『生きる意味』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
生きる意味
生きる意味って何だろう?
生きる意味を考えて生きて来なかったから判らない
考えても応えは出ない
この世にこの時代に産まれた以上
最期のお迎えが来るまで生きなければならない
最期の最期まで生きる意味の応えは出ない
『生きる意味』
生きる意味なんてなくていい
ただ、ただ生きてるだけで素晴らしいんだって
口ではいくらでも言えるけど
心の底から そう思えるのは 簡単ではないよな
どうしたって なんらかの価値を見出したくもなるし
誰かに価値を感じてもらいたいと思うのは
本能にも近い
だけど、敢えて、自分なりの意味を考えるのなら、
それは、充実感だと思う
誰かに、なんらかの評価をもらうことよりも
自分自身が、やり切ったと
もはや、これ以上はできないんだと、
自分がお腹の底から感じられる、自分史上の
“記憶”を更新し続けることが
“生きる意味”に繋がるのではないか
そんな気がしている
だけど、これだって、本当に
口で言うほど 簡単ではないんだよな
でも、簡単ではないけれど
自分の中に 必ず何かが積まれていく
そう感じられる予感だけはする
この挑戦を
積み重ねていく未来に
私はほんのりと 希望の匂いを感じている
この匂いを感じることこそ
今の私にとっては
生きる意味、、、
なんだと思うのだ
お前に会って生きる意味を知った
お前は俺のすべて
お前がいなければ俺の人生は闇だ
そんな他人依存の馬鹿な奴
どこかへ吹っ飛んで戻ってくんな
へつらってるように見えて
実は支配下に置こうってのが見え見えなんだよ
騙されねえよ
ばーか
テーマ:生きる意味 #166
生きる意味とは同時に死ぬ意味を考えることだと
私は思う。
生と死はいつも同時だ。
出会いがあればいつか別れが来る。
それと同じく
生きるということは同時にいつか死ぬ。
不老不死とか不死身とか
世の中の言葉にはあるけれど
不老不死や不死身はあったらあったで
つらいと思う。
死があるから生が美に見えると私は思う。
だから
生きる意味とは死ぬという意味なのかもしれない。
ぽちゃん。ぴたん。庇の陰にしゃがみ込んで、雨止みを待っている。どんよりと澱んだ雲はどこまでも厚い。湿った空気と、冷たく地面を跳ねる滴が全身から体温をじわりじわりと奪っていく。鳥の声すらも聞こえてこない。
私は、雨の日が好きではなかった。
むしろ好きな人はそう多くないはずだ。お日様が出て、爽やかな風吹く日のほうがいいに決まっている。そんな時に、町の外れにある草っ原で寝転がってお昼寝するのがなによりも心地いい。
「……はやく止まないかなぁ」
願掛けのようなもので、雨除けの傘は外に出る日はできるだけ持ち歩かないようにしていた。だから毎度、降られた日にはこうして雨宿りをする羽目になっているのだけど。
頬杖をつく腕に布が貼りついている。同じ屋根の下、濡れた土の上にいるコオロギも同じように出て行かずにいる。お揃いだね、なんてひとりごとを溢して空を見上げた。
「こんにちは」
ふと、目の前に影がさした。頭を上げる。すると見慣れた顔が微笑んでいた。へらりとした、掴みどころのないひょろい男だ。突き飛ばしたら簡単に尻餅をついてしまいそうな奴の登場に、眉間に皺が寄った。
「……」
「聞こえなかったみたいだね。こんにちは!」
小さな声で挨拶を返す。それに気をよくしたのか、鼻唄でも歌いそうな調子で男が何かを差し出した。綺麗な傘である。……やっぱりな。
「いらない」
「まぁまぁそう言わず」
