特別な夜』の作文集

Open App

特別な夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/22/2026, 8:52:33 AM

頭ではわかっているのに心が追いつかない
嫌だなんて言えやしないくせに

笑って見ないふりして誤魔化して
それが大人ってもんなんだろって

どこか不貞腐れながら冷めた思考をしている自分は
果たして大人か子どもか

1/22/2026, 8:51:03 AM

夜が好きだ。もっと言えば、夜の静かな空気が好きだ。街のみんなが寝静まって、いつもとは違う世界のようになったそこを、ひとりきりで歩く。異世界を旅している気分になる。勇者にでもなったような心持ちがする。
 月を従え、星を辿り、知っているのに知らない道を進む。暗闇の中で一際光るコンビニだって未知の場所だ。通い慣れた場所なのに、どうしてこんなに胸が踊るのか。僕は肉まんを買って、辺りの空気を白くさせながらかぶりつく。
 やがて冒険の旅は終わり、僕は公園に足を踏み入れる。ゆらゆらと揺れるブランコには先輩が座っていて、まるで戦利品かのようにカフェオレを飲んでいる。目が合い、何も言わずに隣のブランコに腰掛けて、さっきそこの自販機で買ってきたあったか〜いお茶のキャップを開ける。無言で乾杯し、僕達は無事の帰還を讃え合う。「コンビニのホットスナックに新商品入ってました」「向こうの道に猫ちゃんがいたよ」と、重要な情報交換も忘れない。
 勇者は忙しいので、すぐに次の旅に出なければならない。先輩に「また明日」と言うと、「もう今日だよ」と笑い声がする。「では、また今日に」と手を振って、僕は家への旅を始める。次に先輩に会うときは、その旅路の話をしてあげようと思う。

1/22/2026, 8:44:08 AM

特別な夜。

高級レストランで男女がテ―ブルを挟んで食事をしている。
窓から外を眺めるとビルやマンションの照明が宝石のように輝いている。
美しい夜景に魅入ってしまうほどだ。
「沙彩さん、君を一生大切にします。僕と結婚して下さい!」
僕は決心して言った。
「…嬉しいわ。こちらこそ、よろしくお願いします」
沙彩さんは笑顔で返事した。
「やったあぁぁぁぁぁ!」
僕は喜びのあまり子供のようにはしゃいでしまった。

特別な夜とは、人が羨むような素敵な方と交際が成立した事か、何か成功を手に入れた夜だと解釈してます。
残念ながら僕はまだ手に入れてない。
少年老い易く学成り難し。
半世紀以上過ぎたが、幸いまだ時間はある。
日々の努力を怠らず特別な夜を迎えたい。

1/22/2026, 8:40:57 AM

毎日がつまらないなんて
あの時は思ってた
毎日、同じ繰り返し。

朝起きて、会社に行って、帰って。
代わり映えのしない夜ご飯を食べて。

休日だって、何も変わらない。
でも、何か変わるかしら?
なんて思って、休日に立ち寄ったカフェ。
あなたはそこにいた。

学生時代の頃、ちょっとだけ好きだった人。
カフェで働くあなた
あの頃より、更に素敵に見えた。

ドラマみたいな再会して付き合う
そんなことはなかったけど
少し、日常が変わった日。

今日の日付を私の特別な記念日としよう。
久しぶりに手作りのご飯を作ろう
ささやかな、ささやかな、特別な夜。

1/22/2026, 8:40:30 AM

特別な夜

「あぁ~緊張する」
今僕は、慣れない服に身を包み、鏡の前に立っていた。
「着方、変じゃないよな」
僕が着ているのはスーツ。着る機会などほぼないから、念入りに鏡を見ながら身だしなみをチェックしている。
「大丈夫だよな」
こんな格好をしてこれから僕が行くのは、ドレスコードのあるお店。彼女と付き合って、初めての彼女の誕生日。平日ではあるが、夜は会えるということで、2人にとって特別な夜にしたくて、予約した。
「そろそろ行くか」
最後に鏡で姿を確認し、待ち合わせ場所へ向かうのだった。

