『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
白い死神(風)「僕が殺せば悪になるあなたは殺せば正義になるあんたが正義になったのは、僕の大切な家族を殺したからほんと同じ殺すなのに違うのねぇ、教えてよ天使さん」
天使「、、、はぁヤダなぁ」
?何言ってんの?
殺したい、殺してやりたい、
グチャグサ( ᐛ )/🔪グサッグサッグサッ
あぁごめん……なさい
涙が止まらない
赤い夕日に照らされて
溶けていくのがわがる
泣かないよ、私は泣かない。
だって、
さよならじゃないんだもの。
さよならじゃないんだから。
泣かないの、私は泣かない。
星が空に溢れた日
君が世界に溶けた夜
幾千もの蠢く光
夜光虫が鳴いた夜
星が流れる川の中で
君が手から溢れ落ちた
君を失くしたあの夜に
ただひとつだけ掴めたもの
光の中から掬い出した
君の目だけを連れ出して
涙を流さぬ君の目が
思い出させたあの約束
守れるわけない約束に
私の涙を一滴捧ぐ
「−泣かないよ−」
....また15連勤が確定した。ためているお題の執筆ができないのは、楽しんでいただいている皆様や待ち遠しく思って頂いている皆様に申し訳がなく辛く悲しい。泣いてもいいですか?
明日、お仕事が早く終わったら
執筆したく存じます。
どうか私のことを見捨てず、お待ち頂けましたら幸いです。
【泣かないよ】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/16 PM 5:45
「もー、真夜(よる)くん、
いつの話をしてるの~。
確かにお化け屋敷もホラーも
今でも苦手だけど、さすがに
子供の頃みたいには泣かないよ?」
「……本当に?」
「……う。そう念押しするように
聞かれちゃうと……宵ちゃーん」
「泣かないわよ。真夜は心配しすぎなの」
怖がりだという古結(こゆい)と宵が、
泣かないと言い張っている。
恐怖心は、年齢を重ねると薄れるもの
なんだろうか。
子供でも大人でも、怖いものは
怖いような気がする。
「2人がホラー系がダメなのは
把握したけど、真夜は大丈夫なのか?」
「オレ? ……オレは、人の手で
作られたことが明らかなものが
怖いっていう感覚が分からない」
「なるほど」
「天明(てんめい)は?」
「好き好んで、って感じではないな。
でも、お化け屋敷やホラー映画なんかも
誘われて断るほどじゃない」
「あ。それは誘われたことがあるって
言い方だね、天明くん」
「ああ、サッカー部の仲いいメンツに、
ホラー好きが1人いるんだ」
夏休みに、サッカー部員で行った
お化け屋敷を思い出す。
「……もしかしたら、ミステリーが
好きな真夜(よる)は、あのお化け屋敷、
楽しめるかもしれない」
「うぅん、どんなお化け屋敷なのか
聞きたいような聞きたくないような。
……でも気になるから、教えて、
天明くん」
「本物の古民家使ってるお化け屋敷
なんだけどな。その家に殺人鬼が潜んでて」
「え」
「そいつに見つからないように
隠れたりしながら、家の中を調べて
ヒントやアイテムを探して脱出するのを
目指すっていう……」
「襲われる恐怖がある中で、探索や推理も
するってことか。確かに、お化け屋敷と
しては珍しいし、楽しいかもしれない。
……行ってみる?」
「そんなリアルにクトゥルフTRPGを
体験させられそうなおうちは
遠慮したいかな!」
泣かないと言っていたのに、
完全に涙目になっている古結が
宵に抱きつきながら言う。
古結を抱き締め返している宵も、
