『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#4『やわらかい雨』
今日は良くトラックが降る日だ。曇り空に無数の黒い点が表れ、大型トラックが降ってくる。落下してくるトラックは全て爆発四散し、巻き込まれた人は遺体さえも残さずに突如姿を消す。政府の研究機関はこれを『トラック転生現象』と呼んだ。
次の日は晴れ空に時空の歪みが発生し、無数の刀剣が降り注ぐ。それは全ては歴史上に載っている金銀財宝の類も含まれており、その日は武器を手にした市民による暴動や、一攫千金を狙う者が現れる。政府の研究機関はこれを『黄金律の雨』と呼んだ。
次の日は積乱雲発生後に、大量のマシュマロや水あめ、お餅など柔らかい食べ物が降ってくる。これが起きた日は市場が異常に繁盛し、その日だけで糖尿病患者が大量発生する。政府の研究機関はこれを『やわらかい雨』と呼んだ。
僕の地域は2分の1の確率で異常気象が発生する。地域の人は既に慣れてしまっているが、昨日は学校を卒業してから3年ぶりに出会った友人が、さらに数日前に発生した普通の台風の影響で起きる、体が岩になる『岩化現象』に巻き込まれ……。
今日の『トラック転生現象』によって、運良く岩が破壊されることで無事生還。転生を免れたので会うことが出来た。
全く……、赤い月が特徴の『厄災の残り香現象』で自衛隊が出動したことで家族が危険に晒されたり。呆れた地域だ。
普通にたまに降ってくる隕石の雨の方が数倍マシというものだ。
「あぁ〜空から降ってきたマシュマロ柔らかくて美味え〜」
うるさい、うるさいうるさいうるさい。
仲良くなくても、友達じゃなくても、どんなに立場が違くても、性格が会わなくても、話さなくても、
大切な人だった。
ただ眺めているだけでも尊敬していたし、憧れだった。日々すごいと感心していた。
密かな、繊細な感情。誰かに気づいてもらうためのものじゃない。けれど、私は本当に馬鹿だった。
彼女に嫌われた。
彼女の目に映る私は、不真面目で、自分勝手だったみたい。友達と二人でいる時の私は、私じゃないみたいに、ハメを外してしまう。そんな私を見ていたのだろう。最近は気も緩んでいたし、口の利き方が少しきつくなっていた。愚痴の量も増えていた気がする。私のせいなのに、悲しい。辛い。怖い。
違うの。私はもっと真面目だよ?あなたのためなら、しっかりと返事もするし、声だって張る。従うよ?あなたの目に映る私は私じゃないの。信じて。友達となんて話さないから、きちんと向き合うから、言葉遣いも正すよ?何でもする。
だからどうか私になんて構わずに、眺められるだけのあなたでいて?私はただ無害な人間でいたかった。なんでもない人間でいたかった。
そんなことを言ったら、あなたは、きっと
私に柔らかな雨を浴びせるのでしょうね。
柔らかい雨か、今日なんかは柔らかい雨に当たるのかな
と言っても風は強かったな
急に降り出すものだからひとりだけシャワーでも浴びましたかって感じだったし
それよりも来週辺りから雪が降るらしい
雨を見ることもしばらくなくなる季節がやってくるのか嬉しくはない
【柔らかい雨】
好きな人から告白された。
本当に嬉しかった。でも嬉しくなかった。
なぜなら、あの人は違う人にも告白していたから。
「もう好きな人は(名前)しかいないから」って…
その言い方、他にも候補はいたってことなの?
