『神様が舞い降りてきて、こう言った。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「 止まない雨はない 」
だからなんだろう?今が辛いのに。綺麗な傘を持ってて、レインコートまで着てるのに。善意なのは分かってても、偽善でしかないと感じる。これは神じゃない。堕天使が集まってできたみたいなもの。
そんななかで君は、レインコートを私の肩にかけて、一つの傘を一緒に使わせてくれて、そばに居てくれた。そんな彼がかけてくれた言葉は、神様が舞い降りてきていったように聞こえた。
「 ____ 」
彼女の亡骸に縋りついて嗚咽する俺の前に、神様が舞い降りてきて、こう言った。
「彼女を生き返らせてやってもいい。ただし、彼女はお前に関する記憶を全て失った状態で生き返る。さあ、どうする?」
俺は悩んだ末に、首を横に振った。
彼女の記憶は彼女のものだ。俺が独断でどうこうしていいものではない。
…いや、これはただの言い訳だ。
彼女が俺の記憶を失ってしまうことが耐え難かった。
彼女は生きていても、もうあの頃には戻れない。
俺の中の彼女の記憶が、美しいものから手の届かないものに変わってしまうのは怖かった。
俺は身勝手な人間だ。自分のことしか考えていない。
でも、だとしても、思い出の中までも彼女を失ってしまうことは、耐えられなかった。
いつの間にか、神様の姿は消えていた。
これでよかったという思いと、本当にこれでよかったのかという思いとで俺は引き裂かれそうになる。
「君はどうしてほしかった?」
問いかける声に、答えるものはいなかった。
とある日の夢の中で
女子高生が、こう言った。
『つらい方に逃げるな』と。
僕はつらいと自覚することを辞めた。
しばらくたった今、僕は幸せだと思う。
今だから思う。
あの時の厳しく鋭い言葉は
神様の言葉だったのだと。
"もうおやすみ
夜はふけた
ベルベットの暗闇が
優しくまぶたをくすぐっても
きみたちはそれをはらおうと
無闇に明かりをふりかざして
子供たち
だだをこねず
もう寝ること"
暗がりから誰かが息を吹いて
ロウソクの灯りがかき消えるように
街の明かりは一斉に消えて
すると今度は
空いちめんに星が
降り落ちんばかりに瞬いて
天上にお住まいの神様たちも
今夜はずいぶん
夜ふかしのようですね
『神様が舞い降りてきて、こう言った。』
神様、もしくは誰かが舞い降りてきてこう言った。
"なんでそんな急ぐんだよ"
そりゃ、そうだろ。仲間がピンチなんだから。
"そうじゃない、なんですぐ向かうんだよ"
間に合わなかったら申し訳無いだろ。
"埒が明かない。いいか、よく聞け"
"今この瞬間、仲間を無謀にも助けにいくなら、
俺達の命は燃え尽きるだろう。"
だからなんだよ。それでも助けに行かないと、
あいつが飛ばされるだろ、
"よく見てみろ。椅子ゲージは何割だ"
ゲージ、5割…?
"5割救助は駄目だろう?"
そういえば、そうだった。
"それに見てみろ仲間のチャットを"
暗号機残り2で、91%、31%⋯
初心者の俺達には厳しいけど、
9割救助で、即通電。
危機一髪は持ってる。
箱から拾った信号銃も。
"勇気を出せ、プレイヤー。俺達なら行ける"
9割。いまだ!
恐怖の一撃は出なかった。
仲間を助けた瞬間、ヴゥーと音が鳴り響いた。
肉壁をしながらゲート近くの板に滑り込む。
ハンターは飽きたのか反対ゲートへ飛んで行った。
仲間を一応最後までかばいながら、
先にいくよ!
結果は4逃げ。完全勝利。
やった… "よっしゃあ!"
