『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
相合傘
はつはるの
日差しにぼうっと立ち止まり
色鮮やかな桜を見上げ
独りこっそり傘をさす
さしたての
傘にさあっと雨が降り
ふと暖かなあなたに焦がれ
頬にひっそり紅をさす
彼女は不安の中にいた。今まで気力なく、なんとなくで生きてきた彼女は追い詰められていた。「私はどうすればいいのだろう?」大学は卒業できることになっていたが、その後がない。周りの人間は就職が決まっている。友人も、恋人もいる。毎日が楽しそうだ。優柔不断で、他人の目を恐れ動けないでいる彼女は、そっと目を閉ざすことにした。一日中部屋で項垂れていると、昔の友人のことを思い出した。その人物は彼女の小学校の頃の同級生で、初恋の相手だ。子供時代を回顧し、当時の喜びや情熱を思い出した彼女は、この心を誰かと分かち合いたいと思い、かつての友人に連絡を入れるのだった。
相合傘
何故か傘を持っている人の方が狭くて雨に降られている
もう片割れがそれに気づいて心配を口に出す
そんな暖かい場を冷たい雨の日に一つの屋根の下に見る
第3者の私がほっこり感を垣間見るもの
恋人だけでなく友人や親子も同様であって
ただ黒板に書かれる好きあっている嘲笑を含む相合傘マークは個人的には好きではなくて、
それは意中の人がいる子が自分のノートにこっそり書くくらいが趣があるなと思う
相合傘をしながら私達一緒に帰ったよね〜笑
あのときはみんなに見られて少し恥ずかしかったな笑笑
雨傘要らんかねェ。そろそろ降りそうな天気だよォ。
…嗚呼。売れないねェ。
__おやァ?なンだい?…クスクスクス。
そうさねェ。アンタらには此の色だ。ほら。降られないウチに。
目立つだァ?
“幸せを運んでくれる”色なンだ。良い色だろ?
支払いはアンタらが幸せンなってから払いに来な。
嗚呼。降って来ちまった。ほら、早く差してお帰りよ。
花色雨傘要らんかねェ。大事な人と入れる雨傘だよォ__
#相合傘
相合傘
彼と出掛ける約束をしていた日曜日。
天気予報は、曇り所により雨。
こんな天気予報の日に出掛けるのなら、
傘を持って行くべきか、と思い、
折り畳み傘を鞄に忍ばせました。
鉛色の厚い雲は、空を覆い尽くし、
大きな雨粒が、バタバタと、
音を立てて落ちて来ました。
私達は軒先に逃げ込みました。
見上げても、空は暗く雲は厚く。
雨が止む気配は全くありません。
私は、折り畳み傘を持っていましたが、
彼は、傘が無い、と。
ならば、と。
私は、彼に自分の折り畳み傘を手渡し、
一人、雨の中へ駆け出しました。
雨の中、一人びしょ濡れで走る私は、
相合傘の二人連れとすれ違いました。
仲睦まじく、一つの傘に、
身を寄せ合っている二人…。
幸せそうな、相合傘。
相合傘なんて。
私には望むべくも無いのです。
今の私には。
私の傘で、彼が濡れずに済む。
それだけで十分なのです。
雨に打たれている人に
居場所を半分差し出して
目指す場所まで共にゆく
その人に降る雨が止み
また笑い合えるまで
『相合傘』
声が一番綺麗に聞こえるのは、雨の日の傘の下なんだってさ。
そんな雑学披露に、うんうんと、そうなんだと相槌を打つ。
