『無色の世界』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
無色の世界で生きている
誰からも見えていないのだろうか
こちらからはよく見える
行き交う人々の様々な表情が、感情が
彼らの目に映る景色が
彼らの世界は何色なのだろう
この眼じゃすべてが色を持たない
面白みのかけらもない世界しか見ることができない
と思っていた
淡い虹色の、光のようなあの人が現れるまでは
あの人の周りはいつもきれいな色で溢れていた
思わず見惚れた
あの人を見ていると心が洗われるようだった
あの人が見ている世界を知りたいと思った
吸い寄せられるように、気がついたらあの人を眺めている
いつの間にか無色だった世界が
水彩絵具を落としたかのように淡く色づき始めていた
無色の世界
何の夢もなく、
何の望みもない世界。
留まりたくなく、
抜け出したい世界。
人は、目的がなくなると、
色のない世界に埋没すると云う。
灰色に近い無色の世界に。
何とかして、色のある世界へ、
辿り着けるよう、必死に生きねばならない。
人として、生きるよう。
愚かだった…
無くした彩は戻らない
もう戻る事は無い…
それでも…
若き自分に戻れたら
無秩序に進む経済社会を止めてみたい…
だが…
時代の分岐は過ぎ…
残るのは老いた男達…
俺達に社会更正だと…?
もうそんなことに
何の意味が有るんだと言うんだ…
いつかは誰も…
野端のイシコロに戻るのだから…
それでいいのだから…
もう終わりにしようや…
何をしても無駄だから…
ただ疲れ果ててくだけだから…
時間の無駄だ…
もうこのまま…
全て終わればいいんだから…
中枢が毒された土地なんて
もう
どうでもいいんだ
もう…
どうでもいいんだから……
スティーブン・キング風にしました…(笑)
せめて白黒の世界だったらよかったのに、ここは無色の世界だから感覚はあれど輪郭は見えない。まるで油の中のガラス状態だ。何かが交ざれば変化が起きるのだろうか、まるで人との関係性の様に。
この世界は無色だ。
それは比喩的な表現であり、現実的な言葉ではない。
病室で空を見てるばかりの僕にとって空が青色とは思えなかった。人も家も何もかもが僕にとって僕の目を通して見えるものは無色の世界だからだ。
一生治ることのない病気、病院を通り過ぎる声、その何もかもが僕にとっては過ぎたことで、もう学校にもどうでもいいという感情が働いていた。
笑いたかった。だが笑うという行為すら僕は…
いや、僕は笑えなかったんだ。自分が絶望の淵にいて周りは喜びの色を感覚で見ている。二度と治ることのない病気を抱えてる僕と周りを比べて僕は笑いたくなかったんだ。
自分が絶望にいて、無色透明な何も無い世界にいて、誰かを愛したくて、誰かと対等に笑いたくて、誰かにみて欲しかった…
ねぇ…お願いします神様…僕のことをみてくれてる人がいるなら人じゃなくてもいいから…この無色の世界から
僕を…救ってください…
[無色の世界]
「無色の世界」
この世は灰色だ。いやなんの色でもない無色の世界。楽しくないし、そもそも感情なんて持ってない。
人間にいじられて、触られて、「嫌だ」とも言えないこの世界は壊れてしまえばいい。
世界のどこかで、僕の仲間が今も人間を殺している。そんな世界が嫌で、それでも人間は好きじゃない。
これは、ロボットに生まれた僕の話。
【無色の世界】
「赤ちゃんって無色の世界で生きてるんだって」
部活が終わり、帰り道友達と歩いていると、友達がポツリと言った。
「え?無色の世界?」
僕が聞くと
「そう。最初は赤ちゃんの見てるものって全部無色なんだって」
「へー初めて知ったわ」
どうやら赤ちゃんは生まれた時は見てるものが無色でボヤボヤしているらしい。少しずつ色が付き始めるようだ。最初は赤らしい。
あと、人の認識は父親よりも母親のほうが赤ちゃんは認識しやすいらしい。
無色の世界
無色ってのは透明ってこと?
白黒もない?
それはペットボトルくらい透明?
それともほぼ空気みたいな感じ?
