特別な夜』の作文集

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特別な夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/21/2023, 2:17:22 PM

カレンダーに大きく赤丸が付けてある日は、私にとって特別な夜になる。何故って婚約者と一緒に過ごす夜だからだ。
 でも今月の赤丸は三つだけ。先月は二つだけ、と、我ながら婚約者への薄情さに胸が痛い。
 休日を除いては仕事場で毎日会ってはいるのだが、やはり大好きなひとと一緒に過ごす夜というのは特別で格別だ。それがたとえ一晩中の天体観測だけで終わってしまうとしても、ただそばに寄り添って他愛もない話をするだけでも特別だと思えてしまう。ドキドキして、なのにホッとするような心温まる夜になる。
 私としてもそんな夜をもっと増やしたいのだけれど、自分の研究の合間を見てとなると中々難しい。

 私は、カレンダーの赤丸をなぞって溜息一つ。
 自分で選んでいるやり方とはいえ、さみしさや申し訳無さ、自分自身の切なさに両肩を抱いた。

 今月赤丸が付く日まであと二日。
 せめて、二人で過ごす夜は、私の手料理で始めたいものだが、大体は好意からの婚約者手製の蒸し料理で始まってしまうのも頂けない。
 けして私の料理が不味いというわけではない――――付き合ってた時は料理を振る舞っては喜ばれていたのだからそれは間違いないのだが、今は、君も疲れてるだろうから、と気を使われてしまうのだ。
 実際、疲れているときにこの気遣いは嬉しい。
「でも、今回こそは私が作るんだから!」
 幸い次の赤丸の日は休日。婚約者の好物料理の材料を買って、少し早めに彼の家に行こう。あれを作ろうこれも作ろうと考えていると、浮かなかった気分が晴れていくのを感じる。

 その日、出来れば夜は晴れないで欲しいと、思う。
 天体観測もそれはそれで良いものだが、やっぱり彼の瞳を独占してしまう星の運行に、嫉妬している自分もいる。

 それに、一緒に入るベッドの温かさやキスやハグが、特別な夜を、更に特別に押し上げてくれる。

1/21/2023, 2:16:01 PM

今日は1000年に一度の流星群が見られる日。
星を見るのが趣味の僕は星の良く見える場所まで移動して観察することにした。愛用の望遠鏡を地面に置き望遠鏡を覗く。眼の中に広がったのは無数の幻想的で美しい星の数々、

星は美しい。いつまでも見ていられる。
今、肉眼に見れている星が全てでは無い、この空の向こうには僕達が知り得ない無数の星が今も尚輝き続けているのだ。...って、こんなロマンチックな事思うなんて僕らしくないか。


...あと十分、...あと五分、...あと三分、心の中の秒針が自然と動いて行く。あと30秒それと同時に望遠鏡を左に寄せて、空を見上げた。5、4、3、2、1、...0。その瞬間、放物線上に無数の星の海が出来上がっていく。それはとても美しく思わず見とれてしまった。


数分見ては、一旦星から目を逸らす。何で逸らすのか?それは、そろそろ彼女が来る頃だろうから。星もそうだけど、実は今日はそれだけが目的じゃない。
ポケットに小さな箱を隠し、準備をする。

『 今日は特別な夜になりそうだな。』


小さな箱の中には光り輝く星があるとか。


#特別な夜

1/21/2023, 2:08:23 PM

特別な夜

9月7日私の誕生日
きっと今年も忘れているんだろうな
誕生日プレゼントをもらったのは
何年前だったか。
彼の誕生日には毎年何かしらあげてるのに、
いつも忘れられている。

夜遅く帰って来た彼から手渡された白い小箱
小さなメモが入っていた。

「誕生日おめでとう
今日までありがとう
そしてこれからも
よろしくお願いします」

結婚30年目のサプライズ

1/21/2023, 2:05:21 PM

特別な夜

それは貴方と一緒にディナーを食べた夜
それは貴方にプレゼントをもらった夜
それは貴方に初めて抱かれた夜

それは二人、別々の日々を歩むようになった夜

1/21/2023, 2:03:21 PM

もうこんな時間だ。
勉強で最近疲れてたから
息抜きでゲームをしたら6時間ぶっ通しでやってしまった
いっそのことゲーム実況者にでもなってやろうか。
ゲームってやっぱ面白いね。
ゲームが好きな人とやってみたいもんだね。
俺って一人で色んなこと発信してる方が向いてるなー。
いっそのことゲーム実況者にでもなってやろうか。
あぁ勉強しないとーーー。
そんなくだらないことを考えてる今日この頃。


