8/15/2024, 1:52:04 PM
鼻をくすぐる潮騒と
静かに繰り返す海の鼓動だけが此処にある
真っ黒に染まったキャンバスを
泳いで 泳いで 泡になってしまいたい
空に浮かぶ三日月が 溶けては照らす
優しく頬を撫でるような 光
水面で揺れる 両の腕で抱いて
銀の羽広げて駆け抜けてゆく
星より輝いて 深く 遠くへ
さざなみはそっと息を吹きかけて
濡れた肌にはり付いた白いドレスを靡かせた
6/3/2024, 1:57:50 PM
流れゆく紫の雲を目で追い掛けて
こんなものかと 思わず漏れ落ちた独り言
変わらない 街のネオン
どこか他人事の様で
見送ったあなたの背中
同じ色に染まることのない待宵
静かに瞬く星たちに
さよならとおやすみを告げて
ゆっくりと歩き出した
4/18/2024, 12:26:48 PM
色褪せた街
灰色の空
虚ろな影たち
漂う亡霊のように
かつての夢も泡沫
淡い幻
まるで死んでしまったこの街を
それでもまだ愛しているんだと
憂鬱な雨に染まっていく
3/20/2024, 4:10:23 PM
失ったもの数えては わたしというものから目をそらした
ボロボロの脚でただひたすらに歩いた
泥に塗れた手で涙を拭う
当たり前に流れる景色が わたしには眩しすぎたんだ
やさしい夢が髪を撫でる
幼子のように嗚咽を漏らして泣きじゃくるわたしに
甘い 甘い 砂糖菓子を
温かなセピア色の風景が
無機質な灰色に変わる
あの日のわたしが見た夢に焦がれて
瞼を閉じる
今はただ全てを忘れて おやすみなさい
2/5/2024, 6:52:49 AM
ふりそそぐ
それは わたゆきのような
ふわふわと やさしい
天使の
祝福と
瞼の上に
ふれるだけの
おやすみの Kiss を