君は僕にとって何よりも変え難い特別な存在なんだ。
君の隣にいるだけで僕は幸せだった。
君の笑顔が好きだった。
君は僕をどう思っていただろう。
キラキラ光る君の瞳に僕はどう映っていただろうか。
でも、そんな君が今泣いている。
僕らが過ごしていたあの部屋で。
僕は、そんな君の傍にいながら何も出来ずにただ突っ立って見ているしか出来なかった。
だって僕はもう死んでしまったから。
泣いている君を今すぐにでも抱きしめたい。
手のひらを見つめながら無力さを感じた。
ただ、君の泣き顔を眺めていることしか出来なかった。
そんな悲しんでいる君の姿は見たくないんだ。
君には笑っていて欲しい。
でも、もう僕は君に何もしてあげられない。
そんな自分に絶望を感じた。
辺りはどっぷりと暗闇に浸かっていた。
僕の心の様に。
その時間は永遠に終わることない暗闇だと感じた。
悲しんでいる君をもう見ていられなくて俯くしかない僕は世界一哀れだ。
ふと、泣き声が止んだ。
僕はうつむいた顔を上げ君を見た。
泣き疲れて寝てしまったようだ。
僕は君のそばに座り込みいつものように君の頭を撫でた。
触れられないが、僕はそうしたかった。
そうすべきだと思った。
もう、これ以上泣かないで。
悲しまないで。
苦しまないで。
笑っていて。
君には幸せになって欲しいんだ。
そう呟いたが君には伝わらない。
ごめんよ。
ごめん。
君を悲しませてごめん。
君ともっと一緒にいたかった。
君を幸せにしたかった。
一緒に幸せになりたかった。
でも、もうそれも叶わないんだ。
叶えられないんだ。
ごめん。
いつも君は僕の横で笑っていたね。
まるで太陽のように。
僕はそんな君が眩しくていつも目を細める。
「君は僕の太陽だ。」
そんな事をぽつりと呟いたら君は笑ってこう言った。
「だったら、貴方は私の月ね。」
そう、星空の下で君と手を繋ぎ笑いあったあの日の事をふと思い出した。
君が太陽なら僕は月だ。
あの夜空に輝く月が僕というならば。
あぁ、神様。
どうか、夢の中でもいいから僕と君を会わせてください。
君が僕をまだ必要だと思える時まででいいです。
僕のいない世界で。
君がいない世界で。
それでも幸せだと思える時まででいいから。
夢の中で君に会いたいよ。
今の僕には声も、姿も、君の瞳には映らないから。
神様。
あなたが本当にいるのなら。
もしもこの願いが叶うなら。
僕は君に伝えたいんだ。
愛してると。
【 特別な存在⠀】
夢が覚める前にの僕の視点です。
3/24/2024, 9:34:25 AM