適当に聞いているわけではない。ちゃんと聞いている。
その話は僕も知っている。声が雨粒に反射して、傘の中で共鳴するから、だっけ。
ほんとかどうかは知らないけどね。
ただ、得意気に話す声がとても耳に心地好いのは雨のせいでも、傘のせいでもない。
バタバタと傘を打つ雨の強さに辟易しながら、濡れるからもっと寄ってと真っ当な理由をつけて距離を縮め、歩幅を狭めて歩く。
雨水はローファーなんか簡単に通り抜け、靴下はぐぢゅぐぢゅと鳴いてとにかく不快。
それなのに、ほぼゼロの距離で並んで歩くこの状況がまだ続けばいいのにと思ってしまう。
幼馴染みが彼氏彼女に変化した、最初の帰り道がこれとは。良いのか悪いのか、どちらもあって甲乙はつけ難い。
けれど、声も視線も体温も独り占めできているのだからまあ、どちらかといえば良いと言ってもいいんじゃないだろうか。
帰宅途中急に雨がポツっと降ってきて帰ろうと思い駅に向かう途中聞き覚えのある声が後ろからしたので振り返ってみると彼女が手を振り立っていた。
どうやら彼女は友達とランチのあとでちょうど別れたところで僕と会ったらしい。
彼女は折りたたみの傘を広げて僕にさしてくれた。僕は彼女に濡れて欲しくなかったので僕がさすよといい傘を持った。
そしたら彼女は相合傘だねこれ笑と言ったので僕は思わず照れてしまいそうだねとしか言えなかった。
また雨が降ったらあなたと相合傘したいななんて思ったりしたなんて言えないや笑
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theme 相合傘 2024-6-20
まことのひとりごと
青春コンプレックス。
相合傘と聞いて一番に思いついた言葉がこれとは、
さすがに自分でも自分が哀れになってくる。
相合傘なんて私には無縁の世界だ。
その説明は長くなるから、忙しい人はぜひとも飛ばして頂きたい。
中学の頃、自分で言うのもなんだが、私は優等生だった。
本気で自慢でもなんでもない。
私には勉強しか取り柄がなかったのだ。
取り柄と言っても、運良く頭の良い両親の血を受け継いだことと、これまた運良く素晴らしい塾に巡り会えたことによる結果。
本当に私は環境に恵まれていると思う。
だから、私の努力はほんの少しだけだ。
唯一の取り柄が、周囲の良い環境なくして形成は不可能だったと考えると、事実上私に取り柄なんてないと思う。
中学の頃は、私が優等生で、異質な存在だから、周りの子は私との接し方がよく分からず、仲良くなれないのだと思っていた。
それは違った。
中学の頃から、優等生であっても、たくさんの友達がいる人だっていた。
なぜ気づかなかったのだろう。
いや、薄々気づいてはいたけど、器用にできる人が羨ましくて妬ましくて、気づかないふりをしていたのかもしれない。
優等生だからなんてただの自分がコミュ力ないことの言い訳だ。
その証拠に、同じ学力レベルの人が集まるはずの高校で、新しくできた友達の数は中学入学の頃と大して変わらなかった。
何が優等生だ。
自己分析もまともにできていない。
自分が情けない。
そんなにコミュ力に自信がないなら、力をつければ良いと思うだろう。
もしくは、コミュ力とか難しいこと考えず、ただ話しかければ良いだろうと思うだろう。
それが難しいんだって!
