海喑

Open App

私は夜特にすることが無かったから、外に出た。そしたら、君とばったり会ったんだ。
君は私に
「あのさ、今日星綺麗だって言うし、一緒に見に行かね?」
「うん、そうだね。私も君と行きたかったんだー!」
と言うと何故か君が一瞬だけそっぽを向いたのが少し気になったが、私は
「私ね、いい穴場知ってるんだ!一緒にいこーよ!」
「…あ、ああ、そうだな。」
「ほら、もう深夜なんだし、早く行こー!」
私は君の袖を掴み、タタッっと走っていった。
だけど道中、止まって、絵の話とかデザインを考える上での話をしつつ
私たちはそこに着いた
そこには、
無数の星、
その中でも一層きらびやかに光る、主張の激しい一等星
水色、紫色に光る星雲。
そんなものが一つの銀河としておりなっていた
天の川銀河
私は言葉を失った。あまりの綺麗さに。
少し見惚れていると、
「あのさ、俺言いたいことがあるんだ。」
と君は言ってきた。
「なあに?」
私は問う
「俺さ、君のことさ、その…好きなんだわ。」
といい終わったあと、君はパーカーのフードを被り、くるりと後ろを向いた。
その時私は
「私も君が好き。この世界の、どぉーんな人よりも君が好き。だから、恥ずかしがらずに、こっち向いてよ」
そういったら君は私に抱きついてきた。私は君を受止め、言う
「素直なんだから。」
「それは海夜が悪いだろ、」
「だって、私はこっち向いてって言っただけだよ?」
そう言うと君は私からスッと離れて、言う。
「良かった。」

「あっ、もうこんな時間だし、そろそろ帰るぞ」
君はスマホのロック画面を見せてきた。そこに刻まれた時刻は12時だった。
「そうだね。」
と言い、私は君と手を繋いで帰った。
この日の夜は、私にとっても、君にとっても、特別な夜になれたのかな
そう考えながら、私は君の大きな手を、ぎゅっと掴んだ
そんな私を見下ろし、君はふにゃっと可愛い笑顔を見せた。
そんな特別な夜が更けていった
-特別な夜-

1/21/2023, 1:31:24 PM