『溢れる気持ち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつもならコントロール出来ていた。
ただちょっと。ほんのちょっと、良くないことが重なってしまった。
朝寝坊してしまった。そのせいで朝ごはんを食べ損なった。電車でタバコ臭いひとが近くにいた。イレギュラーでちょっとだけ居残り。
そんなアンラッキーなんていつだってあるはず。
遅くなってしまったが帰れる。トボトボとした足取りは不意に止まる。
悪いことは本当に馬鹿みたいに重なるのだ。
好きな人が学校の先輩と手を繋いでた。
慌てて脇道にそれた。
条件反射のように唇を噛み締める。じわじわと視界がぼやける。
「……私の方が絶対好きなのに」
こんなのは負け惜しみで、好きの大きさなんて測れない。
遂に涙が溢れた。
「絶対私の方が好きなのに……」
溢れた気持ちも涙も預ける先がない。
溢れる気持ち
薄暗の中。小さな寝息を立てている、ぷっくりとした頬とおでこを愛でる。
朝の用意をあんなに急かさなければよかった、とか。
あのくらい、叱らなくてもよかったのかな?とか。
洗濯物なんてほっといて、もっとたくさん抱きしめてあげたらよかった…とか。
微睡む時の中で、後悔と反省が宙を舞う。
あまい匂いと抗いようの無い重力で、いつの間にか眠りにつく。
私の無骨で大きな手でも、余り過ぎるほどの愛しさ。
ふと…我が子の向こう側で、すやすやと妻が先に寝息を立てているのを確認してから、再度私は微睡んだ。
「溢れる気持ち」
あぁ、どうしよう。どうしたら良い?
この気持ちにどうやって整理をつけたら良い?
君を一目見たその瞬間から、俺の世界は色を持ったんだ。
今まで灰色だった世界が、君を中心に輝き、そして彩られた!
「最近、お前は楽しそうだな」
当たり前だ。暗く澱んでいた世界に別れを告げたのだから!
「ふぅん……なら。お前はソレをどうするつもりだ?」
どうする、だと?お前こそ何を言っている?
どうするも何もない。ただ俺の視界の中で君が鮮やかであれば良い。
「そうか……お前にはそういうふうにしか認識できてないんだな」
あいつの言っていることの意味がわからないが構わない。そう、君はいつまでも永遠に俺の見る世界の灯りになってくれればそれでいい……
あぁぁ……っ!愛しているよ!
「例え君が壊れて動かないものだとしても」
まだ少女の頃
赤毛のアンの世界に入り込み
その頃から
いつかプリンスエドワード島へ行くのが
私の夢となった
そして その夢がかない
赤土の道の先に
グリーンゲイブルズを見つけたとき
あの頃の気持が 一気に溢れ出し
私は 少女に戻っていた
溢れる気持ち
私は君が消えるまで忘れないわ。
いや、君が消えても忘れない。
この溢れる気持ち。
あぁ。溢れ溺れそうだ。
~溢れる気持ち~
溢れる気持ち
年齢が上がってから溢れるのは自分に足りないものに対して
~~がない
~~じゃない
~~できない
ないない星人
ああ触れる、溢れる気持ちに
あぶれる心 掬い出して救いたかった
肝心な心地は自分に合う気もしなかった
僕は君を許さない。
僕の心を弱くしたから。
君が僕の心の穴を塞いでしまうから。
その穴を最後まで塞がなかったから。
僕は僕を許さない。
君が空けた穴を塞いでしまうから。
溢れたままで、いさせてくれないから。
溢れる気持ち
辞めたくても、止めたくても、自分ではどうしようもできない時がある。
そういう時があるんだ。
蓋したホーローのお鍋から
お出汁が吹きこぼれるみたく
どうしようもなくどうしようもない
なんでもない私のなみだは
きっとあなたに届かない
【溢れる気持ち】
朝、目が覚めると隣に暖かさを感じた。
横を見ると、いつもより幼く見える恋人の寝顔。
普段は大人っぽい恋人の無防備なすがた。寝起きのいい恋人の寝顔は本当にレア。
寝顔を観察していると、「愛してる」「守りたい」「一生幸せにしたい」という気持ちがどんどん溢れてくる。
言葉で伝えるのは恥ずかしいけど、目が覚めたら、たまには言葉で伝えてみよう。あなたに対するあふれる気持ちを。
話す度に何度でも好きになってしまう。
触れれば体温が上がってしまう。
横顔を見るとき、愛おしさに目を細めてしまう。
綺麗な目をまっすぐ見つめて、滑らかで心地の好い声に瞼を閉じる。
隠す気もないから溢れる気持ち。
あなたが気付いていることに気付いているけれど、もう少しだけ逃げていたいんだ。
(溢れる気持ち)
貴方が好き 堪らなく好き
貴方を想うと心が苦しくなるの
みんなは「恋の病」だなんて言うけれど、
本当にそうなのかしら。
もし、そうだとしたら大変だわ。
今すぐにでも病院へ行かないと
…貴方に会ったら治るかしら
そもそも貴方になんて言えばいいの?
