『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
女の子同士の相合傘だから。
同級生は何も言わなかった。
背の低い貴女が傘をさすと言ってきかないので私の視界は殆ど覆われていた。
セーラー服の肩の近さに胸の鼓動が速くなる。
こんなに白い指なんだ。
見てはいけないものを見るようで目を逸らす。
逸らした先には貴女の赤い傘。
私の家に着くまで雨が止まなければいい。
神様にそっとお祈りをした。
今まで君と、何度 相合傘をしただろうか。雨の日だけではなく、夏の日差しが暑い日にも日傘をさした。時には黒板に、君との相合傘を書いてみたりもした。ひとつの言葉でこんなにも君との思い出が振り返られるほどには、愛情が積もりに積もっているのだ。
私の日傘で相合傘をすると、君はなにも言わないまま受け入れる。きっと、邪魔だとも、感謝しようとも思っていない。「なぜか傘をさしてくれるから、そのまましてもらうことにしよう」としか思っていないのだろう。しかし、わたしはそれが、ものすごく居心地がいいのだ。なぜかって、この愛情に見返りも感謝も求めていないからだ。何もいらない、ただ、世話を焼かせてほしい。
こんなに愛してやまない君とあと、何度 相合傘をできるのだろう。この限られた君との生活の中で、何度 言葉を交わせられるのだろう。そんな不安と期待が葛藤する中、中庭に干した傘を眺めては、土砂降りの中で手を繋いだ思い出を振り返ってみる
《相合傘》
【相合傘】
僕は人生初の恋をした。恋をした人は、花恋といった。本当に花のように美しく、麗しく、一度目に入った瞬間に、恋に落ちた。今、そんな花恋さんと、相合傘をしている。花恋さんは、どうやら傘がないようだった。道も一緒なので、一緒に帰ることにした。花恋さんは、少し、気遣ってくれているようだった。少し、雨が当たっているからだ。だから、思わず引き寄せてしまった。花恋さんは、一瞬びっくりした顔をして、にこっと笑った。まるで、ありがとうと言うように。そんな姿に、思わずどきっとした。僕は明日、告白するつもりだ。
明日の告白が、成功しますように…
今日は雨だ。大好きなあの子と相合傘が出来たらな、と妄想しニヤケながら登校する。
学校へ着いた。あの子が傘を忘れてる。だが濡れていない。きっと親に学校まで送って貰ったんだろう。きっとそうだ。
案の定今日1日晴れることは無かった。あの子は傘を忘れてたから私の傘に入れてあげよう。そう思いあの子を探した。すぐに見つけた。最悪だ。
数日間サボってた
相合傘って憧れるよね。青春って感じ
でもそんな都合のいいことないよなぁ…
男の子が車両側で女の子が道路側歩くとか…!
憧れるよね
おまたせ
大丈夫だよ
ありがとう
入りな
うん!
ねぇねぇ
ん?
雨降ってて良かったね!
なんで?
ん〜内緒。
そっか
教えて欲しい?
うん
傘に隠れてキスできるからだよ。
…/////
どきどきしちゃうね。
ピタリとくっつく肩
君の吐息が聞こえる
雨と一緒に僕の恋心が
降りそそぐ
相合傘
#32『相合傘』
土砂降りの中
あなたとふたり
ひとつの傘を分け合って
優しいあなたは半分の肩を濡らしていた
隠しきれない濡れた肩
謝る私にあなたは笑う
その笑顔が愛しくて
包み込むように、抱きしめた
相合傘のラクガキにちょっとおかしな名称を。
忘れられないのがコーヒー・和食。
ちょっと好きなのが、ざる蕎麦・あんみつ。
む。天ざる・クリームあんみつが良いか。
はい。お腹すいてます…ぐー。
軽食?&甘味の組み合わせが良いなー。
あのこと私の名前?お腹すいてる時は無理。
(ヾノ・∀・`)ムリムリ。
でもなー。おむすび・味噌汁には勝てないかなー。
塩のおむすびを冷や汁に半熟卵と一緒にぶち込みます。すり胡麻振ってね。
相合傘、破壊されてるじゃん(´~`)モグモグ
※脳内でラクガキの相合傘視覚化してください。(^_^;)
※おぎおぎは悪いね😸
おぎおぎ=お行儀の愛称。
「相合傘」
その日は雨が降っていた。
アルバイト先で私と入れ替わりでシフトに入る彼に挨拶と少しの申し送りをして仕事を上がる。
今日も会えた!