1/22/2026, 8:38:18 AM

【特別な夜】

あなたが隣に居てくれる
私にとってそれだけで
毎日が特別な夜

1/22/2026, 8:35:10 AM

みんなの特別な夜はなんだろうか
人それぞれ特別な夜は違うと思う
私の特別な夜は、部屋を薄暗くしてアニメを見ることだ
その時間もっと良い事ができるかもしれないけど、これが一番シンプルでリラックスできる時間

1/22/2026, 8:27:29 AM

特別な夜

歳を重ねた今、私の最高の夜のイメージはこれ
映画アイネクライネナハトムジークの主題歌

♪ 略…
繋がってる誰かを 見つけたハズなのに
そしてそれは今夜も疑いのないことなのに

小さな夜 数え切れないほど
思い出せないほど 重ねてきた
小さな夜 劇的じゃないけれど 
最高じゃないけど
それが“悪くない”のに

小さな夜 数え切れないほど 
抱えきれないほど 積み重ねた
小さな夜 劇的じゃないけれど 
キミのとなりなら
それも“悪くない”よ
それが“悪くない”んだよ

…「小さな夜」斉藤和義



遠からず一人この世に置き去りになって
夜な夜な後悔の涙にくれないための私の儀式
おやすみまた明日ねって眠りにつくこと
心で小さな感謝を毎夜唱えても面と向かって言えないんだわこれが
そんな時私の思いが凝縮されたような歌詞に出会った

後5ヶ月、今年のサファイア婚には
この「小さな夜」を流してワインで乾杯するの
互いの思いが通じ合って
私達に似合いの特別な夜になるわ
きっと

1/22/2026, 7:44:00 AM

「ただいま。」
「んお、おかえりー。」
古いアパートの、トタンでできた階段を上る足音が14回して、それから部屋の扉が開いた。古いドアは軋む音を立てて、金属同士の擦れる嫌な音を発する。しかし、彼の帰宅してきた音だと思うと、普段は不快な音だって気にならない。
「それなに?」
彼の手にある白い箱が気になって、ふと訪ねてみた。それなりに大きくて、つるりとした表面は華々しいレース模様で飾られている。
「ああ、これ。ケーキ。」
なるほど、言われてみれば。確かに甘い匂いが微かに漂っていた。
つくづく自分達は相性がいいのだと、笑みがこぼれる。そう、俺は今日、甘い物に合う酒を買ってきている。なんとなく惹かれて買っただけだが、もはや運命なのかもしれない。
「俺もいいモノ持ってんだけどさぁ~。」
ぬ、と効果音の付きそうな滑らかさで、暖房の付いていない、天然冷蔵庫並みの廊下から酒を持ってきた。
甘みの強い赤ワインで、ケーキの隣に置かれる程相性がいいらしい。
「え、マジ?赤ワインじゃん。俺買ってきたの丁度チョコケーキなんだよね。」
やはり俺たちの相性も最高なようだ。あまりの息の合いっぷりに自分でも驚いてしまう。
「運命じゃね?」
「運命だね。」
2人ではにかみ合って、謎の気恥ずかしさに包まれる。机に並べられている夕食を食べた後の予定に、とろりとして濃厚そうなチョコケーキと、深い赤色をしたワインを堪能する時間が追加された。
記念日でも無いのに、なんだか特別な日のようで、心がくすぐったい。
温め直した夕食を食べ、2人並んでソファに座る。ローテーブルの上には、チョコケーキと赤ワインを綺麗にセットした。
調子に乗って、電気を消してテレビで適当な映画を流す。普段通りの緩い空気で、普段より少しだけ特別で、豪華な夜だった。

テーマ:特別な夜

1/22/2026, 7:41:20 AM

君と2人でゲームする夜
通話しながらオンラインで
お互い集中してて無言になっても
イヤホンから微かに聞こえる君の音
離れていても今は一緒なこの時間
それが僕にとっての
特別な夜
たった2時間だと言われたとしても
僕らにとっては特別な夜の時間