「貴方を想うと好きという気持ちが__
溢れ出ちゃうんです。」
「これってやっぱり…恋の病ですか。」と?
溢れる、溢れる気持ち
唯一無二の可愛らしい長い耳
ふわふわの体はいつ触っても柔らかくて暖かい。
撫でると目を細めてなぜか歯をカチカチと鳴らす。
逃げるときはシュバっと、まさに一瞬で脱兎のごとくどこかへ消えていく。
コードには注意。対策をしないと噛まれてしまう。
ぴょんぴょんと飛ぶ仕草も
耳が休んでいても常に全方向へ動いてる仕草も
物を食べているときのヒゲの動きも
全てが愛らしい
溢れる、溢れる気持ちを
私の愛しのウサギへ捧げる。
あなたが僕を切り裂いて、そこから溢れる気持ちは何色。
血と混じって頬を伝い落ちてゆく。
緑色の目をした怪物は、じっと僕を睨んでいる。
あなたの指先が触れて、そこから伝わる気持ちは何色。
伝播する熱は僕の体をあなたの温度に冷やす。
足元がぐらついて、倒れそうになる。
きっとこのまま、僕はあなたと融解してしまう。
夕陽が沈むよりも早く、僕の中身は元の形を失う。
溢れてゆく。こぼれてゆく。
あなたと溺れる夢を見る。
僕らは何色の魚に脱皮できるだろうか。
瞳から流れ出るのは言葉にならぬわたしの透明な血潮
(お題:溢れる気持ち)
第十話 その妃、微笑む時
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ゆっくりと、意識と感覚が戻って来る。
目の奥が怠い。熱があるのか。そういえば頭痛もする。
身体も鈍く重い。指一本動かすのでさえやっとだ。
「目が覚めたなら起きなさい、このお馬鹿」
視界が潤んでぼやける。妃の輪郭は何とか認識できるが、顔までははっきりとわからない。
耳も、恐らく正常ではないのだろう。ねっとりと貼り付くようで不快なはずなのに、妃の声にしてはやけに柔らかく聞こえるから。
新しい香でも焚いているのか、熟れた果実のような甘い匂いがする。……酷く、喉が渇いた。
「さてと。事態は飲み込めているのかしら」
「……おおむね、は」
掠れた、甘ったるい声が出て確信する。
先の妃に、一服盛られたのだ。
「媚薬の一種ね。安心しなさい、不能にはなっていないみたいよ」
「……どうして、ですか……」
「そこまで面倒見るつもりはないから、後は自分で勝手にしなさい」
「ちが……。そうじゃ、なくて……」
何故、この妃は何も言わないのだろうか。
どのような態度で出迎えられ、何の茶が出てくるのか、焚かれている香の種類や、それこそ薬を盛られることまで。
瑠璃宮へ訪れる前の注意事項や対処法は、事前に叩き込まれていた。最悪の事態にも備え、解毒薬や嘔吐剤まで持たされていたのだ。
けれど、この妃は初めから全て知っていたのだろう。
今、目の前に横たわる男が、全てを無視した結果、吸い飲みで白湯を飲ませるような事態になることを。水蜜と、煎じた薬まで用意して。
「……どう、して……。怒って、いないんですか……」
「怒る必要ないもの」
「……それも、わかっていたからですか……」
「あんたがそう思うならそうなんじゃない?」
「……なんなんですか、それ……」
拗ねた唇に、一口大に切られた水蜜が運ばれる。口を開けるのさえ億劫で、一つ目は上手く入らないまま転がり落ちた。
そして「少し大きかったわね」と、口元を拭ってくれるその人は、何故か今にも噴き出しそうな顔で笑いを堪えていた。
「……なんで、笑うんですか」
「あんたが弟みたいでかわいいから」