今まで一切してこなかったことを突然始めるんだから。
意外といけるわとかなるはずもなく、むしろ予想よりずっと疲れる。
自分のコミュ力のなさに毎度のようにおっかなびっくりしちゃう。
そんな感じだから、当然、恋人ができたこともない。
町で幸せそうなカップルを見るたびに鬼の形相で歯軋りし、地団駄を踏み、爪が手のひらに食い込んで血が滲んでる。(冗談です)
最近は恋愛ソングも聴けなくなってしまった。
相合傘なんて、言葉を聞いただけでのたうち回ってしまう。
仕方ないのだ。
私は重度の青春コンプレックスだから。
私の情けないひとりごとを最後まで聞いてくれてありがとう。
相合傘
〇〇个××
朝、いつも通りバカな落書きを消して、自分の机に座り窓から校庭を眺める
今日は風が冷たい、もう夏が終わったのか
今日の授業は算数、国語、体育、体育、理科、保健か
また彼女に教科書を借りよう
〇〇个××
「また書いてるな〜」
僕は昨日と同じく黒板の落書きを消す
今日は、昨日より風が冷たい
今日の授業は国語、理科、数学、社会、体育、体育か
今日は、彼女と一緒にお昼を食べよう
「ヤバいって、ここガチで出るとこだから!」
「ガチで出るとこじゃなきゃ、肝試しの意味がないでしょ? ほら、行くよ!」
僕らは懐中電灯片手に、五年前に廃校になった学校に忍び込んだ
ガタッ
「ひっぃ! なんか音したぞ?!」
「大丈夫、大丈夫」
僕らは恐る恐る教室の扉を開ける
「ほらね? なんにもーーー」
「ん? どうした? おい?!」
僕は懐中電灯で教室を必死に照らしたが、彼女が居ない
「おい! おい!」
どれだけ探しても彼女が見つからない。教室を出たのかと思い、僕は教室の扉を開けた
「ねぇ? 次国語だよ?」
耳元に見知らぬ声がして僕は意識を失った
最後に見えたのは、黒板の端に彼女と、死んでしまった僕の親友の名前が書かれた相合傘だった。
「相合傘」
相合傘は同性とはたまにするけれど、異性とは一回か二回しかない。
それも偶々同級生が困っていたから入れて上げただけで、そこに恋愛の文字はありませんでした。
それでも、やはりソワソワするような何かは感じました。
意識してない相手でもこれだけの効果があるのです。
少しでも意識があったならとんでもないことになっていたでしょう。
傘というアイテムは、距離を縮めるのに最適なものなんだなと僕は実感させられました。
相合傘
あの日、紙に書いた相合傘
折って鶴にしたっけ
今あるのはあの日の記憶だけ
あの頃の気持ちの実感は、遥か遠い
だが、それでいい
その記憶だけ心の端に置いておこう
そしていつかその記憶さえも、
彼方へ羽ばたくかもしれない
だが、それでいい
“相合傘”
雨が降りそうな日はいつも傘を持たずに家を出る。
傘を持たずに家を出て、教室に着いてからはずっと降り出してくれと祈ってばかりいる。
一年前、入学してから間もないある日、帰宅時間を狙いすましたかの様に突然大雨が降り始めた。傘を忘れた私がその中にむりやり飛び出そうとした時に、隣の席の男が声をかけてくれたあの日から私は傘を持たないようになった。
その隣の席の男は、見るからにチャラくてどちらかと言えば苦手なタイプだった。誰にでもヘラヘラと声をかけ、殊更可愛い女にはベタベタと甘える様な薄っぺらい男だ。
急な雨なんて『傘忘れちゃったから入れてよ』なんてニヤニヤと笑いながら狙った女と帰る口実にするようなタイプだと思っていたのに。
コンビニまで走って傘を買いに行ってくれたうえ、その傘に入れてくれた時に不覚にもドキリとしてしまったのだった。
それからというものカバンの中に仕込んだ折り畳み傘はほとんど使われることはなくなった。
アイツの取り出す折り畳み傘が一回り大きくなったことに気づいてからは、朝雨が降っていない限り傘を持ち歩くことすらなくなっていていつの間にか降って欲しいと願うようになっていた。
わざわざ遠回りをして私の家まで付き合ってくれるのも、わざわざ少し大きい傘を買ってくれたのも、さりげなく私が濡れないように傘をかたむけてくれるのも、全部全部私だけの特権だ。
ちゃんと降れよ、と私は今日も曇り空を睨んでいる。
少し大きな長靴と
少し大きな黄色いカッパがふたつ
小さな手と手を繋いで
ピチピチ、ちゃぷちゃぷ
リズミカルに歩く
傘を差し出すと
手を繋げなくなるから
要らないと言う
そうか、キミ達は
まだまだ片手で傘を持てないか
まぁ、このままでもいいかな
とか考えていたら
2人でコソコソ相談している
何だろう?としばらく待っていると
2人同時に振り返って
小さな手を差し出した
うん?え?傘欲しい?
はいはい
ん?コレジャナイ?そっち?
