『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「病室」#14
うなされている人がいる夜
鳴り止まないナースコール
そんな中尿意というものを隠しきれず
薄暗い廊下へと進む
病室といえば、病院をイメージする。
1つ病院ならではの話をしようと思う。
皆さんは安全具と聞いて何をイメージするだろう?
ここでの安全具は俗に言う抑制具である。
つまり患者に身体拘束するものたちのことを指す。
これを聞くと「あぁ患者さんが暴れ出すから使うのね」と思われがちだが、実はそれだけではない。
安全具はナースコールを押せない人にも使われることがある。
何故ならば転倒のリスクがあるからだ。
転倒すると、病院は「ただ転んだだけ」では済まされない。
患者の身体状態を観察し、レントゲンを撮り、骨折等が否定されてようやく「大丈夫だった」となる。
ふらつきが強い人は転倒のリスクが高いため、付き添い歩行が必要になってくる。
しかし、ナースコールを押してくれない人も中にはいる。
大体は認知機能の低下により、「転倒のリスクがあるから看護師を呼んで一緒に歩かなければいけない」ということが覚えられず、自分1人でトイレに行ってしまうというケースが多い。
看護師も四六時中その患者を見ることができない。
そこで安全具を使うことになる。
その安全具は離床センサーまたは転倒むしという。
離床センサーは起き上がりに対してセンサーが反応しナースコールが鳴る仕組みになっている。
一方、転倒むしは名前の通りテントウムシの形をしており、クリップを患者につけると患者が起き上がるとテントウムシの頭と胴体が外れてナースコールが鳴るものである。
これにより看護師が離れていてもナースコールが鳴り患者の元へ向かうことができるのだ。
安全具の使用は医療従事者側も使いたくないものではあるが、「患者の安全を守る」という使命の元では使わざるを得ない場面に必ず遭遇する。
「患者の安全を守る」ことを常に考えながら、医療従事者は今日も病室を駆け巡る。
★余談
離床センサーを使っている患者がいた。
離床センサーによりナースコールが鳴るのだが、その患者の場面、既にトイレ近くまで歩いてしまっていることが多かった。
周りの看護師は「行動が速い!注意!」と言っていた。
私の場合、その速さからFive Nights at Freddy'sというゲームのFoxyを想像し、心の中で「盗塁王」とあだ名を付けていた。
多分病棟の誰に話しても理解されない自信があったので、この場を借りて理解される人に届けばいいなと思う。
■テーマ:病室
週末は必ず彼のお見舞いに行っていた。
行くたび先週より彼の体調が良くないのがわかった。
でも、彼はいつも笑顔で出迎えてくれた。
ずっと笑顔で、病院であったこと、読んだ小説の感想、持ってきた花のスケッチ。沢山の話をしてくれた。
僕はその世界が好きだった。
そんな彼が先日亡くなった。
葬式には行かなかった。
彼のことを愛している人たちが彼との思い出を分かち合う時間。僕はただ木の下で会っただけの関係。邪魔をしてはいけない。
僕はまた彼と初めてあった木の下で彼を思い出す。
オレが病室に入るとき、
それは恐らく 間も無く、、、、
病院は嫌いだ。
あれ?
...知らない天井だ
ここは、、?
うん、やっぱり何回観ても面白い!
