しゅら

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相合傘

はつはるの
日差しにぼうっと立ち止まり
色鮮やかな桜を見上げ
独りこっそり傘をさす
さしたての
傘にさあっと雨が降り
ふと暖かなあなたに焦がれ
頬にひっそり紅をさす


 彼女は不安の中にいた。今まで気力なく、なんとなくで生きてきた彼女は追い詰められていた。「私はどうすればいいのだろう?」大学は卒業できることになっていたが、その後がない。周りの人間は就職が決まっている。友人も、恋人もいる。毎日が楽しそうだ。優柔不断で、他人の目を恐れ動けないでいる彼女は、そっと目を閉ざすことにした。一日中部屋で項垂れていると、昔の友人のことを思い出した。その人物は彼女の小学校の頃の同級生で、初恋の相手だ。子供時代を回顧し、当時の喜びや情熱を思い出した彼女は、この心を誰かと分かち合いたいと思い、かつての友人に連絡を入れるのだった。

6/19/2024, 7:05:17 PM