by匿名

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週末は必ず彼のお見舞いに行っていた。
行くたび先週より彼の体調が良くないのがわかった。
でも、彼はいつも笑顔で出迎えてくれた。
ずっと笑顔で、病院であったこと、読んだ小説の感想、持ってきた花のスケッチ。沢山の話をしてくれた。
僕はその世界が好きだった。
そんな彼が先日亡くなった。
葬式には行かなかった。
彼のことを愛している人たちが彼との思い出を分かち合う時間。僕はただ木の下で会っただけの関係。邪魔をしてはいけない。


僕はまた彼と初めてあった木の下で彼を思い出す。

8/2/2023, 11:31:46 PM