『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君がいる限り、僕は泣かないよ。
君が死んだ時、
思い切り泣くために、
僕の涙全部全部、溜めておくよ。
「泣かないよ」
『泣かないよ』
真っ直ぐに落ちていく雨の軌跡を、僕は見つめている。
降り注ぐ雨が灰色のノイズになって、二人きりの昇降口を満たしていた。
隣に立っている彼女は俯いたまま。僕の言葉に対する返事を考えているのか、それとも声にならない思いを堪えているのだろうか。
分からない。泣くだろうか、怒るだろうか、それとも案外ケロッと受け入れるのだろうか……そうやってシミュレーションしたどれとも違う反応だった。
いっそビンタでもしてくれたら良かったのに。僕は、次にかける言葉を失い、落ちる雨をただ見つめている。
その時、視界の横で影になっていた彼女が、不意に外へと飛び出した。
僕はそのまま彼女が去ってしまうのかと思い、咄嗟に名前を呼んでいた。もうそんな資格はないというのに。
彼女は立ち止まり、降りしきる雨の中、傘もささずに天を見上げている。
「あたし、泣かないよ」
その声を聞いた僕は、伸ばしかけた手をきつく握りしめ、彼女を抱きしめることができない愚かな自分を呪った。
滑らかな曲線を伝っていく雨の軌跡を、僕は見つめている。
テーマ『泣かないよ』
中学校からの帰り道。アカリが公園のそばを通りかかると、弟のコウタが一人、ベンチでうつ向いているのが見えた。
秋の夕暮れが空を茜色に染める。アカリの着ている白いセーラー服が、夕日の赤と混じってピンク色に変わっている。
「コウタ、どうしたの」
声をかけると、彼は浮かない表情で私の方を見た。
頬と膝を擦りむいて、Tシャツの首元がよれている。喧嘩をしたんじゃないかと少し心配になったが、コウタからの返答は
「なんでもない」の一言だった。
ベンチから立ち上がり、家の方へ歩きはじめる彼を、アカリは後ろから追いかけていく。
「膝の傷、痛くない?」
「別に」
そっけない態度を取るコウタに、アカリは何か、言いたくないことがあるのかもしれないと思った。
「傷口からバイ菌が入るから、家に帰ったら消毒しないとね」
ひとまず、怪我の心配をしていることだけ伝えると、コウタは急に立ち止まった。
「……喧嘩した」
ぼそりと、小さい声が聞こえた。
その後は何も言わなかったので、アカリはただ黙ってコウタの小さな肩を見た。小刻みに震えて、何かをこらえている様子だ。
「辛い時は、泣いたっていいんだよ」
もちろん、弟を気遣っての言葉だった。しかし彼はムスッとした顔で「泣かないよ」と首を振る。
何で、と尋ねると、コウタはうつむき加減でぼそぼそと話しはじめた。
「泣いちゃったらさ、相手の顔が見えないじゃん。そいつがなんでバカとか言ったのか、ちゃんと見てたいんだ」
そうか。弟は誰かにバカって言われたのか。本音では悲しいし、悔しかっただろうに。それでもコウタは、相手のことを知ろうとするんだね。
小学校高学年にあがったばかりだというのに、姉の目には、弟の背中がやけに大きく見えた。
「そっか。コウタは強いね」
照れたのか指先でぽりぽりと頭を掻いて、彼は小走りに先へ行ってしまう。
顔が見えないくらい離れた向こう側で、彼が服の袖でこっそり目元を拭うのが見えた。
泣いて彼の耳が赤く染まっているのを、私は夕焼けに染まる秋空のせいにした。
泣かないよ
私は山中くんともう一度話をしたいけれど彼はもうこの世にはいないだろう。もし、昔に戻れたら相談に乗ってあげたいきちんと私に出来ることなら、アインス刑務所の看守長なんだからな。山中くん
どうしてなにも気づくことができなかったんだろう山中くんに気づくことができていればこんなこと
にはならなかったはずだ。泣いても無駄なことは分かっているけれど涙が止まらない、何故かは分からないが「鈴木看守長泣かないでください俺は平気ですから」とどこからか山中くんの声が聞こえた
私はもう君のことで泣かないよ山中くん。私はそっと呟いた。
yusuke二次創作です。マイクラゆっくり実況
# 泣かないよ
「これ、もう見えないの?」
「うん。全く」
閉じられた瞼を恐る恐る撫でた。白い睫毛が微かに震えている。医者によれば、彼女の瞳はもう二度と像を結ぶことはないらしい。ただ、顕著な明暗の違いはかろうじてわかるようだった。なら、今僕が瞼を覆っていることも伝わっているのだろうか。
「……痛い?」
「ううん。今はもう」