特別な夜

1/21/2023, 2:00:21 PM

ようやく逃げられた
あんな地獄みたいな所絶対に戻らない

でも、これから帰る場所はない
『 ここで私は死ぬのかなぁ』
その時
『 どうした?大丈夫か?』

気がつくと下を向けていた私の顔にのぞき込むよう知らない人の顔が映っていた

『 うわぁあ』
『 おぉごめんな、ビックリさせたか笑
こんな時間に一人泣いている女の子がいるとビックリするよ』

〜〜〜〜〜
『 貴方が拾ってくれなかったら私は今存在してないですよね』
今日は私の人生が変わった日
感謝をしなくちゃいけない日
『 もう泣きません。あの頃みたいに弱虫では無いです』
泣かない、泣かない
『 私の事育ててくれてありがとうございました。
ゆっくり眠ってください。』
私は1人か。
『 人はいつか絶対にこの世から居なくなるんだ』
あなたの言う通りですね。
あんなに元気だったのに、人はとても虚しい生き物です。
『 愛してます』
聞こえるはずのない彼に私は”愛してる”それだけを伝えてこの部屋から出た
『 今日はなんだか、とてもとても。潰れそうなぐらい悲しい日ですが、
特別な夜でもあったのかもしれません 、笑』

#特別な夜

1/21/2023, 2:00:01 PM

特別な夜。
 なんの悩みも、なんの憂いもない、そんな夜。
 なんだかなんでも出来そうな気がして、わくわくして、目が冴えて、少しだけ夜更かし。明日はお休み。
 でも、それはほんの一時の安らぎ。
 何をしよう、と考えては、空虚が浮かんでは消えていく。読書、音楽鑑賞、貯まったアニメやドラマ。いつの間にこんなに興味がなくなってしまったのだろう。
 絵を描くのが好きだった。ゲームをするのも好きだった。
 なんでも出来る夜なのに、なにもできない。したいと思えない。
 どうして、さっきまで希望に満ち溢れていたのに。
 明日、天気が良ければ買い物や日帰りの旅行だって行けるのに。

 未来になんの疑いもなかった頃の自分が、やけに輝いて見えた。

 空を見上げれば、満点の星空。
 きっと明日は晴れるだろう。
 月が眩しすぎて、過去の思い出の光さえも薄れて消える。

 これ以上惨めにならないように、窓を締め、遮光カーテンを閉める。
 閉じこもったのでは無い。薄らとまだ希望を失ってない、この心を守るために、一人の世界を作ったのだ。

 特別な夜。
 辛いと訴えかける自分の心を、ようやく見つけた。

1/21/2023, 1:57:48 PM

「人を、殺しました」

己の生徒からそう電話が掛かってきたのは、丁度風呂から上がってテレビでも見ようかとリモコンを手に取った時だった。普段は鳴らない筈の固定電話。
不思議に思って一旦リモコンを置き、受話器を耳に当てる。そこから聞こえてきたのは自分が担任を持つクラスの中で、どちらかと言えば一軍と呼ばれる内の一人の男の子だった。豪快に笑う子だという印象だったから、正直そう告げた声と彼の姿が一致しなかった。

声の末端が微かに震えている。こちらに助けを求めているのだろう、か。だからといって自分自身手が震えていて上手く返せない。問い質したい事は山程ある筈なのに言葉が喉を通り抜けてくれない。
でも何か言わなければ彼が受話器の向こうから消えてしまいそうな気がしたので、ひりついた喉を唾で潤してなんとか声を出した。

「誰を?」

違う違う、そうじゃないだろう!「あ」の口になった時からやめておけと理性は拒否していたのに。
しかし彼の声の震えは心なしか小さくなっており、ぼそりと「父です」と答えた。父親か。いや、だから何という事もないが。三者懇談に来たのも母だったし、いつも電話に出ていたのも母だったから彼の父の印象は全くと言っていい程無かった。
一度口にしてしまえば案外続く言葉も出てくるようで、義務感がその場忍びか好奇心かの質問がぼろぼろと口を零れ落ちてくる。

「どうして殺したの?」
「母さんを殴ってた、から」
「どうやって殺したの?」
「突き飛ばしたら、そのまま頭が角に当たって、息しなくなってた」
「…これからどうすれば良いと思う?」
「…わからない」
から、電話した。また声が頼りなくなった。