この感じラーメンズのネタであったな。
私の日々から彼が消えてから1ヶ月ぐらい経った
彼がいたときは毎日が彩りで溢れてて、
紛れもなく幸せだった
なのに私はそんな日々を大切にせず、当然だと勘違いしていた
そしてある日、私の世界は変わった
鮮やかだった世界からは色が消え、なんの彩もなくなり、無色になった
あーあ、どこで間違えたんだろ
別に、今が幸せじゃないという訳でもない
彼がいない日々は寂しいけど、友達がいるし学校もまぁまぁ楽しい
なのに、心に隙間ができてしまった気がする
誰か埋めてくれないかな
そんなことを考えながら、私は今日も無色の世界で生きる
#4「無色の世界」
私が初めて見たものは、普通の世界であった。私はその世界で15年過ごしてきた。しかし、私には、分からないものがあった。それは「色」というものだ。母や父は赤色や青色、黄色など、様々な「色」が見えるらしい。世間はこれが普通の世界なのだそうだ。私とは違う世界。しかし、見たことも無いものを、私は想像することができなかった。いや、できるはずないだろう。色そのものが何かすら分からないのに。
そこで、私は絵を描く少女に出会った。私のいる学校に転校してきたのだ。その子の絵は、ものすごくよかった。物の形は曖昧である絵だった。例えば本ならば、本と認識はできるが、普通の本では無い、独特な表現であった。その絵を描くところを見ていると、少女は、「最後に色をつけるの。」と言った。私には色が理解できないので、筆を動かす少女をただ見ているだけであった。
いつか、色を見れるようになるのなら、私は彼女の色のついた絵を、1番最初に見たい。
そして、その時、私は1番初めに何を思うだろうか。
#無色の世界
無色の世界
もし無色の世界があるとするなら
自分の好きな色に染めようか
それとも、無色の世界を楽しもうか
いつだか せかいにいろがなくなった
ぜんぶ ものくろで
つまらない
なにをたべても かみのあじで
なにをしても がめんごしのせかいみたい
みんな のっぺらぼうにみえて
ぼくも のっぺらぼうで
でも きみはいろがついてた
なんだか君と居ると楽しくて
いっしょに食べるご飯はおいしくて
いっしょにすることは楽しくて
顔ものっぺらぼうじゃないし
もう全部見えるよ
/無色の世界
世界は初めから無色だった
誰かがりんごは赤いと教えたから
その日からりんごは赤くなった
だれかが教えた通りに色づいてゆく世界で
私は貴方の色を測りかねている
お題:無色の世界
#駆と棗 (BR)
Side:Kakeru Mizushina
『なーーつーーめーーくーーーーん、おーはーよーーーーーーーー』
棗くんにモーニングコールのLINEをしてみたけど、今日はまだ返事がない。
「…あれ?棗くんがお寝坊さんなんて珍しいな」
…もしかして、また…なんて嫌な想像が一瞬、俺の脳裏をよぎった。
何故なら棗くんは11年前に突然聴力を失ってから、絶望のあまり命を絶とうとしたことが何度もあるからだ。
「棗くん、まさか…!!」
俺は最悪の事態を避けるべく、慌てて棗くんが住んでいるアパートにすっ飛んでいった。
「あっ、ドアが開いてる…!ごめんお邪魔しま…あれ?」
ドアを開けてすぐに見えた光景に俺は驚いて目を見開いた。
棗くんはパジャマ姿のままでベランダに出て、ぼんやりと空を見上げていた。
俺は棗くんを驚かせないようにゆっくりと近づきながら、もう一度棗くんにLINEしてみることにした。
『棗くん!何してるの?』
「…!」
あ、今度は気づいたみたいだ。
ゆっくりと俺のいる方向へ振り向いた棗くんの目はまだ眠そうで、おそらく起きてまだ数分も経っていないのだろう。
『駆、どうしたの?汗かいてる』
『棗くんが珍しくモーニングコールに反応しなかったから何かあったんじゃないかって心配で来たんだよ…!!』
『ごめん…寝てた』
『怪我はない!?大丈夫!?』
『え?待って、何の話?』
棗くんは本当に寝ていただけだったようで、体に新しい傷は見当たらない。俺の杞憂でよかった…。
『駆こそ大丈夫?悪い夢見たの?』
『あの〜…あのね?俺さっき棗くんが死んじゃうかも〜みたいな嫌な想像しちゃって…それで、その…』
『…』