「ごめん」
「なんで謝るの」
わかりきったことを訊くなよ。心臓を強く掴まれるような心地がした。
「僕のせいだ」
僕のせいで、閃光弾を投げられた。人より色素の薄い君には、強すぎる光は網膜を焼くのに。
「誰のせいでもないよ。強いて言うなら、光のせい」
彼女はいつだって高潔だった。強く、逞しく、朗らかで、清らかで。責任を他者に押し付けるなんて絶対にしない人だった。物事が連なっているのを誰よりも理解していて、そこに明確な発端などないことをわかっていた。本当に、聡明な人なのだ。
「……」
「なんで君が泣くの」
頬に指が触れた。そうでもしないと、彼女には僕が泣いている事実さえわからないのだと気付いた。気付いて仕舞えば、もう駄目だった。
「……なんで泣かないの」
「だって、私が泣いたら君はもっと泣くじゃん」
だから泣かないの。彼女はそう言って笑った。
貴方が『大丈夫だから泣くな』って
優しく抱きしめてくれるから
私はもう大丈夫。泣かないわ
だから、
貴方も泣きそうな顔しないで
私はもう、泣き虫の私じゃないから
だから、安心して
(泣かないよ)
泣かないよ
私はよく泣く。
動物の話は特に泣く。
でも親子の話は泣かない。
出産は罪で育児は罰だ。
私の妹、香奈(かな)は、信じれないほど泣き虫だ。
感動する本や映画はもう100パーセントと言っていいほど絶対泣くし、怒られただけで泣いてしまう。
でも私は、そんな妹が大好きだった。
「ねぇ、お姉ちゃん」
少し泣き声になりながら、私に呼びかける。
『ん?どうしたの?』
「私さ、小さい頃よくいじめられてたよね
私が本当にすぐ泣いちゃうから、泣き虫すぎて、いじめられてたこと
覚えてる?」
『うわ、あれかー。
懐かしいね』
「私ね、あの時お姉ちゃんに庇ってもらって
『香奈は弱いんじゃない! 強くなるために泣いてるの‼︎』
って言ってもらったこと、本当に嬉しかったんだよ。
私だって、泣きたくて泣いてたわけじゃないんだけど、
周りはそれを理解してくれなくて…
だから、本当に嬉しかった。
今更だけど、ありがとう」
『私は香奈のお姉ちゃんだからね。
またあんなこと言われたら私に相談してよ?
私じゃなくてもいいからさ。
…頼むから、抱え込まないでね?』
「…お姉ちゃん、本当にありがとう。
私、お姉ちゃんの世話になりっぱなしだね」
『そうだね〜。
でも、私がしたくてしてたんだから、気にしなくっていいんだよ』
「…お姉ちゃん、私、もう泣かない」
『え?』
「私、お姉ちゃんに心配されてばっかりだから、
もう、安心させたいなって思うの
お世話焼きのお姉ちゃんが嫌いなわけじゃないよ?
…お姉ちゃん、私のこと、命懸けで守ってくれたでしょ?」
『…ねぇ、香奈』
「私、お姉ちゃんのおかげで今も元気で過ごせてるんだよ。
…私も、お姉ちゃんみたいに強くなりたいんだ。
大切な人を、守りたい」
『香奈…』
「ごめんね、お姉ちゃん…
私守られてばかりだった。
でも、感謝してる。ありがとう」
『香奈』
「お姉ちゃん…もう、心配しなくていいんだよ」
『香奈!』
「もう、泣かないよ。
笑って、元気に過ごす」
「泣かないから、安心して」と繰り返す妹は
前を向いて、歩こうとしている。
…私はもう香奈のそばにはいれないけれど。
…香奈はこんなにも強くなったんだな。
「お姉ちゃん、ありがとう。
私を守ってくれて、愛してくれて」
『香奈、ありがとう。
あなたを守れて、愛せることができて、よかった』
だからどうか、お元気で。
泣かないよ
妹が亡くなった時
15歳の甥っ子は、無表情で
自室に閉じこもった。
お葬式の日に
青白い顔で部屋から出てきた。
母親の死を悲しみ
きっとたくさん部屋で泣いたのだ。
反抗期で手を焼いていた妹。
愚痴を何回も聞いた。
甥っ子の反抗、かなりストレスで
妹は、痩せていった。
末期の癌と診断された妹。
絶対に人に泣いている姿を
見せたくなかった15歳の精一杯の反抗。
俺は、泣かないよと全身から出すトゲトゲの
幼さ故の反抗は、痛ましかった。
あれから8年。
私と妹の母。
つまり甥っ子の祖母が亡くなった。
母親を亡くした孫にたくさん
愛情を注いだ。
私の母は、1年半入院して甥っ子に
コロナで面会できないまま亡くなった。
家族葬でやっと面会した23歳の甥。
人目も気にせずポロポロ泣いていた。
泣かないよなんて反抗は、もうない。
大人になったな。
泣かないよ、もう泣かないようにしないと
でも涙が出てきちゃうよ、なんで…!