平静を装っているようだが
顔は真っ青だ。
「……2人のSAN値が限界を下回りそう
だから、やめておく」
「SAN値がなんなのかは分からないけど、
無理なのは見て分かるよ」
2人には悪いと思いながらも、
笑ってしまう。
真夜が過保護になってしまうのは、
こういうところをずっと側で
見てきているからなんだろう。
拝啓、まだ出会いもしていない貴方へ
はじめまして。こんな手紙をいきなり渡してしまいごめんなさい。そして、見てくれてありがとう。この手紙が届いてくれてありがとう。
唐突ですが、私は出会いもしていない貴方のことを待ち焦がれて焦っています。
焦りから情緒不安定になり、貴方と会えるのを妄想しただけで、ポロポロと期待と不安で涙を零してしまうくらいに、私は貴方のことを待ち焦がれています。
待ち焦がれては、「貴方と私は会えないのでは無いか」「もっと意識を高くしていかないと貴方と釣り合わないのではないか」と焦ります。
私は正直言います。寂しがり屋です。寂しいからひとりでごっこ遊びをしたり、寂しさを拭うために抱き枕を使うくらいの変人な寂しがり屋です。
片付けは苦手です。料理もきっと面倒くさがります。精神的に辛くなればお風呂をいやがり、そのくせ夜はSNSの友達と大声で会話します。散財癖もあります。
そしてこの手紙でもわかる通り、私は不思議な事、所謂「スピリチュアル」に興味を持つ変な人です。どのくらいかと言うと、占いが出来ちゃうくらいには興味を持っています。
でもきっと、そんな私を貴方は選んでくれる。
なぜだかその感じがしてしまうのです。
だから、貴方に出会うまでは、弱々しい自分を封じることにします。頑張ります。
もしかしたら、貴方に出会った時に、私は貴方を見るやいなや泣いてしまうかもですね。
その時に、貴方が泣きじゃくる私を抱きしめてくれることを期待して、涙を貯めておきます。
毎日が怖いです
人の目も…何もかも
いつか安心する日がきますように
「夕食は俺が作るよ」
新しい隠し味を思い付き新鮮な食材を揃えた。腕を捲って実行に移そうと具材を半分に切り、みじん切りの最中に玉ねぎから攻撃を受けた。
どこまで耐えられるかと玉ねぎの攻撃をそのままに切り続けていると、滲んだ視界で指先が鋭い包丁の犠牲に。
意識しても流れる涙を止められず、タオルで目を抑えてリビングで絆創膏を求めるも、視界が制限されて探しにくい。俺を2度見して救急箱を用意する君のもとへ。
「泣くほど…深かったの?」
血で濡れた人差し指にタオルで顔を隠していれば…、まぁ、痛みで泣いていると思わなくもない。あいにく怪我には慣れっこだ。この程度、かすり傷にも入らない。が、涙が引かない。
「君も知ってるだろ?これは別。食材が手強くてさ」
血を拭き取れば切ったなんて分からないほど綺麗な傷口だった。君がやさしく絆創膏を付けてくれる間に「ハンバーグを作ろうとしてたんだ」と夕食のメニューを明かす。
「こんなにしみたかなぁ」
瞬きを繰り返しても成分か何かが残ってるらしく、なかなか本調子に戻らない。
「疲れてたんじゃない?代わりに私が作ってくるから休んでて」
「助かるけど…。奴は強敵だ。泣かないでよ?」
「頼られるみたいで嬉しいから『泣かないよ』」
ふふん、と上機嫌に立ち上がった君がキッチンに向かって数十分。
グスグスとティッシュで鼻をかみ、タオル片手に戻ってきた。
「何あれ。すっっごいしみる…」
「…君も駄目か」
「ううん、強敵は寝かせてきたの」
「頼もしい」
「あとは、選手交代で」
