『秋風』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋深し隣は何をする人ぞ
「って、こんなのありかよ!」
数日泊まり込みのバイトを入れたあと、アパートに帰ったら隣の遠山兄弟が引っ越ししていた。
アパートの部屋がもぬけの殻。家具家財道具一式全て消えてがらんとしている。フローリングの床しか見えない。
俺は愕然とした。
そしてすぐに逃げた。と気づいた。あの、遠山弟のむかつく能面顔が思い浮かんだ。
あの変態ーー姉に、遠山なぎさに執着する近親相姦野郎の仕業だと俺は察した。あいつが、俺の不在を見越して、夜逃げ同然で部屋を引き払ったのだ。俺から自分の姉を引き離すためにーー計画的に。周到に。
案の定、なぎさにLINEしても既読にさえならない。通話も繋がらない。あいつの入れ知恵で、俺との関係を一気に断つつもりだ。
俺は沸々とした怒りが腹の底から湧き上がるのを感じた。
ーー確かに俺はなぎさに対してストーカーまがいの執着をもって、これまで犯罪スレスレの行為をしてきた。盗聴、待ち伏せ、付き纏い。でも、アイツのほうがもっとヤベェのが、今ので証明されただろう?
遠山真宗のなぎさに対する執着は異常だ。
どうしてアイツのヤバさに皆気づかないんだよ。鉄面皮で無表情装ってるけどアイツは姉への執着のせいでドロドロした怨念みたいなのが溢れ出てるじゃないか。
なぎさが危ない。遠山真宗の魔の手が、なぎさに迫っているのだーー
俺は決意する。なぎさを遠山真宗の手から救い出す。どっちが異常者で、どっちが姫を救うナイトか俺が証明してやる。
俺は拳を握りしめる。そして、外階段を降り空を見上げた。
抜けるような秋の高い空が見えた。
風を背に受け、俺はなぎさ通う大学へと一歩、歩き出す。
何日掛かっても、そこで張って、なぎさを見つけ出す覚悟だった。
#秋風
「柔らかな光7」
会社での評価とか、
ポジションとか、
勤続年数とか年齢が上がるにつれ、
見えてくる。
ふと、
窮屈だなーって。
重いなーって。思っちゃう。
こんな時こそ、踏ん張り所。
冷たくなってきた秋風よ。
せめて暖かな日差しが
注がれますように。
秋風も冬風も春風も夏風も、全て感じ方が違う
秋風は、暑い夏が終わり少し涼しさを感じる風
冬風は、寒さも厳しく芯深く身にしみる冷たさの風
春風は、長い冬も終わり暖かさを感じる気持ち良さの風
夏風は、涼しい風もあれば暑くて熱風を感じる風も、ある
どれも同じ風だけど四季、全て感じ方が違う風である
これからの風は、真冬にかけて身にしみる風が吹く
あーまた寒くて嫌いな冬が…
雪だるまになった車を見るとため息💨
心が折れそうな、成る程の除雪のしんどさ
そんな冬がまた、やって来た
頑張るしかないのか
私は泣いていた。
絵が描けなくなった。
自分の人生、アイデンティティ。
これが無くなれば私には何も残らない。
なのに手に持っていた筆は
いつの間にか透明になった。
描いても、描いても
空(くう)をなぞっているだけのようで
手元には何も、私には何も無かった。
あるとき風が吹いた。
それは色なき風、秋風だった。
筒状に開かれていた手の間を
無遠慮に通り抜けていく。
いつの間にか透明だった筆が
形を現していった。
手には何の色も付いていない
絵筆があった。
気まぐれなその風は少なくとも
今の私を救ってくれたらしい。
希望だけを描く必要はない。
秋の憂いを絵にしても良いのだと
言ってくれているようだった。
キャンバスに筆をなぞる。
描いた先に色が塗布される。
こんな当たり前のことが
嬉しくて、何より楽しくて
仕方がなかった。
あるとき風が吹いた。
この冷たさが
この厳しさが
今の私には心地よかった。
秋風
今日も、もっとできたんじゃないかと、自分にOKを出せず、ポッケに手を突っ込んで駅へ向かう
今年は、残暑が秋まで続いたので、風が吹いても、大袈裟に言うと、熱風。秋風を感じても、すぐに熱風。そして、秋を感じることが出来ないまま、冬が来てしまった。ただ、木枯らし1号が吹いても、夏日になる日の風は、秋風になる。
秋風のふく日に
放課後
静まり返った音楽室。足音のしない廊下。
窓辺から差し込む陽光が薄暗く教室を照らす。
まだ秋か、なんて事を言いながら、キツく締め過ぎたリガチャーを緩めてストールを肩にかける。
秋風が無人の廊下をヒューっと通り過ぎる音が聞こえた。
葉が赤く染まる。小鳥が囀り、コスモスが校舎を華やかに彩る季節、