男はめげない。わたしも折れない。こうなっては平行線だ。毎度雨の中、外を走って私が去るか男が帰るかしかない。私は差し出された傘をそのまま引っ掴めるほど、この男のようにヘラヘラ生きていない。
「都合のいいことは信用しないようにしてる」
それが生きるってことだろう。助けが現れることを期待して過ごすほど、弱くなったつもりはなかった。
その場で立ち上がる。今日もわたしから立ち去ろうとして、初めて呼び止められた。
「気高いですね。都合なんて時の運なんですから、何でも使っちゃえば良いんです」
だから雨の日は好きではないのだ。
へらりと笑んだその指先、鍵が摘まれている。それはずっと探し求めていたあの人の品だったのだから。
[生きる意味について考えましょう]
黒板に書かれた字をそのまま先生が読み上げた
[なかなか難しいのですぐには出ないと思いますけど周りと話し合ってじっくりこの時間を使って考えてください10分後に交流を開始します]
推しに会うため
趣味のため
家族のため
幸せのため
色んな声が口々に聞こえてきた。
僕は隣の転校生に話しかけた
[なあお前はなんだと思う?生きる意味って]
[私は生きる意味は多分、その時わかるものでは無いんだと思うあとになって意味に変わるんだと思う気づくんだと思うその時は、無駄だと意味の無いものだと思うけどふと振り返してみたらそれが意味に変わっているって気づくんじゃないかな?]
深い、、、
こいつ本当に同い年か?見た目で判断された?
この歳でここまで深く考えられるか普通でも結構頭のいい学校から引っ越してきたんだろうなあー
それなら納得も行く説得力もあるそうだなそうだな
ピピピ
タイマーが鳴ってから少しずつ声が少なくなって行った。
お題[生きる意味]
No.32
[生きる意味]
「姉さん、おはよう。今朝ごはん用意するから待ってて」
挨拶をすませて朝一番に台所に向かう。
起きてきたら二人分の朝食を用意する、これが俺達姉弟の毎朝のルーティン。
「ご馳走様。今日は沢山食べてくれて良かった。片付けたら今日何しよっか」
「あ、そういえば1000ピースのジグソーパズル買ったっきり手つけてなかったんだけど一緒にやる? うん、じゃあ後で部屋から取ってくる、あ、今取ってくるから少し待ってて」
「はー……」
未開封のジグソーパズルを手に取ると、途端に溜息が漏れる。想像してたよりもずっと姉さんとの生活は俺の精神までも蝕んでいっているようだ。ある境を切っ掛けに姉さんは精神を病み失声症となった。医師の話では一時的なものらしいが、もう一年近く姉さんの声を聞けていない。前はうるさいくらい元気だったのに、今じゃ声と一緒にあの笑顔すら消えてしまった。
元気になって欲しいと、昔の姉さんに戻ってほしいと心の底から願ってる。だって今も昔も、俺の生きる希望は姉さんだけだから。
けれどそう考える反面、今の姉さんとの生活が俺自身そろそろ限界に達しているのも気付いてる。
昔、こんな言葉をどこかで見た。
『幸福は笑顔を維持できるかどうか』だと。
『家族の笑顔はその指標になる』とも。
なれば、愛する人の笑顔に触れられない今の生活は到底幸福とは呼べないものになるのかもしれない。でもだからといってこの地獄に姉さんだけを置いてけぼりになんて、出来るはずがない。どれだけこの生活が苦痛に満ちようとも限界に達して壊れかけても、俺から逃げ出すことは決してない。
人はこれを生き甲斐と呼ぶのだろうが、これはそんなお綺麗な感情なんかじゃない。
ここにあるのは『死ねない理由』でしかない。
姉さんのいる暗闇から姉さんを救い出す、ただその義務感で俺は貴女に笑いかける。いつか貴女が元の明るく優しい、俺の大好きだった姉さんに戻れるように。
「お待たせ、姉さん」
生きる意味
幸せになるために
日々を生きている
