この世界は無色だ。
それは比喩的な表現であり、現実的な言葉ではない。
病室で空を見てるばかりの僕にとって空が青色とは思えなかった。人も家も何もかもが僕にとって僕の目を通して見えるものは無色の世界だからだ。
一生治ることのない病気、病院を通り過ぎる声、その何もかもが僕にとっては過ぎたことで、もう学校にもどうでもいいという感情が働いていた。
笑いたかった。だが笑うという行為すら僕は…
いや、僕は笑えなかったんだ。自分が絶望の淵にいて周りは喜びの色を感覚で見ている。二度と治ることのない病気を抱えてる僕と周りを比べて僕は笑いたくなかったんだ。
自分が絶望にいて、無色透明な何も無い世界にいて、誰かを愛したくて、誰かと対等に笑いたくて、誰かにみて欲しかった…
ねぇ…お願いします神様…僕のことをみてくれてる人がいるなら人じゃなくてもいいから…この無色の世界から
僕を…救ってください…
[無色の世界]
4/18/2024, 1:18:59 PM