『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「鋏」
雨に濡れながら佇む小さな姿に声をかける。
返事は、ない。
近づき傘を差し掛ける。雨の冷たさがなくなったか、酷く緩慢な動作で傘を見、藤《私》を見た。
「ふじさま」
「このままだと錆びてしまうよ」
「ふじさま」
くしゃりと顔を歪ませて、泣くように笑う。
「いま、ひどいことをおもいました。かさをさしかけるのはあのこがいいと。そうおもいました」
ごめんなさい、と頭を下げる。傘を打つ雨の音が泣くように響く。
「さいしょに、ながきえました。つぎにこえ…いまは、すがたもきえています。もうあのこがだれなのか、わからない」
あの子。ただ一人の望みに応え、一人の終わりと共に消えた妖。
思い出せるものは何もなく、けれども確かにここに『在った』事実だけが残っている。
「わからないのに、おぼえているんです。こうしてあめにぬれていると、かならずかさをさしかけてくれて。ひとつのかさにふたりで。てをつないで。おささまのところにかえるんです……わからないけど、ちゃんとおぼえている」
「在った事はなくならないからね。それが妖だ」
頭を上げた鋏はやはり泣きそうに笑う。
「あやかしはなぜあるのでしょうか?にんげんがいなければ、あることもできない。そのいみはなんでしょう?」
「さあね。藤《私》には難しい事は分からない。でも」
鋏の頭を撫でながら、今まで見てきた人の子らを思い出す。
藤《私》を愛でる人の笑顔を。村に生きる人の声を。村に害なす人の最期を。
様々な人の生を思い出し、人と共に在った妖を想う。
「妖は人と共にあるモノだよ。藤《私》も鋏も人がいるからこそ愛される」
「…あい、される」
「そうだろう。人に愛され大切に使われてきたからこそ、鋏がここにいるのだから」
九十九《つくも》とはそういうものだ。
使い捨てられたならば、こうして妖となる事もない。人に愛されたが故に、こうして在れるのだから。
「そうですね。あい、されてきました。ずっと。ずっと」
呟く鋏の頭をもう一度撫で、そのまま手を繋ぐ。
「帰ろうか」
「はい…かえりましょう」
手を繋いだまま歩き出す。
雨は、まだ止まない。
鋏の求める妖は、傘を差し掛けることはない。
それでも横目に見る鋏の表情は、先ほどよりも穏やかに見えた。
20240620 『相合傘』
「相合傘」
今日は天気が良くないな。ようやく梅雨らしくなってきたといえばそうだけど、どんよりした天気が続くと気が滅入る。
しかも、よりにもよってこんなタイミングで色んな用事ができてしまった。
大量の買い物に、パスポートの更新。
スーパーに行かなくてはいけない原因を作ったのはあいつ───自称マッドサイエンティストだ。
「ボクは!!!おうちでパーティーを開きたい!!!」とか突然言って、色んな料理を作っていたらあっという間に冷蔵庫が空になってしまった。
うちの冷蔵庫は生憎急なパーティーには対応していないんだ。
だからいろいろ食べ物と、ついでに消耗品を買おう。
あ、大荷物になる前に役所に行かないと。
「おやおや!!!お出かけかい?!!ボクも一緒に行くよ!!!ボクはキミ達ニンゲンがどんなふうに町を維持・管理しているのか興味があるのだよ!!!」
……いいけど、あんまり変なことするなよ?