もうちょっとお話ししたかったな。
なんて、着替えながら独りごちて。
帰り支度を済ませて従業員出入り口を開けると、数メートル先に傘も差さずに備品倉庫を開けている彼が目に入った。
しとしとと小雨が降り続いている。
「濡れちゃうよ? 出入り口まで傘差すよ。」
そう言って彼の近くまで行き、彼と彼が持つ備品が濡れないように傘を傾ける。
「ありがとうございます、助かる!」
彼は大げさに感謝して私の隣を歩いた。
「なんだか相合傘みたいっすね」
「女に傘持たせて相合傘とか言うー?」
「厳しいな!それじゃあ、お疲れ様でした!」
「お疲れ様。シフト頑張ってね。」
なんてこともないような軽口を叩いて歩いたあのたった数メートルが、彼との唯一の思い出。
相合傘
降り出した雨
君がさしてくれた傘は
二人には少し小さくて
君が濡れないように
傘を向けるたびに
肩先が触れてしまう
お家に着くまであと数分
ずっと続けばいいのにな
【相合傘】
私は、人生で初めて相合傘をしている。私は雨の日にしかほとんど外出をしない。雨の日ではない時は、用事だけ済ませてすぐに帰ってくる。何故なら、人が多いからだ。私は人が多いところが苦手なのだ。でも、そんな中、手を差し伸べてくれた人がいた。その人に恋をした。その人は、華恋といった。本当に、名前の通り華やかで、恋に落ちた。そして、今、その華恋さんと相合傘をしている。きっかけは、さっき、私は告白した。返事は保留だった。そして、帰ることになった。でも、華恋さんは突然の雨で傘がないようだった。私は、念の為いつも傘は置いてある為、傘はあった。だから、私は、こう言った「よかったら、私の傘に入りませんか」
華恋さんは、少し頬を赤く染めて、「ではお言葉に甘えて、お願いします。ありがとうございます。」その姿がなんとも可愛いらしかった。だから、今、相合傘をしている。これがきっかけで、恋が実ってくれたらな…と、そんな呑気な考えを捨て、華恋さんとの時間を大事にしようと思った。
#相合傘
憂鬱な雨の日も
連れと
あれやこれやと他愛もない話をして
歩く雨道もをかし
ショコラ
【相合傘】
「今日雨みたいだけど、どうする?」
というあなたからのライン。私は「会いたい」と返す。久しぶりにあなたに会える、今日は雨だった。
お気に入りの淡いブルーの長傘に、黒い網上のレインブーツ。低気圧で頭が重くても、お気に入りの傘で、自分のための青空を広げる。
駅前でふと見回すと、人がみんなカラフルな点のように見えてくる。淡いピンク、シックなブラック、キラキラしたユニコーンカラー、透明なビニール。
レインブーツをパタパタさせながら、傘の柄を時たま持ち替えて、あなたの姿を待つ。
「お待たせ」
水色の傘だから、すぐわかった、と笑うあなたの差す傘はネイビーブルーで、まるで新月の空みたいに見えた。その隣を、空色の傘の私が歩いていく。
どちらか片方の傘に入るのは、私たちらしくない。それぞれの傘で、隣に立って歩きたい。それも愛だから。
二人で帰ろうとしたら、突然の雨に降られてしまった。傘も持っていないし、どうしようかとデパートで雨宿りしながら考えていた。
「少し待っていてくれませんか?」
「うん、いいよ」
そう言って、何かを思いついたような彼は店の中へ向かっていった。入口で少し待っていると、彼が大きめの傘を買って戻ってきた。
「わざわざ傘買ったの?」
「はい、ちょうど買い換えたかったので」
さぁ行きましょう、と手を引く彼と外へ出て、相合傘をしてもらった。買ってきた傘はかなり大きめで、相合傘をするには丁度いい大きさだった。
「もっとこっちへ寄ってください。大切な貴方が濡れてしまいますから」
そう言って、彼は私の肩を抱き寄せた。心なしか、傘もこちらへ傾けてくれている気がする。これじゃあなたが濡れちゃうよ、と声をかけても貴方を守れればそれでいいんです、と返されてしまった。そんな紳士的な彼に惚れ直しながら、もっとこのまま歩いていたいと思ってしまう私だった。
テーマ「相合傘」
風で糸が泳ぐ、手袋。赤い毛糸。白い毛糸。冬って、なんでこんなに赤が似合うのかな。
自分で編んだから少し緩いし、柄も頑張ったけどよれちゃった。でもその不格好な部分がかえって愛しい。
空に手をかざしながら歩いていたら、背後から背中を叩かれた。
大地がわたしを追い越していく。地面、凍結してるのに。今はもう降ってないけど、昨日の夜から今朝まで降っていた雪が、まだ街を白く染めているのに。
マフラーも巻かずに笑ってる。今朝は、耳が緊張するほど寒いのに。強いなあ。元サッカー部だから寒さには慣れてるのかな。
坂本くんが軽装の大地を見て呆れてる。風邪ひくよって言ってあげてほしい。そこまで言っても、大地はどうせ聞かないんだろうけど。
高校生活はあと3ヶ月で終わってしまう。3年生でやっと同じクラスになれて、心底嬉しかったのに。いつの間にかお別れが近づいている。
あっという間だった。