これはママの傘…
あー、はいはい、わかりましたよー
ママの透明な傘貸してあげるから
大きな声で騒がないでねー
キミ達には大きい傘なんだけどな
まぁ、器用に2人で持って
相合傘ですか
「で、ソレ?」
「そう」
ちょっとソコ
肩を震わせて笑わないように!
私だって少し恥ずかしいんだから
傘を買う時2人が選んだのは
緑色のカエルの傘
傘の上?に目玉がついてる
私が子供の頃には無かったデザインの傘
「流石にチビ達の傘じゃ濡れるでしょ」
「だって、他に傘ないよ」
「傘ならここにあるでしょ」
「それはアナタの傘でしょう。スーツ濡れると大変なんだから…って、ちょっ」
「さ、こっちも相合傘だ」
「……もう」
「さ、チビ達、お家へ帰るぞー」
ピチピチ、ちゃぷちゃぷ
リズミカルな足音
今週末、久しぶりに温泉でもどうかって
そりゃぁ、行けるなら行きたいけど…
お姉さんが預かってくれる?
ん?彼氏と?
え?小児科医?子持ち?
へぇ、あの子達と同い年か
そうだね、友達になれるといいね
え?1泊2日で?旅館予約済み?
近場でゴメンって、この旅館この間テレビで特集やってた所じゃない!
1泊5万くらいする…え?無料?懸賞で当たった?
「どう?」
「ンもう、最高!」
ピチピチ、ちゃぷちゃぷ、チュッ♡
「あ~最悪、日傘忘れたわ」
「じゃあ私の傘入る?」
「いいの?じゃあ入らせてもらうわ!」
「こちらにどうぞ。お嬢様(^^)」
「お嬢様てwバカにしてるでしょ!w」
「…ちょっとしてるw」
こんなとりとめのない話でも
私にとってそれはすごく幸せ
世間の言う相合傘は
こういうのではないかもしれないが
私は大好きな親友と
雨でなくても相合傘が出来ている
LoveよりFunの方が
今は私にとって
幸せなのかもしれない
お題「相合傘」
『相合傘』
いつもと変わらない放課後、いつもと同じ玄関先で、空を見上げ「ついてないな」と君が呟く。
シトシトと降り続ける雨の中に走り出そうとする彼女の手を掴み、僕は傘を差し出した。
「傘。よかったら使って」
一言二言しか交わした事がない。名前しか知らないような関係の僕が、突然こんな事を言い出したら困るだろうか。嫌がるだろうか。少しの不安はあったが、彼女の表情を見て杞憂に過ぎない事が分かった。
「本当? いいの?」
無邪気な様子でこちらを見る瞳が、子犬のようで、頭を撫でたい衝動に駆られる。
「大丈夫、親が迎えに来るんだ」
それは嘘だったが、濡れて帰って欲しくなかった。
夕雨を見つめる横顔が、とても綺麗に思えてしまったから……。
「ありがとう。優しいんだね」
そう言って傘を受け取ると、彼女は雨の中を少し足早に歩いていった。
この日見送った背中は、今は隣に並んで肩を温めてくれている。
ぽつん。ぽつん。
窓を打つ雨が徐々に強くなっていく。
「…今日は晴れるって言ってたのになぁ」
昼休み。
賑やかな教室の空気にもついていけなくて、だらりと机に上半身を投げ出す。
ずっと、ずっと。
放課後を楽しみにしていただけにやる気を無くしていくのを感じて、スマホ画面を何度も眺めてしまう。
学校が終わったら駅まで迎えに行って、甘いのが好きだから新商品が出たオープンカフェに行って、そのまま紫陽花が綺麗な公園にも寄って、それからどこへ行こうか。
なんて、なんて。
考えていたプランは全部屋外がメイン。
「…どうしようかなあ」
考えている間にあっという間に放課後。
声が良いから歌声とか聞いてみたいなーなんてぼんやり考えたら。
「…あれ?なんで…?」
「サプライズ的な?」
いたずらが成功したみたいに笑う、門の前に待つ愛し子。
デートプラン、まずは『相合傘』からスタートかな。
みなさん、初めまして。私はビニール傘です。
私は恋人の梶さんと六畳一間の狭い部屋で同棲しています。
