『特別な存在』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
――あの子は特別な存在だから。
そう言って、誰もがお屋敷に住む彼女のことを敬った。
神様に愛された子。だから屋敷は彼女を受け入れている。
確かにこの村の中で一番広い屋敷に、彼女以外の人の姿を見たことはない。彼女も祭りの時に神楽を舞う以外の時に、屋敷の外に出てくることはない。
――屋敷に一人きりで、寂しくないの?
一度だけそう尋ねたことがあった。
いつのことなのか覚えてはいない。屋敷から出てこない彼女と会えるはずもなく、もしかしたらそれはただの夢だったのかもしれない。
脳裏に長い髪を風になびかせる彼女の姿が浮かぶ。現実でなかったとしても、自分の問いかけに彼女は何と答えてくれたのだろうか。
「また変なことを考えているな」
不意に足元の影法師が濃さを増した。
ぐにゃりと形を歪め、影の縁を掴むように影から黒い指が這い出てくる。指、手、腕と、人の形を取りながら影の中から出ていき、見ている前でそれは黒衣に身を包んだ人の姿へと変わった。
感情の読めない目をして笑う彼を一瞥し、足を速める。彼の姿は自分以外には見えないというが、態々足を止めてまで彼と話す気にはならなかった。
「あれは特別だ。関わろうとするな」
「特別、ねぇ……神様に愛されているから?」
肩を竦め、皆の言う特別の意味を口にする。言葉にしても、やはりしっくりとはこなかった。
愛されているのに、何故一人になるのだろうか。それとも彼女を愛する神とは、神社に祀られている神とは違うのだろうか。
その神は、あの屋敷にいるのだろうか。
「あの執着をAmor《愛》と呼べるならば、あれは確かに愛されてはいるのだろう」
「執着……」
くつり、と喉を鳴らす音に、隣を歩く彼の横顔を見上げる。表情こそは笑っているものの、やはりその目からは何も読み取れない。
「あれが屋敷にあるからこそ、この地の平穏は保たれている。そういう意味での特別だ」
その言葉に、思わず顔を顰めた。愛されていると聞こえのよい言葉は、その実神の贄という犠牲の意味を持っていること。それを察して、周りに対する嫌悪感が込み上げる。
「相変わらず聡い娘だ。理解したなら、これ以上あれに心を傾けようとするな」
黒にも見える、深い青の目に見据えられ、小さく頷いて顔を逸らす。
彼の警告はただの脅しではない。彼女に関わることで、よくないことが起こるのだろう。
「翼を捥がれ、相手の望みのままに着飾り踊り続けるなど嫌だろう?」
「絶対に嫌」
彼の言葉に幼い頃を思い出し、眉間に皺が寄る。
両親の言いつけで神楽舞を舞っていた時。窮屈な巫女装束も、単調な音楽での踊りも好きにはなれなかった。
両親の言葉は絶対で、逆らうという考えすらなかった苦痛の日々。ようやく解放された今、あの頃に戻るなど考えたくもなかった。
踊るのならば、好きな服を着て自由に踊っていたい。誰かに強制させられるならば、いっそ二度と踊れなくなってもいいと思うほどだ。
「お前はそれでいい」
頭を撫でられて、気恥ずかしさに俯いた。
いつまで経っても小さな子供扱いをされることは不満でしかないが、何度言っても彼は変わらない。
溜息を飲み込んで駆け出した。後ろで笑う声を聞きながら、こういう所が子供扱いされる原因なのだろうなと密かに落ち込んだ。
神楽殿で舞う彼女を、ただ見つめていた。
自分と彼女以外に誰の姿も見えない。彼女の手に握られた神楽鈴が澄んだ音色を響かせる意外に、何の音も聞こえない。
気取られぬよう彼女の舞う姿を見続けながら、内心で舌打ちをする。
いつここに来たのか、まったく記憶になかった。
ここは現実の世界ではない。しかし微かに漂う沈香の香りや、時折吹く風の冷たさが、これはただの夢ではないことを告げていた。
――あれに関わるな。心を砕くな。
彼の警告を思い出す。
遅すぎると八つ当たり気味に毒づきながら、どうすれば戻れるのか思考を巡らせた。
今ここには彼女と自分だけしかいない。少しでも動けば、彼女に気づかれてしまうのだろう。
けれど行動を起こすのならば、彼女が舞を終えるまでだ。あまり猶予がないことに焦りが生じ、冷静に考えることが難しい。
