『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題:狭い部屋
タイトル:狭い場所
狭い場所って落ち着くんですよね。
押し入れの中とか、勉強机の下とか。
でもいつかは両親を広い家に住まわせてあげたいと思う、今日この頃です。
狭い部屋
幼い少女は多くのぬいぐるみや本に囲まれて狭い部屋に閉じ込められていました。
#狭い部屋
人が生きるのに
そんなに広い空間はいらない
大事なのは
自分の気持ちが安らげるか
それにつきる
ショコラ
せっかく、広いとこに越したのに。以前住んでた時のままの古く小さなテーブルと椅子を持って来てしまった。捨てるつもりだったのに。何の思い出も思い入れもない。だが、2つとも、こちらを見ているような気が…
勿論気の所為だが。曽祖父が若い頃に、倫敦で買った物らしい。
狭い部屋
ここから出たいと
ずっと思っていた
それなのに毎回
振り出しに戻る
狭い部屋から出たい
窮屈な自身から出たい
巨大ロボットの頭の中で
操舵席にいる自分
怖い、怖い、檻なんて、もう居たくない。
でも、逃げられない。
あなたの言うことを聞いていれば、良かった。
あのとき、あなたが止めてくれたのに。
なぜ、わたしは……あなたの言うことに、あなたの警告に従わず、
自分のプライドを優先してしまったのだろう。
狭い部屋が好きだ
昔から視界に入らない部分が怖かった
空間や闇には何かが潜んでいると思ってしまう
だからシャワーで目を瞑るのも
最短にしている
一人暮らしをする時に選んだのは
ワンルームの狭い部屋
これで使わない部屋はない
ほっとした瞬間
カタリとユニットバスから音がした
10年以上も前のことです。私の娘が東京の私立大学に合格しました。
東京から遠く離れた地方に住む私と妻は東京の大学に行かせてあげれるだけの毎月の仕送り、大部分はアパートの家賃ですが、それを工面することがとても難しく、娘が住むアパートの部屋はベッドを置いたら、残りは通路ほどのスペースしかないところになり、そこで4年間過ごしてもらいました。
冬はすきま風が入ってきてとても寒く、もともと身体が弱かったこともあって、毎年、風邪をひいて熱を出し、妻が看病のために上京したこともありました。
今思えば、懐かしい思い出ですが、娘が大学を卒業し、就職が決まって、少しは広いアパートに住めるようになったときは、稼ぎの悪い親として、娘に苦労をさせたのかと涙が出ました。
ただ、娘に苦労をさせたというのは私の勝手な思い込みかもしれません。ですが、本当に娘というものは、自分の命よりも大切なもの、かけがえのない宝物なんです。(テーマと離れた話になり失礼したした。)
モノで溢れた6畳一間の小さな王国。
好きなモノだったのに脇目も振らず
双眼鏡を覗いて“あの子”を見つける。
いつもの場所にいるあの子。
僕を見て微笑むあの子。
嗚呼。僕に何か言っている。声が聞きたい。
あの子に逢いに行かなくちゃ。
居ても立っても居られなくて、僕は窓から飛び降りた。
あの子が本当に居るのかも分からずに
#狭い部屋
「狭い部屋」
今日もだめだったなあーと、自分の部屋に入って、荷物を放り投げながら呟く。
帰る前にお手洗いに行っとこう、と小走りで歩いていたら彼女とすれ違った。出会う時はいつも不用意で、髪は乱れて、ぼけっとした顔をしていたに違いない。それに比べて彼女は今日も素敵だった。
いつもコンタクトなのに、今日眼鏡してたんだよ、なんであんな似合うのさ…
好きだなあーと、またこの狭い部屋に呟く。
彼女の好きな所も、彼女のことがどれだけ好きかも、彼女にいつまで経っても話しかけらなれない自分の勇気のなさも、この部屋が1番知ってるだろう。いつか、彼女を呼べる日が来るといいな、なんてね。
「狭い部屋」
部屋の数だけ物語がある。
それは人生ドラマか夢物語か。
今日も今日とて狭い思考の部屋を
ぐるぐる、ぐるぐる、歩き回る。
東京ドーム たったの1個分の
東京ドーム球場も
まぁ 狭いっちゃ 狭いな。
周りが気になって仕方がない
学校 職場 出かける先々
家の中の居間ですらも
落ち着かない
本当に
誰かひとりでもいると駄目だ
たとえ 気の知れた友人でも
たとえ 身内である家族ですらも