病室って聞くと、真っ先にあのシーンが思い浮かんだなぁ
~病室~
僕があの人を見たのは、春頃の病室。
彼女は桜を見ていた。
後ろ姿でもわかるこの美しさ。
彼女は僕に気づいて微笑みかけてくれた。
ただ……目には涙が浮かんでいた
今にも泣きそうで苦しそうで。
僕に何かを訴えかけているようだった。
だから僕は言った
「大丈夫?」 と、
そしたら彼女は泣きながら、「私ね明日死ぬの」
僕はびっくりしたおもわず病室に足を踏み入れ彼女に寄り添った。
でも「そっか……」としかいえなかった。
それしか声が出なかったんだ。
「だからね君にこの写真あげる。私の宝物なの、だけど私が持っててももう意味が無いから」
僕は受けとった。
だけど………何故かその写真に見覚えがあった。
「ねぇ湊くん。私の事やっぱり忘れちゃった?事故で記憶喪失になったんだって?お医者さんから聞いたの隣の病室に私と同い年の男の子がいて記憶喪失になったって。」
本当に驚いた。だけどほんとに微かな記憶の中に彼女と遊んだ記憶がある。
「春菜ちゃん……?」
「!?私の名前覚えてたんだ!嬉しい!実はさ私達学校の帰りに遊んでたらクルマが急に突っ込んできてさ。私達引かれちゃって。
私は打ちどころが悪くてもう……明日死ぬの」
「そうだったんだ……」
「うん。あのねわたし湊くんにいえなかったことがあるの。わたしねずっと前から湊くんの事が好きだったの。 もう明日死ぬのに何言ってんだって感じだよね。(笑)」
「いいよ。たった一日でも1時間でも。」
彼女は、春菜ちゃんは泣きながら「ありがとう」と言ってくれた。
その後僕達は初めてキスをした。
看護師にバレないようにカーテン越しで。
「私もし生まれ変われても、湊くんの彼女でも居れるかなぁ。私のこと覚えててね。」
「勿論。忘れないよ。もう夜だから部屋に帰るね」
「またね!!!!私明日の朝にはいないと思うけど、ずっと空から見てるから。だからまたね!」
僕は頷いたそれ以上何かすると。
涙が止まらなくなりそうだから。
~翌朝~
彼女は亡くなっていた。
僕には幸せな恋であり、今でも大切な彼女だ
だから見ててね春菜ちゃん。
君の分まで頑張るから
病室の思い出は、息子を産んだ時。
それ以外は入院なんてしたこともなかった。
初めての育児で、授乳も下手くそで
とにかく大変過ぎた思い出…
でも3食のご飯と10時と15時のおやつが
楽しみで楽しみで、幸せだった。
5日も居ると家のように思えてきて、
退院したくなかった。
無機質な空間
窓から見える日常
どこか遠く
言葉は空回って
消えていく
ただ手を握って
鼓動を感じて
―病室
「病室」
私の人生の思い出は病室。
私は人生をほぼ、病室で暮らしていた。それ以外は、私が大好きな彼氏の家にいた。
私にとって病室は、家であり、辛い思いをする場所、思い出の場所。
普通の人から見たら、おかしいかもしれない。普通の人は病室で、一生を過ごすなんてあり得ない。
あるとき友達がこう言っていた。
「可哀想」、「不憫」と。
私は別に可哀想でも、不憫でもない。
だって、私には大切な人達が、そばにいてくれたから。恋人だったり、親友たったり、親だったり、看護師さんだったり。私には私を支えてくれる人が、励ましてくれる人が居たから可哀想でも不憫でもなかった。むしろ、私は恵まれてるな、とも思ったことがある。
私は、病室で寂しい思いをしたことはない。
辛い知らせを受けることは何度もあって、何度も死にたいと思ったこともあった。だけど、その度に励ましてくれるる人達がいた。私は恵まれていた。
やりたいこといっぱいあったけど、学校に通いたかったけど、私は幸せだったと思う。
「私にとって、病室は思い出の場所。」
いやぁ、今回は長い~!読むの辛かったらすみません!
【短歌・愛は儚く】
呆気なく直線示す心電図
ずっと一緒に過ごしたかった
-外川晃・白里優希-
(病室)
【追記】
累計♡100誠に有難う存じます。
これからも精進して参ります。
その病室は異常にきれいだった。
ごみも出ない。布団を直してやる必要もない。食事もこぼさないから、手のかかる要素はなにひとつなかった。
ただし普通の患者ではない。
ナースたちはその病室に関わるのを嫌がるか不思議がるかのどちらかだ。リネン交換の必要があるのか、などと大抵の新人は不思議がる。ただ、交換のときにはきちんと声かけするようにと言われるから、納得はしないものの、一応言われたようにしている。ただししなくても困ったことはない。手のかからない患者なのだ。
看護師さん、あの部屋の人はなんで入院してるんだい?と訊く患者への答は一応ある。でも、実は誰もそうは思っていなかった。
神様か、妖怪か、座敷わらしか。噂は散発的だ。医院長の気が狂れてるなんてのまである。
もう分かったかな。その患者、姿がないんだ。
【病室】2023/08/03
真っ白な布団。
真っ白な服。
真っ白な壁。
真っ白な床。
どこを見ても、真っ白な景色ばっかり。
