朝霧 風/あさぎり ふう

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うるさい、うるさいうるさいうるさい。
仲良くなくても、友達じゃなくても、どんなに立場が違くても、性格が会わなくても、話さなくても、

       大切な人だった。

ただ眺めているだけでも尊敬していたし、憧れだった。日々すごいと感心していた。
密かな、繊細な感情。誰かに気づいてもらうためのものじゃない。けれど、私は本当に馬鹿だった。

       彼女に嫌われた。

彼女の目に映る私は、不真面目で、自分勝手だったみたい。友達と二人でいる時の私は、私じゃないみたいに、ハメを外してしまう。そんな私を見ていたのだろう。最近は気も緩んでいたし、口の利き方が少しきつくなっていた。愚痴の量も増えていた気がする。私のせいなのに、悲しい。辛い。怖い。

違うの。私はもっと真面目だよ?あなたのためなら、しっかりと返事もするし、声だって張る。従うよ?あなたの目に映る私は私じゃないの。信じて。友達となんて話さないから、きちんと向き合うから、言葉遣いも正すよ?何でもする。
だからどうか私になんて構わずに、眺められるだけのあなたでいて?私はただ無害な人間でいたかった。なんでもない人間でいたかった。

  そんなことを言ったら、あなたは、きっと
  私に柔らかな雨を浴びせるのでしょうね。

11/6/2023, 3:16:19 PM