あーあ。
おめめとれちゃった…。
公園ベンチに座ってクマちゃんを見つめる。
右目がころんと垂れ下がってクマちゃんも泣いているみたい。
よく見るとあちこちよごれていることにもきづく。
わたしも かなしくなってきた。
クマちゃん、ごめんね。こんなにだいじなのに…
涙がでてこないようにぎゅっとクマちゃんの手をにぎりしめた。
「どうしたの?大丈夫?」
やさしい声が上から聞こえた。
その姿を見て、気づけば ぽたぽた泣いていた。
「かわいいクマちゃんだね」
そう言って頭をなでてくれた。
「いいものがあるよ」
そういって1枚の紙をくれた。
“あなたのたいせつなもの、なんでもなおします”
「今度の日曜日、クマちゃんを持っておいで。」
ほんとうになおるの?ほんとうに?
わたしはぴかぴかになったクマちゃんをおもいうかべてみた。
たのしくなってきた。
クマちゃんをぎゅっと抱きしめて、
もう泣かないよ、ってクマちゃんに言った。
にちようびはもうすぐなんだから。
3/18/2023, 6:52:14 AM