特別な夜。
なんの悩みも、なんの憂いもない、そんな夜。
なんだかなんでも出来そうな気がして、わくわくして、目が冴えて、少しだけ夜更かし。明日はお休み。
でも、それはほんの一時の安らぎ。
何をしよう、と考えては、空虚が浮かんでは消えていく。読書、音楽鑑賞、貯まったアニメやドラマ。いつの間にこんなに興味がなくなってしまったのだろう。
絵を描くのが好きだった。ゲームをするのも好きだった。
なんでも出来る夜なのに、なにもできない。したいと思えない。
どうして、さっきまで希望に満ち溢れていたのに。
明日、天気が良ければ買い物や日帰りの旅行だって行けるのに。
未来になんの疑いもなかった頃の自分が、やけに輝いて見えた。
空を見上げれば、満点の星空。
きっと明日は晴れるだろう。
月が眩しすぎて、過去の思い出の光さえも薄れて消える。
これ以上惨めにならないように、窓を締め、遮光カーテンを閉める。
閉じこもったのでは無い。薄らとまだ希望を失ってない、この心を守るために、一人の世界を作ったのだ。
特別な夜。
辛いと訴えかける自分の心を、ようやく見つけた。
1/21/2023, 2:00:01 PM