それだけ悩んでいた涙はある日を境に、しばらくの間どれだけ辛くても悲しくても出なくなった。
半年経って涙が出た時、「泣きたい時は泣けばいい」
泣き虫の俺に伝えたくなった。
泣かないよって
言いながら、目の奥は熱くて
喉は詰まりそうで
顔だけは見られたくなくて
手で覆った。
泣かないよ、泣いてないよ。
君の気配が消えるまで
わたしは頑なに顔を上げなかった。
あの時、ちゃんと泣けてたら
引きずる思いなんて
知らずに済んだのかな。
【お題:泣かないよ】
欲しかったのは君からの頑張れで
そのスタンプではないんだよなぁ
試合めちゃくちゃ頑張るね
甘えないように
また泣いてしまわないように
あなたの前では泣かないよ。
弱い自分を見せたくないから。
今日も一人、声を堪えて泣く夜。
#泣かないよ
かけっこでつまづいた時
ビリになった時
溢れる涙をそっと拭い
抱き締めてくれた手の温もりが
私の今を作っていく
失敗しても挫けても
受け入れてくれる人がいたから
泣いた数だけ強くなった
これからは泣いた分だけ笑っていよう
もう、貴方との別れなんかで泣いたりしない。
私ね、強くなったんだよ。
貴方が居なくても大丈夫なんだから。
心配しなくても、泣かないよ、大丈夫。
彼女が、泣きながら強がりで言った言葉。
君がして欲しかった事、全部わかってた。
だけど、僕は君の頬を伝う涙を
拭うことは出来なかった。
これが、最後の別れなんて信じたくなかったから。
泣かない って言ったけど
さいごくらい
君の為に泣いても
いいよ 。
泣かないよ
人生において泣かないことはない
絶対に泣く、なぜなら生まれたての赤ちゃんは
泣きじゃくってるから
人は涙無しでは生きられないんだよ
「最後くらいさぁ、しおらしく泣いてお別れするとかそういうの、無いの?」
「なに、泣いてあげようか」
「嘘泣きが欲しいんじゃねーんだわ。……いいよ、これくらいドライな方がお前らしいし」
思えば出会った時からそうだった。
仲良しだとか、親友だとかになったとは思ってないし、コイツもそうだろう。
なんとなくウマがあって、なんとなくつるむことが多かった。それだけ。
「君こそ、泣いてくれていいんだよ。意外とセンチメンタルだもんね。雰囲気に当てられて内心苦しいんでしょう」
「ハッ、泣かねぇよ」
誰が泣くかよ。
これで終わりです、今日でみなさんとサヨウナラですなんて、分かりやすく思い出をファリングするための儀式なんかで泣いたら、それこそ本当に終わりみたいじゃんか。
「天邪鬼は変わらなかったね。もうちょっと素直になれたら楽になれるから、がんばろうね」
「ガキ扱いすんなよ」
「心配だよ。世渡り上手に見せかけた器用貧乏さんだし、偽善は捨てられないし、プライド高いし……」
「ケンカなら受けるけど?」
最後の最後で悪口大会開催か?
「泣かないでね。泣いたらちゃんと報告してね」
「…………泣かねぇよ」
「心配だよ。心配してること、覚えてて、忘れないでね」
握手も無い。
ハグも無い。
手も振らない。
涙は出ない。
月に叢雲花に風、サヨナラだけがなんとやら
今日は特に用事も何も無い1日だった。
彼女のことは疑いたくないけれど、ほんとに実家に帰省しているのだろうか?
浮気してることがすごくこわいけど、来週の火曜日に電話ができそうだから、その時くらいは楽しめればと思う。
土曜と日曜は夜にバイトが入っているが、果たして上手くいくだろうか?心配だ…
でも頑張るしかない💪
泣かないよ
毎日泣きたくなることがたくさんある。時間が無かったり、お金がなかったり。それに相手の一言にとっても傷ついたり。でも、平気な顔して笑ってたりしてる。
何でも無いように、泣かないよって自分を誤魔化してる。本当は泣きたい。でも、泣かないよって生きてる。
だから、みんな病気になっちゃうんだろうね。