現実に戻るため、どんな行動をすればいいのか。
どこにあるのか分からない出口を探すのは危険すぎる。彼女を説得することも不可能だ。
彼女に捕まる、あるいは言葉を交わした時点で、おそらくは二度と戻れない。
関わるなとは、つまりそういうことなのだろう。
いくつか浮かぶ選択肢はすべてなくなった。最初からなかったと言ってもいい。
仕方がないと、息を吐き目を閉じる。神楽鈴の音が止まりこちらに近づく足音を聞きながら、自分の中の彼の存在を強く意識する。
幼い頃に彼から教わったこと。彼に助けを求めるこの方法は正直嫌だったが、それ以外に方法を思いつかない。
彼に頼り切ってばかりの自分を情けなく感じていると、不意に温かな何かが体に触れた。
彼女に抱きしめられている。耳元で囁く声に理解した。
「あの方が、貴女を私の側に置くことを許してくださったの」
熱に浮かされた甘い声音に、体が震えそうになるのを必死に堪える。
反応してはいけない。声を出さぬよう唇を噛み締め、彼の気配だけを手繰り寄せる。
「私の特別。一人は寂しくないのかと、心を砕いてくれた優しい子。貴女だけが私をただの人にしてくれた……貴女がいれば、きっと私は寂しくない」
頬を包まれ、目尻をなぞられる。微かに瞼が震え、触れられる部分から抵抗する意思が剥がれ落ちていく。
「さあ、目を開けて。私の目を見て、受け入れてちょうだい」
ふわりと沈香の香りが漂う。厳かでありながら、繋ぎ止める鎖のような重さをもった匂いが体の中に入り込もうとする。
これ以上は耐えられない。瞼から力が抜けて、ゆっくりと開いていく。
「そこまでだ」
目が開く寸前。視界を塞がれ、体を強く後ろに引かれた。
彼女とは違う冷たい腕に抱き込まれ、けれど安堵に息を吐く。見えないながら背後の彼に凭れれば、褒めるように頭を撫でられた。
「異国の神め……っ」
昏く澱んだ彼女の声がした。先ほどの甘さは欠片も消え、伝わるのは激しい怒りと憎しみだけ。
「あの方が治めるこの地より、疾く出ていけ。貴様の存在は、その子に死しか齎さぬ。あの方が与えてくださる永遠を否定しようとするな」
「愚かだな。それが理だ。Mors《死》はすべてに等しく与えられるもの。誰もそれを否定できない」
ぎり、と歯を食いしばる音が聞こえた。
動く気配はない。けれども変わらず、沈香の香りが纏わりつく感覚が消えない。
「――行かないで」
か細い声音。沈香に引かれるように、勝手に手が持ち上がる。
「私といれば、永遠が与えられるわ。頷いてくれたなら、貴女からご両親を奪った神から解放して上げられる」
意思とは無関係に動く体を、彼は強く抱き竦めた。持ち上がる手を取られ、手の甲に不思議な熱が触れる。
沈香を振り払うように、首を振った。僅かに自由を取り戻した体を反転させ、彼の胸にしがみつく。
深く息を吸い込めば、沈香ではなく名も知らない花の香りが鼻腔をくすぐった。
「この子に、Aeternitas《永遠》は必要ない。それはVita《命》ではないからな」
どこか嘲りを乗せた言葉。
その刹那、ぐにゃりと地面が歪む感覚がした。
平衡感覚を失い、倒れそうになる体を抱き上げられる。背後で聞こえる彼女の声が風と混じり、ただの雑音に変わっていく。
揺れる感覚。歩いているのか、その感覚は一定だ。
もう彼女の気配も、沈香の香りも感じない。
小さく息を吐いて、そっと目を開けた。
「ありがとう」
降ろされて、視線を逸らしながら礼を言う。
「気をつけろ。あれはこの地にいる限り、諦めることはない」
思わず眉を顰めた。
このままここで暮らすことに執着はないが、出て行くにしてもあてはない。
何より周囲が黙っていないのだろうと想像できて、気が重くなるのを感じた。
「あれらの相手を素直にする必要はないだろう。必要なものを持って出れば、それだけで済む」
「簡単に言うけどねぇ……」
溜息を吐きながらも、頭は出て行くことを考え始めている。必要なものや、衣食住の確保などを次々と段取りを決めて行く。
折角ならば海の近くに行ってみようか。海を見ながら、彼の話を聞くのも楽しそうだ。
