『目が覚めるまでに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
明日?
明日があるなんて、誰にもわからないよね
だから、
今日、いつも通り目が覚めたことも奇跡だし、
明日、いつも通り目が覚めるかもしれない、それも奇跡
当たり前になってることは
当たり前のように感じるけど
当たり前じゃないよってことを忘れないようにしたい
・・・っていうのも、
明日、
目が覚めたらキレイさっぱり忘れてるんだろうけどね
お題:目が覚めるまでに
カラカラ、からから、カラカラから。
引き戸の開閉音が風鈴の役割を果たすようになってしばらくする。もう時期引き戸は枯れ葉の音に変わる頃となった。
なぜここにいるのか、彼は自覚しないまま白いベッドの上で暮らしていた。消毒の匂い、机上一本の造花、レースカーテンに覆われた窓。この生活に十分満足していた。これといって不安もなかった。異質な安定がこの小さな部屋には存在しているから。そして甚く気に入っているものがあるから。枯れぬ花。数十枚の花弁が大きく広がった、淡いオレンジ色。花の名前も知らず、花言葉も知らない。ただ、形と色が好ましいと感じる。
そよ風に揺れるカーテンの影を映し、また、カーテンを開ければ空の色を含み造花は命を宿す。生きていないからつまらないわけではない。その花自体が生きていなくとも、彼はそこに命を見出し、機微を楽しんでいた。何より、その花はただそこにあり続けてくれる。それが彼にとって共感であり、拠り所であり、心であった。己を知らぬ彼にとって、造花だけが心だった。
カラカラ、カラからカら。コツ、コツ。
硬い革靴が床を弾く音が響く。初めて聞いた来客の音。
彼は白いシーツを眺めながらぼんやりとした不安を抱いた。己を知らぬ彼には、どんな人が会いに来たのか、なんの知らせか、なぜこの時期に初めて来客があるのか、見当がつかないから。
コツコツコツ、こツ、こつ。
戸惑ったような靴音にこれまたぼんやりと視線を上げる。茶色い靴、まっすぐ伸びた背筋、まだどこか幼さを残した顔の輪郭、見開かれた目。息を呑む音が聞こえた。見知らぬ青年が目の前で佇んでいる。
「よかっ、た……よかった、です、目が覚めたんですね。本当に、本当に良かった」
詰めていた息を吐いて、青年は胸をなでおろした。
声をかけてくれているのに、この青年が誰なのか分からない申し訳なさと居心地の悪さ。彼はおずおずと眉を下げて尋ねた。
「申し訳ない、忘れてしまって。名を尋ねても?」
「……わすれた?」
ピタリ。青年は瞬きすらしない。ただ、瞳孔だけが左へ行き、右上へ行き、また下がって左。
彼の言葉は青年を酷く動揺させる結果となってしまった。
──忘れたのですか。忘れたのですか、忘れたのですか!