「どうしよう、先生」

いかんせんこんな事態に陥った事が無いので聞かれても困るのというのが本音だ。だのに普段人に頼らない彼が一番初めに頼ったのが自分だという事実に内心喜んでいるものだから、大概狂っている。
こういう時、普通ならどうするのだろう。警察にでも突き出すのだろうな。けれどこんなに頼りない彼を裏切るような真似をして良いのだろうか。きっと誰も責めはしないのにそれは間違った選択肢のような気がした。
あぁ、その行動を許せないのは多分自分だ。

「…じゃあ、ホットミルク、作ろう」

受話器の向こうから彼の素っ頓狂な声が聞こえる。自分でも自分が言った事に驚いているのだから当然だろう。でも今更取り消しは出来ない。
「分かっ、た」
彼は辿々しく返事をすると暫く受話器から離れ、戻ってきたら律儀に「作ってきました」と報告してきた。
「飲んだ?」
「まだ」
「飲んでみ。美味しいし落ち着くよ」
液体を嚥下する音が聞こえる。その間は特に何も考えなかった。ただ彼が飲み終わるのを待った。
体が暖まれば必然的に心も暖かくなる。幾年もの人生で学んだ数少ない内の一つだ。

「…飲みました」
「美味しい?」
「…たぶん」
「そっか、そりゃ良かった」

何も良くはない、のにそんな事を言えてしまえる自分が恐ろしい。人は予想外の展開に遭遇した時は意外と冷静になるのだと新たに学んだ。彼は暫く何も言わなかったが、やがて床に蹲み込むような衣擦れの音がした。
「…先生に言って良かった」
「そう思ってくれて良かった。…俺一応これでも先生だから、一緒に死体を埋めるとか、全部一緒に隠すとかは出来ないんだよね」
「それは、俺も嫌」
「うん。だから明日一緒に警察行こう」
「……うん」
「大変だろうけど、俺が全部一緒にやるから。大舟に乗ったつもりでいて」
「…うん」

ありがとう、先生。
そう言って彼は初めて笑った。そのおかげでようやく息を吐く。これで合っていたかは分からない。そもそも正解なんてものはないだろうし、限りなく正しい道を促したとして彼が笑顔になれていたかは分からない。だから、これで良いんだと思う。

ホットミルク一杯で彼が笑顔になってくれるなら。

#特別な夜

1/21/2023, 1:53:25 PM

特別な夜…

そんな夜もあったらいいなぁ˚ 。* 🌜˚ 。* 🌝 ˚ 。*
これと言って出来事じゃ無くても忘れられない夜あっても良いかな

いつか来ると良いなぁ(人´∀`).☆.。.:*・゚

1/21/2023, 1:49:54 PM

1年前は思いもしなかった
10年経っても覚えているような

1/21/2023, 1:49:36 PM

「きっと、夜のせいだろう」昔、大好きだった小説の、女の子がそんなことを言っていた気がする。その言葉の美しさに心を奪われ、夜が好きになった中学校時代を思い出す。今は夜が嫌いだ。あの頃の自分に「夜はいいものじゃないよ」と言ってやりたい。夜って言うのは、急に、昼にはなかった考えや思い出がよみがえって、私を襲う。何となく、息がしにくくなって、生きにくくなる。そして、誰にも会えない。そんな時、人の姿があるかと確認しようと、窓から見る夜の街は、どこか寂しい。独りだ、という感覚に捕われる。そして、心の中が空っぽになる。泣き出してしまいそうになる。これこそ、夜のせいなのだろう。だが、その小説の彼女が言っていた「夜のせい」が、果たして私が言っている意味なのかは今の私には分からない。もう少し、違う意味だったような気がする。あんなに大好きだった小説の内容まで忘れてしまうだなんて、私はどこまで変わってしまったのだろう。
「きっと、色々な夜を超えてきたからなのよね…」
そう呟いて自己暗示をかける。こんな夜は、早く過ぎてしまえばいい。あの頃の夜が好きだった自分は、もう居ないのだから。ああ、今日は、いつもより特別寂しい夜だった。早く、朝になりますように。そして私は、ベッドの上で目を閉じた。


