神様が舞い降りてきて、こう言った
意識が遠のく中で、耳障りなサイレン音がやけにうるさく感じた。
家族で楽しくドライブしていただけなのに。
何が起きたのかわからないけど、一瞬でとてつもない痛みが体中駆け巡り、至るところから出血し、叫び声が周りから聞こえてきた。
なんとなく、死ぬんだなって思った。
ぼんやりそう思うだけで、考える余裕なんて無いけど。
意識を手放し、次に目を開けると1面真っ白な世界だった。
誰もいないのに、声が聞こえた。
――大きな事故だったね、誰も助からなかった。
――とても残念に思うよ。でもここに来た君に、慈悲を。
まさか、神様?
姿はどこにも見えないけれど、きっとそうなんだと思えてならない。
――君にだけ、大きな力がある。
――君を生き返らせるか、君が犠牲になり家族を全員生き返らせるか。選びなさい。
きっと今までの人生で一番難しい選択。
それでも私は迷わず叫んだ。
「神様、お願いします!私の―――……」
7/27/2023, 11:59:44 AM