『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「桜の花びらをキャッチしたら恋が叶うんだって!」
昔誰かが言っていた
今年もその季節がやって来る
ずっと忘れられなかった
自分から手を離したくせに
ずっと気になっていた
新しい大事な人が出来たとか
噂だけはまわってきた
その度に胸が苦しくなった
もう、手は届かない
数メートル先で笑い合う
大好きだった人とその恋人
どうか幸せに
空を見あげると
ひらひらと舞うピンクの蝶々
手を伸ばすと手のひらに1枚舞い降りた
サヨナラ
そっと握りしめ新しい道を歩き出す
#桜散る
葉桜を写真に収めようと、スマホをかざしているとき、手元がぶるぶると震えた。
北のほうへ進学した彼から動画が届いている。
「2回も花見ができるなんてラッキー!」
と言いながら、手のひらに一枚を半分に分けた花びらが映る。もう半分はわたしが持っている。くっつけるとハートだねと言ったのは、卒業のときだった。
「こっちはもう、葉桜になったよ」
そうメッセージ加えて、写真を送った。
そんなことを思い出しながら、歩き始めた娘の手を握る。娘の手の中に、花びらがある。それが半分になっていることを手の中で感じている。
彼が渡してくれたのかなと、お墓の前でわたしは思う。
#11「桜散る」
ある桜の満開の日。
ある学校で入学式が行われていた。
そこには花も自分の1部だと思わせるような魅力的な女性がいた。
彼女は綺麗な茶髪の髪を腰まで下ろし、風になびかせていた。
髪が揺れるのと同時に桜が散り、映画のようだった。
そんな女性に僕は見惚れていた。
「もう長くはもたないって――」
小耳に挟んだ言葉が、脳内で反響する。
手を尽くされた。
やれるだけのことは全てやった。
でも、ダメなものはダメなんだって。
また改めて知った。
窓の先に見える、満開の桜の木。
だが、いつあれが散るのかなんて、分からない。
雨が降ったり、風が吹いたりして、もう無くなってるかもしれない。
……まぁ、それは、自分にも当てはまることなんだけどね。
〜桜散る〜
人は何かを達成できなかった時、桜散るなんて表現をするらしいじゃないか。
俺の頭上からそう告げたそいつは、綺麗な顔をこれでもかというほど意地悪く歪ませて、ニヤリと微笑んだ。
「だから何だって言うんだよ」
俺はズズズっと鼻水を吸い上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔をそいつに向ける。
「いやいや、人間とは粋な表現をするものだと思ってね。それで小さき少年よ、こんな満開な桜の木の下で、君は何をそんなに落ち込んでいるんだね?」
「うるせー、お前なんかに言うかよ」
「おおかた女の子にでも振られたんだろ」
うっ、と俺は言葉に詰まる。
「ちっげーよ。ただ……、負けたくない奴に、今日体育の100メートル走で勝てなかったっつーか」
「なるほど。そいつが恋のライバルか」
うっ、とまた図星を衝かれ、俺はぎりっと奥歯に力を込めた。
「クッソー、何だよ、さっきから。俺のこと分かったように指摘しやがって」
「分かったようにじゃない。分かってるんだ。なんせ私はこの土地で、もう千年近くもの時を過ごしてきたんだぞ。たかが10年ほどしか生きてないひよっこ少年の思考など、読めて当たり前だろう」
ははははっとそいつは意気揚々に笑う。桜の太い幹に悠々と腰を掛けて、俺にしか見えないたぶん人間じゃないそいつは、俺の胸中など知らぬように楽しげだった。
「俯くな、少年よ。こんなにも満開な桜を見ないだなんて勿体ないぞ。桜は確かにすぐ散るが、また来年も変わらず咲く。そこに在り続ける限りはな」
俺はそいつの言葉につられて顔を上げた。ピンク色の綺麗な花弁からひらひらと小さな花びらが舞う。
「どうだ、少年よ。いっとき散ったからといって、嘆く必要などないと思わんか」
散る様だって桜はこんなにも美しいのだからと、そいつが珍しく優しい声を出したので、俺は黙って涙を拭くと、「まあ、そうだな」と、ぶっきらぼうに頷いた。
【桜散る】
知っていますか?この銀河にあるソメイヨシノは遺伝的にはすべて同一個体、クローンなんです。だからこんなにも、一斉に咲いて一斉に散るのですね。……ええ、同一個体ですから自ら繁殖することはなく、この花を必要とするヒトの手によってのみ増える。実に不自然な花なのです。旧人類は、地球に棲んでいた頃からソメイヨシノを好んで盛んに増やしていたそうですよ。オハナミも、元はそうした古代文明の一つで行われていた儀式だとか。一部の旧人類がなぜここまでソメイヨシノに執着し、銀河中の星々に植えてまわったのか、旧人類と違い植物に特別美しさや好ましさを覚える情動を備えていない我々には、理解し難いですね。しかし、美しさはわからなくとも、茫漠とひろがる宇宙に大してあまりに脆く短く紛れ込んだ異物のような生を、この花の咲いては散る姿に重ねて親しみを持つ気持ちなら、我々にもなんとなく想像できる気がしませんか。え、わからない? 君と私は同じロットで造られた個体なのに、これほど相違があることが、ときどき不思議ですよ。
(桜散る)
つい最近まで満開だった桜は
もう散ってしまったみたい。
もうちょっと桜を見ていたかった。
なんて思ってしまうのは
きっと桜がみんなに飽きられる前に散ってしまうから。
そこが少し残念でそれでもとても美しいなんて
とても魅力的だと思う。
桜散る瞬間まで綺麗で
みんなを楽しませてくれる。
そんな春が私は好き
─────『桜散る』
3月某日。
温かい気候と、ほどよく晴れた空が私を見下ろしていた。
今日は卒業式。
はらはらと淡い花弁が散っている。
散った花を打つように雨粒が落ちた。
雨粒は雨になり、地面を濡らした。
こんなに晴れているのに。
/『桜散る』
‐ダ・ヴィンチ ‐ひわの聖母‐
健やかなるかな
小さき命
健氣たるかな
つぶらな瞳
か弱き命に
祝福たるや
馥郁たるかな
御子の手のひら
清らたるかな
聖母の膝元
小さな命よ
永遠に永久に
おとといだったっけ?