猛烈な怒りを左手に握りしめ半ば睨みつけるような視線に、彼もまた、困惑していた。そして奥歯を噛み締め覚悟した。その左手で殴られることを。しかしその拳はゆるゆると解けていき、ストン、と指は垂れた。
青年は大量に溜まった涙を拭うこともせず、取り戻した瞬きでぼたぼたと床へ落とし。
「忘れたのですか、せんせい」
震え掠れた声で、先生、ともう一度。
分からなかった。
ふわり、ふわり、カーテンが膨らんでいる。
「……すみません、取り乱してしまって。年甲斐もなく八つ当たりだなんて、まだまだ子どもですよね」
しょうかしきれない。隠しきれずありありとそう示しているにも関わらず、それでもなんとか微笑む青年はとても理性的に見える。どうすることもできない彼にとってとても有り難い人物だった。なぜなら彼は何も分からないから。
「花瓶、借りますね」
青年は花を持っていた。
枯れぬ花。数十枚の花弁が大きく広がった、淡いオレンジ色。
「あなたが好きだと言っていた花ですよ。色、は……あなたに似合うと思って、僕が選んだんです」
花を見ながら柔らかく微笑む青年。
好きだと言っていた花。似合う色。造花。取り替え。水。ぞうか。違う。これは、生花だ。
「キミが」
「はい、先生」
ぼたぼた、カラカラ、からから、カラカラから、コツコツコツ、こツ、こつ、ぼた。ぼた。ぶちり。キラ、きら、こつ。
いつからここにいるのか。もう随分長い間いたような気もするし、たった数日のような気もする。
彼は揺れるシーソーの恐怖を思い出していた。跳ね上がり、宙に浮き、落下する。ぞわぞわ、ストン。何かが抜け落ちていく感覚。空洞。
「はい、先生」
青年は花を持っていた。寂しそうに、哀しそうに、懐かしむように、慈しむように。
「せんせい」
ぼた、ぼた、入り交じった感情で微笑んで「せんせい」と、空洞に水を注ぐように。
青年にとって大切なものを己は忘れているのだと自覚した。不安と期待を中途半端にぶら下げ惑わしているのが己だと自覚した。応えたいと思った。
彼は知った。待っていた。造花だけが心だった。
青年は花を持っている。
■■
水を、入れ替えなければならない。ここのところ、ずっと、行っていないから。あなたが慈しむ、花を、持っていかなければならないと、思っているから。あなたの心を、育てたいから。あなたはこれを、造花だと思っていること、人伝てに聞きました。その造花は、ちゃんと生きていて、あなたが愛した、ダリアです。先生、せんせい、あなたもちゃんと、生きて、いて。けれど僕は、未だ、信じられていないのです。あなたの目に映ってしまう、僕が、どうにかなってしまいそうで、怖くてしかた、ありません。だから、あなたが眠るその頃に、花を生けて、いるのです。あなたの目が、覚めるまでに、僕は、あなたのいる場所へ、赴いて、花を、あなたが愛した花を。せんせい、僕は、怖くて、嬉しくて、怒り狂いそうで、幸せで、心がいっぱいで、あなたになんと言えば良いのか、見つけられずにいるのです。わがままな僕を、あなたは、きっと、受け入れることも、知っているのに。すみません、先生、泣き止み、そうに、ありません。今日、あなたの目が、覚めるまでに、間に合いそうに、ありません。
■■
花を目に映し、息を吹き返すあなたを見て、ベッドに手を付き、身を乗り出そうとするあなたを見て、僕は今日、間に合わなくてよかったと、何度思ったことか。
■■
それはそれは慈愛に満ちた表情で、せんせい、と呼び掛ける。
「愛情のハグも、親愛のキスも、いらないんです。僕は手を握れるだけで」
彼の両手をすくい上げ、手のひらから指先までするすると滑らせ、なぞる。
「いいえ、僕達の関係は、こうして向かい合って、指先に触れるだけで、十分なんです」
そっと、そっと呟いた。囁く声は願いか、祈りか。
この青年を抱きしめてやらねば、とは、不思議と思わなかった。指先だけで十分だと、この青年の慈しみだけで十分だと、いやというほど伝わってくるから。それに応えたいと思う。
彼はそっと指を曲げた。
貴方が遠方へ出かけてしまう前に、
私は、周りを華やかにしておきます。
大空を羽ばたいた雲の色をした、
白い花が良いですか?
貴方と行った向日葵畑の色をした、
黄色い花が良いですか?
貴方の元気な笑顔から溢れる色をした、
元気な緑色も入れますか?
全部、全部、貴方の周りに。
どうか、貴方が遥か遠くに行くため
“目覚めるまでは”、
ゆっくり、休んでいてください。
私はすぐに、
貴方に会える気がしてなりません。
貴方の愛人なのですから、
もし会えたら、
あの笑顔で、私を迎えてくれますか?
