『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ねぇ、今でも葉っぱ仕掛けに来てるんでしょ?
何故そこまで追い詰めてくる?
暇だから?
楽しいから?
憎いから?
貶したいから?
あれ程、放っておいて。と言っているのに、
これ以上何求めてるの?
何を期待してるの?
私たち親子は紛れもない、ただの親子。
これ以上視界に、境界線に、この町に、踏み込んでこないでもらえるかな?
世界征服しようとしてる。なら、話は、別だけどね。
どうぞ、ご勝手に世界征服していれば良い。
そちらも立派な親子生活しているのだから、
楽な考え方して自分の好きな道を歩めば良いのに、
私たち親子を消しておいて。
もう一度、言うけど、、、
これ以上、何求めてるの?
あぁ、私はここにきて約半年、ずっとまだか、まだかと毎日のように心の中で唱えながらベッドに身を納めている。とても孤独な毎日だ。
みんなも孤独なのかな…。私と同じ部屋にいる誰かは何の病にかかっていて、どういう経路でここに来たのだろう。来たくてここに来ている人はいるのだろうかと毎日、毎日同じ事考えている。みんな色んな不安な気持ち、後悔など持ってこの病室という名の場所から出られる日を待って静かに身を納めているはずだ。
私は、いつかあの太陽のひかりのように輝く未来がやってくるのだろうか。そう考えながらまた静かに身を納めた。
【病室】
朝
いつものように看護師さんが、紙皿に乗ったご飯を持ってきてくれた。
「いただきます。」
声は相変わらず出なかったけれど、ちゃんと言おう。
ご飯を食べて、いつもの日課の窓の外を眺める。
鳥が空を自由に飛んでいて、私はいつ出れるのかなって思ってた。
また、看護師さんたちの噂話。
〝あの子、気味が悪いわ。〟〝そんな事言わないの。国から援助が来なくなるわ。〟〝そうだけど……〟
あの子、は、私のことね。
私は、奇病患者らしい。生まれつきこの身体だから、周りに言われるまでわからなかった。
……というのは嘘ね。目から真っ赤な花が咲いてるなんて…私だけよ。
でも、毒がなくて綺麗な花だった。なんだろうって調べたけどわからなかった。病院の図書室の本なんて、娯楽程度のものしかないから、わからない。
両親は、私をここに置いて新しい人生を始めたらしい。
〝あなたは今日から…いいえ、今から私の子どもではないので、関わらないでくださいね。〟
それが最後の言葉。
ガラッと音をたてて、扉が開いた。
検査の日でもなんでもないのに、そう思って扉を見つめると看護師さんが慌ただしくベッドを私の隣に用意して布団と枕と色んな準備をしていた。
その後ろに年上の男性が下を向いて立っていた。
〝入って。今日からここが貴方の部屋です。〟
そう言って男性を部屋に入れて、バタンと扉が閉まった。
『……君も奇病患者さん?』
そう言ってゆっくりと顔をあげると、私と同じような花が咲いていた。
私と違うのは、真っ白の花。ツタのようなものがあること。だった。
『ぁ、ごめんなさい。嫌だよね。黙るから。』
私は、慌ててメモに
「大丈夫です。声出ないだけです。」
と書いた。
男性は、ミナトというらしい。
ミナトは、突然変異でこうなってしまって、びっくりした事を私に伝えた。
『僕ね、高校2年の終わりに突然なって。家族全員、心配してくれた。けど…さっきの…最後に見た家族ね、疲れた顔して、安心したような…そんな顔してた。僕、本当はいらないんだなって思った。』
ミナトは悲しそうに下を向いた。
「私は、家族に捨てられた。最初は…産まれた時は、つぼみのような感じだった。5歳頃には、もう真っ赤な花が咲いていた。その頃には、声も出なくなった。養分とられてるのかなって思う。けど…もう、いいや。生きるの疲れた。」
その紙を見せたら、ミナトは、ボロボロと泣いてしまった。
『ごめんなさい…つらかったよね。さっき、看護師さんや先生が言っていたのは、君なんだね。』
「悪口?」
『そう…なのかな…。あのね、もうひとつ、聞こえたことがあって…僕、昔から耳がよくて……君、実験されるって本当?』
「初耳です。でも、あなたが助かるなら、実験されてもいい。誰かの役に立てるならそれでいい。」
『そんな…僕の方が年上だよ。君には、もっともっと生きてほしい。』
生きるなんて…興味無い。って言ったら怒るのかな。怒るんだろうな…それかさっきみたいに、泣くのかな。
『君は…君の花は、毒があるの?』
「無い。」
『じゃあ、僕の方が実験に向いてるよ。僕の花は毒があって、進行も早い。だから…』
勢いよくカーテンを閉めた。
そんなの…知らない。実験は、私。明日の朝の診察でわかる。
もう、夜の22時になっていた。
寝ないと。
『うぅぅぅ……はぁ…はぁ………』
ミナト?