いつの間にか影の中に住み着いている彼のことを、自分はよく知らない。聞いても今までははぐらかされることが多かったが、これからは聞けば教えてくれる予感がしていた。
周囲を見回す。
青白い月が浮かぶ空はどこか恐ろしい。けれど何より落ち着く気がして、月明かりを浴びながらくるりと回った。
どこだろうと自分は踊れる。決められたままを舞う彼女とは違う。
鳥籠の中で、永遠を与えられている彼女。
鳥籠から出て、刹那を生きる自分。
正反対だなと思う。あのまま手をとっても、結局は一緒にいることはできなかっただろう。
「あれのことを考えるな。寄ってくるぞ」
「じゃあ、一緒に踊ってよ。あの子のことも、未来の不安も忘れさせるくらいのエスコートをしてちょうだい」
手を差し出せば、彼は呆れた目をしながら笑う。
手を取り、恭しく口付けて腰を抱かれる。そのまま彼に合わせて、ステップを踏んだ。
音楽など必要ない。スポットライト代わりの月の下、彼と共に自由に踊る。
「思ったより上手ね」
「当たり前だ。誰がお前に踊り方を教えたと思っている」
「誰だっけ?忘れちゃった」
笑いながら、彼に身を任せる。
思ったよりも不安はなかった。彼が示す道すべてが正しい訳ではないけれど、それを判断できるなら、どこに行こうと大丈夫だ。
ゆったりとワルツを踊りながら、彼の目を見る。不思議な煌めきを放つ夜の色をした瞳。その目に映る自分は笑っている。
「海に行きたいな。できることなら、あなたの故郷に行ってみたい」
戯れに願い事を口にすれば、返事の代わりに優しい微笑みを浮かべてくれた。
20260323 『特別な存在』
特別な存在
特別な存在の
特別な存在になりたい
何気ない日に、一目見ただけで心を奪われた。
でも、君は僕の心を手に入れたことに気づいていないでしょう?
僕にとって君は、特別だけど。
君にとって、僕は特別ではないんだろうね。
待っていて、君のとなりに立つ日まで。
君の特別になってみるから。
by雛人
『特別な存在』
僕は、よくおかしいと言われる。
執着も狂信も、それだけ僕にとって"特別"なのだから、仕方がない。僕は、他人の価値観を否定する方がおかしいと思う。だから、僕は自分の思想を貫き通す。それが、今の僕だ。
ー繋がれたー(特別な存在)
____________
天才。
彼女はすべてをもって生まれた。
何をやらせても上手くいく。
容姿は申し分なく、環境にも恵まれていた。
それ故に、疎まれる。
幸い彼女のメンタルは強かった。
いや、そう見せたのだ。
ちょっとしたことで傷つき、涙がでる。
しかし、それを悟らせないこと………相手に気を遣わせないことも、
彼女の才であったのだろう。
まさに、誰かの為に生まれたような人間だった。
誰もが彼女を期待し、
また彼女も、その期待に答えてみせた。
その自己犠牲精神は計り知れない。
彼女をそんな風にさせたのは、きっとその両親なのだろう。
冷たく、自分中心的だ。
子どもに日々のストレスをぶつけ、時には手をあげることもあった。
そんな中で着々と
空気を読む力をつけた彼女は、周りから頼られる存在になった。
高校卒業後。
彼女はいつの間にか、
そういう__いわゆるP活などと呼ばれる__ことをする様になった。
それは彼女にとっての、自傷行為なのではないか。
もう、見ていられない。
これは彼女にとって最善の生き方ではない。
____________
整えられた字は、そこから先を綴ってはいなかった。
きっと、この“彼女”へ会いに行ったのだろう。
遺書のようなそれは、部屋にあった机にポツンと残っていた。
まさか、彼女を助けたかったのだろうか。
私たち上位存在の介入は許されないと言うのに…。
人間界へ着いた途端に記憶を消され、
自分の目的も失い、何も持たない成人として生きることになる。
知らなかったはずがない。
親から子へと、よく聞かされるものだから。
破ってはいけない暗黙のルールとして。
破ればその一族は、さらなる上の上位存在様への裏切りとして虐殺されることになる。
……そういえば、この遺書……日記の主の一族はこいつ一人だったか…。
最近朝礼へ出なくなったやつの元を訪ねてはこれだ。
この“彼女”の被害者はこれで何回目だ?