音楽室から1人、どこか寂しい管楽器の音色が響いた。
お題:秋風
【書く練習】
人に聞くのが怖い
だから仕事がうまくこなせない
解ってる
聞けばいいのだ
だけど、怖い、恐ろしいのだ
恐ろしいくて胃がぎゅっと握られたかのようになる
それに耐えて動けなくなる
だから仕事にならない
以前この葛藤をどうしたらいいかと尋ねたことがある
そしたら、「仕事辞めたらいい」と言われた
私は苦笑いをして取り繕った
頬をさらりと撫でた涼風に思わず顔を上げた。
空は澄み渡る一面の青。
道路脇の銀杏の木から落ちた葉が風で飛ばされて、視界の端を鮮やかな黄色が通り過ぎる。
葉が落ちて寒そうな木に、すぐそこまで訪れている冬の気配を感じた。
秋風を感じることもめっきり減った。
夏の暑さに嘆いていたのはつい先日のことなのに、気付けば冬の寒さに震えている。
俺らのアイドル、最推しの秋はどこへ行ってしまったのか。
文句ばかりを頭の中で言いながら、コートを引っ張り出して、漫画のようにドタバタと音を立てながら部屋を出る。
それから最寄りの駅に着く寒空の下、布団から出ただけで手当をくれる会社があればいいのにと無駄な夢を見続けていたのは秘密だ。
秋風 11.14
僕らの仲には秋風がたち始めたようです。
甘い思い出も全て、苦くて嫌になりました。
貴方から貰ったモノ全て邪魔になりました。
それでも写真にまだ生き続ける貴方はなんなのです?
とっとと忘れてしまいたい。
この風無くしたい。
また風がおさまったころ、お会いしましょう
秋風
色付き始めた木々を優しく揺らす秋風…少し冷たくて、何処か物悲しい…
春風に舞う、桜の花びらの華やかさや、艶やかさは無くて、色とりどりで美しい景色なのに、落ち葉の舞う姿は、物悲しい気持だけが浮かんでくる…
この、秋風が吹くと、屹度君の俤が浮かんでくる…寂し気な瞳の君は、夏の終わりに現れて、秋風と共に、ふっと消えてしまったね…何時も、儚げな眼差しが、何時までも、忘れられなくて…
作品No.228【2024/11/14 テーマ:秋風】
少しずつ 冷たさを増してきた風
季節はゆっくりと
冬へと変わろうとしているようだ
そろそろ扇風機も終わりかな
秋風
昨年もですが、秋より夏、夏ナツなつ!!!!
どこまで主張すんだよといった暑さが過ぎて、ようやく秋らしくと思えばもうそろそろ冬ですよね。
秋らしい風、感じていますか?
それとも木枯らしになっていますか?
春夏秋冬の風の中で、秋風のイメージは薄いんですよね。
ポカポカとした陽気に花畑を揺らす春風。
熱気溢れる太陽の下そっと汗をひかせる夏風。
暖かい屋内から出てきた瞬間全身を震えさせる冬風。
秋は紅葉を落とすイメージと、夏の暑さを吹き流していくイメージでしょうか。
でもまだ我が家の近くのイチョウは、色づき落ちるには少し早いようです。
イチョウといえば銀杏爆弾ですよ。
あの臭いといったら、軽く殺意を覚えるレベルです。
それが落ちて潰れた歩道を歩くとき、運悪くまだ潰れていない銀杏を踏み潰してしまった絶望感たるや。
最近野良が少なくなり見かけなくなった動物のフンを踏んだときに匹敵するでしょう。
帰り道ならまだしも、通勤通学の最中に不発弾に当たってしまったら、下駄箱は地獄絵図と化すでしょうし、職場は周りの白い目どころか靴洗ってこいと上司命令が出るやもしれません。
そりゃ不発弾撤去に近隣住民避難しますよって話……ではないですね笑
そう思うと、秋風は銀杏の香り。
最悪の印象になってしまうので、汚名返上しておきますと、最近はスーパーでも売っている焼き芋の甘い香りが秋風としておきましょう。
そうなると、秋刀魚の焼けたいい匂いも秋風、縁遠い松茸もそうでしょうか。
銀杏だって中身は美味しいですもんね。
秋風は美味しい風なんですね。
日付が変わるこの時間に美味しいだなんて、なんと自虐なこと書いてるんだと、私のお腹が抗議してきたので、お安くなっていた練乳いちごカルピスを飲んでお茶濁し。
風がサアッと吹いて、落ち葉と彼女の髪を巻き上げていく。
それがとても絵になっていて……僕の語彙力では言い尽くせないほど、綺麗だった。
舞い落ちてくる赤い葉っぱと、少し困ったように髪を整えている彼女。
ひらりと頭に落ちてきた葉っぱがまるで髪飾りみたいで、思わずかわいいと口をついて出てしまった。
すると彼女はちょっと照れたように笑ってありがとうと告げる。
……この些細な幸せがずっと続きますように。
そう願わずにはいられなかった。
作品4 秋風
あなたへ
そちらはどんな感じですか?
