『泣かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【 泣かないで 】
これは仕方のないことなんだ。
だからもう、ボクのために涙を流すのは終わりにして?
体中がボロボロになって、直しようもない状態。
まぁ、原因はキミなんだけどさ…。
今までずっと一緒だったもんね。
成長記録でもあるアルバムには、大体並んで写ってるし。
キミの色んな感情を見てきて、ボクも同じ気持ちになる。
だから今のキミの気持ちも分かるよ。
でも大丈夫。
キミはボクのことを忘れるべきなんだ。
薄情なんかじゃないよ、これこそが大人になるってこと。
ほら、最後にキミの手でボクを捨てておくれ。
バイバイって、それだけでいいんだ。
ぬいぐるみの役目は、これで終わりだよ。
「泣かないで」
すんごく嬉しいときには、思いっきり泣いて喜んでいいんだよ。
とてつもなく悲しいときには、思いっきり声をあげて泣いていいんだよ。
めちゃくちゃ悔しいときには、人前で思いっきり泣いていいんだよ。
とっても痛いときには、痛いって言って思いっきり泣いていいんだよ。
そんな時、私は絶対「泣かないで」なんて言わないから。
愛してるよ
だからもう、泣かないで
『泣かないで』
君が泣いている姿を最後に見たのは何時だろうか。
そんなふうに思うほど君は涙を流すという行為をしてこなかった。
でも今、この時、君が泣いている。
黒曜石のような瞳から大粒の涙が零れている。
泣かないでとは言えないな。
そんなことを私が言う資格はない。
でも傍に居ることはこんな私でもできる。
だから、君の傍にいる。
泣き疲れるまで。
私の思いを殺して。
あなたの笑顔が好きだから笑っていて、
私のために泣かないで
「泣かないで」
泣かないで なんて言わないで。
いまは、思いっきり泣かせて。
じゃないと、この先も
どこにゆけば 良いのか
分からなくなるから。
【お題:泣かないで】
【泣かないで】
「泣かないで」
考える間もなく声に出してしまって、直後に後悔する。
もっと気の利いた言葉があったんじゃないか。
限界まで頑張っている人に頑張れと言うような、善意の皮を被った追い詰める言葉になっていないか。
そんな事をいくら考えたところで、言葉はすでに彼女の聴覚から脳までとっくに伝達済みだろうからどうしようもない。
「なんでもないよ」
そう言って彼女は、薄く小さい唇の端を重そうに持ち上げる。
可愛いなと思う。
彼女はいつだって可愛い。
でも、違う。今見せてくれた笑顔だって、本当に誰よりも可愛いんだけれど。
そうだ、わたしが言いたかったのは
「笑って!」
そう言って、私にできる精一杯の面白い顔をしてみる。
プリクラでみんなで変顔した時に私だけあまりにも酷い顔をするものだから、だれも気を使ってインスタに載せられなかった渾身の変顔。
君には絶対見せたくなかった顔。
君は目を見開いて、驚いた顔をする。
大きく開いた目を少し細めて、長いまつ毛に絡んだ涙が零れる。
君は笑う。
涙が全部乾いたらいつものカフェに誘おうと思う。
お題:泣かないで
「ちょっと、すぐ泣かないでよ」
何度言われたかわからない。
どうしてもあふれてしまうのだ。
言葉よりも先に涙がこぼれて、我慢しようと思ってもできなくて。
悔しい。
そんなのおかしいよ、違うよ。
ちゃんと伝えたいのに、心が先走って伝えられない。
今だってそうだ。
せっかく相談に乗ってくれているというのに。
わたしは泣いてばかりで何も話せていない。
きっとまた、同じことを言われてしまうだろう。
おずおずと顔を上げる。
あなたは静かにわたしを見つめていた。
ゆっくりと、唇が動きだす。
この瞬間だけスローモーションのようだった。
「もういいの?」
涙がキュッとひっこむ。
予想外で脳が上手く処理できない。
わたしに構わず言葉が続く。
「泣きたいときは泣けばいい。ただ相手を間違えると、弱い人だと思われて損だよ。別に弱いから泣くわけじゃないからね。
ここではいくらでも泣いていい。だからそのぶん、よそでは泣かないでよ?」
あたたかな雫が頬を伝った。
俺は絶望に深く潜り込んでいた。
一時間ぐらいずっと泣いていた。
[泣かないで]
そう語りかけてくれた彼女はもういない。
いつか、誰かに泣かないでと優しく言える人間になりたい。
不思議なもんで、泣かないでと誰かに言われた訳でもないのに
泣くのは我慢している。多分物心ついたときから。
それでも泣きそうな時は、舌先を軽く噛む。
すると大概の涙は引っ込む。
ワサビやタマネギには勝てないけどね。
泣かないで。
私、あなたのこと大好きなのに。
ほら、真っ白いドレスに涙は似合わないでしょう?