"お疲れ、プレイヤー。"
おつかれさま。
俺、決めた。
ピースが溜まったら必ず君を荘園に招待する。
"おう、楽しみにしとくぜ。"
が にいいねしました。
identity 5 第五人格
神様なんて居ないよって
神様が降りてきてそう言ったよ
神様だって矛盾するんだから
人間が矛盾しちゃうのも仕方ないよね
自分は神様を信じていないけどね
自分は神様に祈りながらビルの風に包まれて落ちたよ
そしたら
神様なんて居ないよって
神様が降りてきてそう言ったよ
神様が舞い降りてきて、こう言った。
『おい、人よ。カップ麺3分経ってるぞ?…食う気あんのか!?』
神様…俗ってんなぁ。
疲れてんだよ!仕事に!世間に!!付き合いに!!!
『てめぇ。こっちは食いてぇんだよ!醤油の匂い舐めてんのか?三大欲より大切なもんあんのかよッ』
…無いです。
もはや直に天罰が下りそうだったので蓋を開けた。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
スピリチュアルなものは好きだ。
特に、前世だったり、お空の上のことだったり、そういったものの不思議なことに惹かれる。
神社には行くし、お寺もお参りしたことはあるけれど、宗教としては全く信仰心は持たない。
強いて言うならば、八百万の神様が日常の中でそこらじゅうに在る。
そういう、全てのものには神は宿るといったものの方がまだ信じられる気がする。
さて、神様が舞い降りてきて、こう言った。
いくらスピリチュアル好きな身であっても、霊感もそれらしき能力は何も持たない。しかし、私には夢を通してメッセージ貰ってるような気がするのだ。
ある日の夢では、顔の見えない女性から、これまた顔だけがぼやけて見えないけれど、赤ちゃんを手渡されて抱っこしていた。
直感的に、この子は“友達の赤ちゃん”だと思った。
また、別の日には前回の夢とは違うけれど、こちらに背を向けたまま、テーブルに手をつき立ち上がろうとしてる小さな子がいた。
この子も、私の子ではなく、“友達の赤ちゃん”だと夢の中ではそう認識していた。
それからしばらくして 、二人の友人から それぞれご懐妊の吉報を受けた。
どちらが、どちらの夢の子なのかは分からない。
でも、夢の中で出てきたということは、
(必ず、元気に産まれてくる。)根拠のない自信さえあった。
印象深く残る夢のほど、時々こうしてメッセージをくださることがある気がしてならない。
それぞれの子どもに会えた時にはもう2才になっていたのだが、出会うととびきりの笑顔を見せてくれた。
それだけでもう充分である。
神様、私からもお返事させていただきます。
無事に産まれてきてくれてありがとう。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「貴方は何を望みますか?」
答えられなかった。
自分には、何も思いつかなかった。
疲れてしまった。何も考えたくない。
沈黙が続いた後
神様は言った。
「そうですか。ならば」
差し出される手
何も考えずに、手を取る
「共にまいりましょう」
身体が浮き上がる
そのまま
全てが夜空に溶けていった
ほら、やっぱり私は要らない。
…なんでそう思ったの?
愛されてないから。
あんたが兄貴ばっかり愛するから。
あの日、言ったことでももう確信した。
「息子はいくつになっても可愛い」
「娘とは違う」
これは私とあいつとでの差別だよね?
これでもうわかったわ。
もう愛されることはない。
でもどうなるだろう。
私が死んだら。
どう思うのだろう。
後悔?歓喜?悲しみ?