生地を寝かせてると言うから君がおさまるまで傍にいられる。俺の症状は大分落ち着いて、君のタオルを奪うとポロポロと落ちていった。「返して」と君の感情とは関係のない涙に色はなく
「俺の代わりにありがとう」とひとつ丁寧に吸い上げた。
「たかが玉ねぎの話なのに」
「なんだか勿体ないんだよ」
泣かないよ
泣かないよ、約束だもの。
君が虹の橋を渡るとき、笑って送ると約束したものね。
泣かないよ、お兄ちゃんだから。
僕はそう言って母に向かって微笑んだ。
少し歳の離れた弟が産まれたのは、僕が7歳の頃だった。本を読むのが好きな僕とは反対に、弟は外で活発に遊ぶいわゆるやんちゃな子で両親の関心が弟に寄るのは自然なことだった。
弟は本当に嵐のような子どもだった。
僕のおもちゃを奪い、壊し、大切に読んでいた本はジュースにまみれにされたこともあった。
それでも僕はお兄ちゃんだからと許してあげてと両親に諭されるばかりで、少しだけ黒いこの気持ちをどこに投げたらいいのか分からなかった。
ひとつだけ分かっていたことは、泣いてはいけないということだった。弟は小さいから僕の物を壊すのはどうしようもないし、だからそれを両親に訴えたってただ困らせるだけ。泣かないことは僕がお兄ちゃんとして果たすべきことだとさえ思っていた。
そうして弟が僕の物を壊さなくなるまで泣かずに過ごした僕は、ついに涙が流せなくなった。
泣き方が、分からなくなってしまったのだ。
「…だからかな。僕が泣かないのは」
心配してくれてありがとう、迷惑かけてごめんね。と先輩は困ったように眉を下げて笑った。俺は語られた先輩の過去にただただもどかしさを感じるばかりで、気の利いた言葉ひとつかけてあげることができなかった。
泣きそうな顔はするのに、決して泣くことはしない。そんな先輩の心の拠り所になりたいと願った俺は、自分より少しだけ小さい背中に手を回して抱き寄せた。
泣くのが下手くそなこの人が、自分の前で上手に泣けるようになるまでずっとずっとそばにいようと思いながら。
君は強いから滅多に泣かない。
僕は君が泣いているのを見たことがなかった。
でも今君は泣いている。
君が言い出したことなのに。
僕だって泣きたい。僕こそ泣きたい。
でも泣かないように堪えているわけじゃない。
薄々勘づいていた。
だいぶ前からこうなるだろうとは思っていた。
僕も君も、どうせ興味が失せて、
数年後には忘れているんだろう。
忘れなくても、忘れようとするんだろう。
君は今、僕のために泣いているのか。
自分のために泣いているのか。
僕には分からないけれど、
僕は、君のためには泣かないよ。
「泣かないよ」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
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「泣きたくない。泣かないよ。」
私は小さく呟いた。溢れ出す涙と皆からの冷たい視線。
何故こうなってしまったのだ。私は下を向いて涙を拭く。皆からの怒号と罵詈雑言が突き刺さる。心が痛くて仕方無い。ただ立ってるしか無かった。ぼんやり突っ立て居れば気付かれずに済むと思って。
泣かないよ。
いつまで泣いてだ!!
またなく〜!!
泣いても解決しないよ!!
泣いても誰も慰めないよ!!
その言葉は全て泣かない、泣いてない人からの言葉…。
そつが泣いてる時は私はどぅ声かけたらいんだろ。
いつも私に言ってるだろ!!
だから泣くなよ!!!
気持ち分かった?
もぅ泣かないよ!!
少なくともあんたの前ではね!!