泣かないで。
私、あなたのこと大好きなの。
ああ、でも、私のドレスは水玉模様だね。
泣かないで。
私、貴方のこと大好きなの。
これから、一生貴方の傍にいる。
泣かないで。
私、貴方のこと大好きなの。
新郎を殺して、貴方の傍にいたいくらい大好きなのよ。貴方を愛してる。
私達、女の子同士だけど、貴方も私のこと愛してくれてるよね?
だからそんなに涙を流してるのよね。
でも、泣かないで。
大丈夫。貴方を泣かすような輩は、私がこの世から消し去るからね。
私は泣き虫だ。
ちょっとしたことですぐ泣いてしまう。
昔からそうだった。
小学生の頃、教室の後ろに飾っていた花瓶を落としてしまい、怒られる前から既に泣いていた。
どうしよう、いけないことをしてしまった。怒られてしまう。
そんなことを思うだけで泣いていた私はとある日、クラスメイトに言われた。
「また泣いてる」「どうせ嘘泣きでしょ」
そんな言葉を。
きっと、私が泣く度にイライラさせてしまっていたのだと思う。
大人になる頃には、あまり泣かないように気をつけることができるようになってきていた。
それでも、たまらず泣いてしまう時はある。
そういう時、周囲の人にとても驚かれたりする。
泣かないで、なんて言葉は聞き飽きていたんだけれど。
「感受性が豊かなんですね」
そういって寄り添って、泣き止むまでただ傍に居てくれた人は貴方が初めてだった。
きっと、その時から惹かれていたのだろう。
「好きです」
意を決して発した言葉の主は、私ではない。
「僕でよければぜひ」
私の親友だ。
知っていた。2人が惹かれあっていたこと。
だから応援した。それぞれが、お互いを想って色々考えたりする姿を目の前で見てしまったら、そうもなってしまうのは仕方ないだろう。
「お、おっけーしてくれた…!」
「よかったね…!!」
「あはは、ほんと泣き虫ちゃんじゃん、なんでアンタも泣いてんのよ」
「ふふ、なんか嬉しくてね」
嬉しい気持ちは嘘ではない。でも、同じくらい寂しい気持ちになっているだけ。
「よし、飲みにいくか!」
「えっ彼氏は?置いてくの?」
「今日は今まで応援してくれたアンタにお礼!奢るからちゃ〜んと奢られてよね!!」
「うん…!」
深呼吸して、切り替える。
だって私、2人とも大好きだもの。
「泣かないで」2023/12/01
お題 泣かないで
「泣くな!! どうして泣くんだ」
急にぐずりだした妹に、俺は苛立ちながら言葉を投げつけた。
「だって、お兄ちゃん、わたしをおいてきぼりするんだもん」
どうやら歩き疲れてしまったらしい。中学生の男の俺と、まだ小学二年生の少女である妹とでは、歩くスピードやピッチが違いすぎる。
「しょうがない。家までおんぶしてやる。だから泣き止んでくれ」
俺はそう言うとしゃがんで、妹を招くように両腕を後ろに回した。
「ありがとう、お兄ちゃん」
泣き止んだ妹は、俺の背中にしがみついた。俺は妹をおぶさって帰り道を急いだ。
陽はとっぷりと暮れていた。冬の日の入りは早い。あっという間に暗くなる。自然と早足になった。家に帰りたい。温かな家に……
こんな私なんかのために泣かないでよ。
あなたに泣いてもらえるほど、私はいい人間じゃないんだよ。何も出来ない無能だし、難しかない性格だし、
こんなクズみたいな人間に流す涙なんて必要ないよ。
だから、お願い。笑ってよ。
泣かないでなんてのは相手を追い詰める言葉でしかない。
また今日も一日が終わったね。
辛いこともあったけどよく頑張ったね。
泣く前に私とお話をしてみない?