私はゆっくりとカーテンをあける。
その光景は…なんて言ったら……ミナトの目の花が…ツタが…ウネウネと動いていた。
私は、慌ててナースコールというものをとって、マイクの部分に指をあてて、2-5-2とコツコツと叩いた。
もしものSOS。本を読んでいてよかった。
看護師さんもわかったみたいで、きてくれた。そして、叫び声をあげて逃げた。
当たり前よね。これは、びっくりする。
私は、慌ててミナトに近付くと
『来ないで………はぁ…はぁ…あと…看護師さん呼んでくれて、ありがとう……これは、もう少しで…終わるから……迷惑…ごめんなさい…』
そう言って気絶をした。
翌日、ミナトの声は出なかった。
『君とお揃いだね。』
と紙を見せた。
ミナトの身体は、ツタが多くなっていて、ツタからも花が咲きそうになっていた。
ミナトは……ダメなのかな。
『心配しないで。僕は、大丈夫。』
顔の前に紙を見せてきた。
その後、ミナトと私は仲良くなった。
外の世界を教えてくれた。虹は見たことあるけど、おーろら?なんて知らない。
海を教えてくれた。飲めない水なんて…そこで遊んでるなんて、変なの。
それから3年後、ミナトは動けなくなった。
花やツタは動き回っていて、ミナトの養分をとっているみたいだった。
ミナトは、もうひとつの目でこっちを見ては、申し訳なさそうな目をしてくる。
その1ヶ月後、ミナトは居なくなった。
ミナトの身体はあるのに、ミナトが居ない。
草花が生き生きと咲いていて、ミナトは、居なくなった。
その頃には、ツタも花も動かなくなった。
ミナトのお見送り会。
参加者は、私だけ。
ミナトの家族は、連絡取れなくなったらしい。
静かに箱に手を当てて
「すぐ、行くから。待ってて。」
そう、伝えた。
書く習慣/120日目。
「 病室 」…
真っ白な空間、
特殊なニオイ、
その静けさは、
安心と不安を提供する、
たった1人の、病室
そこに置かれた四角い箱は、
…◯の心拍を測り出す。
〈ピッ〉
︿╱﹀╲/╲︿_ღ__/╲_︹_/︺\_
〈ピッ〉
√﹀\_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\_︿
〈ピッ〉
_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀\
突然、看護師すがたの天使(幼い子)がやってきた
天使「お◯◯ちゃんが、げんきになるように
クッキーもらったよ」
ツンデレ「別に…お前のために……
作った…」
天使「はい、あ〜ん」🍪
あぁ…なんか、
胸がドキドキして苦しい…
そして、目の前が真っ白になった。
〈 ピーーーーー 〉
_____________________
🪦💤
2023/08/02 19:30
🏥典明 尊院。にて、
リタイア(再起不能)
死因…
クッキーが絶望的に不味かったが、
まぁ…嬉しいかったのでヨ死。
← < To Be continued \]
では、また明日…
元気で健康に生活するのが大事。
( 医療費💸 )
病室
「はやく、早く起きてよ。そうちゃん。
もう事故があってから1年経ったよ?
ずっと私待ってるんだよ?早く起きてよ。」
私は1年前から変わらないそうちゃんの姿を見ながらそうちゃんに話しかける。
1年前、そうちゃんは私を庇って車に轢かれた。
それからずっと目を覚さないままだ。
1年前からずっとこの病室に通い続けている。
私はいつもいつもここにきてそうちゃんに話しかける。
やっぱり覚さないか。
「じゃあ、また明日来るからね。そうちゃん。」
そう言って家に帰った。
次の日も次の日もいつになってもそうちゃんは目を覚さない。
私は今日もそうちゃんの手を握って話しかける。
「そうちゃん?今日はねー」
「愛菜?」
えっ?
そう、ちゃん?
私を呼ぶそうちゃんの声が聞こえてそうちゃんの方を向くけどそうちゃんは目を閉じたままだった。
何だったんだろう?気のせい?