窓から見える桜が散ったら、俺の命も終わるって。
満開だったもんね。
まさか、昨日の嵐で全部散っちゃうなんて・・・
まだ、生きてるね。
うん。なんか他の植物にする?
他のが散れば・・・
あ、そうか桜しか見えない感じか・・・向こうの山なんてかなり遠いもんね。
あ、これは!
桜はこれから葉が出て来るから、その葉が出てその葉が散ったら・・・
これから新緑の季節だもん。
しばらく死ねないね♪
霧の雨が落ちてくる。けぶるような霧雨は春の終わりの薄い灰色の雲間からまるで霧吹きで噴かれたように都会のビル郡を水墨画のようにけぶらせていた。
やれ、これはなかなかいい雨だ。
と彼は満足げに安物のビニル傘を傾けて微笑んだ。
残尿感の残るような思いきりの悪い雨ではなく、まさに、これが霧雨なのだといっそ堂々とした雨ではないか。
傘などあまり意味がないほど小さな分子のような、湿気た水分を含んだ霧染みた雨などなかなかに理想的だ。
アメリカに降るという殺人的な大豪雨なども気持ちがよかろうが、夏の夕立もまた気持ちがいい。
いけないのは秋の長雨だ。
べとべとと冬か秋か分からぬ氷雨を薄曇りのなか降らせて、あれはどうにも季節感がないのではないか。
そんなことをいってしたり顔で後輩を見ると、仕立ての良い上等のスーツを濡らさぬよう黒い蝙蝠傘の中で縮こまっていた、五つは年下の後輩がにや、と面白そうに返答した。
先輩、そりゃあ秋の長雨は気が滅入りますけど。
そうだろう?
でも、ありゃあ春の雨と同じですよ。
春のかい?
ええ。花曇りの雨じゃあありませんか。ほら、桜が散ります。
ほう、とすると、君はそんな雨が好きかい。
ええ、ええ、僕はどんな雨でも好きですよ。雨っていうのは理想的な天気じゃあありませんか。かんかん照るより、煮え切らない曇りより、ずうっと気持ちが良い。
彼は後輩が嫌に楽しそうにいうものだから、そうだろうそうだろうと、したり顔で頷いた。
後に彼らの上司にそんなことを話すと、営業回りで君らがたまに濡れてかえるのはそういうことだったのかい、馬鹿だなあ。とあきれられた。
僕はやはり、どんな雨でも好きなのかもしれないよ、君。と言う。
後輩は、したり顔でそうでしょうねえ。と頷いて見せた。
理想的な雨とは言いますが、雨はやっぱり気持ちが良いですよ。なんたって僕らは水みたいなものなんですから。
自分は自分が好きなもんじゃあないですか。
と言って蝙蝠傘の中で縮こまった。
桜散る
実に桜がきれいだ。桜はもっときれいになりたいと思っている。大学を受験する人も努力にきりがない。親御さんも一生懸命だ。はたから見たら実に滑稽にみえる。何故なら桜はそのままで十分きれいだからだ。人は時におかしなことに力を費やす。もったいないと思う。人生に無駄はないという。でもいらない苦労はしたくないと思う。自分の子供には苦労させたくないと思う。それだから親御さんは子供たちを大学に進学させるのだろう。生活保護を受けていると大学へは行けないらしい。大学だけが人生ではない。働く喜びもある。働きながら学ぶことも出来る。学びと働くこと。どちらも人間の成長に欠くことはできない。
死は救済だ。
そう言えば、きっと何人かの人は賛同し、それよりも多くの人が非難するだろう。
或いは、意味を理解出来ずに明後日の方向へと言及するだろうか。
それとも、正義気取りで聴くに堪えない罵詈雑言を囃し立て、悦に浸るのだろうか。
死は救済だ。
皆が正しく意味を理解出来たならば、きっと全てがうまく回るだろう。
テーマ「桜散る」
昔は桜が咲いた、散ったで一喜一憂していたのに、
いつからだろう、
気づいた頃にはもう散り始めてるようになったのは。
桜ひとつ愛でる余裕も無くなったのは、、、
今日も神社にある桜の大樹は美しく咲き誇っている。
自分にとってこの桜はとても思い入れのあるもので、自分の一生の一部といっても過言ではない。
小、中学校とこの桜を見やりながら登校し、高校の時も何かあるに付けてはこの桜の元に行っていた。