#特別な夜

1/22/2026, 7:10:52 AM

特別な夜

「おはようございます」
「おはようご、あれ?すごい汗かいてるけど、大丈夫ですか」
「昨日の夜は雪が降っていたんです」
「はい、、そうでしたね」
「昨日の夜は雪が降っていたんです」
「大丈夫ですか?」
「昨日の夜は雪が降っていたんです。下を見れば霞んで見えて、日和でした」
「はい?」
「昨日は無理でしたが、次に雪が降るときにはいけると思います」

1/22/2026, 7:09:38 AM

『特別な夜』

​村の言い伝え通り、百年に一度の赤い月の昇る夜が来た。

この日、村人は一人残らず広場に集まり、一晩中踊り明かさなければならない。

​「絶対に、足を止めちゃダメよ」

今はもういない親友の言葉を胸に、私は無心でステップを踏み続ける。

周囲では村人たちが、恍惚とした表情で激しく舞っていた。
奇妙なのは、誰一人として足音を立てていないことだ。
数十人が踊っているというのに、広場は静まり返っている。

​ふと、隣で踊っていた誰かがよろけて動きを止めた。
その瞬間、赤黒い靄が辺りを覆い、目を開けるとそこには誰もいなかった。

​驚いて周囲を見渡すと、それまで踊り続けていた者たちが一斉にこちらを向き、音のない拍手を始めた。

無事に、乗り越えられた。
これであと百年は大丈夫だと。

1/22/2026, 7:08:54 AM

特別な夜

今日はいつもと違う道で帰った。
今日はいつもと違う音楽を聴いた。
今日はいつもと違う番組を見た。
それだけで、少し楽しくなる。

この感情を言葉で表現することはできない。
けれど、どこか子供のような心を持った自分がいる。
何にも染まらず、何にもなれる…そんなこころ

それに気づいた自分と過ごす夜はいつもと違う特別な夜

1/22/2026, 6:54:21 AM

『特別な夜』

いつもありがとうございます。
本日もスペースのみです。

家族の体調不良ラッシュが止まりません😇
みなさまはご自愛してお過ごしくださいね。

1/22/2026, 6:25:20 AM

𖧷特別な夜𖧷

甘いことかな?

2人で過ごす特別な…

てことよね(笑)

何十年前よ(笑)

笑ってしまうがな(笑)

1/22/2026, 6:23:41 AM

特別な夜にしようと思ったのだ。小心者の俺にとっては、一世一代の覚悟だった。好きな女の子を遊園地に誘うだなんて。
 震える手で二人分の割引チケットを差し出せば、松井さんは笑って「いいよ」と言ってくれた。その笑顔があまりにも可愛くて、俺はすっかり舞い上がってしまったのだ。

 眼下の夜景にはしゃぐ彼女を見ていたら、とうとう気持ちがおさえきれなくなった。考えるより先に、言葉が出ていた。
 すきです、と上ずった声で告げた俺を前に、松井さんは困った顔をした。それから彼女は、黒目がちのまるい瞳を気まずげに伏せて、小さな声で「ごめん」と言った。

「私、ニッシーのことは友達だと思ってるから」

 その言葉で、俺はたちまち我に返った。冷静になれば、あたりまえのことだ。もしかしたら松井さんも俺のこと、なんて、馬鹿な勘違いにも程がある。頬がじわじわ熱くなっていく。

「あ……そ、そっか! なんかごめん変なこと言って! 全然忘れてくれていいから!」
「あ、え、いや別に変では……ちょっとびっくりしただけで、気持ちは嬉しいよ、普通に」
「あ、そ、そっか……」
「うん……」
「………………」

 沈黙が落ちる。あまりに空気が重すぎて、ゴンドラごと落ちてしまうんじゃないか。恐らく今の俺たちは、観覧車に乗っている客史上、いちばん気まずい。
 よく考えたら、観覧車に乗ったときに告白するのはリスクが高すぎる。頂点ぴったりで告白してOKされたならいいが、そうでなければ振った相手と振られた相手が、地上に戻ってくるまで無言で向かい合い続ける地獄の時間が発生する。現に今、発生している。