大好きだった小説→吉本ばなな 『TUGUMI』

1/21/2023, 1:42:37 PM

ほうと白い息を吐く。
立ち上るそれはすぐに風に散らされて消えてしまう。
まるで星に紛れてしまったように見えて不思議な気持ちになる。
寂しいような、誇らしいような、どこかむず痒くて手放しがたい、不思議な気持ち。
見上げた空は遥か彼方まで見えてしまいそうなほどたくさんの星が輝いている。
小さく大きく、届きそうで届かない輝きは泣きたくなるほどに綺麗だ。
孤独に潰されそうな心を連れ出した光に目を閉じる。
この孤独も寒さも星空も、何一つ特別なものでは無いはずなのに。
目を見開いて、もう一度星を見上げる。
胸を貫くこの衝動じみた感動は、きっとこの日この夜だけの特別なんだと思えたんだ。

1/21/2023, 1:41:15 PM

乱雑に重なった少女時代の思い出
忘れないくらい繰り返した
大好きな始まりと悲しい終わり
何回泣いてもまた泣きたくて
色褪せない幼き恋に胸を弾ませて
平行線上の全てに一喜一憂し
交わることの無い行く先に
神様さえも叶えられない
幸せな未来を願って。

長い長い闇の始まりは
お気に入りのマグカップと
ちょっぴり悪い甘い星屑で
丁寧に積み上げた今日の思い出に
終わりを知らない最愛の時間に
乾杯をしようと思うのです。


―――特別な夜―――

1/21/2023, 1:36:29 PM

―特別な夜―

いつもと違う、特別な夜

太陽も月も星も、
花も虫も動物も、
みんなみんな、起きていられる

いつもは早寝早起きのお婆さんも、
いつもは寝る時間の良い子たちも、
みんなみんな、夜を楽しむ

争いあってた人たちも、
今宵だけは仲直りして

机に向かって己と戦う人たちも、
今宵だけは、それも忘れて

大事な人と好きなように過ごす
みんな、昔から友達だったみたいに、仲良く

ほら、向こうで
草花が楽しそうに笑いあってる
ほら、あっちで
ライオンとシマウマが肩を組んでる
ほら、あそこで
星が踊って、太陽と月も楽しそうに揺れてる

ほら、私たちも行かなきゃ

今宵だけは、みんな幸せ
そう、今宵は百万年に一度特別な夜

1/21/2023, 1:33:46 PM

「大丈夫」で終わったLINE
音のならないスマホ

君が横にいてくれているのにさ
スマホばかり気にしちゃう

満たされているのに 十分なのに
どこかあなたが恋しくなる

そう言ったってあなたは戻ってこないからさ
どうせなら感謝しよ

"いろいろごめんね ほんとにありがとう"

1/21/2023, 1:33:08 PM

「特別な夜」
今がどん底だわ!

毎日毎日同じ様に見えて
でも多少なり過大だっだり
か細い時の道を歩む。
人には分からない自分だけの時。

帰り際に見る夜空が
いつも笑顔にさせてくれて
反省も教えてくれる。

いつも不安な人生だけど
星の光はかなり前のものなんだよなぁ。
人生1秒にも過ぎない光を見ながら、
何無駄すごしてんだ?

「悩んで後悔ばかりなんて、勿体ない」
「今日は明日への素晴らしい一日」
なんて、、
思える日も少ないけど。

一日1秒単位で煮詰まった夜を、
そして目覚めて後悔しない朝を迎えたい。
夜空の美しさは朝焼けと同じくらい輝いている。

今、生きられている事に感謝。
次は地球の誰にこの素晴らしさを伝えようか。
全ての人がゆっくり星を見ながら
夜を過ごせますように。

1/21/2023, 1:31:24 PM

私は夜特にすることが無かったから、外に出た。そしたら、君とばったり会ったんだ。
君は私に
「あのさ、今日星綺麗だって言うし、一緒に見に行かね?」
「うん、そうだね。私も君と行きたかったんだー!」
と言うと何故か君が一瞬だけそっぽを向いたのが少し気になったが、私は
「私ね、いい穴場知ってるんだ!一緒にいこーよ!」
「…あ、ああ、そうだな。」
「ほら、もう深夜なんだし、早く行こー!」
私は君の袖を掴み、タタッっと走っていった。
だけど道中、止まって、絵の話とかデザインを考える上での話をしつつ
私たちはそこに着いた
そこには、
無数の星、
その中でも一層きらびやかに光る、主張の激しい一等星
水色、紫色に光る星雲。
そんなものが一つの銀河としておりなっていた
天の川銀河
私は言葉を失った。あまりの綺麗さに。
少し見惚れていると、
「あのさ、俺言いたいことがあるんだ。」
と君は言ってきた。
「なあに?」
私は問う
「俺さ、君のことさ、その…好きなんだわ。」
といい終わったあと、君はパーカーのフードを被り、くるりと後ろを向いた。
その時私は
「私も君が好き。この世界の、どぉーんな人よりも君が好き。だから、恥ずかしがらずに、こっち向いてよ」
そういったら君は私に抱きついてきた。私は君を受止め、言う
「素直なんだから。」
「それは海夜が悪いだろ、」
「だって、私はこっち向いてって言っただけだよ?」
そう言うと君は私からスッと離れて、言う。
「良かった。」