ストーカーまがいの監視をして日記を書いては、
ついに人間界へ……。
あぁ、上位存在様へなんと言えばいい?
いっそ“彼女”を幸せにできれば、この相次ぐ裏切りをやめさせられるのだろうか。
――――――――――――――――――
おやすみなさい。
特別な存在
書けなくなったのを誤魔化すように短編m(__)m
※ちょっといじってみたら、崩壊中。
シャっと、カーテンが開く。
差し込む光が眩しい。
瞼に力を込める。
そのまま窓と反対に寝返りを打てば、握っていた布団を引きはがされた。
「起きて」
「…さむっ」
朝の冷たい空気が入り込んで、ベッドに沈んだ体を丸くする。
重い瞼をうっすら開く。
制服姿の凪右(なぎ)がいる。
首だけ動かして、壁の時計を見た。
「…休む」
「バカじゃないの」
腕を引かれて、洗面所まで連れていかれる。
なんとか顔を洗った。
シャツに袖を通し、ボタンをひとつずつ留めていく。
「まだ?」
「まだ」
いつも通り、鏡の前でネクタイに手間取る。
後ろから伸びてきた手が、慣れた様子で結び直した。
「朝ごはん…」
「時間無い」
投げるように、ゼリー飲料を渡される。
開ける前に手を掴まれた。
そのまま駅まで走る。
「遅刻したら兄さんのせいだから」
前を走る背中を見ながら、ふと思う。
いつから、こんなに似なくなったのだろう。
一卵性のはずの弟の頭は、高校生になった今、十五センチも上にあった。
「ねえ凪右(なぎ)」
「…なに」
「スマホ、家に忘れてきた」
(後書き)
たぶんおはぎをはんぶんこした子たち。
書きたいものは、まだ3行…
『特別な存在』
世界でいちばん、あなたを見てる
世界でいちばん、あなたを知ってる
そう思っているのは、私だけで。
あなたの"誰か"になりたいけれど
あなたは私の"すべて"でした。
今日もあなたは
私の知らない誰かに笑いかけているのかな。
特別な存在
生まれた時からずっとそばにいる
頼りになる兄のようで
目が離せない弟のようで
その時から君は私の特別な存在
生まれた時からずっとそばにいる
しっかり者の姉のようで
可愛い妹のようで
その時から君は俺の特別な存在
深いところで繋がっている
とても不思議な関係
いつか、別れるその時まで
ずっとそばにいるよ
きみは友だち。
男だとか女だとかそんなの飛び越えて、くだらない事でも情けない事でもどうでもいい事でも何でも話せる友だち。
一緒に居ると楽しくて、気付けばいい事があったり悩んだり何か聞いて欲しいことがある時に思い浮かんで連絡するのは彼女だった。
お互いに好きな相手が居て、まぁどちらも花開くことはなかったけど恋愛相談とかもしててどんな人が好きかとか知ってるしアドバイスもしたりしたけど。
君のことを好きだなんて、意識したこともなかった。
だけど何だろ。
一緒に居る時間が長ければ長いほど彼女という人が可愛いとか思える時間があって。
やばいやばい。冷静になれ。
ひょっとして…ひょっとするけどあれ。
もしかしてあれだよな。
俺、彼女のことが好きなんだ。
「…最悪」
それはさすがにやばいだろ。
彼女にとっても俺は気の置けないただの友だちでそれ以上でもないはずだ。
いつでもただ側にいて気兼ねなく話せるただの友だち。
楽しくて会いたいから会う、それだけ。
そうなんだよ、俺たちはただの友だち!!