トイレと風呂以外にも
気持ちが落ち着ける場所が欲しかった
物事つくころから
ずっとそう思い続けて
何十年後
ようやく自分も
一人暮らしをはじめた
決して広くはないワンルームだけど
自分にとっては 楽園だ
【狭い部屋】
俺は狭い部屋の住人だ。ミニマリストって訳ではない。狭さゆえに余り余計なスペースがないので、必要最低限の物で暮らしている。
いつか、でっかい部屋に住みたい。その時はパートナーと一緒にだ。
#23 狭い部屋
お題『狭い部屋』
目が覚めると、薄暗い白い部屋に閉じ込められていることに気がつく。
部屋は狭く、部屋の中心から前後左右に三歩ずつ歩けば壁にたどり着いてしまうほどだ。
電気はついているが、すこし大きめの豆電球を吊るしただけのもので、ときおり点滅している。
部屋に扉はなく、俺は途方に暮れて部屋の真ん中で膝を抱えた。
そんな時、上から声が聞こえてきた。ラジオみたいにときおり声にノイズが入っている。
『今から君のことをテストしようと思う。今から出す問題に答えよ。もし答えられなかったり、不正解だった場合、部屋は前後左右から徐々に圧迫されるだろう』
実際に外から重たいものを持ち上げているとわかる金属音が聞こえてくる。それにこころなしか壁がミシミシ言う音も耳に入ってきている気がする。
『では、問題――』
冷たく不快な汗が全身から吹き出している状態の俺は、つばをのみこんだ。
頭、顔、手、足、指、デスク、風呂、トイレ、キッチン、ベランダ、クローゼット、ベッド、収納、本棚
この部屋は身体の延長
部屋は拡張デバイス
自分の身体を手入れするように
室内も清潔に保つこと!
◼️狭い部屋
狭い部屋で二人並んで眠っている。
こんな風来坊を拾って何がしたいんだ。オレはそう思ったが、今は明日の寝床すらない身だからありがたい。
可愛い女の子ならよかったのだけど、残念ながら拾ってくれたのは冴えないおじさんだ。
一体、何を以てオレを拾うようなことをしたのだろう。横になりながら訝しんだ。
『狭い部屋』(Skyrim)
狭い部屋にあるのは簡素な寝台と下水に続く小さな排水溝に鉄格子の扉。高いところに明かり採りの窓がひとつ。中に囚えられている男は村のこどもを襲い、立ち尽くしていたところを捕縛されたのだという。ここ数日監視を続けているが、大人しく項垂れている目の前の姿からは凶悪な犯罪者というイメージがまったく湧いてこない。時折ぶつぶつと何か言っているときに聞き取れるのは命を奪ったことへの謝罪、そして、誰かへの恨み言だった。なにか事情があるのだろうと思いはしたが、看守は犯罪者に耳を貸してはならないというのが決まり事であり、処遇を決めるのは私たちではない。見て見ぬふりを続け、首長からの指示を待つのみだった。
真夜中に明かり採りの窓から月の光が差している。今夜は満月だった。男は眠りもせずに一心に光を見つめており、その目は爛々と輝いている。ざわざわとした胸騒ぎを覚えるが男は暴れるでもなく空を見つめているだけなのだ。こちらも監視を続けるほかない。外からは獣の遠吠えが聞こえてくる。記憶の隅からウェアウルフの伝承が蘇り、満月の夜に伝説めいた怪物が目を覚ましては人を襲う、などという子供騙しの書物の一文が思い浮かんだ。
その直後、獣のけたたましい咆哮が響き渡った。他の看守たちは顔を見合わせると外へ続く扉へと駆けていったが、その出どころがあの男からであるとは誰も気づいていないようだった。私の視線に気づいた男が光る目をこちらに向けている。その気迫は獣そのものであり、殺意であった。
「近づかないでくれ、頼む」
鉄格子越しに男が呟いた。絞り出すような声に苦悩が満ち満ちていた。
Theme.狭い部屋
あなたと2人きり。。
そーゆー事しか考えられない。
1人は寂しいもん、あなたと2人だけでも安心するもん。。
悲しい思い出しかないこの部屋も、あなたとなら、美化できる
「どんな言葉を足したり挟んだりするかで、なんか色々書けそうよな」
たとえば「狭い『とは決して言えない』部屋」なら、少々強引だがデカい部屋の話もできるし。なんなら「絶対『狭い』と発言できない部屋」の話も組める。
某所在住物書きは今日も今日とて、スマホを見ながらうんうん悩み、天井を見上げている。
問題は頭の固さである。「書けそう」から「書ける」にさっぱり移行せぬ。
