相合傘
雨の日の思い出ではないけれど
雪の日の相合傘の思い出がある
春近く
まさかこんなに降るとは
そんなぼたん雪
学校は休みで
生徒の姿は少なく
ましてバスを待つ生徒は
もっと少ない
傘もなく
帽子もない
うつむいて
顔に吹き付ける雪を
避けるくらいしかない
そのとき
そっと傘をさしかけてくれたのは
学年が同じというくらいしか
接点のない男子生徒
顔は知ってる
きっと向こうもその程度の認識
でもきっとわたし
すごく情けない顔して
立ってたんだと思う
ありがとう
うれしい
そんな会話をしたと思う
よく知らない男の子と
予期せぬ相合傘
ときめきより
情が身にしみた
そんな雪の日の思い出
6/19/2024, 10:27:11 AM