そっちに向かっては駄目だろ。
この心地いい関係は今の状態がベストでそれより先は望まれてない。
進んでしまってもし拒絶されてしまったら…無理。
このまま何も言わずに側で笑って過ごせたらそれで。
会えなくなるよりはずっとマシなはず。
でもなぁ。
彼女に特別な人が出来たら俺は側に居れるんだろうか。
相手に異性の友だちの存在とかいい気分じゃないよって言ってたもんな。
そうなると離れて行っちゃうのかな。
「…それは嫌だな」
きみは友だち。
ただの仲の良い女友だち。
ずっと隣りに居たい、特別なひと。
「あーどうする俺!!」
この想いをぶつけてもいいだろうかきみに。
🙋♀️(特別な存在)
こんな夢を見た。私は誰かに膝枕され、縁側から雨の庭を眺めている。何だか憂鬱な気分でぼそりぼそりと愚痴を言っていると、頭を撫でられた。共感も理解を示す言葉もなく、ただ私の頭を撫でているだけ。それだけでも何だか気分が晴れてくるような気がして、私は誰かにお礼を言った。
「お礼なんかいいよ、当然のことだから」
私を膝枕しているのは男性らしい。だから、ちょっと膝枕が硬かったのか。それにしても、愚痴を聞くのが当然なんて。人の愚痴なんか面白くもないだろうに。
「当然って…」
「愚痴るなんて、生きてたらよくあることだよ。キミに取り柄がなくてもいいし、情けない部分があっても僕は好ましいと思うんだ」
彼は優しく諭すように話し、私の髪を手櫛で梳かす。随分、私に対して甘い人だ。全く心当たりがなくて、少し申し訳ない気がした。
「どうして、そこまで…」
「キミはやっぱり忘れてるみたいだけど、僕にとって特別な存在だから」
私は彼を知っている気がする。顔を見ようと身動ぎした途端、視界が手で覆われた。
「ちゃんと思い出してくれるまでは駄目だよ」
真っ暗な視界の向こうで、彼はいたずらっぽく笑った。
《特別な存在》
特別な存在として、君がいて、お前もいるな。幸せ者だ
大丈夫 キミはボクの『トクベツ』で 大切だから 自信を持って
今回も二つは一切繋がっておりません……🙏
2026.3.23《特別な存在》
お前が彼女にとって唯一無二の『特別な存在』になりたいのなら。
お前が彼女に何かを捧げることの見返りとして、そう感じて欲しいという、その気持ちを捨てることだ。
見返りを期待することなく、日々彼女に奉仕し続けること──それには、彼女に直接働きかけるようなことだけでなく。
彼女が彼女でいられるよう、彼女のテリトリーを侵さないように、自分とは一定の距離を置く、そんな必要だってある。
彼女を知らない人からすれば、本当に『バカみたい』な滅私奉公の精神で、お前は、どれだけ彼女に尽くすことが出来るのか?
繰り返すが。彼女からお前への、積極的な接触等の見返りを期待することは、一切出来ない。
そのすべては彼女の気の向くまま、彼女の気分次第で。
彼女は、そういう──狂しいほど身勝手で、美しい生き物なのだから、それをただ受け入れることでしかお前は、彼女の特別な存在には決して、なれないのだ──。
「……だから! ただ寂しいってだけで、酔った勢いなんかで彼女をお迎えするのは、絶対に違うってこと! 彼女に一生見向きもされない覚悟が、お前にはあるのかよって話、俺の言ってる意味、わかるか?」
「っ、じゃあ。明日シラフになってもその覚悟があれば俺は、彼女を迎えに行ってもいい、そういうことだよな」
「いや……せめて、一週間くらい悩め」
「ええっ?! そんなモタモタしてたら彼女は、他の奴に、」
「彼女を迎えられるだけの、お前の甲斐性を確認するのが先なんだよ。彼女を幸せに出来るのは、お前だけじゃないんだから……まぁ縁があれば、お前のことを待っててくれるかもしれないなー」
「っ、クッ……わかった。それで? 俺は、何から始めればいい?」
「金と、それから知識。もっと具体的なことを知った上で、覚悟を決められるかどうかだ」
「よーし……俺は頑張る、だから俺を待っててくれよ、ニャーコ!」
「えぇ……あの猫チャン、お前が引き取ったらそんな名前になんの?」
特別な存在
逆三角形に並んだ3つの点が
顔にしか見えない
図と地は
同時に見ることはできない
カクテルパーティで
君の声が聞こえた気がした
無意識の知覚から