「……一般に『狭い部屋』と言われているアパートも、実際住んでみるとむしろ狭い方が住みやすいとか、落ち着くとかってハナシ、あるよな」
しまいには、共感者の多そうな一般論をポツリ呟いてお題回収に逃げた。
――――――
最近最近の都内某所、夜。
雪国出身者の、名前を藤森というが、職場の後輩のアパートの比較的狭いキッチンで腕を組み、
額にシワを寄せ、半額シール付きのヒラメの切り身の大容量パックを見つめている。
「ヒラメ、……ヒラメか……」
右手を上げ、口に触れ、唇を隠す。
スン、と短く鼻で息を吸うのは熟考の癖。
消費期限残り数時間の切り身を大量消費する方法を緊急考察しているのだ。
部屋の中の狭い区画、キッチンをひととおり見渡して、藤森は小さく数度頷いた。
塩と、天ぷらの素と麺つゆと、それからレモン果汁に手を伸ばし、手繰る。
切り身パックの内容量は驚愕の320グラム。
刺し身一択では後輩が飽きる。
他が必要だ――最低でもあと2品。
「にしても、よくまぁこの量を、この値段で」
後輩いわく、前日の午後に研修生価格で鮮魚コーナーに出て、酷い豪雨によって今日まで売れ残り、
客のパック配置荒らしで埋もれ忘れ去られていた。
その幸運を、タッチの差で入手したという。
お得感満載の金額につい手が出たものの、
アパートに帰還して、ようやく我に返った。
この量をどうやって数時間で食えというのだ。
『せんぱい たすけて』
「なぜ私なんかを頼った?」
「先輩、低糖質低塩分メニュー得意だもん」
「そうじゃなくて。お前の親友なり同僚なり、もっと別の、相応しい誰かが居ただろう。なぜ私など」
「あのね先輩。その親友なり同僚なりに、肉とかマグロとか、うなぎならまだしも、ヒラメだよ」
「ヒラメだな」
「どう思う?」
「……だいたい言わんとしていることは把握した。
了解。分かった。善処する」
刺し身はコリコリ、熱を通せばフワフワ。
部位によっては脂の含みも良いから、別に私としては構わないがな。確実にそういう問題ではないな。
他者を呼んで大量に食うようなものでもないし。
藤森は深く納得。切り身を4等分し、卓上フライヤーを引っ張り出し、油を入れて天ぷらの用意。
ガスコンロのフライパンにはマーガリンが落とされ、藤森が自室から持ち出してきた調味料たる山椒の葉が数枚、パチパチ香りを生産している。
油物は厳しくても、焼き物であれば、後輩の明日の朝食用にも耐え得るかもしれない。
藤森は途中で閃き、フライパン投入分を増やした。
「主食は。パンか、白米か、麺?」
「はくまーい。昨日のお茶漬け美味しかった」
「漬け丼風と、出汁茶漬け風の選択肢を用意できると思う。どちらが良い?」
「どっちも」
「塩分過多になる。どちらかにした方が良い」
「漬け風出汁茶漬け。出汁茶漬け漬け丼風」
「天ぷら諦めるか?それとも塩レモン焼き?」
「ごめんなさい漬け丼諦めます天ぷらください」
要望聞き入れて頂けたようで、なにより。
小さく笑う藤森は、熱した山椒マーガリン入りのフライパンでくるりくるり、ヒラメをさっと熱して、
色が変わり次第、順次大皿に落としていく。
少しの塩とレモン果汁を振って、ヒラメの塩レモン焼きはこれで完成。
あとは薄めた麺つゆを温めて、出汁茶漬け風と天ぷらのためのつゆを作れば良い。
「まず一品」
「はやっ?!」
「すまないが、飯をよそっておいてくれ。切り身をのせて茶漬け風にするから」
「ごはんリョーカイ!」
刺し身と、茶漬けと、天ぷらと塩レモン焼き。
だいたいの準備が完了したので、少し狭い感のあるキッチンから離れて、後輩の待つリビングへ。
「飲み物は……」
飲み物は、インスタントの味噌汁か吸い物か、ほうじ茶、何が良い?
料理を並べた大皿を手にした藤森が、後輩に最後の質問をしようと口を開いたが、
「飲み物おかまいなく。もう飲んでるから」
目の前に居たのは、ポップな缶に口をつける、既に上機嫌な後輩そのひと。
「先輩こそ、どうする?何飲む?」
「……おかまいなく」
そうだ。こいつは食いしん坊の呑んべぇだった。
藤森は静かにため息を吐き、テーブルに夕食もとい晩酌用のつまみを置いて、
ぎこちなくも、優しく穏やかに笑った。
「刺し身、少し塩振るか?」
「振る!うぇーい!」