まぁ実際そうだもんね。他にも2人好きだったらしいし。
でも自分は、都合の良い恋愛しかしないつもり。
相手が好きなら自分も好き。相手が嫌いなら自分も嫌い。
__そんな自分が嫌いだったのを、励ますかにように
柔らかい雨は、ずっと振り続けていた。
某ゲーム二次創作だけど最早三次かもしれない創作
翠緑の竹垣の細い路地を急いで進んでいく。
ここは古都の現と幽冥の境目、竹垣の路地は複雑怪奇に入り組んでいる。
ふと足元の欠けた石畳を見る、この石畳の傷の形状は先程見たような…。
「まずいな迷ってしまったか?」
旧い地図と周囲の状況を照らし合わせ細心の注意で進んだはずだったがいつの間にか迷ってしまったようだ。
この路地全体に結界が張り巡らされて複雑な迷宮となっている、この中で大きな力を振るうことは禁じられていて使ってしまえばたちまち反転して逆に自分に襲いかかる仕組みになっている。
古より聖と魔が出入りする都ならではの罠であり災
いを遠ざける知恵でもある。
このまま翠緑の竹垣に永遠に掴まってしまうのだろうか。
「一刻も早く戻らねば…。」
待っている者がいる、簡単に諦めるわけにはいかない。
惑わすかのように非常に細かい雨が降り出した。
冷静になって周囲の竹垣、垣根の迷路を突き進んでいく。
焦るな冷静に周囲の状況を見ろと己に言い聞かす。
似たような景色がひたすら続いていく。
竹垣を右に曲がり左に折れてゆく、やっとのことで竹垣の迷宮を出ると周囲一面は朱く輝く紅葉の景色となって出迎えた。
小山は秋を向え燃え盛るような紅葉に様変わりし麓には小さな池があった。
池のほとりに佇む人影がある━、彼女だ。
彼女は透き通るかのような青灰銀の髪にビロードのような黒の衣、細かい水玉が髪にふんわりベールのようにかかっているかのようだった。
「遅〜い!待ちくたびれました。」
彼女はむくれた顔でこっちを見やる。
「悪い、遅れてしまった雨が降ってきたなさあ行こう。」
ひとしきり謝るとむくれる彼女に急いで上着をかける、雨はまだ繊細に降り続いたままだ。
彼女はほっとした表情でふいに手に触れてくる少しひんやりとした柔らかな感触がする。
「行きましょ。」
柔らかな手に触られ握り返すと握った手と手が次第に熱を帯びてゆく。
瞬間雨もまるで柔らかに感じられるようなそんな心地よい感じの中、紅葉する山々を背に帰路へ着くのだった。
「柔らかい雨」
硬く、冷たい雨。
雨が、私の頭に、背中に、深く突き刺さる。
1秒経つごとに、体温が一度下がっていく感覚。
このままでは凍えてしまうのではないかと錯覚する。
誰か、傘を私に傾けてはくれないか。
時々そう夢を見る。
でも、それはいけないことだ。
私はたくさん、罪を犯してきたから。
せめて、これが罪滅ぼしになるのなら。
私は喜んでこの罰を受けよう。
気づけば私の瞳からも、柔らかく温かな雨が流れていた。
予定になかった通り雨にかき消される溜息。
仕事帰りの冷えた空気は前向きな気持ちを削いでいく。
泥を跳ねて通る勢いの良い自転車。傘もなければ運もない。
下を向いた瞬間ピコンと鳴る似合わない軽快な音。スマホを取り出せば、一つの連絡。
『傘忘れたでしょ、めちゃくちゃ目立ってるよー笑』
ぱっと顔を上げれば君が買い物袋をぶら下げて笑っていたんだ。
その顔に駆け寄れば、雨の色は変わるのを感じた。
この程度なら濡れながらでも帰られるのに。そうしないのはもう少しこうしていたいからかしら。
薄淡く光る曇天。
足早に横断歩道を渡る人達。
同じ制服、制服、制服。
予報外れの雨はそれでも控えめに、生徒達の足を急がせる。立ち止まらせる程の強さも無く、音さえもしない。
うわー、まじか。
駅まで走れば大丈夫でしょ。
いけるいける。
よし、いくかあ。
笑いながら外に飛び出す男の子達。一体何が可笑しくて。
そうして私はもうずっと、生徒玄関でこうしている…一体何が楽しくて。濡れて困る理由なんて無いのに。
いつもなら遠くに聞こえる運動部の喧騒も聞こえない。人がいなければ静かなのだ、ここは。
ただの雨なのに、ね。
なんだかもどかしくなって
私はようやく歩き出す。
雨なんか降ってないみたいに、いつもの速度で。あえて、あえて。
ちょっとだけ、皆と違う風にしてみようかなって。
違うのに、いつものように、だなんて変だけど。
雨は温い
私を少しだけ湿らせる
その程度だったよ。
(柔らかい雨)
誰かの声が聴こえる。
