ヨルガオ(短編小説)

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黒板に書かれた落書きの相合傘。

そこには私と彼の名前が。

男子たちが冷やかしで書いたのだ。

私は恥ずかしさで前を向けなかった。

「お前ら、何やってんの」

彼が笑っている男子たちに一言。

『相合傘だよ。お前らってそういう関係だからな』

くすくすと笑う。

ああ…。もう、早く消して。

「……カッコ悪。てかこれ、書き方ちげーし」

そういうと彼は、傘だけを消し

私にだけ傘をさすように書いた。

『お前、相合傘じゃねーじゃん』

「は?これが本当の相合傘だよ」

「2人でさしたら絶対雨で濡れるだろ」

「男が女の子に風邪ひかしてどうするんだよ」

…彼らしい。

…そういう貴方が好きなの。


ー相合傘ー

6/19/2023, 10:34:22 AM