この桜の下にいると不思議と気分が落ち着いて、どれだけ悲しんでいようが怒っていようが、この桜に見られていると考えると気恥ずかしく感じるのだ。
そして今頃の時期、桜の花が散りだすこの時が、この桜の一番好きな季節だった。
絶えず薄桃色の花びらが視界を覆い、足元を染めあげる。その幻想的な景色が、忙しなくも平凡な日常を非現実的な世界へと変えてくれる。
そして今も桜の根本に腰を下ろし、この手記を書き記しているが、絶えず落ちる桜の花びらが度々ページに落ちてきて、さも栞であるかのようにどこか誇らしげに挟まっていく。
取り払ってしまったほうがいいのだろうが、いつかこのページをまた開いたときに桜の花が溢れるのを考えれば、このままにしておきたいと思うのだ。
桜を見上げる。
もう若芽が目立つようになり、緑の葉がその多くを占めている。
僅かに残った花さえも、花びらとして解けて落ちていくのだ。
また今年も、桜が散っていく。
きょうのおだい『桜散る』
《桜散る》
この花を見ると、つい、
きみを思い出してしまう。
憧れだったきみ。
楽しそうだったきみ。
笑顔だったきみ。
どうしようもなく、
思い出してしまうんだ。
この感情は捨てたはずなのに。
ああ、
この「すき」という感情さえも
桜風に吹雪かれて
塵になってしまえばいいのに。
出来るだろそのくらい。
お前はぼくから
大切な存在を
攫っていったんだから。
桜の花びらが舞い散る瞬間って、なぜかスローモーションになる。
その時その時の一瞬を記憶するみたいに、眼に焼き付いていつまでも覚えている。
小学一年生。
登校時にピカピカのランドセルを背負って、頭上から降ってくる花びらにワクワクしたこと。
時間が有り余ってた学生時代。
読書をしながら校内の石畳の隙間に滑り込む花びらをぼーっと眺めていたこと。
入社一年目。
望んで入った会社なのに現実は思い描いていたものとは全然違って、毎日毎日朝の通勤時にちらつく花びらの綺麗さに泣きそうになったこと。
これから先もきっと人生の節目節目で、花びらとともに思い浮かぶ記憶がつくられていくんだろう。
こんな儚さと季節の巡りを感じさせる言葉でも
私には華やかな文が書けない
手離したくないほど美しい色白の少女の頬のような薄ピンクの桜は、散りゆく様を人に見せつけているのかと見紛う程に美しく 麗らかに 散り、やがて緑になる。
呑まれそうになる
呑まれているのかもしれない
少し赤みで艶のある木の幹と、美少女のまつ毛のように可愛らしく揺れる花々が
太陽の光を反射して私まで薄白くピンクになってしまいそう。
桜が満開の元で死ねば、妖精かなにかになれるでしょうか。 醜い生き方も 花々が私に咲いて吸い取ってくれるでしょうか。
そうならいいのにね。
お題「桜散る」
─桜散る─
桜散る公園。
まるで春を代表するようにキラキラしていた。
子供が楽しそうに遊び、
見ている人も楽しくなるような風景だった。
その公園を見ている僕と、
隣で静かに座る君。
「いつかこの公園みたいな平和もなくなるのかな。」
君は僕に聞いてきた。
「どうだろうね。」
僕は曖昧に答えた。
君の問の答は決まっている。
答はYesだ。
世界が手に入れたこの平和も、
何の知らせもなくおわりを告げる。
手に入れたものは、手放すことが決まっているから。
その平和の終わりを、君と静かに見守りたい。
それがただ一つの、僕の願いだ。
今日は他の人とメールをしてたとても親切で言い方でした
でも数時間だけそれから消えました。
貴方は朝と夕方一回だけ
前までは貴方とはメールしてたのが幸せだった、今日はその人とメールしててとても幸せでした。
貴方に送ったメールは消した
どうせもぅ他の人がいるのでしょ
貴方とはその人と比べてしまう
もっと前から知り合ってたら、完全に貴方と私はメールをしなかったでしょ
そして今頃幸せな家庭を築いていたかもしれない
段々貴方が憎らしくなってきました
貴方は幸せをくれなかった、その人は数時間で幸せをくれた
その人が戻って来てくれたらいいのに