不思議に思いながらそうちゃんの顔を見つめた。
『病室』 No.109
夜の病室でひとり
窓の外を見ていた
ぎんいろの優しい月光が
霧のように揺れるカーテンを通り抜け
ベッドへ降り注ぐ
月光の差すところへ
試しに手をあててみても
暖かくは、なかった
病室の白い天井を見ながら、私は呟く。
「まだ……生きたい……」
叶わないと知っていても、口から零れた。
だけど……もう私は駄目なのだろう。
白い病室の中に、白い天使が舞い降りた。
今日のお題
╭━━━━━━━━━━━━━━╮
病室
╰━v━━━━━━━━━━━━╯
私は至って健康体なので、一度も入院したことはない。だけど、私の心は今でも病室のベッドで横たわったままだ。いつ、退院できるんだろうか?
病室。
私がお母さんの
病室に入る時は
「ただいたま」
帰る時は
「行ってきます」って
言うよ。
家を出るみたいでしょ?
「病室」
もし、今寝たきりになってしまったら
誰が私のもとに来てくれるだろうか?
私のために
誰が泣いてくれるだろうか?
誰が心配してくれるだろうか?
そう思い時々、自ら命を絶ちたくなる時がある
こんな私にはもう、誰も居ないのかもな
もし、明日晴れたら(2023.8.1)
朝起きて、薄暗いカーテンの向こうに嫌な予感を覚える。窓の向こうは、案の定雨だった。
「マジかぁ…」
今日は友達と遠出の約束だったのに……。落胆しつつ枕元のスマホを確認すると、メッセージ通知が一件。
『雨、降っちゃいましたねぇ』
メッセージ主の言っている様子が想像できるような、のんびりとした口調に、私は思わず笑ってしまった。
『降っちゃいましたねぇ』
同じように、どこか気の抜けた口調で返す。
『今日のお出かけ、どうする?』
『うーん…雨もけっこう激しいから、やめときましょうかねぇ』
『そっか、了解』
一通り会話を終えて、はぁ、と一つため息をつく。わかってはいたけれど、やっぱり遠出は無くなってしまって、とても残念だ…。
と、終わったと思った会話に、返信が来た。
『それじゃあ、もし明日晴れたら、君に告白するから、楽しみにしといてねぇ』
「…え?」
シュパッとメッセージに楽しげなスタンプが続いたけれど、私は大混乱の中だった。
え?告白??女子同士…いや、そんなこと気にする時代じゃないし、私も嫌じゃないけど…えぇ?!
困惑する私をよそに、空は少しずつ明るみつつあった。
明日はきっと、晴れるだろう。
病室(2023.8.2)
私は生来幸運なことに大病やら大怪我やらに襲われたことはないため、病室なんてものはそれこそ自分がこの世に生み落とされたときにぐらいしかお世話になったことがない。だから、病室に関する記憶はもっぱら他人の入院に付随するものだ。
天寿を全うする間際、病室のベッドに力無く横たわる曽祖父。嬉しそうに、生まれたばかりの赤子を見つめる叔母。そういった、相反する経験しかないのである。
つまりは、私にとっては病室とは生と死の象徴であって、なんとも近づきたくない場所だということだ。
仕事で病室に行ったことがあるが殆どがただ苦しそうに眠る高齢者ばかりで健康の為に努力を惜しむのだけはやめようと思った。
「ほんとうに、十年、経ったんだね」
まだ、たどたどしくしか話せなかった私の言葉を、あなたは静かに頷いて聞いてくれた。
しばらく会えなかった理由を、せっかく目を覚ました私と、私の家族との時間を邪魔したくなかったからと教えてくれた。
何を見てたの、とあなたに聞かれた。私は、病室の窓から見える山の麓を指さした。
「桜、見てた」
あなたが、窓の先に目を凝らした。桜といっても、ここからだと遠くにうっすら、散る前の最後の桜が見えるだけ。もうすぐその季節も終わる。
「お花見、行けなかったな、って」
私がぽつりと呟くと、あなたはそっと口を開いた。
「元気になったら行こう。今年は間に合わなくても、来年行けばいい。一緒に行くよ」
私は、その言葉が嬉しくて、あなたに聞き返した。
「私と、行って、くれるの?」
「ああ」
「嬉しい……じゃあ、約束、ね」
私が小指を立ててあなたに手を伸ばすと、少し照れくさそうに、あなたの小指を絡めてくれた。
笑顔を作るのに不慣れだったあなたが、不器用に、ふっと口元を綻ばせてくれた。
自作小説『春を待つ』より
目が覚めるとベットの上だった。
カーテンに仕切られた小さな部屋の中で
ただ、小さな呼吸の音が聞こえた。
なんでここにいるんだっけ?
僕は誰だっけ?