自分の願う幸せまでは
まだ辿り着いていないが
美味しい物を食べた
青信号が続いて止まらなかった
そんな些細な幸せを
日々積み重ねている
長いですが良ければ見ていってください❀
1✻ そろそろ暖かくなってきたこの時期。
体育館につづく外のスロープを降りているとき
体育館からシューズの擦れる音が聞こえると同時に、僕の目の前に1枚の桜の花びらが悲しそうに降ってきた。 僕はまた無視する。桜が散ることなんて当たり前のことだから。
それで散ったあとなんて人に踏まれるか誰かに掃除されて消えるだけ。
でも今日は考えてみた。
桜にも前世があったのかなって…。
もしその前世が人間だったら。僕と同じだったら。
まあそんなことはどうだっていいと僕は体育館に
向かっていった。
2✻ 「倉本春香」は僕と同じ部活の人。いつも明るくて僕とは真逆。卓球部の部長をやっている。
ほんとに彼女はいつも笑顔で部員に接していてすごいなと思う。
でも彼女は隠している。自分が病気だということを
必死にバレないように。
僕が彼女の病気を知ったのは去年の12月。
部活で最後二人だけになった時、彼女がいきなりしゃがみ込んだ。先生を呼ぼうとしたが彼女はいつものことだからいいと、先生を呼ばなかった。
そして直ぐに僕は彼女の指示通り、鞄にある薬を出して彼女に渡した。数分経ってようやく彼女が少し落ち着いてきた。そしたら、彼女は少しずつ病気のことを僕に話してくれた。
彼女は心臓の病気だと言っていた。今でも治療法がなくて薬で何とか耐えているらしい。だから寿命も残り少ないと、来年の春にはもう居ないと、僕は告げられた。 僕は信じられなかった。まさかあんな元気な子がこんなことを言うなんて思ってもいなかったからだ。
僕が驚いて黙っていると彼女はまた少しずつ話してくれた。
「来年にはもう居ないから、残りの3年生の期間君に部長をやってほしい!」と。
正直僕はやりたくなかった。だからこれだけは少し難しいと彼女のお願いを断った。彼女は少し暗い顔をしていたがまたすぐに笑顔で「大丈夫!」
と言ってくれた。
そしてこの日以来あまり彼女は学校に来なくなってしまった。あの日から体調が悪化してしまったのだろうか。やっぱり救急車を呼んでおくべきだったと後悔したがあの時、彼女がおおごとにはしたくないからと言って呼ばなかったし、病気のことは誰にも言わないで欲しいと言われた。
僕は約束を守ったつもりだった。あの時までは……
3月、彼女が亡くなった。
予定より早くいなくなってしまった。理由は
自殺。
僕は一番それに驚いた。
あんなに人生を楽しんでいた人が自殺だなんてありえない話だからだ。
僕はその話を聞いてからしばらく学校をやすんだ。なぜ自殺したかは分からない。でも単純に全てを受け取るのはむずかしかった。
3✻ 彼女が亡くなる前にこんな話をされたことがあった。
「人間って、美しいと思わない?いつか必ず死んじゃうのに毎日一生懸命いきてるんだよ!?そう考えると少し悲しい気もするけどねー。
だったら私は死ぬ時、桜みたいに綺麗に散っていなくなりたいな…その方がまだまし!あーあー、来年も桜見れるかなぁ」
なんて、冗談半分で言っていたけど実際、桜も見られずに消えてしまった。
だからせめて彼女があの時言っていた僕が部長をやるということを叶えてあげようと思った。もうこれ以上彼女の悲しい姿は見たくなかったから。
彼女は僕の「生きる意味」を作ってくれた。
だからこうして毎年桜を見るとあの時を思い出す。
終
生きる意味
生きる意味なんてない。
生き続けなさい。
死んではダメ。
とか言われて、
仕方なく生きてる。
一生懸命1日1日を大切に生きてる人に失礼だと思うけど、
こっちはこっちで必死なんだわ。
