だって、空を見上げたら真っ先に蒼空のことが思い浮かぶんだもん。1日に1回は必ず蒼空を思い出してるってことになるじゃん?」
「それだけ聞くとキモイ」
「うわ、ひどい!そんな意味じゃないもん」
「冗談だって、真に受けんな」
照れ隠しでしかないその暴言も、君の前では通用しない。
きっと照れてるのもバレている。
なんてったって、俺らは幼なじみだから。腐れ縁だから、、
「この夕日もさ、、もう一生見られる日は来ないんだよね」
「似たやつなら見れんじゃん?」
「ちがうの。これがいいの」
なぜそんなに、この夕日に、、、この空にこだわるのかわからなかった。
「帰ろっか!」
あの日見た空を、俺も一生忘れられない。
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次の日の朝、家のポストからいつも通り新聞を取ろうとすれば、違うものが手に触れた。
それは、4つ折りにされた画用紙。
そこについた淡い紫の付箋には『またいつか』の見慣れた文字。
広げてみれば、昨日見たあの空が、水彩絵の具で鮮明に描かれていた。
なんでこんな回りくどいことをしているのかわからなかった。
またいつか、ってどういう意味?
わざわざ絵に残したかったのか?
だとしても、メールしてくればいいだろ
わざわざポストに入れたわけは?学校行く時でよくね?
訝しんだ。
この謎行動のわけを知りたかった。
そして俺は後々知る。
君があの日の夜中、引っ越したことを。
実は病を抱えていたことを。
その病の治療のため、この地を離れたことを。
そして俺は知る。
俺が抱いていた、君への気持ちを。
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–—–————
あの日から、、
俺の隣で空を見上げる君がいなくなってから、
代わりにとでも言うように、俺が空を見上げるようになった。
君は、空の変化を表情と呼んでいた。
無意識なのか、意図的になのか、、それはわからないことだった。
今日は雨だ。 君なら、『空が泣く』って言うのかな。
盲腸になった職場の同僚の見舞いで来た総合病院。
相変わらず元気そうな顔を見て、見舞いの品を渡して病室を出た。
出口に向かう途中、、。
「蒼空、、?」
懐かしい声だった。
幼少期から聞きなれた、あの声。
ここ8年間聞くことのなかった、あの声。
振り向けば、君がいた。
「菜生、」
車椅子に乗って、あの頃よりずっと細い身体だけど
間違いなく、君だった。
いつも引っ張ってもらった俺だけど。
いつも任せっぱなしで自分から行動したことってあったのか?ってレベルな俺だけど。
一緒に学校に行くのも、学校から帰るのも、全部君が迎えに来てくれなきゃ一緒になんて行動しなかった俺だけど。
今は、、、
足が動く。自分から。自らの意思で。
呆然とする君の前に立つ。
「....会いたかったよ、菜生」
「...わたし、も、、」
空が泣いた。
空が泣き止んだ。
空が笑った。
まるで、君の表情のように。
豊かに変わる表情を見て、俺は思った。
やっぱり、俺なんかより余程君は空だよ___って。
母親が亡くなった。着信に何度も親戚の叔母からの名前がある。俺は田舎を嫌い憎み上京をし作家になりたく出てはきたが夢ばかり頭の中にあるのになにも書けない日々をしているうちにバイトに終われる毎日になり夢が濁り10年が過ぎていた。叔母へ電話をかけ直す。「もしもし、お久しぶ」と最後まで話す間もなく叔母は「あのね、落ち着いて聞きなさいよ、お母さんが職場で倒れて病院に運ばれて、そのまま亡くなったの」と泣きながら話してきた。俺は放心状態になりながら「わかりました」と答える。あの帰りたくもなかった田舎に、このような形で帰郷するなど思ってもいなかった。母親と俺は母子家庭であった父親は典型的なアルコールとギャンブルに励むダメ男であり母親は逃げるように俺を連れ家を出て低所得者が住む今の団地へと身を隠すように生きてきたのだ。母は朝から夜まで働き俺を育てるために必死で働いていたのだ。その姿を見ている、ありがたさを普通の息子なら思うのだろうが当時の俺は母に対し嫌悪感を抱いてしまっていたのだ。そういう気持ちもあり高校を出て上京してから連絡もほぼとっていなかったのだ。この団地は変わらず貧しさを象徴するかのように昔からなにも変わっていない。団地では葬儀もできないので葬祭会館で葬儀をすることになるから来るようにと叔母からの伝言があったので葬祭会館に着くと叔母夫婦が先に葬儀屋と打ち合わせをしていた。叔母はたんたんとし「あら陽ちゃん久しぶり」といい俺も含め葬儀の打ち合わせを始めた正直、葬儀から、その後の記憶があまりないほどたんたんと進んでいった。だが疑問に思ったのだ何故スムーズにいったのか。葬儀も終わり落ち着き俺は団地で、しばらく過ごすこになったピンポーンとチャイムがなり叔母が来た。叔母からの話しで、ようやくスムーズに葬儀が進みその後の段取りができていたのかが分かった。母はここ数年末期ガンであったのだ、その身体をおしながらスーパーのパートをし貯金をし死後の段取りを息子の俺ではなく叔母に伝えていたのだ叔母から「陽一には病気のこと伝えないで迷惑かけなくないのよ小説家になってほしいから」と最後までいっていたと言う、その言葉にそれまでの母への嫌悪感はなくなり涙がとまらなくなった。叔母より俺が子供の頃に書いた作文を渡された、その作文はぼろぼろになっていたが、いつも自慢をしていたのだと言う、それは夢と言うタイトルで俺が小説家になり母を楽にさせたいというありきたりな内容だった。そのときの記憶が思い出される作文を喜びながら俺の手を繋いで歩いた母は空を見上げ美しく泣く姿だったのだ。俺は母との思い出を小説にしてみようと思ったのだ。
天廻
月ひかりの束が、ひどくむなしく揺れている。
わたしたちの下に敷かれた、冷たく小さな石畳
幾億も先、この声だけが薄く
帷のように滴り、続いてゆく事、
まるで野晒しにも思えてならない。
くもを紡いできた
いつだつて自分を信じてはいなかつたから、
たぶん明日はきみにも訪れる事はないのだから
諦めてしまえば良い筈なのに。
空が泣く
雷鳴か
激しいな
俺もなく
失った過去達へ
そうなんだ
どんどん過去へ失っていく
未来へ進んで行くという事は
過去を失って行くという事
あの日の高揚、緊張、幸福、憎悪、険悪、
失って行く
空が泣く
俺も鳴く
無くす
消える
最後は消える
刻む
誰かな
ここに