『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
相合傘。
それはもう2度とすることは叶わなくなってしまった。
なぜって? 僕……彼女と喧嘩してしまったんだ。きっかけは愚かな僕には到底分からない。何があの子を怒らせてしまったんだろう。
とぼとぼと1人雨の中、涙を雨で誤魔化すように、濡れながら歩く。
流石に寒くなってきたので、公園で雨宿りをする。……何してるんだろ、僕。
「そんな所で何やってんのよ!?」
聞き間違えようのない声。振り向くと彼女が立っていた。
「えっ、どうして、君がここに」
嫌われて、呆れられて。もう彼氏ではなくなったのではないかと。そう言うと、
「……その言葉を聞いてたった今呆れたわよ」
さあ、一旦私の家にいきましょ、ここから近いし。と僕の腕を引っ張る彼女。
いつの間にか雨は止み、雲の隙間から光が差し込む。僕のぐちゃぐちゃになった顔が露わになった。
「なあに、泣いてたの?」
「……別にっ」
結局、今日は相合傘をすることは無かったけど。またチャンスはやってきそうだ。
自習時間という無法地帯、黒板に書かれた相合傘。
あちこちからあがる冷やかしの声と、誰が止めるのかという戸惑いの視線。
ある男子が得意げにチョークを持つと、そこに書き込まれた名前は…
体育教師と、担任の先生の名前。
黄色い歓声に、隣のクラスから苦情が来るまであと数秒_______ていうかなんでアイツそんなこと知ってんだ_____
「相合傘」
題名『桃色の傘と透明の傘。』
あれは紺色の雨の日だった。
息が涼しい。そう、泣き過ぎてしまった日。
ぬくぬくとした初夏の雨を独りで受けていた。
今日は大切なサッカーの試合日。
なのに、雨が邪魔をした。
憎くて、ぶつける所が無い。
元々うちは弱小校。
雨が降ろうが、降らまいが負けていたはずだ。
なのに、何故雨では無い雫がポロポロを落ちてくるのか。可笑しいな。
独りで受ける雨は、監督からの助言の様に優しく監督の一喝の様に痛かった。
小さい子が母親らしき人に手を引かれて、『雨、雨、降れ、降れ、』と歌っている。
憎いな。憎いな。
他のチームメイトも同じ気持ちなのだろうか。
いつもへらへらしていて、真面目に練習をしない彼奴も。
いつも転けてばかりで何の役にも立てないと泣きそうな顔で話していた彼奴も。
サッカーボールすら蹴れない怪我を追ってベンチで唇を噛んでいた彼奴も。
皆そうなのだろうか。
ふと、爽やかな匂いが鼻を着く。
『先輩、傘は一体…、?』
右手に握られた透明の傘を見乍、彼女は桃色を傘を差し出した。
『…、悔しいですね。私も、先輩方がゴールに走って行く姿を見たかった。』
『否、元々弱小校なんだからどうせそんな事出来無いよ。きっとな。』
そう言うと彼女は口を閉じた。
目を伏せて、また口を開き『そうですか。』と零した。
右手に握られた僕の透明傘は役に立たない。
彼女の桃色の傘は、優しくて、寛大な彼女の心に似ていた。
2023.6.19 【相合傘】
相合傘
相合傘といえばドコモダケ。
夫婦でお出かけできたのだろうか。
うらやましいけど、夫婦で無事にお出かけできた事を想像できただけでも嬉しくなる。
人の幸せはこうも自分も幸せにしてくれるから有難いし、何よりも嬉しい事だと私は思っている。
今も離れた娘の幸せを願っている。
側に行ってハグしてあげたい。
だけど、他にも仲間がいると信じてるから内心安心している。
いつか必ず会いに行くからね。
それまでに私は強く鍛えなければならないね。
あの頃を取り戻すまで。
弱くても受け入れてくれるか心配だけど、うちの娘がいるから本当に助かっているよ。
子供たち同士で会わせる機会をいつか出来たらいいな。とずっと思っている。
いつまでも。ずっと。
『相合傘』
消しゴムに好きな人との相合傘を書いて、誰にも見られずに使い切ることが出来たら両想いになれる…と、いう、おまじないを思い出しました。
青春ですね。
他に書くことないので、詩にします。
『相合傘』
傘ひとつ あなたと歩く帰り道
雨音までも 恋のメロディー
気遣って 濡れてる肩が切なくて
「ここでいいよ」と 駆け出した
束の間の 相合傘の帰り道
染まった頬を 雨が隠してくれまいか
「相合傘」
学生時代はチャリ通で
社会人以降はマイカーで
そもそも傘をさす機会が少ない人生
相合傘に夢見ることも無し
ちなみに車の中には傘は2本くらい置いておくよね
しあわせの象徴、、?