泣かないよ
何て言わなくても良いのよ
減るもんじゃない 溜まりもせん
涙って、嬉しいときも悲しいときも悔しいときも
腹立ったときも、、、、
いろんなことに使える万能な感情表現なんだから
泣き顔はみんなかわいいのよ 誰が言おうと
だから人目もはばからず、我慢せず
スッキリさせよう
そしてまた明日からシャキッとできたら良いんです
涙は傷薬の役目もしてくれます
揺らいだ心を癒す神秘の塩水なので~す
ちなみに汗は物理的にはスッキリできる塩水ですね
そう考えると人間って塩水ばっかり出してるなー
やっぱ塩水は心の傷口にも沁みるんだなー
皆さん塩分過剰摂取にはお気をつけを
完
【泣かないよ】
友達は、いつも泣いてばかりいた。
逆上がりに失敗した時、発表でのセリフを間違えた時、食事に苦手な枝豆が出た時……どんな時も泣いていた。
そのたびに「弱虫」「泣き虫」「へなちょこ」と呼ばれる友達を泣き止ませることが、私の役目だった。
私は友達を励まし、笑いかけて、支えた。
私も、どんな時でも泣いてしまう友達のクセは、あまり好きではなかったけど、嫌いにもなれなかった。
今でこそ、身体も心も成長した友達は泣かなくなった。
逆上がりはできるし、発表でのセリフを間違えることもないし、食事に苦手な枝豆が出ても食べられる。
「もう、泣かないよ」
友達は笑顔で、私に力強く言った。
すでに「泣き虫」と呼ばれていた頃の面影はなかった。
そんな友達に「成長したね」と笑顔で返す。
なぜだろうか、少し寂しいよ。
あーあ。
おめめとれちゃった…。
公園ベンチに座ってクマちゃんを見つめる。
右目がころんと垂れ下がってクマちゃんも泣いているみたい。
よく見るとあちこちよごれていることにもきづく。
わたしも かなしくなってきた。
クマちゃん、ごめんね。こんなにだいじなのに…
涙がでてこないようにぎゅっとクマちゃんの手をにぎりしめた。
「どうしたの?大丈夫?」
やさしい声が上から聞こえた。
その姿を見て、気づけば ぽたぽた泣いていた。
「かわいいクマちゃんだね」
そう言って頭をなでてくれた。
「いいものがあるよ」
そういって1枚の紙をくれた。
“あなたのたいせつなもの、なんでもなおします”
「今度の日曜日、クマちゃんを持っておいで。」
ほんとうになおるの?ほんとうに?
わたしはぴかぴかになったクマちゃんをおもいうかべてみた。
たのしくなってきた。
クマちゃんをぎゅっと抱きしめて、
もう泣かないよ、ってクマちゃんに言った。
にちようびはもうすぐなんだから。
その日はどんよりとした雲が広がっていて、何となく心が重く感じられた。
泣かないというか泣けない。乾いた目で笑って強がる。振り向くと責められる目が前に付いてることを恨む。目薬で治らない萎えた目で闇を歩く。転ぶ。反射で手が前に出て体は何でも前に向かって後ろの為のもの何もなくて。起き上がる。擦りむいて勝手に血が出てる。そんな風に泣きたい。
横断歩道で困っていたおばあさんを助けたら、お礼に〝魔法の目薬〟を貰った。両目に一滴ずつ垂らすだけで、何でも好きなものが見られるらしい。
……いやいや、どう考えても怪しすぎる。あんな笑顔が素敵で気の良さそうな人を疑いたくは無いけれど、危ないクスリとかじゃない、よね?
机上に置いた薄青色の小瓶を見つめ、うんうんと考える。よし、決めた。一回だけ使ってみよう。少しでも痛くなったり変な気分になったら、直ぐに洗い流して病院に行けば良い。何事も経験だ。
実際、目薬の話を聞いて少なからず胸が高鳴っている。非現実的だとしても〝なんでも好きなものが見られる〟と言われたら期待してしまうのは仕方がないだろう。二十そこらの青年の欲を舐めないでほしい。自慢じゃないが見たいものなんて山ほどある。
思い立ったらすぐ行動だ。小瓶の蓋を外し首を傾け、天井を真っ直ぐ見つめる。先端から液体を垂らせば、右目にスッとした清涼感。今のところ痛みは来ないようだ。続けて左目に一滴垂らし、目頭を抑えて目を閉じる。依然痛みは無く、心地よい冷たさがあるだけだ。少なくとも劇薬では無いようでホッと息をついた。