「変なこと?!!失礼な!!!ボクがそんなことをするような存在に見えるって言うのかい?!!」
はいはい。悪かったよ。
「それじゃあ!!!行こうか!!!」
「あ、そうそう!!!傘も忘れずにね!!!」
自分はマッドサイエンティストを自称するこいつと外に出た。
ムワッとした空気に包まれて季節を感じる。
「いかにも梅雨らしい天気だね!!!まあボクは今まで梅雨を経験したことがないのだが!!!」
「そういえば!!!パスポートの更新には収入印紙が必要なのだろう?!!もう購入したのかい?!!」
……しまった。忘れてた。
まあでも役所までの道に郵便局があるからいいか。
自分たちは急遽郵便局に寄ることにした。
収入印紙を買っている間、あいつは楽しそうに中を見てまわっていた。そんなに珍しいものがあっただろうか。
「おや!!!素敵なデザインのハガキだね!!!」
「これを見たまえよ!!!季節感あふれる柄の切手だね!!!」
「なるほど……精巧な印刷技術が使われているね!!!」
あんたのこと見えてるひとがいないからってあんまり騒ぐなよ。
「まあまあいいじゃないか!!!それで、ちゃんと収入印紙は買えたんだろうね???」
「それじゃ!!!お天気が崩れないうちに!!!新しいパスポートを受け取りに行こうか!!!」
役所に行くのは随分と久しぶりだ。
一体いつ以来だろうか。
「この辺りはうちの近所とは少し違う雰囲気だねぇ!!!」
「ほら、見て!!!バラとアジサイが植えてあるよ!!!」
「あっちには……なんだろう……猫?の置物があるね!!!」
物珍しそうに隣ではしゃぐあんたを見る。
何を見ても楽しそうだな。
「そりゃそうだよ!!!なんせ、ボクの管理する宇宙でこれだけの文明が築かれているんだから!!!ボクだって嬉しいうえに鼻高々だよ!!!」
「あ!!!あれが役所だね?!!」
そういや、ちょっと気になってたことがあるんだが。
「どうかしたかい???」
前にあんたの身分証を叩き割ったことがあったけど、あれってどうやって再発行したんだ?
「……気になる???」
「後で教えるから、その前にどんな手続きをするのか見せてくれたまえよ。」
……若干怒ってる気がする。
あの時は悪かった。ごめん。
……必要な書類を持って部屋に入る。
窓口に書類と収入印紙を提出して、パスポートを受けと───
「え!!!ちょっと!!!本当に受け取るだけなの?!!」
「ねえ!!!いつの間に事前の手続きをしたんだい?!!」
「ふむふむ……なるほど……!!!」
「まったく、便利な世の中だねえ!!!」
今の一瞬で何が分かったんだ……?
「公認宇宙管理士の認定証の再発行より相当楽ってことかな。」
「それはともかく!!!今から買い物だろう?!!そろそろ天気が怪しくなってきたから急ぐよ!!!」
ああ、そうだな。
「しかし、キミ達の文明はなかなか進んでいるね!!!」
「まあボクの背負っているものは相当重いから簡単な手続きだけじゃどうにもならないから仕方ないか!!!」
……あ、今腕が濡れたような?
「おっと!!!雨だよ!!!ボクは濡れても平気だが!!!」
急いで傘を開く。あいつは雨にも関わらず平気で歩いてる。
……おい、そういやなんであんたは傘を持ってないんだ?
「雨を浴びたい気分なんだよ……。」
やめろ。この前玄関を雨でびしょびしょにしたのは誰だ?
「さ、さて、誰だっただろうか〜???」
……いいからこっち来い。
「へへっ、これが相合傘というやつだね!」
「キミがこんなことをしてくれるってことはアレだね?ボクのことが可愛くて仕方ないってことだね?!!」
いや、また玄関を濡らされたらたまったもんじゃないからな。
「ふ〜ん???」
キミも素直じゃないなぁ!
本当はボクが濡れて体を壊さないか心配なんだろう?
ま、素直じゃないのもキミらしいが!
とりあえず、今日はこのままキミのそばにいようかな!
相合傘
雨止んでないね。
どうしたの?すごく焦った表情してるけど
え、傘を忘れた…?それは大変だ
駅まで走っていくって…
ダメだよ、風邪ひいちゃうよ!
あなたがかぜをひいてしまったら悲しいよ
ねぇ。よかったら、駅まで一緒の傘を使おう?