それとも、、。
あなたとのしあわせな日々を思いながら
ひとつしずくが落ちた。
#5
僕の片方の肩、濡れてもいいんだよ
君の上だけはさっぱりと晴天でいてほしい
それだけで僕は嬉しいんだよ
本当だよ
今日の予報
雨だったのに
なんで手ぶら?
ポツポツポツポツ。
あぁ
いよいよ
降ってきた!
わたしの折り畳み傘に
一緒に入る。
ボツボツボツ!
ただでさえ
狭い傘の中
あなたの顔が
こんなに近く。
一生懸命
雨すごいねー。
傘持ってて
良かったー。
って話を振って
ドキドキを
誤魔化しちゃった。
#相合傘
テーマ:相合傘 #218
急に降ってきた雨。
思わず傘を持っていない彼に声をかけてしまった。
傘は一本。
相合傘で彼の肩が当たりそうになって思わず
離れようとしてしまった。
「濡れちゃうよ」
そう言って私の方に傘を傾けてくれた。
彼の気遣いと距離にドキドキしてしまう。
それも私だけ?
私が彼を見ると赤くなった耳が見えた。
私は視線を前に戻した。
この雨が止まなければ、
彼とずっとこうしていられるのかな……
家までの距離がもっとずっと遠くだったら、
もっと彼と一緒にいられるのかな……
【 相合傘 】
「やっほー待ってたよ♪相合傘⋯今日も入るの?」
『一つ⋯良いか?』
「な〜に〜?」
『お前、雨降る度に傘もって、おなじみのセリフ言ってるけどさ〜⋯その傘、俺の傘だ!!』
「バレたか♪」
『はよ返せアホ妹!!』
「キャー♪⋯お兄ちゃん怒ってる〜怖〜い♪」
ε≡≡ゴルァァヽ( `Д´)ノε≡≡\(≧∇≦)/キャー♪
テーマ【相合傘】㉕
相合傘
距離が近い…近すぎる…
雨の中で2人きりなんて夢見たい
特別感しかないよ、、
…このままずっと居たいなんて思った自分はばかですか?
この時だけ、あなたの横顔がいつもよりとても綺麗に見えた
ぼくは戸川 日向。中学三年生。
今日はぼくが好きな冬水 百さんと一緒に帰れることになった。
いつも以上に上機嫌だった。
体育の後で、教室へ戻ろうとした時、勢いあまって廊下で派手にずっこけた。
たくさんの人に見られたし、痛かったし、恥ずかしかったけど、君が笑ってくれたのを見ると、「もうなんでもいいや」ってなっちゃったよね。
下校時刻。君と校門の前で待ち合わせた。
「ごめんね戸川さん、傘使わせてもらって」
「いや、全然いいよ」
その日、百さんは傘を持ってこなかった。いや、持ってきていなかった。
一緒に帰ろうとしたそのとき、急に雨が降り出した。
(これはチャンスだ)
そう思った。
ぼくはちょうど傘を持ってきていたので、きみを傘の中に入れると、濡れないように引き寄せあった肩が、歩くたびに少しだけ触れる事に毎回ドキドキしたんだ。
「戸川さんそっち濡れてない?大丈夫?」
「ぼくはいいんだ、冬水さんは大丈夫?」
「うん。ありがとね」
いろんな話をした。最近こんなことをした、面白い夢を見た、あの先生のこんなところが嫌だ、なんていうどうでもいい話題ばかりだったけど。
それでもぼくは、幸せだった。
その日ぼくは、自分が女の子だと告げた。
きみから何を思われてもいい。気持ち悪がられたっていい。
ただ、女の子のぼくが女の子のきみに好きだと言えたら、それでよかった。
今ではぼくの事を理解してくれて、恋人になってくれたきみを、隣に立ってくれたきみを、
ぼくは、大好きなんだ。そして、愛しているんだ。
「ねぇ、ひなちゃん。だいすき!」
「うん、ぼくも。ももちゃんだいすき。」
_2023.6.19「相合傘」
お題『相合傘』