唯一白くないのは窓の外の世界ぐらいだ。
あの先へ行きたい。
そう思うのも仕方がない
こんな真っ白な世界より、「色」に溢れた『あっち側』の世界で思いっきり遊びたい。
でも、それももう、叶わないかもしれない。
自分がなくなっちゃうまで、ずっと『こっち側』の世界でしか生きられないかもしれない。
ずうっと、ひとりぼっちかもしれない。
─── そんな感覚、君は知らなくてよかったのに。
かつての自分と重ねるように僕は、『こっち側』の世界に閉じ込められて、『あっち側』の世界を眺める愛しい女性を、ただただ黙って見つめていた。
【病室】
もぬけの空になった病室を、てきぱきと片付けていく。塵を除き、人の手の触れやすいドアやベッドサイドテーブルの表面を除菌し、床を清掃。果たしてここに入院していた人がどうなったのかは、クリーニング屋に過ぎない僕には知る権利がない。
僕にできることはただ、次にここを使う人が少しでも気持ちよく過ごすことのできるように、丁寧に繊細に掃除をすることだけだ。
隅々まで清掃を終えて、最後に空気を入れ替えるために病室の窓を開け放った。鮮やかな新緑が目に眩しい。吹き込んできたさわやかな風が、優しいベージュの色合いのカーテンをそよそよ揺らした。
僕には患者さんのことはわからない。だから勝手に想像する。きっと今までこの場所を使っていた人は、笑って家族の元へと帰っていったのだと。そうして勝手に祈るのだ。どうか次にここを使う人の道行きにも、溢れんばかりの幸いがありますようにと。
神様。どうか次のお客さまにも祝福を。胸の前で小さく十字を切って、僕は次の病室へと向かうために目の前の窓をぱたんと閉める。真っ白い清潔な病室は、次の患者さんを受け入れるために粛然とそこに佇んでいた。
痩せ細ったあなたの手を握って
白い鳩が飛んでいくのを見たこの部屋で
今眠るは私
白磁色の天井、肌、におい
辿るあなたの思考、記憶、言葉
濁っていく 真冬の空のように
失われていく光の向こう側
スライドしていく写真は鮮明に覚えていて
此処はあまりにも考える時間があり過ぎて
忘却という暇を与えてくれない
弱々しい呼吸を吐いては繰り返し
焼き付いて離れないあなたの笑顔を夢に見た
二人以外誰もいない病室で、私は、君に愛を誓った…「ずっとずっと君だけが好きでした!もし良ければ私と付き合って下さい!」すると、君は、「俺もずっとお前が好きだった。俺で良ければ今日から宜しくな」と。凄く嬉しかった。そう、この世界には、私達二人しかいない…病室だって、外に出たって…だから、私達は、何時だって自由だ。これからもずーっと、私だけを愛してね?My Darling
、、病室のような間取り。部屋の四隅にベットが置いてある。窓からは木とグラウンドが見える。窓は鍵がかかっているようだ。ロッカーには、靴磨きセットが置いてある。、>>>隊舎からの脱出<<<
今の自分にとって病室は、小さいけれど天国だ。
快適な空調に、バランスの取れた食事が三回、決まった時間にとれる。
朝の回診が済めば、あとは何をしていても自由だ。
消灯時間になって電気が消えたら、眠るしかない。
この5年、食事も睡眠もロクに取れず、ただただ働いてきた。
よく生きていたと思う。全部呑み込んで、結果がこれだ。
何度も死にたいと思ったけれど、いざ病気を告げられると、死ぬのは怖い。
生きていたいと思った。
でも幸い、死ぬまでの病気ではなかった。
「明日、お見舞いに行きます」
届いた素っ気ない文章に、そういえば病院嫌いだったなと、少しだけ笑ってしまった。
翌日、オドオドしながら病室の入り口に現れた。目が合うとあからさまにホッとした顔をして、小さな一輪挿しと、蕾のついた短い枝を一本差し出した。
「もうすぐ咲くと……思う」
花は嫌いだとか、病人に水換えをやらせるのかとか、色々と言いたいことはあったものの、「ありがとう」だけを伝える。
お互い病気のことには触れず、病室は空調がきいているから、花は咲くだろうということだけを話した。
何かを待ち遠しいと思ったのは久しぶりだ。
毎朝水換えをして、一輪挿しを日向に置く。
退院までにはきっと咲く。
きれいなはこ
やさしいきみ
さかさじかん
おやすみあさ
おはようよる
きりとられた
そとのけしき
すこしがまん
なおったなら
どこへいこう
やまがいいな
うみもいいな
めぐりめぐる
はないちりん
『病室』
精神疾患を患っている訳では無いし、身体的疾患だってない。だけれども、時折自室に引き籠もってしまう。約一日だけれども、自室は私だけの病室になるのだ。
【病室】病室に最後に入ったのは、たしかーあれは、
なぜだがよくわからないけど、サルモネラ菌が
検出されたから、たまたま入ったお店で、
たまたまたべたゆで卵にあたったんだと思う。
あと、その時の体調がよくなかったというのもあるかな
いずれにせよ自他とも、病室には入りたくないねぇー。
最期は、お世話になるかもしれないけれど、できたら
避けて通りたい空間。身体、気をつけて行こ!
3年後のpure