そう言って、今度は小さめに切られた水蜜がやって来る。ただ口を開けて、少し噛んで飲み込んだだけなのに、まるで幼い子を褒めるように頭を撫でられた。
「……うれしくないんですけど」
「これに懲りたら、もう二度と口にしないことね」
それは、媚薬をか。
それとも……『妹』と、言ったことにか。
口ではなんだかんだと文句を言いつつ、苦悶の表情を浮かべる愚かな男にも、妃は慈悲を与えるように甲斐甲斐しく世話をしてくれる。
……やられてばかりは性に合わない。
それなのに、それが嫌じゃない。ついさっきまで、子供扱いされたことに納得できなかったはずなのに。
「……御蔭様で、二度と言える気がしません」
「あらよかったじゃない。これ以上被害者が増えなくて」
悔しいが、きっかけなんかいくらでもある。被虐趣味ではない。ただこの人が狡いのだ。
粗末に扱ったかと思ったら、すごく意地悪だし、その上嫌がらせまでしてくるのに、本当は優しくて、とことん甘やかしてくるなんて。
そして、決定打は彼女の笑顔だ。捨ててしまった心を呼び戻したから。
単純だと言われてしまえばそれまで。それでもこの、溢れてくる気持ちは治ることを知らない。
「……ジュファ様。桃、もうひとつください」
「甘えてんじゃないわよ」
薬の影響がなくなった時、今までと同じようにいられる自信は、全くと言っていいほどなかった。
#溢れる気持ち/和風ファンタジー/気まぐれ更新
「あなた……、愛しきあなた。」
私の頬は、紅く染まる。
「どうしたの、聴こえているよ。」
出来る限り、冷静に返事をする。
「あなたのもとに嫁げて、本当に幸せだったわ。
わたしを愛してくれて、本当にありがとう。」
貴女に強く、抱きしめられる。
「礼を言うのは、こちらの方だ。
私も貴女と過ごす日々は、本当に幸せだった。
私を愛してくれて、本当にありがとう。」
私も、強く抱きしめ返す。
嗚呼、もう別れか。
婚姻する前から、聞いていた。
しかし、予想より……ずっと早かった。
ただ、それだけ。
溢れそうになる涙をぐっと堪え、優しく微笑む。
貴女を見送る、その時まで……
貴女が好きだと言ってくれた、笑顔で居たいから。
あなたへの想いを
まだ隠しておきたいのに
この視線はうらはら
溢れる気持ち
『溢れる気持ち』
たまーにですよ?
ホントにたまーに消えたくなることがあるんです。
明るい人。
楽しそうな人。
笑顔の人。
いわゆる幸せそうな人達を見るのが、自分は好きです。
何だか元気がもらえますからね。
……本当ですよ?
けれど同時に、ほんの少しだけ羨ましくも感じてしまうだけなんです。
青春だとか恋愛だとか、キラキラしていて眩しいぐらいで、自分なんかでは直視するのも難しいんです。
頭では分かっていても、ついつい想像しては羨ましく思うんです。
やっぱり羨ましいんです。
自分には無いものだから。
自分なんかには無理なものだから。
なんだかんだと羨ましいんです。
なんだかんだと羨んで、それに気付いて虚しくなるんです。
それに気付いて虚しくなって、最終的には消えたくなるんです。
消えたくなるんです。
自分よりも恵まれない人達なんて、探せばいくらでもいるのに……こればかりは仕方が無いんでしょうね。
──────────
【あとがき】
アプリを開けた時に、皆さんの『もっと読みたい』が届くことがあります。
なかなか投稿できていない時でも、読んでくれている人がいるのは本当に嬉しく思います。
何時もありがとうございますね!