君を意識に映し出すのは
わたしの認知の作用らしい
でも と私の認識は言う
あらゆる存在の中で
君を際立たせるものは
君の声
君の重さ
君のしぐさ
全部君のせいなんだ
特別な存在
赤ん坊が俺を
じっと見つめてくる
サーチするように
ママでもパパでもないんだけどな…
とドギマギするよ
チラ見したら
今度は天使の微笑みをなげてくる
照れちゃうけどさ
これって最高の特別感
何者でもないこんな自分に
サンキューベイビー
特別な存在
これまでの人生の中で
大切にしたいと思える人となんて出会ってこなかった
でも、いつか出会えるという言葉は本当で
わたしは最愛の人と出会い、
お互いを大切にし合える関係になれた
時が経ち、この腕の中に
新たに大切にしたいと思う特別な命が生まれた
誓うよ、どんなな壁にぶつかってもあなたの味方でいることを
ああ、わたしの愛しい子
『わたしの特別な存在』
「特別な存在」、枠確保ですよ(´・ω・`)
恋愛でもない特別な存在……おらんなぁ(´・ω・`)
市場からの帰り道、買った野菜やパンがぎっしり詰まった紙袋を両手で抱えながら、ゆったりと街道を歩いていた。
何もない閑静な町並みが続いていた中、領主の城壁の方がやけに騒がしいのが耳に入って、俺の野次馬精神がくすぐられる。
そんなこんなで、つい寄り道をしてしまった。
どうやら、定期開催の聖女祭の知らせが届いたようだった。
華やかな絵柄の張り紙が、城壁にぺたりと張り付けられている。
小さな子供たちは祭りという言葉に飛び跳ねて喜び、年頃の少女は聖女となることを夢見て頬を赤らめている。
まぁ、俺には縁のない話だ。
くるりと喧騒に背を向けて、買い物袋を抱え直した。
年に一度開催される、聖女祭。王都で開かれる大規模な祭りのことだ。
大抵は屋台で飲み食いし、歌って踊って楽しむだけなのだが、メインとなる余興が少し変わっている。
「聖女の制定」と呼ばれるそれは、年頃の少女なら誰もが憧れてしまうようなおとぎ話。
聖女祭の夜、希望する者が一人ずつ順に精霊の泉に手をくぐらせる。もしその者が聖女だったならば、たちまち泉から祝福の光が舞い上がり、その者に永遠の安寧を与える、なんてものだ。
ちなみに、「聖女」とは名付くものの、制定自体には男も参加できる。それくらい、誰も本気にはしていない。
聖女が選ばれた話なんて、文献に残っているのは数千年前が最後。この祭りが始まった頃の記録からはただの一度たりとも聖女は出ていない。
騒がしいのは得意でない俺は、祭りにそこまで興味をそそられない。だから、毎年不参加で、僻地の領地に引き篭もり生活をしていた。
下級貴族なんて、そのくらいの生活が身の丈に合う。そう思っているのだ。
聖女祭の日は、街が随分静かだった。家々の光が無い分、星の瞬きがよく見える。
ほんの少しだけ興が乗って、領地内の小さな湖に足を運んだ。
花々に囲まれた、小さくも美しい湖だ。精霊の泉なんて大層なものでなくとも、身近な美しさがある。
ぱしゃ、と水面に手をかざす。
なんとなく、水面で揺らめく月が掴めそうに見えてしまった。
それで、手を軽く水に触れた瞬間だった。
夜を昼に塗り替えるほどの光が湖から舞い上がり、ふわりと光る雪のような何かが振り注いだ。
俺は呆然としつつ、未来への歯車が大きくズレて狂った音を、初めて耳にした。
テーマ:特別な存在
ほう…この国にはこんなに素晴らしい物があるのか…。
本国ロンドから私はホニという小さな国に観光に来ていた。
今は春というものらしく、温かく、柔らかい風があちこちを流れている。
私の国とは違う温かさが、まるで私のことを歓迎してくれているかのようだ。
おぉ……これはまた精巧な…。細かければ細かいほどに鉄は脆くなると聞きますが……これまた器用ですなぁ。ほおぉー………本当に見事だ…。
この国の街は、歩けば歩くほどに私の歩みを止める物が飾られていた。
きっとこの街に観光客が多いのは、これが理由なのだろう。
ほほほぉー
これは非常に美味ですなぁ。
これがかの、おにぎりという物か…。
米に程よく塩が混ぜられている…これは……Happyな気持ちになりますの ✾
ほろほろと米が落ちてしまいそうだ…✾
こっちは、焼きおにぎりというのですね?
………こ、これは……!
