いつもならコントロール出来ていた。
ただちょっと。ほんのちょっと、良くないことが重なってしまった。
朝寝坊してしまった。そのせいで朝ごはんを食べ損なった。電車でタバコ臭いひとが近くにいた。イレギュラーでちょっとだけ居残り。
そんなアンラッキーなんていつだってあるはず。
遅くなってしまったが帰れる。トボトボとした足取りは不意に止まる。
悪いことは本当に馬鹿みたいに重なるのだ。
好きな人が学校の先輩と手を繋いでた。
慌てて脇道にそれた。
条件反射のように唇を噛み締める。じわじわと視界がぼやける。
「……私の方が絶対好きなのに」
こんなのは負け惜しみで、好きの大きさなんて測れない。
遂に涙が溢れた。
「絶対私の方が好きなのに……」
溢れた気持ちも涙も預ける先がない。
溢れる気持ち
2/5/2024, 4:23:01 PM