街でマドレーヌを買い、菓子屋を出ると雨が降っていた。
「主様、傘に入ってくださいませ」
店の軒先で傘を広げたところ、主様は眉間に皺を寄せて何かおっしゃっている。約50センチの身長差にざあざあという雨音が加わり、主様が何をおっしゃっているのかさっぱり聞き取れない。俺はしゃがんで主様の目の高さまで降りた。
「いかがなさいましたか?」
「今日も傘、一本しかないの?」
「はい。そうですが……」
主様さえ濡れなければ俺としては何も問題はないので、雨の予報を知っていても傘は一本あれば十分だと思っていた。しかし主様にはそれが気に入らなかったらしい。
「私はフェネスに濡れてほしくない。だって風邪ひいちゃったら大変だもん」
頬を膨らませている可愛らしい主様に、俺は「大丈夫ですよ」と微笑みかけた。
「主様が風邪をひいてしまう方が大変です。それに俺は風邪を引くほど弱くないので」
そう言ったタイミングで鼻がムズムズして、くしゃみをしてしまった。
「ほら、大丈夫じゃないじゃないの。フェネスが寝込んだら私が悲しい」
頑なに動こうとしない主様だけど、雨もしばらくは止みそうにない。うーん、どうしよう……。
……あ、これならばご納得いただけるかもしれない。
「それでは主様は傘を持っていただけませんか?」
「だから、フェネスが濡れるのが嫌なんだって」
「ええ。ですからいいことを思いついたので、俺に任せてください」
俺は主様を腕に抱き抱えると、主様のお腹の上に焼き菓子の袋を置き、それから開いた傘を持っていただいた。
「これなら主様も俺も濡れません」
俺に抱っこされた主様は傘と俺を見比べてている。
「こーいうの、あいあいがさ、っていうの?」
「俺なんかと相合傘はお嫌でしょうか?」
すると、きれいに結われた三つ編みがふるふると揺れる。
「どうせなら馬車まで遠回りして帰りたいなっ♪」
むしろご機嫌といったところらしい。俺はその提案を受け、最短の大通りではなく一番遠回りとなる路地裏を選ばせていただいた。
「相合傘」
あめ。
かさをはんぶんこ。
となり、くうせき。
あ、あのひと
あめふってる。
あめがやむまで
おとなりどうぞ。
はれ。
よかったね。
わらいあって、またね。
あめ。
かさをはんぶんこ。
となり、くうせき。
あめのひとは
いないみたい。
よかったね。
わらって
かさをくるくる。
なみだあめのあいあいがさ。
はれるまで、おとなりどうぞ。
-相合傘-
相合傘は、恋愛のイメージが強いが
別に恋愛じゃなきゃいけないという規則はない
雨の日に傘をさして相合傘をしているが
別に雨の日以外でも傘は傘でも日傘で相合傘してもいい
若者同士で楽しく傘をさしているが
別に男女老若で仲良く相合傘をしてる場面はある
自分は相合傘、好きですよ
だって
『相合傘は素晴らしい組み合わせみたいで__とても、素敵なことですからね』
よし、帰ろう。
あれ、雨が降ってる。
降水確率0%だったのにな。
傘持ってきてないよ。どうしよう。
あ、片思い中のあの子が帰ろうとしてる。
バッグからは花柄の可愛い折りたたみ傘。
どうしよう。帰り道は同じだし。
これは神様がくれたチャンスだ。
「傘忘れたんだ。一緒に傘入れてくれない?」
すごい勇気だ。もうどうなってもいい。
彼女は微笑みながら言った。
「いいよ」
黒板に書かれた落書きの相合傘。
そこには私と彼の名前が。
男子たちが冷やかしで書いたのだ。
私は恥ずかしさで前を向けなかった。
「お前ら、何やってんの」
彼が笑っている男子たちに一言。