「いいなあ、ソロキャンプ。俺もやってみたいなあ。スキレットにマクライト、デルタナイフも欲しいなぁ…置く場所がないけど…」
パソコンのディスプレイを見つめて意味不明なことをブツブツ呟いているのが私の恋人の梶さんです。
さっきまで「今日のテーマは『相合傘』か…」なんて言って、珍しく真剣な表情で考えごとをしていたのに、今は『ゆうちゅうぶ』っていうインターネットのサイトを見るのに夢中みたいです。
なので本日のテーマは梶さんにかわって私が書いてみようと思います。
ですが、ビニール傘の私は今まで一度も文章を書いたことがないので、上手く書けるかどうかわかりません。ですから温かい目で見守って頂けると幸いです。
梶さんと出会う前の私は『こんびに』という物で溢れる雑然とした場所に監禁されていました。狭くて、息苦しくて、外の世界に逃げ出そうと何度も思いました。けれどビニール傘の私には歩くための足がありません。困りました…
そんなときに現れて、私をこんびにから助け出してくれたのが梶さんです。
こんびにに入ってきた梶さんは私のところまで一直線にやってくると、私の手を掴んで引っ張り上げ、私の体を固定していた傘立てという拘束器具から私を解放してくれました。
まるで、囚われの身になっているお姫様を助けにきてくれた王子様のようでした。その英雄的な行動に感銘を受けた私は、一瞬で梶さんのことが好きになりました。
きっと梶さんも、私の透き通るようなビニール製の肌に一目惚れして、助けてくれたのだと思います。両想いですね。
梶さんに連れられてこんびにの外に出ると、雨がサァサァと降っていました。
「…いきなり降ってくるんだもんなあ」
梶さんが憂鬱な顔で空を見上げて恨めしそうに言います。私を助け出してくれた大好きな恩人の梶さんに、そんな顔をしてほしくありません。
私はニコっと微笑んで梶さんに言いました。
「大丈夫ですよ、私が守ってあげますから」
「…………」
私と梶さんは相合傘をして家まで帰ることにしました。
「ちゃんとささないと濡れちゃいますよ」
「…………」
梶さんは恥ずかしがり屋な性格の人なので、私が話しかけても何も答えてくれません。
ですが、言葉はなくても、私の手をしっかりと握ってくれます。虚弱体質な私の体が傷つかないように、大事に丁寧に接してくれます。
「おっと危ない、ぶつけて傘を壊すとこだった。700円もしたんだから気をつけないと…」
…………とにかく。
不器用だけど優しい梶さんのことが大好きです。
本日のテーマ『相合傘』
梶さんの代筆をなんとか勤め上げることができました。
ところで明日の天気は雨でしょうか? 雨だったらいいなと思います。梶さんと相合傘で、お出かけできるから…
梶さんに聞いてみましょう。
「梶さん、明日の天気は雨ですか?」
「ふぁぁ…ねむ…いけど…寝る前に歯を磨いて、洗い物を片付けないと…ペットボトルのラベルも剥がさないといけないし、ああ面倒臭い…」
それどころではないようです。
困っている梶さんのお手伝いをしてあげたいところですが、ビニール傘の私には見守ることしかできません。
歯ブラシを咥えたままコップやお皿を洗っている梶さんをそっと応援してあげます。
「頑張ってください、梶さん。生活のお手伝いはできませんが、雨の日は私を頼ってくださいね」
俺と 相合傘 したい
って 言うんだよ
お猿の アイアイがさー
【相合傘】
はんぶんこ
雨に濡れゆく
肩はんぶん
雨に濡れない
肩が触れあう
…………
折りたたみ傘で申し訳ない
みたいな。
肩が触れ合って
ドキドキが止まらなくなっている
みたいな。
…………
濡れたり濡れなかったり。
二回、半分、雨、肩が出たり。
その要素の綺麗な配置だったり。
下の句で若干韻を踏んでたり。
ってそんな気にする必要ないかな。
気持ちの方が大切だよね。