私はもう愛されることなどはない。
「ああ、やっと会えた。光栄です。おひとつお願いがあります。神に、理想を押し付けないでください。私たちもたかだか生物です。あなたたちをコントロールすることなどできませんよ。それより人間様、
私たちにもっと幸運をください。最近は悪いことばかり。人間様なんだから幸運の一つや二つ作れるでしょう?」神が舞い降りてきてこういった。
僕は今日、神社巡りに行った。
何かご縁がありますようにと、願って。
そして最後の神社、「叶葉神社」に着いた。
この場所は、僕の大好きなじいちゃんが毎日通っていた神社。
この長い長い階段を毎朝毎夕登って、お参りする。
死ぬまでずっとずっと続けてて、じいちゃんは昼寝中にパッタリと逝ってしまった。
そんな昔話を思い出しながら歩いていたら、いつの間にか階段を登りきっていた。
「そんな大したことないな」くらいにしか思っていなかったんだけど、そのあとが凄かった。
前を見ると木々が茂っていて、微かに川の音もする。
「そんな自然な場所だっただ、ここは」と、20年越しに感じる。
神社の前では巫女さんが落ち葉掃除をしていた。
「お参りですか?」と聞かれたので、「はい。神社巡りをしています。」と答えた。
その後に放たれた言葉は…
《ここ、昔は神様が降りてくる場所だったんです。でも、あの日を境にパッタリと降りて来られなくなってしまって…。》
「あの日?」
「はい。19年前の11月2日です。」
(その日は…じいちゃんが死んだ次の日…)
「毎朝毎夕散歩に来られるおじいさんが居たんですけど、その方がたまに神様とお話をされていたんです。」
「じいちゃんだ…。」
じいちゃんは言っていた。
《神様と話そうとすれば話せるよ》と。
だからここに来ていたのかな…。
「僕だったら話せるかも…。」
「え?」
「多分ですけど、そのおじいさんの名前、加野栄三じゃなかったですか?」
僕がそうはなった瞬間、ゴォーと音を立て強い風が僕らを襲った。
少し戸惑った様子の巫女さんが
「え…少し確認してきます。」
少し経って巫女さんが帰ってきた。
そして思っていた通りの答えが返ってきた。
僕は巫女さんに礼を言って、神殿に向けて歩いた。
「どうやって話せばいいんだろう…。」
〔お主、栄三の孫かの?〕
「えっと…お爺さんは…。」
〔栄三の友達じゃよ。〕
「お友達さん、!!お名前は、?」
〔んーとなぁ、教えん方が身のためじゃよ。〕
「あ、そうなんですね。分かりました!」
「僕の名前は、」
〔知っておるよ。栄三から聞いておった。栄三はお主のことが好きじゃったよ。可愛くてしゃーないとか、言うておったわい。〕
「じいちゃんが…?」
〔お主のためのお守りがあるんじゃが、どうかの?一つ貰ってくれんかの。〕
「では、お言葉に甘えて、。」
〔そうかい!じゃ、後ろ向いておってくれ。〕
「はい!」
くすぐったく感じた首には、模様のようなものが刻まれていた。
そして触れようとした瞬間、さらさらっと消えてしまった。
「え、これ、消え…」
〔普通じゃよ。これで大丈夫じゃ。お主の安全はこれで守られるぞ。〕
〔それじゃあな。〕
帰り道、巫女さんに首のことについて聞かれた。
巫女さんには見えているらしい。
だけど、僕には何も見えない。
カメラにも鏡にも映らないし、裸眼では絶対見られないし…。
「ほんとに…加野さんの…お孫さん…。」
〔栄三、お前の孫は良い奴じゃの。〕
89テーマ
【神様が舞い降りてきて、こう言った。】
趣旨ズレちゃいました…笑
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「 」
僕の耳はそれを拾えなかった。
僕の世界はずっと無音だ。
僕はそれが嫌じゃない。
哀れみも慈悲も僕には必要ない。
もちろん神様だって必要ない。
あぁ~、、、
眠たい。
寝よ。
おやすみ神様。
神様が舞い降りてこない明日が来ますように。
神様が舞い降りてきて、こう言った
「何か言いたいことはあるか」
僕は素直に答えた
「舞い降りてきたので、天使かと思いました」
僕の人生はなんともまぁ酷くつまらないものだ。
起きて、働き、寝る。