決して、まだ来ないで欲しかったと
言わないでほしいです。
きっと、それは
私なりの愛情表現ですから。
愛しています。
【目が覚めるまでに】#5
私は目が覚めるまでに
幸せになる
この夢の中で絶対に
幸せになるんだ
現実では叶わないから
夢の中で
でも無理だった
今日も叶わなかった
いつもいいところで目が覚めてしまう
この前なんて悪い夢を見た
もう少し頑張ってる
〈目が覚めるまでに〉
「さあ、目が覚めるまでにここを出てしまわなくては。」
もう何年も前になる。母を亡くして日が経った頃、僕はひと夏をプラハで過ごした。仕事の都合という言い分で、父が僕を連れ出したのだ。
プラハは美しい場所だった。
太陽の花々と新緑が抑えられない幸福のように溢れかえり、石畳の街角にエメラルドの影を落とす。
雄大なヴルタヴァ川が古都の風を運ぶ、伝統的な
硝子細工のような城下町。流れる雲の一筋すら、
慈しみたい思いにさせられる。
だけれど10才だった僕には、そのどれもが退屈にみえた。年の割にこまっしゃくれていて、同い年の子どもたちの感性を冷めた目で見つめている、そんな子どもだった。
だから、旧市街で父とはぐれてしまっても、それが「迷子」だという認識はなかった。取りあえずここいら辺りにいれば万事ないだろうと、見知らぬ外国の土地であっても噴水の広場をふらふらしたりなんかしていられる余裕すらあった。僕に迷いはなかった。
観光客に混じってしばらくそうしていたが、父の姿はいっこうに見えない。燦々と照りつける太陽が そのうち暑くなってきて、僕は涼もうと古びた石の教会に入った。いつもは閉めきられている扉だが、その日はなぜか隙間ができていた。
中には誰もいなかった。チェコにきてから教会には散々行ったが、ここは特別暗く、お香の匂いも独特だ。神秘的な雰囲気に吸い寄せられるように、僕は奥へと進んだ。そうして気づけば、石像が立ち並ぶ静謐な空間にたどり着いていた。一人の老人が、
部屋の一角にうずくまっている。石像の足元に蝋燭を捧げているようだ。橙色の灯火がこぼれている。
やがて、おじいさんはくるりと振り返り、小さな僕をみつけた。
「ロストボーイ」
そう呟いてにたりと笑う。その年老いた笑顔をみて僕は初めてぞっとした。
「さあ、目が覚めるまでにここを出てしまわなくては。」
おじいさんは徐に近づき、僕の手をとった。
「覚めるって?」
「石像さ。彼らの怒りに触れないうちにね。」
「石が怒るものか。」
「それでも祈りつづけるのだよ、人々は。夢から
覚めても生きられるように。愚かだと思うかね?」
ぐいぐいと手を引っ張られてゆき、あっというまに光の下に放り出される。教会の外だった。眩しい
広場で、僕の名を叫ぶ父がみえる。まだ唖然としている僕に、しわがれた声が降りかかった。
「じゃあな、Lost boy(失われた少年).」
背後を振り返っても、おじいさんの姿は
そこになかった。荘厳な門扉に、にたりと笑う
ガーゴイルが僕をみつめている。
まだ少しだけぬくもりが残っている僕の手に、今度は父の大きな手が重なる。母さんが死んでから、
僕ははじめて泣きそうになった。
君の目が覚める前に、祝う準備をしよう。
目が覚めたとき、たった一人の君が生まれた大切な日。
おはよう。
そして、
「お誕生日おめでとう」
深い水の底に落ちていくみたい。
ただ泡々に包まれて沈んでゆく
どこか暖かくてでも冷たい
夢見心地で。
これは夢かなにかなの?
誰か教えて、でもこの夢から覚めたくないの。
でも、私を呼んでほしいの。
目が覚めるまでに
目が覚めるまでに?