大地と、前よりは仲良くなれたと思うけど、期待していたほどは仲良くなれなかった。
麻子はわたしに、バレンタインに勝負しろって言った。でも、勇気が出ない。自分が大地の特別になれるなんて思えない。
大地が話しかけてくれるたびに、わたしはいっそ今言ってしまおうか、と思う。でもいつも言えない。気持ちを告白してぎこちなくなってしまうくらいなら、このまま、楽しく話せる距離感を維持していたい。
臆病だなあ、わたし。
窓の外を雪が落ちていく。また降り始めた。わたしは机に頬杖をついて、白に支配されていく校庭を見る。寒がりだから、冬はあんまり好きじゃない。なんとなく寂しくなるし。遊びに行くのだって大変だし。
早く帰って家で温まりたかったのに、長引いた委員会で、先生にさらに用事を言いつけられてしまった。
やっと終わって下駄箱にたどり着いたのに、雪の勢いがますます強くなっているのを見て、がっくりしてしまう。
「はあ」
誰もいないと思って、ため息を落とした。すると名前を呼ばれた。びっくりして顔を上げると、大地がわたしを見て立っていた。
もうとっくに帰ったもんだと思ってた。
大地が見るからに雪を嫌がってるわたしを見て笑った。わたしは言い返した。また笑われた。
大地の手は寒さで白くなっている。マフラーも手袋もないなんて信じられなくて、見ているだけでこっちが寒くなって、わたしは自分の手袋を大地に貸してあげた。
サイズは少し大きめに作ったので、大地の手でも十分に温めることができた。大地は温かいと喜んだ。ほら寒かったんじゃん、ってわたしも笑った。
わたしはマフラーを少し引っ張って、首元をしっかり隠して外を見据えた。大地はわたしの隣に立って、鞄をゴソゴソ探っている。
飴でもくれるのかな、と期待した。それより、わたしの方こそ、この手袋を大地にあげてしまおうか。でも持って帰られて、不格好さに気づかれたら恥ずかしいな。
ちらちら見ているわたしに気づいて、大地は仕方ないなあと言った。はてなを浮かべるわたしを置いて、先に外へ立った。
音が消える雪の中で、バサリと傘が開いた。ほろほろと白が振り落ちていく外で、大地は黒い傘を差して、わたしに入っていけよと言った。
家まで送ってくれるという大地に甘えて、わたしはその傘に入れてもらった。肩が触れ合って、少し歩きづらくて、静寂の中で、大地の声しか聞こえなくて、緊張した。
世界が遠ざかる。わたしたちだけしか存在していないみたいだ。大地の声にもどこか硬い響きがある。言いたくて言いたくてしょうがない言葉が、喉まで出かかっている。
傘は持ってるんだね、とおどけたら、大地が止まった。つられてわたしも立ち止まった。見上げた先にある大地の瞳が、真剣な色を映している。
相合傘
「あ、雨だ」
「えっ、私傘持ってない」
「入る?」
そんなやり取りをよく友達としていたのを思い出す。
私が貸すことも、借りることもあった。
結局、家につく頃には二人とも濡れてたっけ。
でも、楽しかった。
二人共傘があると、距離があいて話しづらいけど、
相合傘ならいつも通り話しながら帰れるから。
一つのものと一つのものがそこにあれば、必然的に二つになる。どれだけ小さな子どもに問うたところで、この答えは変わらない。
だがしかし、一人の人間が想像でもう一人と対面する時、果たしてどうなるだろうか。
消えてしまった存在。目を閉じれば温かさも声も目線も全て思い出せるのに、昨日まで触れられたのに、いなくなってしまった存在。
いつも並んで腰掛けていたベッドにはまだ温もりを残したくぼみがあると言うのに。まるで透明人間になっただけかのように、部屋には生々しさが残っているのに。
ねぇ青兄、俺、1+1も分からなくなっちゃったよ。貴方だけが、足りないよ。
お題:『1+1=1』
相合傘
雨の日の思い出ではないけれど
雪の日の相合傘の思い出がある
春近く
まさかこんなに降るとは
そんなぼたん雪
学校は休みで
生徒の姿は少なく
ましてバスを待つ生徒は
もっと少ない
傘もなく
帽子もない
うつむいて
顔に吹き付ける雪を
避けるくらいしかない
そのとき
そっと傘をさしかけてくれたのは
学年が同じというくらいしか
接点のない男子生徒
顔は知ってる
きっと向こうもその程度の認識
でもきっとわたし
すごく情けない顔して
立ってたんだと思う
ありがとう
うれしい
そんな会話をしたと思う
よく知らない男の子と
予期せぬ相合傘
ときめきより
情が身にしみた
そんな雪の日の思い出
相合い傘、、、そもそも、傘自体、最近はあまりさしていない。最後にさしたのは、いつだったか――数ヶ月前ではないか。今年に入って、さした覚えが、ない。
しかし、相合い傘とはまた、僕と無関係なお題だ。一度だけ、友達の傘に無理矢理入ったことがある。、、、とても小さな傘だった。別に、相合い傘=恋愛ではないのだ。
では、なぜ相合い傘が恋愛と結び付けられるのか。僕には分からない。
――もう、考えるのは、やめよう。