娯楽なんてない。
楽しいこともない。
毎日がくだらないものだ。
職場では、理不尽に怒鳴られる。
ご飯すらまともに食べられない。
そんなとき神様が舞い降りてきてこう言った。
「楽になりたいか」と。
一瞬何を言っているのか理解が追いつかなかった。
神様?馬鹿馬鹿しい。
そんなものが居るのなら初めからこんな人生を送らせないで頂きたい。
神様は呆れたように何も言わずに消えていった。
目が覚めた。
朝が来た。
人生はつまらないものだ。
でも、まだ僕は生きている。
僕というたった一人の人間が。
僕は諦めない。諦めてたまるか。
糞みたいな神様なんかに屈するものか。
死ぬまで覚えていてやる。
僕が死んだとき、お前に会って言ってやる。
「あの時、お前が殺そうとした人間だ!どうだ!僕は生きた!年老いて死ぬまで生きた!ざまぁみろ!」
神様が舞い降りてきて、こう言った
愛するべきを愛せよ
憎しむべきを憎めよ
全ては己の中にあり
生は短し、焦るな人生
"神様が舞い降りてきて、こう言った"
「…。」
──ここはどこだ?確かグラファイトと戦ってて…。
そこまで考えて、はっと思い出した。俺は負けて、アスファルトの地面に倒れて、そこで記憶は途切れていた。恐らくそこで意識を手放したのだろう。ならここは"黄泉の国"か。にしても、思っていた黄泉の国とはだいぶ違う、というよりかなりかけ離れている。一見暗闇だが周りを見てみると、星雲のような星々の集まりが無数に広がっていて、まるで柔らかな照明のように辺りを照らしてくれているおかげで足元がよく見える。なんて考えながら足元を見ていると不意に
「君はまだ、ここに来るべきじゃない。」
と、声を掛けられた。バッと顔を上げると、いつの間にか──恐らくだいぶ混乱して気付けなかっただろう──目の前に大きな扉が聳え立っていて、その扉の前に人影が一つあった。声の主は恐らくあの人影だろう。
「はぁ?"来るべきじゃない"って言われても知らねぇよ、気付いたらここにいたんだよ。ここに俺を連れて来たのはテメェじゃねぇのか?」
と、悪態をつきながら人影にゆっくりと歩み寄る。人影の正体は俺より背が低く、左目を長い前髪で隠したまるでスナイプのような髪型をした青髪の、見た事無い──恐らくヘッドフォンだろう──変わった形のヘッドフォンを首にかけた俺より遥かに若い青年だった。身に纏っているのは恐らくどこかの学校の制服、という事は背丈的に高校生、ならニコとそう変わらない年齢だろうと推測した、が。
「さぁ、そんな事言われても困る。いつも通りここに居たら急に君が現れて僕も驚いたし。」
「"驚いた"?」
にしてはあのセリフからずっと動揺一つ見せない、推測した年齢にしてはかなり達観した態度をとっていた。
──飄々とした様子でさっきのセリフを淡々と言っていただろ。こいつ精神年齢が実年齢より高いタイプか?
「さっきの答え。"君をここへ連れて来たのは僕じゃない。"そして"君がどうやってここに来たのかも分からない。"」
「そうかよ。…まぁこの際ここに来た経緯はどうでもいい。どうやったら帰れる?まさか"帰る方法も分からない。"とか言うんじゃねぇだろうな?」
言い終えて、ハッとする。話し方や態度のせいでこいつが高校生である事を忘れて強く当たってしまった。だが目の前の青年はそんな事は何処吹く風、というように俺が強く当たってもビクともせず淡々と話を続ける。
「それは分かる、簡単だ。君のすぐ後ろに元いたところへ帰る道がある。」
「なんだ、ならとっとと帰らせてもらう。」
と、後ろを向こうとしたが
「ただし。」
と、声で制される。
「ただし、一つだけ条件がある。それを守らないと君は帰る事が出来ない。」
「はぁ…?んだよ、それ。…まぁいい、どんな条件だ?」
勝手にここに連れて来られて、帰るには条件付きで、それを守らないと帰れないってどんな横暴だよ。
「それは…"何があっても、絶対振り返らない事"それだけ。」
「は?どんなムズい条件かと思ったら、"振り向くな"だけかよ。んなの簡単じゃねぇか。」
なんて言うと目の前の青年はこれまでの、どこかの気だるげな雰囲気から一気に神妙な雰囲気にガラリと変わった。