真っ暗闇の中で、私を呼ぶ声が…
「…おい、聞こえてんだろマネ女…!テメェがこんな所でへばる訳ねーだろ…」
「勝っちゃん…」
「おい…爆豪」
「うるせぇ!!!…おい、戻ってこいよ…頼むから…」
声だけ鮮明に聞こえて…勝己の声がガンガンに頭を揺さぶるように響く…眠いのに、これじゃ寝てられないじゃないか。
『…っさいなぁ…静かに死なせてもくれないのかよ…ばかつき…』
「…!!!目が覚めた!?轟くん、勝っちゃん!!俺リカバリーガール呼びに行ってくるね!!」
目も完全にあかないし、痛みで今でも気絶しそうだ。
手は…ある、足もある。ただ、全身が鉛のように重たくて顔もまともに動かなかった。
「…無事でよかった」
『…私どうなってんの?』
轟くんに尋ねると、少し悲しそうな顔をしながら
私がヴィランに操られていたことを話した。
ヴィランに関してはすぐ捕まえられたが、操られていた私はオート操縦で、手に負えなかったらしい。
で、身動きを封じるために重症を負わせたとかなんとか。
『まぁそういうことなら…いいんじゃない?』
「おめーは……ほんっとにクソバカだな」
『はぁ??』
「…起きて苦しそうなのにへらへらしてんなバカ」
『すごいバカバカ言うじゃん』
「……生きてて、よかった…ほんと」
『……ごめんね、心配かけて』
「……ん……」
前回の続き
マイケルと一杯飲んで来た
素直にこの前何を話したか覚えてない、
連絡先を交換するのも好きではないのに何でしたのか…?と私
大した話しはしてないよ、
それに連絡先を教えてと言ったのは僕だと彼は言った
年は彼の方が上だった
英語が話せない私は翻訳アプリを使いながら会話した
って言っても分からない単語は遺伝子的何とかと、科学的何とかぐらいだったけど
彼が携帯を使う時に見えた、ふと見えた待受
それは小学生くらいの男の子だった
〝何だ、既婚で子持ちかよー
面倒くせぇなぁ…〟
〝あなたの子ども?〟
〝そうだよ〟
私はそれ以上の事は何も聞かなかった
好きな場所、好きな食べ物がたまたま同じだったから、
話は弾んだ方だと思う
年も違うし、生まれた国も、話す言語も違うのに、
好きな物が同じと言う事で話すのは何とかなるものだなぁ…
彼はよく話してくれた
と、言うかアジアの男性と違って見た目や年の話しは一切しないし、マイケルの国の人はいつも先に私の意見を聞いてくれる人が多い
その点は素直に嬉しい
どう言う流れだったか忘れたけど、
僕たちは離れて暮らしている
子どもは妻といる
もっと正確に言うと離婚して、妻ではなく元妻だと言うマイケルの話しになった
あぁ、だからほとんど休みなく(子どものために)働いてんのかと理解した
他にも聞いたけど、
男女の関係にどちらかだけが悪いと言う事は殆どないと思っているので、全てを信じる事はできないけど
でも聞いた話しだけだと、ひっでー話しだった
何ならマイケルもこう言う結果になった理由が、未だに分かってなさそうだった
マイケルに対して、正直何の感情もない
ただ、楽だ
緊張もしなければ、構える事もない
何なら見た目は全くタイプではない
やっぱり見た目だと、今でも断然一目惚れの彼がいい
彼の前では少し緊張するけど
まぁ飲んだ時間が楽しくなければ、もう連絡はないだろうと思っていたが、普通に連絡は来た
何なら手料理作ってくれるみたい
もう恋を何年もしてないせいか、
恋の始まりも
人を好きになる方法も、
自分の感情も忘れた
柔らかい雨を見つめながら、
マイケルって何で連絡して来るんだろうなぁと思う今日この頃
いつも出会って一カ月で好きになるか、ならないかが決まって来たから、今回は違うのかもなぁ…
「柔らかい雨」
片方の靴が側溝から見つかり
傘立ての傘が折られ
たった一人の友が遠ざかり
野良猫から威嚇され
どういう顔で家のドアをくぐればよいのか
途方に暮れる
ああ どうか 雨よ
あなたさえ優しくあってくれたなら
あなたさえ私の頬の涙をかくして
あなたさえ柔らかく髪を撫で下ろし
私が真っ直ぐに前を向く
その道しるべとなってくれたなら
あなたがそうあってくれるのなら
私は顔を上げて歩けるだろう
「柔らかい雨」
「出来ること、出来ないこと」
失敗しても絶望しないで
やり直しに回数制限は無いんだよ
そう思うのは簡単な事じゃ無い
でも仕方ないんだそう思う以外に人間に出来ることなんてないじゃ無いか
ねえ、失敗した貴方を一番蔑んでるのは誰?