さて、何が見られるだろうか。いつか行きたい旅先の風景? 好みの女優の秘蔵の姿? 暗闇の中であれやこれやと考える。あ、眼科休診日って水曜だったっけ。そんな今更どうでもいい事が頭を過ぎった辺りで徐に瞼を開けた。さあ、目の前に広がるのは――
「…………え」
そこは変わらない自室の光景。乱雑に置かれた雑誌にゴミ箱から零れたティッシュ玉、細かな家具の配置まで目を閉じる前と全く同じだ。一つだけ異なっているのは、そこに一人の女の子がいた事だ。
机を挟んで向かい側、肩ほどまで伸びた黒髪にブラウンのカチューシャを付けた少女が、俺に向かって微笑んでいる。見覚えのあるその姿に、思わず目頭が熱くなるのを感じた。目から雫が零れ落ちようとするその一瞬、少女がその小さな口を開いて何か言った。
「泣かないで――くん。強い子でしょ?」
頬を涙が伝い、一度瞬きをすると少女の姿は消えていた。傍らのティッシュでそれを拭いながら、再び目の前から消えてしまった彼女の事を思った。
小さい頃、二軒隣に住んでいたみどりお姉ちゃん。どんな字を書くかは分からない。分かる前に、みどりお姉ちゃんは俺の前からいなくなってしまったのだから。
俺より四つか五つ年上だったお姉ちゃんは俺の事を弟のように可愛がってくれた。当時は気も弱く泣き虫だった俺を気にかけてくれて、そして泣き出す度に頭を撫でて言ったのだ――強い子だから泣かないで、と。そうやって慰めて貰えるのが嬉しくて、でも少し心が傷んで。一緒に家路を手を繋いで帰る度に、みどりお姉ちゃんが言う通り〝の強い子〟になりたいと考えていた。強くなれば、今度は俺がみどりお姉ちゃんが辛い時慰められると思っていたから。
でもそれは叶わなかった。俺が泣き虫を克服する前に、強い子になる前に、みどりお姉ちゃんはいなくなってしまった。いつものように手を繋いで登校していた時。朝にしては眩しすぎる光と少しの衝撃の後、真っ白い天井と消毒液の匂いに目を覚ませば、みどりお姉ちゃんはいなくなっていた。詳しい事は覚えていないが両親は「不幸な事故だった」と言っていたので、きっとそういう事なのだろう。それ以来みどりお姉ちゃんの家族と会うことも無くなったし、どれだけ泣いても、もうみどりお姉ちゃんは俺の頭を撫でてくれなかった。
泣いて、泣いて、何十何百も泣いたあと俺は決心した。お姉ちゃんがいなくても大丈夫になろう。みどりお姉ちゃんみたいに誰かを助けられる人になろうと。その決心は俺の信念になり、今日まで続いてきた。おばあさんを助けたのもその信念の一環だ。誰かを助けられる〝強い子〟でありたかったから。
ああ、でも、やっぱり駄目だなあ。お姉ちゃんの顔を見ただけで泣いてしまうなんて、まだまだ俺は泣き虫のままだ。
机に置きっぱなしの目薬をハンカチで包み、そっと引き出しの奥に入れる。もっともっと誰かを助けて、もっともっと〝強い子〟になれるまでこの目薬は取っておこう。そしていつか、その日が来たならば、今度は笑って貴女に向き合いたい。
新たな決心を胸に引き出しを閉めれば、視界の端で誰かが笑った気がした。
【泣かないよ】
No.33『18歳』
散文/掌編小説
卒業証書の入った筒を大切そうに抱えた少女を見掛け、そういえばもうそんな時期なんだなと、まるで他人事のように思う。いや、他人事のようじゃなくて他人事そのものか。最終学歴である高校を卒業してから、気づけばかなりの時が経過しているから。
高校時代、遅刻ギリギリで自転車を走らせた通学路。徒歩通学らしい彼女は、時折、何かを懐かしむかのように空を見上げる。三寒四温の寒い日に当たってしまった今日。溜め息をついたのだろうか。彼女の口から白い息が立ち昇る。
思い出すのは自分の卒業式じゃなく、大好きだった先輩の卒業式。自分の時より、先輩の時のほうが悲しかった。都会に行ってしまう先輩には、もう会えない。そんな気がして、でも必死で涙をこらえて笑ったっけ。
不意に彼女は、真上を見やった。きゅっと唇を噛み締めて。そんな彼女は、まるで「泣かないよ」とでも言っているかのようだった。
お題:泣かないよ