温かさの中にある甘くも塩の効いた塩味…!先ほどのおにぎりにはなかったパリパリの焦げ……これは食べるのが止まらない…!
歩いていればお腹が空くもの。
私は良い匂いに誘われ、ここでおにぎりを二種、口にした。
今回は一泊二日の旅を予定していた。
だから明日はもっと良いものを食べよう。
そう思いホテルに戻ろうと歩みを変えた時。
とある店の棚に、視線が吸い込まれていた。
……………Beautiful……
これは……金細工ですかな?
私は店員に視線を向けた。
ええ。一つ一つが手作りになっております。
そちらが気になりますか?
店員は穏やかな口調で答える。
あ、あぁ。
あまりにも美しくてね。
そちらはお客様の好みに合わせて物が変わるものとなっております。
よくあるのは、家族との思い出や、ご友人との懐かしき日々を記録することですね。
………家族との思い出……。
ではこちらを一つ…。
かしこまりました。
奥さまへのプレゼントですか?
……ええ…。
何を入れましょうか。
妻の名前と…妻との想い出の曲を……お願いします。
かしこまりました。
完成には一ヶ月程かかります。
そして、本当に一ヶ月が経った頃。
私は既に帰国し、今朝、私の手元にはアレが届いていた。
私はそれを手に取り、ハンドルを回した。
〜♪
懐かしい音色。私と妻との想い出の曲…。
海が綺麗に光るあの夕陽の前で君の前にひざまずいた。
……………どれだけ時が経とうと変わらないな…。
はは…っと、乾いた笑いを起こす。
…………海はまだ綺麗だ…。
私は妻の隣に、その妻との思い出を飾った。
写真の中の彼女は……いつまでも変わらない…。
眩しい笑顔でそこにいる。
・特別な存在
私は、最近秦基博さんの歌が大好きです🫶よく聴いています⭐️✨
虹の消えた日。
ある配信者さんが、
『ボクのこと記憶えていてね。』と、言われた。
何んで 、そんな寂しいことを言われるのですか??
胸がキューとなります。
何処かガーネットに似ています。
すごく、忙しくてなかなか配信は最近は、ないんだ。
昨年、大好きな星空サイトが半年、殆どお休みでした。
昨年の秋に、すごい、発明ともに帰って来られた。流され星が流れる度に、鈴がなるんです⭐️✨うわぁ〰️、すごい😆大事な天体ショーも、お休みされておられて、え!?いいのかな??とも、思った。
そしたら、流れ星の流れる時に鈴の音や、流れ星の予知まで。他のサイトでは、人工衛生の専門の先生がおられます⭐️✨だから、流れ星の予知は、人工衛生かな??なんて思ったりします😅
以前にも話しましたよね??
合わない、時間はそれぞれで。
スタッフさんが、流れ星が流れる時間を予知されて🤩
私は、となりのトトロのめいちゃんのように、🤩←こんな顔しています。笑
👀〰️💕時々、方向と時間を間違えることもあります😅私らしいミスです。
流れ星は、ちゃんと流れます☆ミすごいな〰️😆見える流れ星ばかりでは、ありません。😓でも流れ星見れるのが、すごくうれしくて💝
予知された、流れ星もスタッフさんの半年の苦労が詰まっているんだね。
ジーン。最初の頃は、流れ星と雲を間違えてられた探査機だっけかな??💦
スタッフさんは、今はすることが多くて殆ど、裏でお仕事をされておられます⭐️✨
流星群の時は、流れ星がウソだと想うくらいに流れたりして。🌠✨
中には私にはみえない流れ星もあったりします😓
漠然とした、会えないも忙しさの奥に
すごいことが隠れているかもですネ✨🎁✨
悲しい、寂しいの言葉だけで澄ましてはいけないんだ。
その方は、カゼや花粉症で鼻声で頑張ってられます!
麻琴先輩の後輩さんも、花粉症ですよ。
その方は、性格がまっすぐで私は、傷つくこともあったりします。でも、此処にいたいから大人しく頑張っています。
リスナーさんが、おなかなったね〰️😊と、言われました。その方の先輩は、やっぱりトパーズさんのようにな感じかな😅その方のお身体のことをそっと、心配されています。
おなかの音がなったから、少し微笑んだ私です。笑、カワイイな。
前みたいにたくさんおしゃべり出来ない状況ですが。
ーー記憶えていてね。なんて、言わないで下さいネ。🌈✨
秦基博さんの虹が消えた日と、今の私の想いが、何処か重なったようなので、今の想いを綴ってみました。
フランソワさんなら、『あんずちゃん、何くらい顔しているの??ん!?』と、また、心配かけるよね??💦
ハンカチも忘れた私、レディ失格かな??