「あっ、もうこんな時間だし、そろそろ帰るぞ」
君はスマホのロック画面を見せてきた。そこに刻まれた時刻は12時だった。
「そうだね。」
と言い、私は君と手を繋いで帰った。
この日の夜は、私にとっても、君にとっても、特別な夜になれたのかな
そう考えながら、私は君の大きな手を、ぎゅっと掴んだ
そんな私を見下ろし、君はふにゃっと可愛い笑顔を見せた。
そんな特別な夜が更けていった
-特別な夜-

1/21/2023, 1:31:05 PM

テーマ:特別な夜 #70

乗っていた船が海の底へと沈む夢を見た真。
目を覚ますと勝瑠の部屋に戻っていたーー

『大丈夫か?』
シャドウは起きた僕にそう問う。
「あぁ…。変な夢を見ただけだ」
僕がそう言うとシャドウは首を傾げた。
『真が変な夢を見たなんて、珍しいな』
確かにあまり夢を見る方ではない。それも久々に見た夢が変な夢だなんて…。
「……」
そういえば、あの夢の中で男が言っていたな。「勝瑠」って。そういえば、僕を見て「真」とも言っていた。
あの人たちは僕と知り合いなのか…?

『調子はどうだい?』
そう言ってドアを開けたのは勝瑠だった。
「大分いい」
僕がそう答えると勝瑠はニコッと笑った。
『そういえば、さっきトカゲを捕まえたが消えちまったんだ。お前の仕業か?』
僕に笑った勝瑠にシャドウが言った。すると勝瑠の表情が曇った。
『…それってどんな模様のだった?』
シャドウの方を見て言った。
『さぁ…俺はよく見ていなかったから…』
「白いトカゲで、紫の変な紋章がついていた」
僕がそう言うと勝瑠の顔が青くなっていった。
『まさか…アイツ等が』
勝瑠が小さく呟いたのが僕には聞こえた。
「アイツ等って?」
僕がそう聞く勝瑠は、僕の方を見て何も言わなかった。
『真兄さんには、迷惑かけたくない。それに、まだ僕のこと完全に信じてないんだろ?』
確かに、僕は勝瑠のことを信じたわけではない。でも何かに困っているなら話は別だろう。僕はそう言おうと思いながらも、口からは言葉が出なかった。
『もうすぐ夜が明ける。真兄さん、急に家に上がってもらってすみませんでした』
そう言って勝瑠は、笑った。でもその笑顔は部屋に入ってきた時の笑顔ではなく、ナニカを隠すような笑顔だった。

『ここから僕は別方向に行きますね』
僕たちは外へと出ると少し歩いた。
全く知らなかった道だったが、知っている道へと繋がった。それを知っていたかのように勝瑠はそう言って着た道の方向に足を向ける。
勝瑠とは年がそう離れている気はしない。中学生くらいだろうか。僕たちは歩いているときにあまり話をしなかった。シャドウが気を使ってか話を振ってきたことはあったが、軽く返すくらいで個人情報は全く知らない。
『あ!』
勝瑠は僕たちと少し逆方向に歩いてから思い出したように言った。
『真兄さん、あの紋章には気をつけてください』
勝瑠は真剣な顔をしていた。僕はその圧に押されるようにして頷いた。
『では』
そう言って勝瑠は離れていった。
なんだか凄く特別な夜を過ごした気がする。
長い夜が明ける。

1/21/2023, 1:29:19 PM

『夜をひとつだけ』
夜をひとつだけ川辺に浮かべて 君を待つ灯にしよう
数ページ先に朝がいて 溶き卵に砂糖を混ぜている
日常の裏側で泣いてる君を見つけた 表で笑う君に会わせたい いつか心が壊れてしまうその前に

1/21/2023, 1:25:02 PM

★特別な夜

今日は満月
俺にとっては最悪で彼にとっては特別な夜だ

俺は満月の日にだけ元の姿…白狼になる

そんな俺の尻尾に埋もれて幸せそうな顔をしているのが彼だ

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