俺は手話で必死にここに来た経緯を説明した後、ついに耐えきれなくなって棗くんに抱きついた。
もし棗くんがいなくなってしまったら、俺の世界は一瞬で色のない、味気ないものになってしまう。
だから失いたくない。俺に黙って消えてほしくない。
今にも泣きそうな俺の背中を、棗くんはただ黙ってぽんぽん叩いてくれた。
それでさらに泣きそうになって、俺はしばらくの間棗くんの細い体をぎゅうぎゅうと抱きしめ続けた。
【お題:無色の世界】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・水科 駆 (みずしな かける) 19歳 棗の幼馴染
・一色 棗 (いっしき なつめ) 21歳 10歳の時に突然耳が聞こえなくなった
無色とはつまり、白、なのだろうか。
それとも透明なのだろうか。
彼を色で表すなら何色だろうか。
ある時は黒
ある時は白
ある時は…夕焼け……
「どうしたんだい?」
「いや…、あ、今日学校でクラスメイトを色に例えるなら?っていう話題になったんだ、それで──」
「なるほど、僕の色は何色かって考えていたのか」
「うん」
「で、何色だと思ったんだい」
「…安直だけど、黒と白、だよ」
「へえ…君にしては珍しいほど単純だね」
「だから言ったでしょ」
「じゃあ僕から見た君の色も教えてあげよう」
どーせ青だろ
「夕焼け色、かな」
「え、なんで」
「君の力は凄まじい。周りすべてを君の考えや行動で塗り替えていく。それを夕日に例えたんだ。なかなか風情があるんじゃないか。」
「…そだね…」
こういう時は決まって自分の瞳の色である、青と言われてきた自らの人生にとって意外な答えだった。
そして、夕焼け色はあんたもだよ、と思った。
でも意味は違う。
辺り一面をその色で包み込んでしまうのに、もうすぐ沈んでしまう儚さを併せ持つ。
【無色の世界】
いつもつまらなかった。学校も家も、みんなみんな同じように見えていた。みんなで同じことを学び、同じことをして、正しければ褒められて駄目ならけなされる。ただ、それだけのルールに乗っ取った世界。
全部が、同じ色に染まって見えた。
何色でもない、つまらない色。
彼女だけは、違って見えた。
校門を校舎へと歩く姿。それだけなのに、艶めく黒髪、真っ白なシャツに紺のスカートの制服、きらきらと光るチャームをつけた鞄まで。
無色の世界に、唯一の鮮やかさ。
毎朝見ているのに、今朝も見とれていると、こちらを向いて微笑む。その、柔らかなピンク。
「おっはよ」
声まで青や赤に彩られ、輝く。
(羨ましい)
挨拶を返しながら、そう思う。
(自分も、色の世界にいたかった)
彼女の隣にいても、叶わないその願い。
今日もまた、鮮やかな彼女を見つめる。
この世に色が無くなったら、どんな世界になるだろう。
まず、信号機は意味を無さなくなるから、全部が音で表すタイプのものに付け替えられる。それなら聴覚障害のある人はどうするんだと言う問題はあるが、周りの人が歩くのを見て合わせれば案外何とかなりそうだ。
それから、色んな模様が発明される。服の色はみんな同じだから、柄で他と差をつけて、ファッションセンスを競ったりする。
分からなくなってしまえば、肌の色で差別されたりするのは無くなるんじゃないか。
あれ。
指摘されて気が付いたけれど、私が言ってるのはモノクロだ。
無色なら、白色も黒色も無い。全てが透明だ。
透明、透明。
透き通っているのなら、自分の体も相手の体も、何にも見えない。相手の息遣いで、自分の声で、ここにいると叫ばなければ気付いてもらえない。
なら、眠ってしまえばどうなるのだろう。自身の存在も、目覚めたら無くなってしまっているのではないか。しかも、それは誰にも気付かれることは無い。
見えないから、返事をしていないだけだと思われるのがオチだ。
誰にも見えないまま死んでしまえば、死んだことさえ気付かれない。泣いて悲しむ者さえいない。だっていないなんて分からないから。
何だか、寂しい虚しい世界だ。
お題『無色の世界』
無色の世界
無色の世界に色を付けてくれたのは、君だった…。
僕の世界に色はない。
「おい、早く起きろ。」
いつものように、朝からうんざりする声で母親から起こされる。
「おはよう。」リンビングに行って声をかけた。