「"オルフェウス"の神話。」
「…は?」
かと思えば急に聞き慣れない名前と"神話"という単語がその口から発せられた。声色もだいぶ変わったので、その変わり様に驚いて反応が少し遅れた上に何をどう聞けばいいのか分からず、ただ"は?"とだけ返してしまった。
「オル、フェウス…の、神話…?何だそれ。」
何とか出せたのはただのたどたどしいオウム返しだったが目の前の青年は然と答える。
「"オルフェウス"の神話。"毒蛇に噛まれてしまった妻を冥界から連れ出そうとし、『振り向いてはいけない』という条件の中、あと一歩の所で奇しくも振り向いて、後ろをついていた妻の姿を見てしまい、妻と今生の別れとなった"という神話。」
「んな事よく知ってるな、高校生の癖に。」
「まぁ、ね。」
と、自分の推測と混じえて率直な感想を述べるが、全く驚きも頭に疑問符を浮かべるような顔を浮かべもせず、それ所かまた最初からの飄々とした態度に戻った。高校生なのは合っている、という事か。いまいち掴めぇヤツ。
「んで?"帰る時に振り返ったら、俺が元いたとこと今生の別れになるから振り返るな"って警告か?」
「まぁ、そんな所。」
「んで、"ここには俺が振り返りたくなるような『何か』があるから気ぃつけろ、誘惑に惑わされず真っ直ぐ帰り道を行け"っつー事で受け取ればいいのか?」
「流石だね、君。そこまで汲み取ってくれるとは。」
「はっ、褒めたって何も出ねぇぞ。」
方法と条件、それと注意する事が分かりゃ、あとはとっとと帰るだけだ。と思い、
「教えてくれてありがとな。じゃ…」
と礼を言ってまた帰り道に体を向けようとすると、
「待って。」
と、また声で制された。
「今度は何だ?」
「もう一つ、これは僕の自己満足に過ぎないけど。」
「自己満でもいい、何かして欲しいんなら言え。俺はとっとと帰りたいだけだ。…帰ったら二度と会えねぇかもしれねぇからな。」
そう言うと今度は、何か決意をさせる様な何かを見定めるような、まるで学生の時に受けた三者面談の担任のような、そんな雰囲気になった。彼はそのまま言葉を続ける。
「それは"君がどうしてここに来たのか"、その理由が大きく関係している。」
俺がここに来た理由?そう尋ねる前に彼が更に言葉を続けた。
「ここに来た理由、それは"君が生きる事に自暴自棄になったから"。」
「…。」
何も答えられなかった。何の声も発する事が出来なかった。俺が、生きる事に自暴自棄になったからここに連れて来られた、だと?
「…だから、何だよ。」
「だから、誓って欲しい。"もう生きる事に自暴自棄にならない"って…、そして忘れないで。"君には、生きる理由が沢山ある"、と…。」
「はっ、まさか高校生に、そんな綺麗事言われる時が来るとはなぁ 。」
そう言って、彼の答えに答えるよう、目を閉じて大きく深呼吸を一つ、そして彼を見据えて力強く頷き、最大限の決意を込めて応える。
「…あぁ、誓う…そして約束する。もう二度と、生きる事に投げやりにならねぇ。俺の生きる理由を見失わねぇ、ってな」
そう応えると彼は満足気に頷き、僅かに口角を上げて応えた。
「…うん。聞き届けたよ、君の覚悟。」
「…なら良かった。なら、今度こそ…。」
「うん、さようなら。」
「あぁ…、さようなら。」
なんだか少し名残惜しい感情が湧き上がったが、今度こそ帰り道を向いて、ただ前を向いて、そしてひたすらに真っ直ぐ、帰り道を進み続ける。そういえば名を聞いていなかった。別れを言う前に名前を聞けばよかった。…いや、名前なんてどうでもいい。ただ、彼との誓いと約束を胸に、確実に前へ前へと歩みを進める。次第に意識が浮上する感覚を感じながら。
「行ってしまったね。」
「…あぁ。」
「どうだった?」
「"どう?"って…。まぁ、楽しかったよ。久しぶりに人と話せたし、それに話した事の無いタイプの人だったし。」
「…寂しい?」
「まさか。…確かに、まだもう少し彼と話したかったけど、僕が彼をここにいつまでも引き止めていい理由にはならないから。」
「それもそうだね。」
「それに"彼ら"なら、僕とは違う形で"生命の答え"を見つける。せめてそれまでは、見守りたいしね。」
