秋風を感じることもめっきり減った。夏の暑さに嘆いていたのはつい先日のことなのに、気付けば冬の寒さに震えている。俺らのアイドル、最推しの秋はどこへ行ってしまったのか。文句ばかりを頭の中で言いながら、コートを引っ張り出して、漫画のようにドタバタと音を立てながら部屋を出る。それから最寄りの駅に着く寒空の下、布団から出ただけで手当をくれる会社があればいいのにと無駄な夢を見続けていたのは秘密だ。
11/14/2024, 3:05:23 PM