遠慮しなくていいんだよ。
相合傘をしていると、君と寄り添えてなんだか雨の日も悪くないなって思えるんだ。
相合傘
同僚たちが、そこそこ降られて帰ってきた。
今は一年で一番いい季節のはずだが、我が国は「一日の中に四季がある」と云われている。つまり毎日晴れ、曇り、雨が降る。すぐに止むし面倒なので、余程のことがない限り傘の出番はない。
「そう言えばウキヨエの雨って直線でくっきり描いてあるけど、日本ってそんなに雨降んのか?」相棒が訊いてきた。
「暮らしたことはないから分からないけど…親が云うには、この時季は矢鱈に降るらしい。傘が無いと無理だって」
自分の両親は傘のおかげで結婚した。土砂降りの日に傘を盗まれた母に、同じ研究室の後輩だった父が勇気を振り絞って傘を差し出したところ、「相合傘なら」と言われて駅まで五分だけ歩いた。やがて二人は結婚し、母がこちらの大学に招聘されて一緒に移住したという訳である。
「ま、アイアイガサって言葉には、恋人同士がすることみたいなニュアンスがあるらしいんだな」
「おかげでお前が生まれた訳か」
「そうそう」
顔を上げた途端、上司と目が合った。帽子を被らない人なので、相棒というより「お付き」の新人君が濡れた髪を拭いてやっている。いつも通りネクタイなし、シャツは第二ボタンまで開いている。何と言うか、「すごく粗略に扱われた綺麗なお人形」といった雰囲気の人である。真顔で見られるとちょっと怖い。
素材はいいのにここまで身なりがひどいのは、何か心身に問題を抱えているのでは、と割と心配している。
翌日、上司の机には徹夜で書いたと思しき始末書があり、その上に傘が横たわっていた。外に出なかったので、傘の出番はなかった。
その翌日はみんなで聞き込み。上司は手ぶらで出た。後に従う新人君が、無言で傘を持って行く。
「アイツは従者としてすごい優秀な気がする」
「わかる。この勢いで犯人をボコるのもやめさせてほしい」
傘の出番はなかった。
傘を運ぶ儀式だけが続き、大した雨が降らないまま一週間。
今日は結構降っている。
お出かけにあたり、上司は自ら傘を持って行った。興味深いので、入口が見える窓まで移動する。
「働けや」
「ちょっとだけ」
少し経って、二人が、正確に言うとかなりデカい男と開いた傘が出てきた。上司は新人君の肩までしかないので、新人君が支える傘に埋もれている。
デカいのと傘はそのまま動かない。
「予言するけど我等が上司、すげえ不機嫌で帰ってくると思う」
おそらく「自分は風邪を引きませんから」とか言っているのだろう。いいから入ってやってくれ。
「勘弁して。あ、タクシー乗るわ…いいなあエラい人は」
「良くない。とりあえず報告書を仕上げよう」
「急にやる気出たな」
「危険を察知した」
その後、傘が上司の机に置かれることはなくなった。
新人君のロッカーに同じ傘が常備されていることに皆が気づくのは、しばらく後のことである。
ちなみに、相合傘の二人はまだ目撃されていない。
頭を傾けて空を伺う、その裾を引いた。
濡れるから、と引き込んだ傘の下、
僅か泣きそうに表情が歪んでいた。
雨が降ってるよ、と震える口元、
そんなの良いからとその目を覆った。
まだ降っているんだよ、と傾く頭、
それでも良いからと掬い上げた。
そんな事言うから、そんな事言うから、
ほら、罰が当たってしまったよ、と。
水溜りに泥を染めて、表情が消えていく。
可愛い可愛いてるてる坊主、
頸を落とされ雨に沈む。
‹相合傘›
(相合傘)(二次創作)
ぽつりぽつりと降り出した雨は、あっという間に篠突く雨へと様相を変える。年中雪しか降らないナッペ山で暮らしていると、雨への対策はおざなりになりがちで、結果、グルーシャは立往生を強いられていた。思い返せばこの街に着いた時点で、既にどんよりとした曇り空であった。雨のハッコウシティは、どこか静かに雨音を響かせている。
(参ったな……)
悪天候時、タクシーも呼べず、打つ手が無くなってしまった。ちょうど休業中のお店の軒先で雨宿りが出来たはいいものの、これ以上何をしようにも動けない。もし今いるのがテーブルシティであれば、たとえば通りがかった知り合いの傘に入れてもらうのも一案だが。
(知り合いなんて、チリさんなんだけど)
「呼んだ?」
「!!」
心臓が止まったかと思った。声に出していないのに、まさに目の前にチリがいる。だが、どうやら傘は持っていないらしい。なあんだ、とグルーシャは息を吐く。
「傘、持ってたら入れてもらおうと思ったのに」
「えー、相合傘ってやつ?自分、意外と乙女チックなこと言うんやな」
「乙女チックって……下心がないとは、言わないけど」
雨はまだ降り続いている。結局、ただ軒下の雨宿りが二人に増えただけだ。チリはジムリーダーと打合せがあり、昨日からハッコウ入りしていたと話す。イッシュ地方の学校への特別講師派遣の件だとか。そういえば、グルーシャにも同じ話が来ていたのを思い出す。チリではなく、リーグ職員がナッペ山に打診に訪れていた。
チリは引き続き、仕事のことからバトル、他愛ないことまでべらべらと喋っている。傘を口実に触れ合うことは出来なかったが、退屈を凌ぐのには十分な成果だろう。知らず知らず、グルーシャは小さく微笑んでいた。
今日はすごい晴れている
だから気分がめちゃくちゃ良い!