生きる意味
「ねえ、生きる意味ってなんだと思う?」
ふと気になって、迷子にそう聞いてみた。彼女は少しだけ微笑んで答える。
「なんて言ってほしいの?」
そう言われて、ただ自分の生きる意味を肯定してほしいのだと気づいた。
生きる意味、なんて大きくて、曖昧で、答えが一つとは限らないもので、それでいてその意味がないとなんだか生きていていいのかわからなくなってしまう。
せっかく生まれてきたのだから、この人生を楽しもうと謳歌するのだって、親しい誰かを大切にするのだって、幸せになるのだって、生きる意味で。
明日の空の色がどんなのか、なんて人から見たらくだらないようなことを思うのも、今日を生きる意味で、明日を生きる意味で、その先を生きていく意味なんだろう。
生きる意味がわからないと嘆き、見つからないと立ち止まり、そんなものはないと絶望しても、息をすることはできるから、生きていくことはできるから。
それで苦しくなるのはきっと、生きる意味がないといけない、なんて思っている自分に首を絞められているんだ。
生きる意味なんてあってもなくてもどっちでもいい。あったら、きっと誰かに肯定してほしくて。なかったら、きっとそんな自分を受けとめてほしいんだ。
生きる意味
生きる意味なんてない。
気がついたら生まれてて、いつか死ぬだけ。
ただ、それだけ。
死んだら。
死んだら、すべてが終わり。
死んだら、どうなるかって?
そんなの、生まれてくる前の状態に戻るだけさ。
そんなの、誰も覚えちゃいない。
生きる意味はない。
でも、自分が死んだら周りがひどく困るだろう。
焦らず、生きていくしかないんだ。
むしろ、死は楽しみにしておいてやろう。
それがぼくの「生きる意味」ってことで。
だから、楽しみは最後に取って置こうと思う。
何のために生きてるんですか?
聞かれた事がある。
生きたいから生きてる。
それ以外の答えがない。
生きる意味が何か問うならば、
今生きたいと思う意味に嵌めると良い。
生きたくなければ
生きず道もあるが、
私はその前に、精神科を勧める。
脳を治療すると生きれる事が多いからだ。
心ではなく脳の治療…
脳の治療なく、死にたい死にたいと
日々唱える人間には
目の前の幸せに気づける余裕もない。
余裕なくして、生きたい意味に辿り着くわけもない。
テーマ「生きる意味」
生きるために探していたのか、探すために生きていたのか。
どちらにしても、俺にはよく解らない。
突然開けた視界、なんて言うと、大袈裟かもしれない。
でも、視界=世界を広げてくれたことに変わりはない。
だから、大好きだったし、こうして話せるだけでよかった。
ーーーけど、そうも言っていられない。
だって、全てが嘘だって、作られた世界なんだって知ってしまったから。
それからは、どうしていいのか解らなくなった。
でも、あいつには絶対に知られたくなくて、必死で隠したっけ。
バレてる、とは思いたくない。でも、聞く勇気もない。
ただ、あいつが悲しい想いをしないように。後悔しないように。
全てに絶望する、なんて、それだけは絶対に避けたくて必死だった。
……あぁ、なんだ。俺にも、”生きる意味”があったんだ。
できたら、こんなことで理解したくなかったのに。
生きる意味
小さな扉 大きい番人
大きな扉 小さな番人
左右二手を示す指先
正解のある問など
このセカイには無く
誰かが セカイを飛び出したとて
唯々 時が巡るだけ
その問に 正解を求めるならば
奈落の歩き方を知る 其れだけだ
滑らかに 踊る様に
酔いどれ乍ら 振り返る
暗闇が滑稽に歩くサマを
お題【生きる意味】
タイトル【宵に濡れ】
題 生きる意味
人生リポート!
あなたの生きる意味はなんですか?