 ゴンドラから出るなり、彼女は俺を振り向いて言った。

「ちょっと用事思い出したから、そろそろ帰るね」
「えっ」
「じゃあね、またバイトで」
「…………」

 駅まで送るよ、と言う前に、彼女は足早に去ってしまった。観覧車のりばの前に、俺はひとり、ぽつんと取り残された。
 しばらく唖然としてその場に突っ立っていたが、俺はやがて近くのベンチに力なく腰を下ろした。幸せそうな顔をしたカップルが、ライトアップされた観覧車に乗り込んでいくのを、ぼんやりと眺める。
 俺、何やってんだろ。自分があまりにダサすぎて、もはや笑えてきた。どうして俺はこうなんだろう。何をやってもうまくいかない。
 うなだれて洟を啜ったそのときだった。正面から、とんとん、と肩を叩かれた。
 顔を上げると、水色のうさぎが立っていて、思わず「えっ」と声を上げた。
 正確には、うさぎのきぐるみだ。もっと正確にいえば、この遊園地のマスコットキャラクターである"ラビくん"のきぐるみである。
 ラビくんは、右手に持った風船をひとつ、俺のほうに差し出してきた。

「え、お……俺にくれるの?」

 聞けば、ラビくんはこくりとうなずいた。それからもふもふの手を伸ばして、俺の目元を拭くような仕草をしてみせた。

「な、泣かないでって?」

 ラビくんはまたこくりとうなずいた。それからぴょんぴょんジャンプしたかと思えば、奇妙なダンスを踊り始める。
 とにかく、一生懸命慰めようとしてくれていることは伝わってくる。あまりに必死なものだから、俺はつい吹き出してしまった。

「はは、ラビくんありがとう。ちょっと元気出たよ」

 そう伝えると、ラビくんはまた嬉しそうに飛び跳ねた。きぐるみ着た状態でよくそんなにジャンプできるなと、一瞬ロマンのないことを思ってしまったのは内緒だ。
 ある意味で特別な夜になってしまったが、過ぎてしまったことは仕方ない。ラビくんの優しさに触れて、俺は早くも、失恋から立ち直りかけていた。

 しかしながら、帰り際になんとなく立ち寄ったおみやげショップで、俺はラビくんに手ひどく裏切られることになる。
 手に取ったハート型のクッキー缶には、イラストが描かれていた。ラビくんと、その隣に並んだピンク色のうさぎが、仲睦まじく手を繋いでいる。

「……お前も彼女いるんじゃねえか…………」

 もう二度と、その遊園地には行かないと誓った。

【テーマ:特別な夜】

1/22/2026, 6:21:27 AM

〈特別な夜〉

 金曜の夕方。デスクの時計が六時を指した瞬間、私は立ち上がった。パソコンをシャットダウンし、ロッカーから小さなキャリーバッグを引っ張り出す。
 今日は定時で上がると決めていた。いや、正確には決めさせてもらった。四十八歳にして初めて、こんな風に自分を優先させている。

 駅への道を急ぎながら、スマホを確認する。なるみからのメッセージ。

「あと三十分で終わる!先に改札入っててー」

 彼女とは高校時代からの付き合いだ。子育てに追われていた頃は年に一度会えるかどうかだったけれど、ここ数年、また頻繁に連絡を取り合うようになった。

 今回の旅は、彼女の提案だった。
「今度のライブ、朝一の新幹線じゃなくて、前乗りしない?
 このツアーなら新幹線代にちょっとプラスで泊まれるよ。夜通しおしゃべりしようよ」

 二人ともファンのアーティストが久しぶりにライブを行う。東京のチケットは取れなかったけど、いっそのこと遠征しちゃおう!となった。

 長男は東京で一人暮らし、次男は大学の友人と飲み会。
 夫には「明日の夜には帰るから」とメールを入れた。返信は「楽しんでおいで」の一言。こんな身軽さは、久しぶりだ。

 東京駅に着くと、新幹線の改札に入る前に駅ナカの店に立ち寄った。
 テイクアウトできる寿司屋で、少し迷って握りを買う。いつもなら「高い」と思って手に取らない価格帯のお寿司。でも今日は、いい。今夜は自分のためだけのご馳走を用意したかった。
 それから酒屋で東京駅限定の缶ビールを二本選ぶ。