「…」返事はやはりない。これもいつものこと。朝ごはんは自分の分は用意されてないので、自分でする。パンをトースターで焼く。その間に洗面所でバケツに入った雨水で顔を洗ったり、歯磨きをしたりする。ちなみに、この雨水は、3日前の雨の日にとれた。自分だけは、水道の水を使っちゃいけないし、使わせてもらえない。
リビングに戻り、トースターからパンをとりお皿にのっけていると姉が僕の手を叩いた。パリンッとお皿が割れた。落ちたパンを先に拾おうと手を伸ばすと姉が素足でパンを踏んでいた。
「皿片付けてよね。キレイに。」とにやにやとパンを踏みながらこちら側を見ていた。僕は勿論反論は出来ない。ここで反論をしてしまうと家をなくしてしまう。まだ僕は中学生だからそこは避けたい。するとドタドタ足音が聞こえた。
「うるいなぁ。朝から、誰だ!皿を割ったやつは!掃除しろ!」と父親が言う。僕は
「僕が割りました。すみません。今片付けます。」そう言い、片付けを始めた。片付けが終わる頃には、登校しなければいけない時間だったので急いで家を出る準備をし、姉が踏んだパンを仕方なく食べながら行くことにした。
学校だけが僕の唯一の居場所だ。みんなが優しいから、僕も温かい気持ちになる。そんな、うきうきの気分で登校していると後ろから
「わぁッ!驚いた?」と僕のクラスメイトの女の子が驚かしてきた。
「毎日驚かされたら、驚かないよ。」と微笑みながら僕は言う。そしたら、
「えぇ〜!じゃあ何したら驚くかな?」と。僕は、
「何があるかな?」ととぼけてみせる。その後、歩きながら、彼女の今日はどんな色が空にあるとか、好きな色の話をしていた。彼女の目には、キレイにこの世の中が写っていると思うと、僕も見たいなぁと歩きながら思っていた。すると彼女は急に深刻そうな顔をして、
「ねぇ、そのパンどうしたの?すごく潰れてるよ?まだ、続いてるの?」と僕は
「うん。続いてる。このパンは、姉が足で潰したんだ。」バレないように、笑顔を作って言う。
僕の家庭の話を知っているのは、この娘だけ。この娘はいつも僕のことを心配してくれている。だから、僕もこの娘に心配かけたくない。我慢をする。だけど、このとき僕は本音が小さく漏れた。「僕の世界にも、色があったらな〜」。この言葉を、この娘は聞いてたみたいだった。
学校が終わり、下校しているときにあの娘が
「いいもの見せてあげる!だから、ついてきて!目をずっと開けててね!」といい、二人で走った。走った先についたのは僕の家だった。
「なにするの?」と僕が言うと、
「まぁまぁ、見といて!」といいその娘のあとをついてった。家の中に入ると、父親はタバコを吸いながらお酒を飲んでいて、母親は僕のバケツの水を捨てていて、姉はテレビゲームをしていた。その中に、僕とこの娘が居ると分かった瞬間僕をいつものように殴ろうと父親がこっちに来て手を振り上げたとき、僕は目を閉じ体勢を整え待っていたらいっこうに手が来なかった。むしろ、悲鳴が聞こえた。僕は、目を開けると女の子が包丁で父親の腕を切っていた。
「ぎゃぁぁぁ!」
とあちらこちらで聞こえる声に驚きながら彼女を見た。彼女は笑顔で
「目を絶対に閉じないでね!」とだけいい僕の家族を刺しに行った。
あれから、何時間たっただろうか悲鳴すら聞こえなくなった。みんな死んだのだ。女の子は血まみれになった顔でこちらに振り向き、
「ねぇ!色見えた?きれいな色してた?」と。
今まで無色の世界だったのが、君に本音をつい漏らしただけで僕の世界に色を付けてくれた。だから僕は、
「うん!とてもきれいな赤色だった。」と笑顔で言った。
白雪姫のような白い肌に
淡い色がよく似合う君。
そんな君に僕は甘えてるかもしれない(´・ω・`)
とわかってても僕に力なくてごめんね。
目に飛び込んで来る電磁波のほんの一部分だけを、
人は色を付けて認識しているらしい。
私達の見ているこの色鮮やかな世界の裏には、
認識されなかった電磁波の形作る無色な世界が隠れてる。
そんな世界に色をつけて見たくもなるけれど、
それはやめたほうが良いだろう。
人が傲慢にも電子機器や通信を蔓延らせて電磁波を撒き散らす現代、見えなかったはずの大量の電磁波が、
無色の世界が私達の景色を塗りつぶしにやって来る。