「うん、そうだね。…実はね。あの彼、ずっと前から以前の君を見ているようで、少し懐かしいって思ってたんだ。」
「そうかな?」
「1番近くで君を見ていた僕が言うんだ。」
「それもそうか。」
神様が舞い降りてきて、こういった。
「ワタシはタマゴが好きです」
その姿はまさに神々しく、仰々しく、壮大であり、信頼性が飛び抜けていたので、その瞬間場にいた人も、ヘリコプターからカメラが捉えた映像をモニターを媒介して見た有象の人々も、その神々しく仰々しく壮大であり信頼性の飛び抜けている存在が神であると、はっきりと理解した。それは動画になり世に広まり、おおよそ電波も何もかもない文明の途切れた集落の人々ぐらいしか、その存在を知らぬものはいなかっただろう。
街中では「ワタシはタマゴが好きです」「ワタシはタマゴが好きです」、学校では「ワタシはタマゴが好きです」「ワタシはタマゴが好きです」、それはその時、地球の歴史であれば一瞬の時、文明あるすべての地に存在する音となった。
時たま無垢ではないが無知なる子羊が現れて、「神がタマゴなとと特定の一つを好きだというわけがない!」「神は博愛主義なのだ!」といかにも神論者らしく語ることがあったが、それらはその威光を実際見ていない者たちであって、ひとたびその鼻先に御姿を突きつけられれば、彼らは黙り、涙を流し、焦燥し、もうなにも言えなかった。
ネットではその「タマゴ」というのが魂悟と書き地球の根幹を支える大きなる力であるという、根も葉もないような、あるような微妙な仮説が流れ、それに釣られた者たちは好き勝手に騒いだ。
「ワタシはタマゴが好きです」
その一言ののち、降臨なされた神はその御姿を留め、その場で一言をも発することはなく、ただ宙に浮くだけであった。
そして、そこからゆっくりと、ゆっくりと人類は適応した。
人々に受け入れられた。そのあまりの異質さに人々は慣れ、その下を通って通勤し、通学し、散歩をした。
人々は慣れ親しんだ。子供は手を振り、大人は見上げては挨拶のように会釈をしたり、丁寧な言葉で出会に感謝を告げた。
ついにはそれを利用し始める。巡教者が聖地を見に訪れ、興味を持った他地域の人々を誘い込もうと旅行会社はプランを作った。旗を持ったツアーガイドがお決まりの口上で説明を始め、知ったような顔をして観光客がうんうんと頷き、神を見上げた。
そう、人類は適応する。
そこまで行き着くに、数十年を要し、しかしながらそれは地球の全てを見ればただ瞬く間の出来事に過ぎない。人類へ実に素早く、尊きものに慣れ、尊きものを利用されるものにまで貶めた。それは、人類が気付かぬ人類の能力であり、欠点であった。
そうしてある日、動かぬ宙の像が重たい瞼を動かす。そして、手をゆっくりと伸ばし、手のひら同士を重ね合わせた。その時、耳に否応になく入力され、しかしながら不快さなどを全く合わせない、強い音が響く。それは手を叩いた時の音に似ている。
適応した人々は、その事態に驚き視線を上げ——すべてのものが動きを止めた。
「ヒトビトよ。ワタシは帰ろう」
帰ろう。帰ろう。かえろう。
それは、変革の合図であった。撃たれたように人々は騒ぎ出し、それを何者かが中継し、それは瞬く間に世界に伝播した。あるものがその意味を問い、誰かがその意味に無意味に答えを返した。誰かが叫び、誰かが泣いた。
神はその御姿をふわりと上の方へと持ち上げて、ゆっくり、ゆっくりと引き上がっていった。地上から離れれば離れるほど阿鼻叫喚が場を包み、人類は焦燥した。
「ジンルイよ」
それは凛とした澄み渡った声であり、偉業を感じ、威光を感じる美しく偉大なものであった。人々はその恐慌が嘘のように、その声を聞いて静まり返る。
「ワタシは、このセカイを見捨てるわけではない」
その言葉は人々に安寧をもたらした。人々に一瞬、ざわめきが広がり、そしてまた沈黙へと移り変わる。そうして人々は、焦燥を捨て去り、畏敬と恍惚の目で神を見上げた。
遥かなる天のもとで、神は未来永劫、私たちを見守ってくださる。降臨なさったのも、それを伝えるための行為で。
「ああ、それと、タマゴは誤りであった。
ヒトは卵生ではないな。ならばこう言おう。私はミナモトが好きだ」
ミナモト?