『相合傘だよ。お前らってそういう関係だからな』
くすくすと笑う。
ああ…。もう、早く消して。
「……カッコ悪。てかこれ、書き方ちげーし」
そういうと彼は、傘だけを消し
私にだけ傘をさすように書いた。
『お前、相合傘じゃねーじゃん』
「は?これが本当の相合傘だよ」
「2人でさしたら絶対雨で濡れるだろ」
「男が女の子に風邪ひかしてどうするんだよ」
…彼らしい。
…そういう貴方が好きなの。
ー相合傘ー
『相合傘』 No.91
「じゃあ、またね~、アミ!」
そう、言われた。部活の無い友達に手を振り返し、私は部活に向かった。アミがさしたパステルグリーンの傘をみて、
そっか、雨なのか。
と今更気付く。それは冷たくて、鋭い雨が容赦なく校舎に打ち付けていた。
部活でぼーっと、水滴が滴る窓を覗いた。ここ三階から見下ろす中庭は雨によりぐちゃぐちゃで、緑生い茂る木々も灰色に見えた。そこに、ぽつぽつと生徒の影が映った。中庭によく生徒が溜まって話すのだが、やはり雨と言うことにより、いつもより少ない。そこにひとり、見覚えのある男子がいた。
─…橋屋くん。クラス替え当初、「はしや」と読むのに時間がかかったから、よく覚えてる。目元の凛とした、静かな人だった。校門には向かわず、中庭の中央の屋根付きベンチで、誰かを待っている。
そんな橋屋くんは、雨が似合う、と思った。
「…み!─アミ!!アミの番だよ!」
「あっ、!」慌てて楽器を口に付ける。
吹きながらも、後頭部で橋屋くんを見ている、そんな気がした。
部活が終わって、靴を履き、傘立てから傘を抜こうとしたときのことだった。
「…ない…?」
私のビニル傘がない。朝、ちゃんと握ってきたのに。ああ、どうしよう。今日はお母さんが早く帰ってこない。連絡しても…無理だ。
いっそ、濡れて帰ろうと鞄を頭に乗っけた、その時だった。
「…柳井」
一瞬、どきっとした。聞き覚えのある深い声。しっとりとした、雨のような響き。…この声は…
「─橋屋、くん。」
「傘、ないのか…?」
「うん…持ってきたはずなんだけど。」
一瞬、沈黙が訪れた。雨の音だけが校舎に響く。その沈黙を気まずくおもい、気付いたら私は
「…またね。」と発していた。
二、三歩水溜まりをまたいだら、
「…まてよ。」
と引き留められた。
「…冷えるから、ひえ、るから…はいっていきな。」
顔をそらす、橋屋くん。私は目玉が落ちたかとおもった。今、なんて…?
「…ほら。」
黒い傘を片手で広げ、私を誘う。恐る恐る横に入る。さっきから心臓音がうるさい。橋屋くんに聞こえてないかちらりと伺ったが、顔をそらしてばかりでよくわからなかった。
ぎこちなく足を進める。橋屋くんがロボットみたいに一歩進むと私も一歩すすみ、また一歩、という感じ。これじゃ日が落ちる…と思ったら、いつの間にか私の家の前だった。え?と思った。私の家は、学校からかなり遠いはずだ。…あっという間、だった。
「…またな…。」
一瞬目があったけど、静電気にあったみたいにバチッとお互いそらした。
それから、傘から出て家の敷地内に飛び込んだ。静かな足音が後ろを去った後で、もう一度橋屋くんを見返す。橋屋くん、私よりまだ遠いところに住んでるのか。
冷たかったはずの雨が、暖かくなったような気がした。
「ちょっ!狙ったんじゃないんだからね?」
「はいはい」
「"好き"とか、そーゆーのじゃないんだよ?」
「はいはい」
雨の音にも負けない声量って愛しいね。
右肩が濡れない様にと傘を傾けながら歩く下校時刻。
#相合傘