ハリ

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8/14/2024, 11:14:31 AM

自転車に乗って

自転車に乗ってどこまで行こう
軽くペダルを漕いで
ぐんと進んで風を切る
どこまでだって
行ける気がする

今は軽々乗れる自転車も
初めての時は
それはもう大変だった
練習場所を求めて公園へ
でもそこまでの道のりに
いたのだ
犬が
大きな犬が
しかも牙をむいて吠えるやつ
小さな頃の私は
自転車を押しながら
怖くて怖くて
泣いて泣いて
結局公園へ行けなかった
お母さんになぐさめられて
泣く泣く家に逃げ帰った
それからずっと
大きな犬も
自転車も苦手になった
だから
自転車に乗れるようになったのは
中学生になってから
高校は自転車通学
時間に追われ大爆走
おかげで得意になりました
でも大きな犬は
まだちょっと苦手

6/19/2024, 10:27:11 AM

相合傘

雨の日の思い出ではないけれど

雪の日の相合傘の思い出がある

春近く
まさかこんなに降るとは
そんなぼたん雪
学校は休みで
生徒の姿は少なく
ましてバスを待つ生徒は
もっと少ない
傘もなく
帽子もない
うつむいて
顔に吹き付ける雪を
避けるくらいしかない
そのとき
そっと傘をさしかけてくれたのは
学年が同じというくらいしか
接点のない男子生徒
顔は知ってる
きっと向こうもその程度の認識
でもきっとわたし
すごく情けない顔して
立ってたんだと思う
ありがとう
うれしい
そんな会話をしたと思う
よく知らない男の子と
予期せぬ相合傘
ときめきより
情が身にしみた
そんな雪の日の思い出

5/26/2024, 8:50:50 AM

振り止まない雨

さぁー
さらさら
ざあざあ
瀧のそばに
マイナスイオンが
満ちていると言うなら
雨の日はマイナスイオンに
浸かるいきおいにちがいない
ちょっと湿度で
ベタベタしたり
海から魚臭い匂いが来たり
靴と靴下がやられたり
肩と鞄、どちらも守れなかったり
するけれど
雨に濡れたハリエンジュの花が
甘い香りを降ろしてくるから
太陽に疲れた野菜の苗が
元気をとりもどすから
雨は嫌いじゃない
振り止まない雨は困るけど
次の晴れ間まで
しばらく
この水音に耳を傾けたい

5/10/2024, 10:32:46 AM

モンシロチョウ

蝶モチーフは好き
遠目で眺めるチョウチョもOK
花から花に飛び交うのもまあ許そう
できれば小さめならいいかな
近くを飛ぶのは避けるかも
大きいやつは確実に避けます
間近で見るのはご遠慮願いたい
たまごも幼虫もサナギもアウト!
ひらひら優雅に飛んでるけど
虫、虫ですから
粉っぽいのも華麗に避けたい
キャベツに穴あけられるのも
切ったときに出会っちゃうのも
なんならやっちゃったのは
もうトラウマ
いや、うん、遠目でお願いします

5/10/2024, 10:16:10 AM

忘れられない、いつまでも。

人間は忘れる生き物だから
忘れちゃうのはしょうがない
忘れちゃ困ることは
メモを取ったり
何度も繰り返し確かめたり
いろいろがんばるけど
大事なことに限って
どうして?ってくらい簡単に
忘れてしまうことがある

忘れたくない思い出だって
大切に大切に
繰り返し思い返しているはずなのに
ほんのりぼやけてしまったり
微妙な思い違いをしていたり
つまり
忘れちゃうし勘違いしちゃう生き物なのだ

なのに、忘れたいことに限って
臨場感たっっぷりに、よみがえる
事細かにその時の感情の揺れもそのままに
悲しみも悔しさも恥ずかしさも
いろいろ、いろいろ込めて
あああ〜
ってなるから余計に

忘れちゃう生き物のはずなのに
忘れられない
そう、いつまても

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