あなたがいなくなったと聞いて、わたしは
今日までずっと泣いていました。これを書
いている今も、涙が止まりません。
わたしとずっと一緒にいてくれると、灰色
な世界を鮮やかにすると、
そう約束したのは嘘だったのですか?
ずっと、あなたを待っていました。
一応伝えますが、恨んでなんかいません。
このことはあなたにとって不可抗力ですしね。
思い出せますか?私達が初めて出会った日。
わたしは鮮明に思い出せます。
夏の暑さからやっと抜けだせたと思ったら、
急に寒くなって。やけに風も強くて。その分
紅葉が綺麗で。
あなたはそこに一人、風景の中に溶けていま
した。わたしが今まで見たこともないほど、
透明な儚さを身に纏ったあなたはとても、綺
麗でした。
最後に交わした話の内容は、もちろん覚えて
いますよね?
ちょうど出会った日と同じような日。
あなたと舞い落ちる紅葉を見ながら、
イチョウを見てみたい
なんて言い合いました。
いつか、一緒に見に行こう。そして、もっと
色んな景色を目に焼き付けていこう。
そう約束しましたよね。とても嬉しくて、帰
ってから一人、そのことをずっと思い出して
ました。
果たしたかったです。あの約束を。
いつか、こころが落ち着いたら、あなたがい
なくなったときのような日に、必ず会いに行
きます。
イチョウの葉も持ってきますね。
果たせなかった約束も、私なりに消化してい
きます。
だから
お願いです。
わたしが死ぬまで、ずっとそちらで待ってい
てください。
今は亡き彼の葬式。棺の中に入れる手紙は、彼に直接送れる、最後の言葉。
そう思うとつい、書きすぎてしまった。
どうして彼は、病気のことを教えてくれなかったんだろう。どうして彼は、果たせないと分かっている約束を、交わしたのだろう。
返ってくることのない問いを、いつまでも棺へとぶつける。
帰ろうとしたら彼の親に手紙を渡された。彼が書いたらしい。律儀なことに、関わった人全員分あるそうだ。そこに、亡き彼の優しさを感じる。
彼がわたしに遺した手紙を、なるべく傷つけないように、優しくそっと開く。
たった一つしかない文章が、赤や橙で書いている。黒じゃないのが、彼らしい。
なんとなく、私の名前と彼の名前の色を確認してみた。
黄色だった。
その意図に気づくと、涙があふれだした。
『いつまでも、君を想うよ。』
そう書かれた真っ白な紙は、色なき風のように思えた。
⸺⸺⸺
ちと解説
色なき風とは、秋風の別の言い方です。
色のない風は、紅葉や枯れ葉などの色を少しの間身につけるそうです。もちろん、イチョウの黄色も。そして、色なき風は秋の寂しさや憂いなどの意味があるそうです。
ついでにいうと、イチョウの花言葉には「鎮魂」という意味があります。
彼とわたしの関係は、自由に考えください。
あなたの思うものが、正解です。
秋風が吹くと心が苦しくなる。
この季節が来たのか、
去年のきみは、あの子に恋してたね。
今年は、私がきみに恋してるの。
秋風が吹く
人肌恋しい
君が寒そうに手をさすってる
寒いね
そっと君の手を握る
外の温度が少しだけ上がった気がした
秋風
ひゅるりと冷たい風。ブルりと身体を震わせ、家路へ急ぐ。上着はあるがそれでも、今は当たりたくない。
「あんたにはわかんないよ」
からっ風のようなそれが、ぼくの積もった枯葉のような自尊心を吹き散らした。
まともな受け応えも出来ず、ただその場から逃げてしまったのも含めて本当によく似ている。
善意のつもりだった。彼女が、学芸会の練習に来れない理由を探してそれを解消しようと立ち回った。今思えばそれそのものが余計な事だったんだろう。彼女の同意も得ず、彼女がどういう気持ちかも考えずただクラスの為を思って動いた。分かってる、酷い独善だ。