20代社会人女性
エー⋯⋯ あんまりないですかね。やりたいことも特にないですし、毎日仕事が忙しくて、疲れてすぐに寝てしまいますし。こんな生活ダメだよなぁとは思うんですけど、でも多分、改善する気はないと思います。すみません、こんな回答で。怠けた人生で恥ずかしいなぁ。やりたいことがある人って、どうやって(やりたいことを)見つけたんですかね、羨ましいです。
あなたの生きる意味はなんですか?
70代男性
俺はもう死んでもええと思っとる。若ぇ頃は、死ぬんは怖かったが、今となっちゃあもう何も怖くない。だけんどな、生きとるうちは毎日飯作って、嫁さんの仏壇に供えにゃならん。それから嫁さんが可愛がっとった猫にも、エサと水をやらにゃいかん。あとはモーどうでもいい、うん、いつ死んだってええわ、充分生きた。長男と次男がな、俺が死んだらギョウサン人呼んで葬式してくれるっちゅうねん。イマドキやないやろ、な、ヘヘヘヘ。
あなたの生きる意味はなんですか?
6歳女の子
私の生きる意味は、オリンピックに出て、スケートボードで金メダルを取ることです!今はまだヘタだし、たくさん転んじゃうけど、一番好きなスケートボードで一番になりたいです。お父さんも、お母さんも、友達もみんな応援してくれてるから、金メダル取ったらみんなに(金メダルを)かけてあげたいです。
あなたの生きる意味は何ですか?
神様
⋯⋯ イヤァ、俺生きてないですし、そんなこと聞かれてもなぁ。⋯⋯ 俺が?イヤイヤ、俺はニンゲンに生きる意味を与えたことなんてないですよ、マ勝手に崇拝してるニンゲンはいますケド、ハハハ。
そうだなァ⋯⋯ 最近、この時期は自死でコッチに来るニンゲンが増えてるんですよね、昔はそういうの少なかったのに、時代かなぁ。
アー⋯⋯ この女のニンゲンもそうだね。今、俺の奉公が迎えの準備してますよ、オカエリーってネ。悪いことしてないし、ある程度生きたし、地獄行きは免れるデショ。でもなぁ、めんどうくさいんだよなァ。イヤネ、多いんですよ、こういうニンゲン。下界を覗いて、家族やら友人やらに泣かれているのを見ては、戻りたいって言うんですよ。コッチに来たら、もう元のニンゲンには戻れないって、何度説明しても、神様ならナントカして下さいって諦めないんですよ、あんまりしつこいと来世に流しちゃうんですけどネ。俺にはそんな力ありませんよって、ハッハッハ。
逆に、このニンゲンみたいなのは楽ですよ。此岸になんの未練もなく、大人しくいてくれる。でも、このニンゲンの嫁さん、もう流しちゃったんですよね、しつこいから。怒られるかなァ、ジジの話って長いんですよねぇ。そもそも欲の深いのはコッチに住むには向いてないからね、ニンゲン向きですよ。「もう死んでもええ」って言ってますけど、あと30は生きますよ、このニンゲン。猫の方が先に来ますね、畜生の神ならもっと具体的な年数が分かるんですけど⋯⋯ 。
オ、こっちの子は目的があるんですね、ハハハ。⋯⋯ アー、あんまり興味なくて、スポーツとか、優劣の権化じゃないですか。やっぱりこの子もニンゲン向きだったか、迎えはいらないね。⋯⋯ アァ、7歳までは迎えが用意されているんですよ、コッチ向きの子は、ニンゲンの世で生きるのに、あまりに向いていませんから。どんなニンゲンになるか、ここから見ていますからね。
⋯⋯ エー、ニンゲンが生きる意味なんて、考えたこともありませんよ。意味なんてなくても、俺や閻魔は奉公を向かわせませんし、そもそも、意味を考えてる時点でニンゲン向きですネ、ハッハッハ。
生きる意味は毎日の中に少しずつある
あれを食べたい
これをしたい
それだけだって
その日を生きる意味になると思うし