ガーネットなら、『ハイ、あんずはレディ失格な❗️100%で。』と、言われますね。😅
トパーズさんは、困り眉で、くすりと笑い。フランソワさんは、静かに優しく見守ってられて。😊茶色の髪の色と、少し長めの髪の毛を後ろで一つに結ばれています。👑✨
会えない時間は、やっぱり不安になることもあったりなかったり。😅
秦基博さんの歌は、繊細で何処か文学的で、とても素敵です😆🫶
終わり
「大切なものは目に見えない」そう言った狐は、“特別な存在になる”ということを「懐かせること」だと言った。
慣れさせて、懐かせて、いつもの風景にその存在を思わせること、だと。
それは果たして真実だったのだろうか。
俺にはわからない。
ただ、ひとつ、わかることは、そうやって慣らし、手懐け、俺にとっても彼にとっても特別な存在となったはずのアイツは、俺を置いて逃げ延びてゆく、ということだ。
額の上を、鉄臭く生ぬるい液体が滑る。
逃げていく、さっきまで仲間だったはずの人々を、責めようというつもりはない。
むしろ正しいし、よかったと思う。
中途半端な道徳心で、一介の、この場においてはただの“人的資源”でしかない、ただの一兵士である俺にかまって、逃げ遅れたり、殺されたり、あるいはヘマをして他の民間人に迷惑をかけたりするよりは全然マシだ。
何せ生き延びられるのだから。
理性では、心の底からそう思う。
しかし、俺の醜く厚かましい本能は、黙っていてくれない。
建物の破片に敷かれた足の感覚がない。
脳はその分まで働きたいのか、熱く熱を持ち、本能の不平を内側からガンガン訴える。
あれだけのことをしたのに。
お前が住んでいた村、敵兵によって支配され、蝕まれつつあったあの村を守ろうと戦ったのは俺たちの分隊だというのに。
精神を病んだ母のせいで、安らげる場所をなくしたガキのお前に、水を与え、菓子を与えたのは俺だというのに。
子守唄を歌ってやり、背をさすってやったのは俺だというのに。
敵に惑わされ、ひどい仲間割れと監視社会への一歩を踏み出したお前たちを押し留め、奴らを追い払ったのは俺たちだというのに。
それでも、奴らが俺たちを負かすときたら、村の大多数を占める民衆たちは、みんな兵士をおいて逃げてゆくのだ。
生きるために。
正直、良い気分ではなかった。
昔、俺の周りの大人たちは言った。
「自分が正しいと信じたことをしてごらん。自分がしてほしいことを相手にしてあげてごらん。助かり喜ぶ相手の感謝の気持ちは、きっとあなたの心を温かくして、あなたの気分を良くさせてくれる。」
俺は自分が正しいと信じたことをした。
自分より弱い者たち、不幸な者たちを救おうとした。
畜生、曲がったままの背骨が痛い。
俺は正しいと思うことをした。
俺は相手を力の限り助けた。
しかし、彼らは逃げていく。
俺が背をさすってやったあのガキも。
俺の手を握ってくれたあの人も。
一緒に語らい、共に酒を飲んだあの人も。
懸命に戦う俺たちを背に、恩人たちを背に、
俺たちの力を享受していたはずなのに、俺たちの力に好き勝手ケチをつけながら。
敵兵がこの地を占領し、この村を支配する権力を手にし、“特別な存在”となったとき、彼らはきっと言うだろう。
「今まで、不当に従わされていた」と。
俺たちの支配は「酷かった」「間違っていた」と。
生きるために。
生ぬるい液体の重みが、俺に目を瞑らせる。
遠くから近くから轟音が、俺の耳を塞ぐ。
俺に見えない、聞こえないところで、俺が守り救ったはずだった、俺の特別な存在たちが、俺らを見捨てて逃げてゆく。
それでいい。
それでいいんだ。力を持たないのだから。
俺の理性は静かに言う。
良い気持ちではなかった。
けれど、悪くない気分だった。