秋風のように冷めた目で言葉で、突き放されても文句は言えないぐらい。そもそもの発端が
「あぁ、一緒に劇やりたかったな……。あの子となら楽しかったのに」
と、浅い理由。クラスのためですらないのだから。
当然、高い空に呟いたソレは誰にも届かないのだろう。風に連れられ遠く遠くへ上る。見えないところで弾ける。
それだけのはずだった。
「ふうん、ばかみたい」
背後から、今1番聞きたくない声。
そこに居たのはやはり、僕の意識を占めるあの子だった。息が抑えられず、頬もリンゴのようだ。寒空の下、急いできたのだろう。
そこまでして、僕に悪罵を吐きに来たのだろうか。性格は悪いと思うが、今の僕は全面降伏する他ない。ただ、何となくその子がそんなことするのは想像がつかなかった。
なんと言っていいか分からなかった僕は、ただ黙ってその子を見つめる。すると、もじもじとしていたその子はふぅ、ふぅと息を整える。
そして、強く息を吸うと
「あのね、あん時はごめんなさい。言いすぎたわ」
バッと頭を下げる。
なんで、この子がこんな。混乱が支配した。さっきの想像よりもさらに想像がつかない。僕が固まっているせいかその子も頭をあげるタイミングを失っている。
カラカラと落ち葉が笑う。
ええいこのままじゃ埒が明かないか。
気持ち的に1歩踏み出してみる。
「な、なんでそんな?」
出てきたのは馬鹿みたいな問いかけ。だがキッカケとしては丁度良かったらしい。
「その、ね。私はやりたいこと、やってるの。お父様とお母様からの期待もあるの。小さい時から、ずっと。それを理由に断ることが多くなったら誰からも誘われなくなったわ。だから、あんたからあんなこと言われた時も、意固地になっちゃったの」
目を逸らしつつも、堰を切ったように一気に話す彼女。けれど、それなら尚更の話。僕を追いかけて謝るなんて大人な対応しなくて良いのに。僕が悪いのだから。
「違う。あの後、他の子から聞いたのよ。
さっきの独り言みたいな事情を、ね。」
「な、あ」
顔が火が出るかのように熱い。今日が気温低くて良かった。本当に。咄嗟に顔を伏せる。
が、グイッと顎を上げられる。赤みがありつつも、ニヤリといたずらっ子のような表情は小悪魔と言って差し支えない。
「ね、あなた。私と、「わ、た、し、と」やりたかったのよね?」
「いえすまむ」
這う這うの体でそう答えると、更に笑みを深くする。
そして、僕から距離を取る。
「ふうん。ばかみたい」
そして、チラリとこちらを振り返りつつこういった。
「安心なさい、あんたのその勇気に免じて明日から何とか時間を作る」
「急すぎないか話が」
「もう、察しが悪いわね。」
少しばかり考える姿勢をとる彼女。何となく僕が悪いのは分かるが言葉が足りないのは、あっちのせいでは?と思わなくもない。けれどここで口を挟んで今みたいな奇跡を取り逃すのも良くない。
それが功を奏したのか。はたまた、秋の神様の魔法か。彼女は、小悪魔のように、そしてリンゴのように甘い顔でこういった。
「そういえば、今日は風が冷たいわね」
「だから、手を貸してくれる?」
それから。
僕は毎年、秋風と小悪魔に誑かされる。
風はチャリ通の宿敵だ。
特に私の通学路は土手8割だから、風にあおられまくる。
私があみだした対処法は、身をかがめるくらいしかないけど、入学してから8分もタイムを縮められてる!!
25分かかっていたけど、卒業までには10分くらいで行けるようにならないかな〜なんて期待してしまう!