なんで生きてるんだっけ。
病室に、空調の乾いた音が響いていた。
かたわらには、新生児用の小さい小さいベッドが設置されている。
赤ちゃんは、眠っているのか身じろぎひとつしない。産まれたばかりの赤ん坊が、こんなに眠るものとは知らなかった。
私は四角い窓から真っ青な夏の空を見上げ、生まれて初めて味わう充足感に浸っていた。その後に続く、辛く険しい療育のことなどまったく知らないまま。
【病室】
#病室
病室の窓から外を眺めること早数年。
毎日毎日同じ景色ばかりで正直飽きた。
あとどれ位ここにいれば良いのだろう。
ゲームも読書も飽きたし、お見舞いに来てくれる友人もいなくなった。
最近は家族すらもお見舞いに来てくれない。
看護師さんに話しかけても無視される。
なんで?どうして?
私だって病気になりたくてなったわけじゃない。
それなのに、私だけなんでこんな思いをしなくちゃならないの。
あーぁ、1人はいや。誰か私の所へ来てよ。
それから数日後、私の部屋に誰かが入ってきた。
珍しいこともあるものだと入口に目をやるとそこには看護師さんとほかの患者さん。
看護師さんはその人に向けて言った。
「今日からここがあなたのお部屋ですよ。」
どうして?ここは個室よ。それなのに、なんで他の人を連れてきたの?ここがあなたのお部屋?違うわ!私のお部屋よ!!
看護師さんに訴えたけど、無視された。
患者さんも私を無視した。
私が見えていないかのように振る舞う看護師さんと患者さん。
どうして見えないように振る舞うの?
病室
夜勤やってた時の話……
とある精神科なのですが
拘束というものがありまして
その拘束をされている方がいました
昼間も夜も拘束をされていました
その方は、動くことはなくぶつぶつといつも
何かを話していたのをよく覚えております
そのとある夜の話です
精神科の夜なので、皆様、薬を飲んで寝ているため
私の足音だけが響く状態でした
その方の病室は、大広間の一番近いところだったので
部屋を回る際に一番最初に回る予定でした
部屋の前まで来ると
突如、後ろからその方が声をかけてきました
当時も今も意味がわかりません
会話はできてませんが、
こちらの意思は伝わったのか、何も暴れることなく
部屋に戻り、元通りにさせて頂きました
その後は、何度かすり抜けをするという
危険なことを何回もやられました
という嘘のような本当の話
あれは、こまりましまねぇー
病室
ぼやける視界がクリアになる
ここはどこと聞く間もなく
どこかを理解する
世界という病院の
日常という病室
みんな普通だと思ってる病棟
それが私のいる病棟名だ
病識の欠場、病感の欠落
私は大丈夫
それがみんなの合言葉
それを前提に
あの人はおかしい
どうかしていると
非難しあって
同じ場所にいる
何をわかっているのか
わからないままじゃないか
私が私でいるうちに
私に迫られる前に
誰かの言葉に耳を貸す前に
誰かの指差す方へ黙って
ついていく前に
今ここがわかってどうする
どんな場所かを知って
自分に何を求める
今ある全てを疑って
病室が病室であることを
わかったままに
病人のふりして
抜け道がないか
目を凝らして探してる
私が私を追い越すために
お外はどんな素敵な景色が
広がっているんだろう。
華やかで、キラキラしてて
素敵なんだろうなぁ…
どうしても言ってあげられない
憧れているだけが
幸せなんて
私は外を知っているから。
そんなに良い場所でもないよ。
だけど
せめて元気なら
楽しいのにね。
なんて
私は残酷。
–病室–
長く伸びる廊下。
永遠に続くであろう苦痛に身悶える、身に覚えがする。
306号室のがら空きの部屋に、ひとりの痩身の男は腰かけた。
ここは、元は病室だった部屋で、鉄格子のはまった窓が厳しい。
なにをそこまで、妄執的にと思うが、警察病院の3階であって、人を逃がさないようにするのは、当たり前だろう。
現在は使われていないものと見え、消毒液の匂いはおろか、医者の話し声もしない。
ただ、相方が後ろからコツコツと靴音をさせて、近づいてくる音が聞こえた。
機嫌悪そうに語りかけたその男は、水道の蛇口をひねると、水を飲んだ。
こんな、水道管が腐っていそうな場所で……。と、怪訝な顔で返してやるが、ふてぶてしく息をつく。
ただ、男の有り様は、世間からは外れていたが、彼らの暮らす社会では、不適合者ではなかった。
暴力と策謀とが混雑する世界では、男の暴力癖は、クロールの途中で、息継ぎをするような、潔さに満ちていた。
相方は、血反吐を吐くようなこの、闇社会でのし上がってきた、成り上がりの男だったが、さすがにこの廃病院の調査にも、抜かりはないようであった。
ただ、愚痴は多かったな、と今になって思う。
愚策ではなかったが、愉快な話はひとつもなかった。