と思っていたが、、
なんでこんなに雨が降っているんだよー!! ( 怒気味
誰も居ない下駄箱でおもいっきり叫んだ
今日はたまたま部活が長引いたのだ
なのになんでこんな時に限って
雨が降っているんだ、、
おまけに傘も持っていない
最悪すぎんだろ!!
もう誰かの傘勝手に借りようかな、
ばれないだろ!
そう傘を取ろうとしたら
誰かがやってきた
怒っていなさそうだから
あいつの傘ではなさそうと思った
その時、
そいつがこっちに、やって来て
どう、いましたか?
と
恐る恐る聞いてきた
あー、
ちょっと傘が無くってねー、、
どう答えようか迷ったが
正直に答えた
自分偉いッ! ((
なら
一緒に帰ります?
、、傘あるので、
え?
あ、ありがとうございます、
礼儀正しく御した
いえ、
あの、先輩、、です、よね?
あ、
た、多分?
なんで疑問形なんですか?
まあ良いですよね?
、、、
てか、自分後輩なので
先輩は全然タメ口でいいんですよ?
あー、
自分タメ口なれてなくって、、
てか君も全然タメ口でいいよ?
! ありがと!
てか先輩!傘無いんだよね?
だったら自分と行きましょう! ((
えっ?え?
早くしないと雨が強くなって来るよ!
え?傘2本持っているんじゃないの?
え?そんなこといつ言いました?
あっ、
ありがとう!じゃあ一緒に帰りますか!
うんッ!
道確か同じ方向だよね、
家までは知らないけど
行こー!
おぉー?
_________________________________________________
そうして自分とこの後輩は
相合傘しながら無事帰りましたとさ!
めでたしめでたし! ((
お題_相合傘
_相合傘_
下校時刻、突然降り出した土砂降りの雨に私は呆然と突っ立っていた。
朝、お母さんから「今日、小雨だけど雨降るらしいよ〜、傘持っていけば?」って言われたけど、自転車通学だったし、小雨程度なら大丈夫だろうと、「ん〜、大丈夫。」で、流してしまった。折り畳み傘くらい持ってこればよかった。
雨宿りしようと雨が止むまで外をボーっと見ていると、ふと後ろから声が聞こえた。
「なにやってんの、ユキ。」
「んぇっあ、フユくんか。」
幼馴染のフユが私に声を掛けてきた。名前が"雪"と"冬"で、
初めて会った頃に似てるねって笑い合った時から徐々に仲良くなっていき、今じゃ親友と言ってもいい仲だった。
「いやぁ〜傘忘れちゃってね。」
「はぁ?天気予報観なかったのかよ。」
「えへへー…。」
フユくんは、呆れたように私を見ては、思いついたように言った。
「ったく、俺の傘入るか?」
「えっ、い、いいんですカ。…いやでもなんか悪いよ…。」
「なんだよ、まぁ嫌なら仕方ないな。じゃっ」
そう言って帰るそぶりをしたフユくんを私は全力で引き止めた。
「ま、まってまって、分かりました入れさせてください。」
「ふふーん、いいだろう。」
うぐ、うざいな。
「…はい、濡れたらごめん。」
「えっや、私が入れてもらってるんだから私が濡れなきゃいけないんだよ?」
「は、なに言ってんだよw」
最近、一緒にいる時間が少なくなったからちょっぴり照れくさいなぁ…。
「…最近一緒にいる数が減ったよな。だから、今話せてちょっと嬉しいかも。」
「えっ、私と同じ事考えてて笑うんだけど。」
「まじかw…なぁ、明日お前のクラス行くわ。」
「ん?まぁいいけど、私に会うためだけに?w」
「いや、そうだけど。」
「へ、あ、わかっ、りました…。」
なんか即答なのも、ちょっと照れるんだけどっ。
その後彼の傘で相合傘をしながら私の家まで送ってくれた。
…改めて優しい彼だなと思った。
ロビン「トラ男くん…1つ聞いても良いかしら??」
ロー「…何だ」
ロビン「さっきからトラ男くんにくっ付いて離れないそのお人形さんは何かしら??」
ウソップ「あぁ!!そういえばずっと気になってたんだよな本当にそれなんだ??」
ロー「俺が知るか…!!」
人形(フリップボード)『ガーン(꒪д꒪II』