「ジンルイは適応に優れすぎている。それはいけない」
いけない?
「神を神と知りながら、それをリヨウするゴウマンさ。
それを裁こう。源へもどれ」
もどる、とは?
「——アカゴへと」
そうして神は降り立った大地を飛び去っていく。空の彼方へ、未知なるはるかへ。
その御姿を拝むかのように、地上から赤子の泣き声がした。
神様が舞い降りてきて、こう言った
意識が遠のく中で、耳障りなサイレン音がやけにうるさく感じた。
家族で楽しくドライブしていただけなのに。
何が起きたのかわからないけど、一瞬でとてつもない痛みが体中駆け巡り、至るところから出血し、叫び声が周りから聞こえてきた。
なんとなく、死ぬんだなって思った。
ぼんやりそう思うだけで、考える余裕なんて無いけど。
意識を手放し、次に目を開けると1面真っ白な世界だった。
誰もいないのに、声が聞こえた。
――大きな事故だったね、誰も助からなかった。
――とても残念に思うよ。でもここに来た君に、慈悲を。
まさか、神様?
姿はどこにも見えないけれど、きっとそうなんだと思えてならない。
――君にだけ、大きな力がある。
――君を生き返らせるか、君が犠牲になり家族を全員生き返らせるか。選びなさい。
きっと今までの人生で一番難しい選択。
それでも私は迷わず叫んだ。
「神様、お願いします!私の―――……」
お題『神様が舞い降りてきて、こう言った』
俺は今、人生のどん底にいる。
3ヶ月前、社内にいる可愛い女の子に告白をした。
「こんなブスあり得ない」と振られてしまった。
2ヶ月前、仕事で有り得ないくらい酷いミスをした。
オフィスのど真ん中で怒鳴られた。
1ヶ月前、仕事ができないと陰口をたたかれ居場所がなくなった。逃げるように仕事をやめた。
ニートになり、友人どころか家族すらいない。そんな現実に絶望し、自棄糞になって酒を飲んだ。お金も底をつきそうだ。
酔っ払って足取りが怪しくなりそこら辺の道端にすっ転んだ。
「ははっ」
乾いた笑いがでた。今は何をしても楽しい気がする。孤独最高だ。そう思っていると眼の前に影が落ちた。ふと顔を上げると、穏やかなほほえみをたたえたおばちゃんが、俺を見下ろしていた。
「大丈夫ですか?お水飲みますか?」
俺はこのとき、話しかけられたことで孤独から救われた気がした。先程まで楽しかったはずなのに、何故か悲しくなって滝のように涙が出た。今この瞬間、俺に神様が舞い降りた。そして、神様はこう続けた。
「この苦しみを開放してくれると言われる、壺があるんですよ。よかったらー……」
一年後、相変わらず状態は変わらないままだ。
家族も恋人も友人もいない。借金すら抱えている。仕事もない。ニートだ。
でも俺の心は救われている。この壺と、あの時の神様によって。
だって神様は、俺の努力を知っているから。いつかご褒美をくれるはずさ…
自然と笑みがこぼれた。