夢を叶えるみたいな大きな目標だって
生きる意味
毎日小さな生きる意味と
今後の目標や好きなことのために
生きていると思ってる
からん、と気分の良い音を立てて、扉は開いた。
年季の入った室内の奥には、一人の男が黒い椅子に深く腰を掛けている。来客に気づいた男は、ぱっと目を丸くすると、にこにこと人好きのする笑みを満面に浮かべた。
「やあやあ。お久しぶりだね。今日は何のようかな?今、飲み物を用意するよ。席に着いていてくれて構わない。ああ、そこでいいよ。紅茶でいいかな?砂糖も用意するよ」
「気を使わなくて結構。それに、今日は依頼じゃあない。時間が出来たから、少し此処に寄っただけだ」
流れるように席を立ち、意気揚々と紅茶の用意を始める男を来客は静かに宥めた。間が開き、来客がコートと帽子をコートハンガーに掛けた頃には、男が二つのカップに入った紅茶を運んで来るところだった。
「はい紅茶。熱いから十分気をつけてね」
「……、相変わらずお前は人の話を聞かん奴だな」
来客は少し顔を渋くしたものの、紅茶の入ったカップに口をつけた。そんな来客の様子を見て、男は満足気に砂糖を入れた紅茶を飲む。先にカップを皿の上に置いたのは、来客のほうだった。
「事務所の看板、閉まったのか」
「おや、気付いたんだね。まあ、君なら直ぐに気が付くか」
男は来客の言葉に、肩をすくめて答える。
「辞めるのか?この仕事」
少しの間が空いて、男のカップがコトリと皿の上に置かれた。男からは最初の陽気さは消え、今は目を伏せってすっかり黙り込んでしまっている。
「……うん。そう、考えている」
男が抑揚のない声で来客の言葉を肯定した。
「そうか」
いたって真面目な顔で、来客は言葉を返した。
来客の顔を見て、男は自信なさげに薄く微笑み返す。
そんな男の顔を見て、来客は。
「そうか、やっとか。いやあ、お前にしては随分長く続いたな。お前なら三日で投げ出すとばかり思っていたのに。当てが外れた。」
——そう、事も無げに言い放ったのだ。
この空気の中、突如として落とされた爆弾のような発言に、男は思わず固まった。
「は、え、いや、どういうことさ!君には僕がそんな人間に思えていたとでも言うのかい!」
「ああ、そうだ」
あっけらかんと答える来客の姿に、男は先程までのしんみりとした雰囲気をかなぐり捨てて問いただす。特に驚いた様子も無く、しまいには、長くても七日だと思っていた、などと言い出す友人。そんな友人に、男は無性に腹が立って……、しかし、何だか面白可笑しくも思えてきた。
「この、このお。君というやつは……。僕はこんなにも真剣に悩んでいたのに……」
涙で滲んだ瞳を揺らして机に突っ伏した男の恨みがましい視線を来客は受けた。そんな男の情けない様子を前に、彼としては豪快に笑った。
「ふふ、ははは……。いや、悪い。悪い。つい、な」
「まったく。もう、酷いよなあ」
ひとしきり笑った後、不意に、来客は何かを企むかのような笑みを見せる。彼の鋭い双眸には、先程までは見られなかった愉悦の色が揺らいでいた。
「ところで、だ。お前の事だ。もう次にやりたい事は決まっているんじゃないのか?」
男は机から顔を上げると、来客の方をにやりと見やった。
「ああ、勿論さ」
ソファから立ち上がり、男は閉じていたカーテンを勢いよく開けた。小さな埃達が、沈みかけた夕日の光を浴びて雪の粒の如く、淡く輝いた。カーテンを開けた窓の外には、夕日色に染まった街が広がっている。
「僕はもっとも偉大な人物になる男だ。こんなちっぽけな探偵のままで、満足するワケないだろう?」
男は挑戦的な笑みを見せ、来客を指差して発言する。
「この街を盗んでやるのさ。君よりもずっと早くね。