ロビン「ショック受けてるわよ??」
ウソップ「なんか可哀想だな…」
ロー(なでなで)
人形『ローさ〜ん私もう子供じゃないよ〜??』
ロー「おもちゃに年齢とかあるのか??」
人形『たっ…確かに今はおもちゃだけど、元々は人間何だからな!!』
ウソップ「はぁ!?それってどういう事だ!?」
ロビン「確かにあなた以外のおもちゃは喋るからまだ分かるけれどあなたは何故喋らないの??」
人形『私がおもちゃになっても余計な事を言ったからその口封じって所じゃない??』
ロー「余計な事って何だ」
人形『別に??私はただアイツらに現実を突きつけてやっただけよ』
ロビン「あら、それってどういう意味かしら??」
人形『アイツらに「私は知ってるんだぞ!!此処に居る全てのおもちゃ達は全員元々は人間なんだって!!私達が忘れてるだけ何だって!!」って、そしたら口を塞がれた状態でおもちゃにされちったんだよね〜ww』
ウソップ「いや笑い事じゃねぇだろ!!」
ロビン「なんであなたは知っているの??」
人形『別に私だけが知ってるんじゃないよ。おもちゃ達は全員知ってるさ。』
ロー「ならどうして反発しないんだ??」
人形『みんな怖がってんのさ。おもちゃじゃない人達に「壊れた」と認識されたらスクラップ行きだからね。』
ウソップ「まっ…!!まさかスクラップ行きにされたら死ぬんじゃねぇだろうな!?」
人形『それは分かんない』
ロー「誰か疑問に思った人はいねぇのか??」
人形『それも分かんない。私が目視で確認した限りではあなた達だけだよ、疑問に思ったのは。』
終わり!!
「濡れるよ。入れば?」
照れも焦りもせず君が言った。ぼくのほうがこんなに真っ赤になって恥ずかしい。
「……ありがとう」
「どーいたしまして。ね、アンタのほうが背高いんだから持ってよ」
ずい、と君は傘の柄の部分を押し付けてくる。言われるがままそのとおりにした。その際なるべく右側に傾けて傘をさすけど、そのことがすぐにバレて僕は怒られる。これじゃ意味ないでしょバカ、だって。
意味はあるよ。有りすぎだよ。こんな展開誰が想像しただろうか。ここ最近僕は何か正しい行いをしただろうか。何か徳を積むようなことを実践したのだろうか。全くもって自覚がないけど、多分神様が僕の何かを見てこんな展開にしてくれたんだと思う。
「あーあ。明日も雨だって。サイアク」
「仕方ないよ、梅雨入りしたんだから」
「……アンタ少しは冗談とか言えないわけ?」
至近距離からジトリと睨まれ僕の目線は行き場を無くす。こんな時に冗談なんか言えるわけないだろ。頭の中では反論しながらも必死に“冗談”を考える僕って。
「だぁから、“雨のおかげで君と相合傘できたよ”とか、言えないの?」
「え……」
だって、それって。
冗談じゃないじゃないか。
事実なんだから、簡単に言えやしないよ。
今日は雨だった。
指の先が冷たくなって赤い。
「あっ!!」
傘が風でこわれてしまった。
本当に今日はついてない、、、。
「あっ!!」
しかもよりにもよって!
いつも私をからかってくる相川が後ろから走ってくる、
どうせ今日もからかってくるんだろう、
そう思った。
だが相川はだまって自分の傘を私に渡して走っていこうとした。
私は相川の袖を掴んでたずねたが、
「返さなくていい。」と言われた。
からかわれるのを覚悟に思い切って、
「私と一緒に入って帰ろ」
と言った。
これは10年前の話。
彼との思い出だ。
そして今気づいた。
「相合傘してんじゃん!!!」
梅雨の時期、相合傘で帰っていた学校帰り
あの頃は気にしなかった人目も、今になっては気にしてできぬ日々
来週から梅雨入りか
好きなあの子に勇気を持って言うか
そう心に決めて朝を持つ
相合傘
靴箱から出る
朝は晴れだったのに今は「ザーザー」となる大雨。
折り畳み傘もっててよかった
そう安堵していたときに視界の右端にうつったのは困り顔をする好きな人。
(傘ないのかな)
(傘がある自分+傘がない好きな人=相合傘できるチャンス!?)