 待ち合わせ場所のコーヒースタンドで、カフェラテを注文していると、「彩也子ー!」と声がした。
 振り返ると、なるみが小走りで近づいてくる。片手には紙袋。少し息を切らしながら、「忙しかったけど集中して終わらせた!」と笑顔で言った。

「デパ地下寄ってきちゃった」と、袋の中身を少し見せてくれる。
 総菜とおつまみがぎっしり入っている。「さすが」と私は笑った。

「お疲れさま。新幹線、行こう」

 改札を通り、ホームへ。指定席はグリーン車だ。
 なるみが「たまには贅沢しようよ」と言って取ってくれた。確かに、たまには、いい。

 車内に入ると、それなりに乗客はいるけれど、皆静かだ。シートに身を沈めると、ふわりと体が包まれる。なるみと顔を見合わせて、座り心地の良さにふふっと小さく笑い合った。

 新幹線が動き出し、ささやかな宴の始まりだ。私は缶ビールを、なるみも自分のバッグから缶チューハイを出す。

「乾杯」

 小声で言い合って、缶を軽く合わせる。プシュッという音が、やけに心地よかった。一口飲むと、炭酸がのどを通り抜けて、一日の疲れが溶けていくようだった。

 寿司のパックを開けて、なるみと半分ずつ分ける。彼女はデパ地下の紙袋からサラダと何種類かのおつまみを出した。
「これも食べて」と差し出されたのは、私の好きなチーズだった。長い付き合いだから、好みもわかってくれている。
 車内では最低限の会話だけ。それができる友人との旅は、本当に楽しい。

「向こうついたらたこ焼き食べたい」となるみが言って、スマホで遅くまでやってるたこ焼き屋を調べ始めた。
「ここ、夜中の一時まで開いてるって」
「いいね。ホテル行く前、お夜食に買っていこうよ」
「塩味もあるんだって」

 そんな会話をしているうちに、言葉少なくなったなるみの動きがゆっくりになってくる。見ると、シートに頭を預けて、すっかり眠っている。
 よほど疲れていたのだろう。私は小さく微笑んで、彼女の膝に自分のストールをかけた。

 二本目のビールを開ける。今度はゆっくりと、一人で味わう。
 窓の外では、街の灯りが次々と流れていく。オレンジ色の街灯、ビルの窓明かり、車のヘッドライト。暗闇の中で輝く光の粒たちが、まるで星のように見えた。

 ふと、「夜間飛行」という曲を思い出す。翼広げて舞い上がる。今の私は、地上を走る夜間飛行だ。

 缶を傾けながら、心の中で呟いた。

──あ。今、飛べてる。

 家族のこと、仕事のこと、日々の雑事。全部どこか遠くに置いて、身軽に飛び立てた気分。
 今この瞬間、私はただ私でいられる。四十八年生きてきて、こんな感覚は久しぶりだった。

 車内アナウンスが次の停車駅を告げる。なるみが小さく寝返りを打った。もうすぐ、大阪に着く。
 ホテルの近くでたこ焼きを買って、お酒を買って。部屋で、夜更けまでおしゃべりをするのだろう。それも楽しみだ。