寝てるね
夢を見るなら、極力いい夢をみたい
最近夢見てないなー。
あっ!
大好きな人の夢みたじゃん
それもすごい素敵な夢
今日は大好きな人も来る飲み会
正夢になるといいなぁ
『目が覚めるまでに』
目が覚めるまでにキスしなきゃ
現実ではできないからね
キスできたら二度寝しなきゃ
素敵な夢に浸らなきゃね
寝てる間に掃除せんたく洗い物だけどもうやだ眠らせて
【目が覚めるまでに】
仕事で疲れた体に鞭打って、白み始めた東の空を眺めながら早足で帰宅する。寝室のベッドで眠る君の横顔を眺める時間が、いっとう好きだ。
カーテンの向こうから、朝日が柔らかく差し込む。早朝から仕事へ出かける君のかけた目覚ましが、もうすぐ鳴り響くだろう。仕事の時間が全く噛み合わない君とのんびり共に過ごせるのは、無理矢理に休みを合わせる一年に二日もあるかないかの機会だけだ。それでも君以外の人を見つけようとは思わないのだから、たいがい末期なのかもしれない。
君の目覚めをここで待っても良いのだけれど、構っている暇があるならとっとと寝ろと君は怒るから。だから君の頬に、そうとは知られないようにそっと口づけだけを落とす。
「おはよう、今日も良い一日を」
祝福を囁くように言祝いで、君の寝室を出た。君の目が覚めるまでに、この一連の儀式をする。そのために仮眠も取らず、朝一番の始発電車に飛び乗って大急ぎで帰ってきているのだ。
ふわあと大きなあくびがこぼれた。ああ、眠い。泥のような眠気が脳を侵していく。自分のベッドに倒れ込んだ瞬間、意識はぷつりと飛んでいた。
「おやすみ、良い夢を」
柔らかく囁くその声を、知らないまま。
誰にだって
抱えているつらさ
どうにもならない苦しみ
張り裂けそうな悲しみ
自分だけでは
どうしようもないものを
持っていると思う
目が覚めるまでに
すべてが消えていたらいいね
でもそれは
誰かのせいだけではない
自分にも
少なからず原因はある
目を覚ませ!
自分だけが被害者ではない
目を覚ませ!
どうすれば 解決できるのかを
考えろ!
目が覚めるまでに…
「目が覚めるまでに、あとどのくらいある?」
「分かんないですよ、そんなの」
「データとか取ってないのか」
「データ? 取れないですよ、そんなの」
「そんなの、そんなの言ってていいのか」
どうも、いつも「だいたい」で対応しているらしい。
「だって、気まぐれなんですよ」
「そんなんじゃこっちがやられるだろ」
「あぁ、まぁそうですねぇ」
いくらなんでも呑気すぎる。
「決まった時間に起こすってのは」
「えぇ? 起こすんですかぁ?」
目玉ひん剥いて、のけ反るほどのことか?
