白糸馨月

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お題『狭い部屋』

 目が覚めると、薄暗い白い部屋に閉じ込められていることに気がつく。
 部屋は狭く、部屋の中心から前後左右に三歩ずつ歩けば壁にたどり着いてしまうほどだ。
 電気はついているが、すこし大きめの豆電球を吊るしただけのもので、ときおり点滅している。
 部屋に扉はなく、俺は途方に暮れて部屋の真ん中で膝を抱えた。
 そんな時、上から声が聞こえてきた。ラジオみたいにときおり声にノイズが入っている。

『今から君のことをテストしようと思う。今から出す問題に答えよ。もし答えられなかったり、不正解だった場合、部屋は前後左右から徐々に圧迫されるだろう』

 実際に外から重たいものを持ち上げているとわかる金属音が聞こえてくる。それにこころなしか壁がミシミシ言う音も耳に入ってきている気がする。

『では、問題――』

 冷たく不快な汗が全身から吹き出している状態の俺は、つばをのみこんだ。

6/5/2024, 3:38:17 AM