 でも今は、この瞬間を味わっていたい。つかの間の解放、特別な夜。

 窓に映る自分の顔を見つめる。私と、なるみの寝顔と。
 二人とも疲れた中年だけど、気持ちだけは学生時代に戻っているはずだ。

──────

少し前までは、びゅうなどのフリープランを使うと往復新幹線代に宿がおまけでついてくるぐらいの価格でした。今は宿も高騰して、あまりお得感がないですね……

大体、前乗りの時は新幹線内で酒盛りです。グランスタで酒とつまみとデザート()買って。
車内では眠らずに外を眺めている時間が幸せですね。

1/22/2026, 5:41:48 AM

「特別な夜」

結婚生活を振り返っても

恋人時代を振り返っても

特別な夜なんてなかった

心ここに非ず

いつも、そうだった

特別に素敵なこともなかった

私とあなたは

何時までも仮面夫婦だった

ただ、あなたは多分覚えてないと思うけど

本気で叱ってくれた

一言だけは覚えてるよ

私を成長させた

その言葉だけは覚えてるよ

1/22/2026, 5:39:16 AM

あなたと会う日は特別な夜。
いつもと変わらない暗がりでも
なぜか明るく感じる。関係を
続けてくれてありがとう。

特別な夜

1/22/2026, 5:32:17 AM

廊下は玄関から染み込んだ冷気で満ちていて、一歩踏み出すだけでも足が凍るようだ。凍ったところで、だけれど。
 この住処もずいぶん長くいる。白い玄関の扉、狭い土間。右にトイレと洗面所、そこからつながる浴室。左に俺の部屋。短い廊下の突き当たりにある扉を開けると、リビング。右手にキッチン、ベランダ前にテレビとこたつ、左側に引き戸があって、そこにシンヤの部屋がある。畳の部屋だ。まだ身長が俺の胸ほどもなかった頃、熱を出したシンヤを一日中面倒見るためにリビング横の和室に布団を敷いて、そのままそこがシンヤの部屋になった。水仕事は主にシンヤがやるから、いい配置だったとも言える。
 そっと引き戸を開けると、本棚と文机、それから布団が敷いてあって、そこにシンヤが寝ている。すう、すう、と寝息が囁くように聞こえる。
 枕元に座り込み、その顔を見下ろす。下ろされたまぶた、高くなった鼻梁、唇、うっすら生えたひげ。おとがい。……首。そっと指を添えると、温かく、皮膚の下を走る血液と拍動を感じる。ざわりと胸が鳴った。理性で、力を込めて指をそこから引き剥がす。
 吸血鬼がどう生まれるのか、どうして姿形が人間と変わらないのか、よくわかっていない。人間との間に子どもを生せること、その子どもも子を生せることから、おそらく人間のうちなんだろうということは協会の人間から聞いたことがある。
 不老で、怪我の回復が異様に早いだけ。
 身体の中に不老を成すバクテリアだかなんだかがいて、それを感染させることで相手を吸血鬼にする。感染率は高くない。……故意にやらない限りは。
「……」
 シンヤの母親が死んでしまったとき、ああ、しておけばよかったと思ったのだ。こちら側にしてしまえば、死ぬことなんてなかった。シンヤは母親の愛情を受けることができた。そうできなかったのは、あいつに、俺が、言い出せなかったからだ。俺のせい。だから、責任を持って、俺はシンヤが正しく育つことができるように、時に人間の手に預け、そこから取り返して、俺の手で育てた。
 言い出しておけば。
 一緒に生きてくれと頼んで、頼み込んで、そうすれば、あいつはここにいたかもしれないのに。──もし拒絶されても、無理やりそうしてしまえば。ここにいなくても、どこに行っても、生きていてくれたかもしれないのに。
 それだけでよかったのに。
「……シンヤ」
 この子を抱き上げて、その体温を、血液を感じるたびに思ってきた。守りたい。死なせない。その一方で、この首筋に噛みついてしまいたいという衝動がずっとある。最初はきっと、バクテリアかなんかに思考を侵されているだけだった。それが少しずつ大きくなっていって、最近はずっと、そのことを考えている。どこまでがバクテリアで、どこからが俺の執着だろう。
 この子を手放したくない。
「……ゆき?」
 甘やかな声がして、その顔を見る。シンヤが瞼の隙間から、うっすらこちらを見ていた。無意識に喉が鳴る。
「シンヤ……」
 布団の隙間からシンヤの指が這い出て、俺の指を掴んだ。つめた、ともごもご言っているのをどこか遠くに聞く。温かい。血液の熱さ。皮膚の隔たり。ずうっと昔、まだこの子が言葉を知らなかった頃に、同じことをされた。その頃、縋ってくるのはこの子の方だったけれど。
「一緒に寝ていい?」
「なに、それ……」
 やだよ、と小さく曖昧に聞こえた。無視して身体を横たえると、すでにシンヤの目は閉じていて、しばらく見ていたら再び寝息が聞こえてくる。もう大人の顔をしているくせに、寝顔は小さい頃と変わらない。その狭間で、俺はずっと息ができないのだ。泣きたかった。

Next