「良かったら途中まで一緒に帰らない?」
「傘!あ…る……し」「どうかな?」
「いいの?じゃあその言葉に甘えさせてもらおうかな」
「うん、いいよ!」
最初で最後かもしれない。
君と僕が2人きりで帰れるのは……。
君にとっては365日の中のある1日の一時。
僕にとっては一生の中で1番大切な一時。
彼女の家の前についた。
「じゃあね。」
「うん!傘ありがと!」
「ううん。気にしないで。」「バイバイ。」
「うん!バイバイー!」
1人で歩いていった先にはたくさんのサクラソウが咲いていた。そんな所で僕は一粒の涙を流した。
「バイバイ、僕の…………。」
最後に言った言葉は今日1番の大雨によってかき消された。
サクラソウの花言葉「叶わぬ初恋」
(創作です)
(おや、予報が当たって帰りは雨になったな)
下校時、こともなげに傘を取り出して、昇降口から出ようとすると、向こうから言い合いが聞こえてきた。
「ん? お前傘持ってきてないのか? 珍しいな。そこまでなら入れてやってもいいぞ? ん?」
「うっ、うるさいわねっ、ちゃんと置き傘してたと思ってたのよっ。ただの思い違いだし」
「ふーん、猿も木から落ちるだな。で? 入ってくのか行かないのか?」
(ああ、いつもの二人だな)
こいつらは、校内ではほぼ誰一人として知らない者など居ない、我が校の名物カップルと言ってもいい。美男美女でもあり、もはや熟年夫婦かと見まがう丁々発止も見ものだ。
そして何より、双方頑なに「付き合ってなどいない」と主張するのだ。こんな面白い状況など今どき漫画でもなかなか無いかもしれない。無論エンタメとして消化してることについては皆正しく黙っているぞ。
せっかくなので、少し続きを追ってみようと思う。くれぐれも、見守っているだけだからな。
「し、仕方ないわね、入ってあげてもいいわ。ほら、早く来なさいよ?」
「はいはい」
案の定、彼君は彼女さん方へ傘を片寄らせ、自分が濡れるのを厭わず守ってあげている。しかしそこはそれ、キュンなどどこへやら、彼女さんは口をへの字に曲げて、
「ちょっと、こっちはいいから、自分が濡れないようにしなさいよ」
と、傘の軸の傾きを正そうとする。そこは彼君も負けじと、
「俺の高さだと、お前もっと雨に当たるぞ? 入れてやってるんだから大人しくしとけよ。それに、制服濡れて、シャツとか透けたら困るのはそっちだろ」
「そりゃあそうだけど……だからって、調子乗らないでよね? たまたま、本当に偶然、方向と時間が同じだったからに過ぎなくて、なのよ?」
「当たり前だ」
☆☆☆
これで、付き合ってないということらしい。いやはや、ごちそうさまでした。
好きな人と相合傘なんて青春してみたいよー、と友達と笑いながら相合傘してたあの時間、最高に青春だった。
(相合傘)
題 相合傘
わかってる わざと忘れる いつもそう
気づいて言わない私も私
わける傘 優しさじゃなくて見栄のため
むしろ濡れてる私に気づかず
金ないからさごまかしたわかってた
あなたもわかって傘をわけること
「相合傘」
傘を忘れた友人がそろりと私の傘に入ってくる。
友人に雨が当たらないよう、風下側を譲った。
わずか数分間の出来事。細かな雨だった。
友人の護衛になれた気分で、私は少し嬉しかった。
湿気でやられた髪のうねりが恥ずかしい
廊下を走って汗ばんだ肌の匂いが恥ずかしい
自分の話す声が恥ずかしい
こんなに近くて自分の全てが恥ずかしい
早くここから逃げ出したいのに、裏腹に
この時間が永遠に続けばいいと思ってる
傘の外には雨の檻
六月の密室で羞恥の刑
◼️相合傘
梅雨の時期は
思い出す
小さい頃
お母さんと手を繋いで
相合傘でよく歩いた事を
わざと水たまりに入って
長靴汚したりして
お母さんを困らせたりしたなぁ
いい思い出
「相合傘」
梅茶々
お題:相合傘
憧れでしかない
いつか恋に落ちたらしてみたい
肩がぶつかって「あっ……」みたいなシチュエーション体験したい
キュンキュンの頂点
〜語彙力とは〜