野良猫

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深夜二時半過ぎの
澄んだ硝子ケースの街

鯨の鳴き声で目を覚ませば
トビウオの群れが流れ星に混じって
月明かりを浴びて輝く羽がとても綺麗だった

今この世界は私だけのもので
あの星も 月も ひとりじめ

四肢を投げて 仰向けになって
見上げた先にまんまるお月さま

静寂が青く透き通って
魚たちが吐く 銀の泡が
あの月を目指してぷかぷかと昇っていくのを
ただぼんやりと眺めた


霞む視界 薄紫の灯り
白む空の雲間に気付く頃には
きっとすべて消えてしまうでしょう

8/3/2023, 8:42:05 PM