「いやいや、そっとしておきましょうよ」
「どうせ起きたら暴れるんだから、こっちのリスクが少ない方がいい」
「怖いもの見たさ、ですか?」
「ニヤニヤするとこじゃない」
「いや、してません」
「し!」
「ああ! 起きちゃった」
~目が覚めるまでに~
こうしていられるのは
貴方が目覚めるまでのわずかな時間
目を覚ませば 貴方は離れていってしまう あと少しで終わる、だから
「あっ、待って。あと一本で終わるの!」
ダッシュで逃げられてしまった
しょうがない また昼寝の時を狙おう
向こうで伸びをする
爪切りを嫌がる貴方との攻防
【目が覚めるまでに】
春歌の目が覚めるまでにやっておくこと。
隣に体温がない寒さに慣れる。
くだらない内容のつまらない話を聞いてくれる人を探す。
今までより退屈な時間が増えるだろうから、趣味でも見つけた方がいいかもしれない。
あくびをすれば夜更かしするからだと、食事を抜けば身体に悪いと、わざわざ小言をくれる人は貴重なので、自分のことは自分で気にかけてやるようにする。
体調が悪くてどうにも耐えられないときは、気づいてくれるのを待って我慢するんじゃなくて、自分から誰かに打ち明けて休む勇気を持つ。
それから。
それから。
指折り数えて、夜雨はため息をつく。
たった一人が傍を離れるだけで、自分への影響がひどく大きい。やらなくてはいけないことを考えるだけで、その多さに疲れてしまう。
けれどいつかは春歌の目も覚めてしまうだろう。
子供は大人になって現実を知り、幼い時分を思い返してはあの頃は夢の中にいたのだと懐かしむ。夢の中の登場人物など、現実を生きているうちに忘れたことすら気づかず消える。
春歌の目が覚めるまでに、覚悟を決めておかなければいけない。
暗いところで小さく丸まって、このままずっと目が覚めなければいいのにと願う自身のことは、気づかないふりをしなければいけない。
ああでもいっそ。
夜雨は夢想する。
春歌の目が覚めてしまうその直前、誰にも触れられない場所で眠りについて、そこを永遠にしてしまいたい。
『お寿司』
お寿司をにぎる夢を見た お客様はダーティハリー これから何か起こりそう ワクワクのたね いやいや ワクワクのネタだな とろサーモンが好きだって アイツにバレたら おしまいだな やられるな 突拍子もないこといってる 夢のはしっこひっぱって そろそろ朝でございます
揺らぎ
変わって欲しかったり
変わらないで欲しかったり
無くなっていて欲しかったり
そばに置いていて欲しかったり
まるで
振り子に描かれる幾何学模様のよう
※目が覚めるまでに
深夜二時半過ぎの
澄んだ硝子ケースの街
鯨の鳴き声で目を覚ませば
トビウオの群れが流れ星に混じって
月明かりを浴びて輝く羽がとても綺麗だった
今この世界は私だけのもので
あの星も 月も ひとりじめ
四肢を投げて 仰向けになって
見上げた先にまんまるお月さま
静寂が青く透き通って
魚たちが吐く 銀の泡が
あの月を目指してぷかぷかと昇っていくのを
ただぼんやりと眺めた
霞む視界 薄紫の灯り
白む空の雲間に気付く頃には
きっとすべて消えてしまうでしょう
【目が覚めるまでに】
おはよう。
いつも通りの朝。
日が昇り初めた 5時15分
いつも通りの時間。
いつも通りの部屋。
いつも通りの置物。
いつも通りの生活。
そう思い俺は、少しごろごろしてから
ベットを出る。
シャワーを浴びたら
歯を磨いて、朝ごはん。
今日はなにを食べよう。
たしか、賞味期限がやばい豆腐があったな。
それと、昨日の白米とお味噌汁。
それでいっか。
今日の1日のスケジュールを再確認。
いつも通り。
…あ、今日はごみの日だった。
すっかり忘れてた。
そう思い急いでごみ捨て場へ。
近所の人と話したら、
もう少しで祭りらしい。
ここの祭りはとてもすごい花火が上がる。
いつも俺は、家のベランダから見ていた。
そう思いながら
家に着いたらもう 7時30分。
急いで支度をし会社へ。
あっという間に夕方になり、
俺は、少し買い物をして
俺はそのまま病院へ。
病室に入り、君と二人きり。
この生活も、もう10年。
君と暮らした1年より、
とても多くなってしまったね。
いつも通りの気持ち。
"君が目覚めるまでに、
俺が老いて死なないといいな。"
俺はそう言って、
カスミソウとダイヤモンドリリーの
花をそっと君の隣に置いた。
「また、会いに来るよ。」
目が覚めるまでに、きっと夢を見ていたのだと思う。けれども夢は掴みようがなくて、今日も伸ばした手は空気に縋った。