辛かったこと言った方が楽になるよ。
泣かないで、大丈夫だよ。
貴方はひとりじゃないから。
今日も頑張ったね。
『泣かないで』No.2
お題「泣かないで」
タイトル「謝る言葉はいらない」
雨采 ミツジ
R5/2023/12/1
人々はこいつを俺の「兄」だと言った。
俺自身も、意識を持った時、いや、ずっと前からこいつが「兄」だと知っていた。
俺はこいつの「弟」として作られたから。
どれだけ経った頃か覚えていないが、「兄」を模したものが作られた。
「兄」は「弟」が増えたと喜び、俺も兄になったのかと楽しそうだった。
「兄」と2人の日々が終わったことに少し寂しさを感じたのは、何があっても教えてやらない。
「弟」が増えても、「兄」は特段変わらなかったから、言わなくていいんだ。
いつだってちょっとした呟きでも拾って、叶えようとする。
「兄」にとっては特別が増えただけで、どっちを優先するとか、どっちの方が愛おしいとか、そんなものはなかったらしい。
「なあ、行くなよ。行かなくていいだろ」
どれだけ訴えても「兄」は頷いてくれない。
「分かってるだろ。あいつはお前を傷つけるだけだって、行っても傷つくだけだって」
それでも「兄」は微笑んで、俺を抱きしめた。
No.1 【泣かないで】
君は一人じゃない、泣かないで
一人でいると思ってたけど
本当は違う、本当に1番近かったり
遠くにいる人だったりする。
だって私は、周りの友達や家族に頼れなかったから
赤の他人に悩みを聞いてもらったよ。
はじめは信じてなかったけど
本当に優しいカウンセラーの人だったよ。
今では仲良くしてまた相談してもらってる。
大丈夫だよ。周りにいるよ。絶対に頼れる人がいる。
【泣かないで】
昔、流行った研ナオコの歌を思い出した。
作詞作曲は中島みゆき。
♪泣かないで、泣かないで、私の恋心
あの人はあの人お前に似合わない♪
このフレーズを口ずさみながら私も自分の心に言い聞かせていた。
あの人に私は似合わないのだと…
あれから何十年が過ぎたのだろうか。
今は泣きたくても涙が出なくなった。
泣けなくなった。
泣いてみろ!と言われても泣けない。
もしかしたら実の母親が亡くなっても泣けないのではないかとさえ思う。
だから私は言いたい。
泣けるなら泣きなさい、思い切り泣きなさい、きっと心が休まる日がくるから…と
私が泣けなくなったのは老いたからなのか、それともいろんなことがありすぎて素直になれなくなったからなのか、心が氷のように冷たく硬くなったからなのか…
私もたまには声を出してオイオイ泣いてみたい。
(前の投稿から3ヶ月以上も過ぎていた。書くことは心のゆとりの表れだとしみじみ思う)
【泣かないで】
大吾さんが泣いている。
ベッドの端に力無く腰掛け、俺がいつだったかに置いていったワイシャツを手に静かに涙を流している。
震える大吾さんの肩に触れ、抱きしめる。それでも大吾さんの震えは止まらない。「大吾さん」と呼びかける。それでも大吾さんの涙は止まらない。
俺は自ら病院の屋上から飛び降りたことを後悔することはないと思っていた。
こうして体を持たない「何か」に成り果て、大吾さんが独りで泣いている光景を見ていることしか出来なくなるまでは。
「大吾さん、泣かないでください。俺はここにいます」
この声が届いてほしい。どうか、一度だけでいいから。
そう願いを込めた言葉は、大吾さんに届くことはない。