鏡に映る貴方
貴方を乗り越えるのは簡単じゃ無い
でも出来ない事じゃ無いんだ
「これでいいんだ。」
そう自分に言い聞かせて俺は姿を消した。
知っている。
本気で向かいあってくれていたことを。
わかっている。
その事実に甘んじて自身が逃げていたことも。
慰めなのかなんなのか、
柔らかい雨が自身を濡らしていた。
231106 柔らかい雨
果たしてトタンかプラスチックかの屋根がついた縁側からの音を寝起きに聞けた日はどうしてかあったかくて溶けてしまいそうです。
柔らかい雨
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空から鳥の羽のような
ふわふわとした雨が降っていた
当たっても痛くないし
当たった感覚もあまりないくらい
柔らかな雨だった
とても珍しい雨
僕は目を光らせて
無我夢中で空を眺めていた
干していた部屋着のことなんて頭の中から吹き飛んでいた
雨が柔らかいなんて一度も思ったことがない。
ただ柔らかい雨と聞いて思いついたのは、雨は人のようだと言うことだ。
人を輝かせる雨もあれば、人を殺す雨もある、
いずれも何粒の雨が束になって。広い宇宙から見れば、私達は雨と同じなのかもしれない。
柔らかな雨
タンポポの綿毛のような雨が
ゆっくりと音もなく舞い降り
そっと地面に雨布団をかけた
楽しい時
雨が降ったら
ちょっと
残念。
せっかくの
予定
変更かな。
ちょっと行くの
面倒になってきたな。
悲しい時
雨が降ったら
ちょっと
心強い。
空だって
泣いちゃう時が
あるんだよ。
このまま
一緒に
泣いちゃお。
#柔らかい雨
お日様の照った日が続いている。地面はカラカラで、風が吹けば砂埃が舞い上がった。
細やかな雨が柔くさわさわと降り出した。力ない雨粒も後から後から重なれば、やがて乾いた地面を湿らせてゆく。
おお、やっときた。恵の雨っていうやつね。
結構喉も体もカラカラだったのよ。
のっそりと殻の中から身を出して、葉っぱの屋根から外へ出た。
うん、このくらいが丁度いい。
うっとりと久しぶりの雨に浸っていたら、ドシンドシンと地面が揺れた。
ワンと鳴く毛むくじゃらのイヌと、ぎゃーと泣くふにゃっとしたニンゲンが飛び跳ねている。
「ワン!ワン!」
「あめ!あめ!」
雨が嬉しいのは同じみたいだけど、跳ねるのは勘弁して欲しい。
しっとりと雨を愛でる情緒というものはないのかしら。まったく、踏み潰されそうで留まってもいられやしない。
仕方なくまた葉っぱの屋根へ戻っていく。
「でーんでん?」
「ワン!ワン!」
ニンゲンの指が殻を掴んで持ち上げた。
ああ、折角の雨だというのに。
ため息をついて、再び殻の中に閉じこもった。
#5 2023/11/6 『柔らかい雨』