理由のない不安が
押し寄せる
消えない雨雲のように
曇ったガラスが覆い隠す
物憂げな空
心、沈む、灰色に染まる
声も出せず、雑踏に紛れて
振り出した雨に傘もささずに
許せない感情を
どうか受け入れてと
扉は開かない
鍵は見つからないまま
冷え切った指先が触れた
居場所のない虚無感を抱いて
伝い落ちる雨粒の行き先は誰にも告げず
この手を引いてと傲慢に願っていた
終着駅はわかっているのに
不恰好な唄を鳥は歌い堕ちる
答えの無い問いにいつかを夢見て
それでも捨てられないガラクタばかり増えていく
ここは雨の街
彷徨う亡霊のような危うげな存在感で
色の無い空が支配する
抜け出せない迷路のように
濃紺のキャンパスに白の絵の具を降らせたら
柔らかな灯火への道標を照らして
足跡を繋ぐ 途絶えぬ鼓動
指先で描いた夢語る地図を
歌い紡ぐ旅人よ
その言霊に往く先を映して
規則正しく鼓動を刻む
この胸の温もりは
いつかの幻を抱いて眠る
子供のままの夢を見ながら
星達にやさしい子守唄を響かせて
白い鯨が雲海を泳いでいく
砂浜を照らす月のように輝いて
あなたはとても眩しくて
もう会えないなんて 信じられなくて
今宵 可惜夜
刹那に煌めくは一瞬
瞼の裏 どうか焼き付けて
祈り、語り継ぐあなたへの鎮魂歌
曇った空は晴れて どこまでも続く青
白い翼広げ 羽ばたく鳥は
光の向こう側目指し飛び立った
指先のシャッターが映し出す 君の横顔は
いつもどこか寂しげで とても綺麗だった
思い出というには まだ鮮やか過ぎて
届かなかった願いと 君の呼び声が
繰り返す日々に木霊して
胸を締め付ける この郷愁が
まだ抜け出せないでいる
君と見た景色の中で
いつまでも祈り続ける
記憶の海を泳いで
辿り着く光
夢見たまま
螺旋を描く旋律は
暗闇を泳ぐ白い鯨
迷い見失って
求め彷徨う星の導
唄うはこの脚で
願ったのはこの世界の終わりか
絡まった糸を紡いで
ため息ひとつと零れた涙
どうにもならない夜を越えて
鳴いた朝を迎える