ゆんたろす

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誰かの声が聴こえる。
真っ暗闇の中で、私を呼ぶ声が…

「…おい、聞こえてんだろマネ女…!テメェがこんな所でへばる訳ねーだろ…」
「勝っちゃん…」
「おい…爆豪」
「うるせぇ!!!…おい、戻ってこいよ…頼むから…」

声だけ鮮明に聞こえて…勝己の声がガンガンに頭を揺さぶるように響く…眠いのに、これじゃ寝てられないじゃないか。

『…っさいなぁ…静かに死なせてもくれないのかよ…ばかつき…』
「…!!!目が覚めた!?轟くん、勝っちゃん!!俺リカバリーガール呼びに行ってくるね!!」

目も完全にあかないし、痛みで今でも気絶しそうだ。
手は…ある、足もある。ただ、全身が鉛のように重たくて顔もまともに動かなかった。

「…無事でよかった」
『…私どうなってんの?』

轟くんに尋ねると、少し悲しそうな顔をしながら
私がヴィランに操られていたことを話した。
ヴィランに関してはすぐ捕まえられたが、操られていた私はオート操縦で、手に負えなかったらしい。
で、身動きを封じるために重症を負わせたとかなんとか。

『まぁそういうことなら…いいんじゃない?』
「おめーは……ほんっとにクソバカだな」
『はぁ??』
「…起きて苦しそうなのにへらへらしてんなバカ」
『すごいバカバカ言うじゃん』
「……生きてて、よかった…ほんと」
『……ごめんね、心配かけて』
「……ん……」

11/6/2023, 2:41:51 PM