「狭い部屋」
今日もだめだったなあーと、自分の部屋に入って、荷物を放り投げながら呟く。
帰る前にお手洗いに行っとこう、と小走りで歩いていたら彼女とすれ違った。出会う時はいつも不用意で、髪は乱れて、ぼけっとした顔をしていたに違いない。それに比べて彼女は今日も素敵だった。
いつもコンタクトなのに、今日眼鏡してたんだよ、なんであんな似合うのさ…
好きだなあーと、またこの狭い部屋に呟く。
彼女の好きな所も、彼女のことがどれだけ好きかも、彼女にいつまで経っても話しかけらなれない自分の勇気のなさも、この部屋が1番知ってるだろう。いつか、彼女を呼べる日が来るといいな、なんてね。
6/5/2024, 4:01:47 AM