ねえ?世紀の大怪盗さん」
「ふ、探偵の次は怪盗か。めちゃくちゃだな、お前は」
呆れたように、やれやれといった様に肩を竦める来客。その表情の裏には、密かに物事を楽しむ気持ちが隠されている。そんな来客の心に気づいたのだろう。男は腕を下ろし、構えを直した。
「まあいいだろう。その挑戦、受けてやるよ。元探偵さん」
「"名"探偵、だよ。挑戦を受けた事、後悔するなよ?」
夕日は沈み、半分に欠けた月が街を照らしていた。
月の光の届く、古びたアパートの一室。此処から、二人による新たな物語が幕を開けようとしていた。
「これで誰もが大助かり!」
「そうなんですよ! 実はお子さんにもメリットが!」
「かと思いますよね? さらにハッピーな機能が……」
憧れの先輩はとても口達者で、
どんな追及の手も、鮮やかに切り返して味方にする。
あっという間に人だかりができていて、
終わってしまえば歓声の嵐。
それに比べて、僕の周りにはほとんど人がいない。
「地味ですけど、その、ホントは面白くて……」
「い、意外と奥が深いんです」
「幸せにもなれます! た、たぶん」
生きる意味のセールストーク。
ありもしない商品を売りつける力が、
僕にはどうも足りないらしい。
早々にブースを畳んで、僕はぶらりと家路に着く。
これで仕事はおしまい。
あとは自分の好きにさせてもらおう。
#生きる意味
ギィー···
重い錆び付いた音を発てながら、扉が開いた。
どうやら先客がいるらしい。
まだ日が暮れると寒い4月下旬の事。
いつも一服するのに最適な廃ビルの屋上、
その手すり柵の向こうに佇む青年。
とりあえず、ポケットに入っているタバコを取り出し
安っぽいスナックのマッチで火をつけた。
タバコを吸い込むと同時にマッチの匂いが鼻を突く。
肺いっぱいの空気と一緒に煙を吐き出す。
あぁ、至福の時だ。
『旨いんですか?』
俯きながら下を眺めていた青年から問いかけがあった
チラリと視線を寄越しながら
「最高だよ」と
それから少しの沈黙のあと彼はぽつり、ぽつりと語り始めた。仕事が辛いこと、恋人と別れたこと、
未来が不安すぎて、どうすればいいのか解らないこと
生きている意味がわからなくなったことeat...。
顔を上げた青年は迷子の子どものような目をしていた。とりあえず、こっち側に来てほしいなぁ
何て思いながら、二本目のタバコに火をつけた。
そういえば、旨いかを聞くぐらいだから···
「ねえ、タバコ吸ったこと無いの?」
『·····ないです』
「こっちおいでよ。物は試し吸ってみ?」
手招きすれば少し戸惑いは見せたが、こちら側に戻ってきてくれた。
あれだけ心の内をさらけ出した癖に警戒した猫のように恐る恐る近づいてくる様が何だか可笑しかった。
ほらっと、タバコと一緒にマッチを渡すと上手くマッチに火が灯せず途方に暮れた顔がまた可笑しく、
仕方なしに、火をつけたタバコを渡したら思い切り吸ったらしく盛大に噎せていた。
『ごほッ、ごほッ、うぇッ。美味しくない!!ウソつき』
腹がよじれるかと思うくらい笑った。恨みがましく
見ていた青年も途中から一緒に笑っていた。
「はぁ~、生きる意味なんてなくていいんだよ。先ばっかり見るから不安になる。まずは、足元見とけ。転ばないように!!それから、酸いも甘いも経験できるものは全て試してみろ。法に触れること以外はな!!」
そう言ってクロネコ青年の頭を乱暴に撫でまわし、
名刺だけ手渡してその場を後にした。
あれから5年、何気無く付けたテレビの向こう側にあの時の青年がいた。
イタリアで有名な靴職人として取り上げられていた。
彼なりの生きる意味が見つかったらしい。