眠れないほどにあなたに苦しめられている。
あまりにも優秀な姉を持つと、親は妹である私にそれ以上を求め続けた。それ以下を消して許さなかった。姉よりも出来が悪いと
「姉に比べてお前は」
「どうしてこんなことも出来ないの?
お姉ちゃんはできるのにどうして?」
いつもそんな言葉を浴びせられた。
99点。私はいい点数だと思った。親は違った。同じように言葉の雨に打たれた。
こんなに頑張ったのに怒られるの?
もうどうしたらいいって言うの?
ずっと100点を取り続けるなんて無理だよ。
もう、頑張れないよ…
眠れない。眠れない。あなたのことが脳裏に浮かぶ。あなたさえ居なければ、親は私にこんなにも求めなかった。あなたと私は違うのに…
この苦しみが理解できるか?この怒りが、屈辱が、あなたには分からないのでしょう?
この感情を心から理解した人間に、出会いたい。
愛情。君たちに分かるのだろうか。
同性愛者を否定する社会のど真ん中に放り出されたゲイの気持ちが。レズビアンの気持ちが。
僕はゲイ。幼なじみはレズビアン。中学校では、同性愛者はキモイヤツ扱いだ。僕らは正体を隠して生きている。それでも僕らを貶す言葉は絶えない。
「ねぇAってゲイなん?」
「いやまじか怖」
「Bに告ったらしいぜ。男同士だぞ?」
「ゲイとか無理だわ〜ww」
「キモイって振ったらしいけどなww」
「最高やんBーw」
僕らを、貶す。それなのに
「ねぇ!○○君とキスしたってほんと?」
「い、いや!まぁ、うん。した。」
「キャーー!すごーい!良かったね」
「それでそれで?」
この愛情の差はなんだ?
僕らのも、愛だ。彼女のも、愛だ。アイツらのも、愛だ。その他にももっともっと、当事者にしか理解できない愛のカタチがたくさんあるのに。
2人ぼっちの幸せを。愛を。関係を。
歪な愛だなんて決め付けるな。
天才。才能。そんな言葉で終わらせないでよ。
「あなたはいいよね。才能あるから。私は無いから努力しないといけないんだ〜。羨ましい。」
才能ある者、天才。
社会は彼らを人間だと認めない。
意味が無いこと
僕は無意味や無駄という言葉が好きだ。
無駄な感情。
それこそが、愛であり、人を想うということだ。
誰かを想うから迷い、悩み、思考し、疲れる。
誰かと共に生きるから、衝突し、砕け、再生する。
AIは「無意味」を知らない。僕らだけが知っている。
無駄、無意味こそが僕らを人間にする。
無意味から生まれるものは、いつも儚く美しい。
何も無い空間。誰もいない空間。ひとり。
ひとりでいるのは、無意味だと。せっかくなら人と関わりなさいと。学校という場所では嫌という程言われた。ひとり=無意味
確かにひとりは無意味だ。
無意味から生まれるのだから。
だからいいのだ。なぜ気づかない。
僕らが孤独の素晴らしさに気づくのはいつも、無意味な時だ。僕だってそうだった。
冬、早朝の道路。張り詰めた、清らかな空気。無音。そこに差した光の美しさがあなたに分かるだろうか。透明な光が、優しく指先を、桃色の爪を照らして、誰もいない交差点には、柔く、薄い、芸術的な、涙が流れるほど美しい光が差しこんでいる。
眼福。そんな言葉では足りない。
本当に虚しいけれど、今ある言語では言い表せないほどの美しさ。それこそが孤独の価値なんだ。
それが生まれたのも、気がついたのも。
ひとりの空間=無意味な空間だ。
僕は無意味を愛していたい。
うるさい、うるさいうるさいうるさい。
仲良くなくても、友達じゃなくても、どんなに立場が違くても、性格が会わなくても、話さなくても、
大切な人だった。
ただ眺めているだけでも尊敬していたし、憧れだった。日々すごいと感心していた。
密かな、繊細な感情。誰かに気づいてもらうためのものじゃない。けれど、私は本当に馬鹿だった。
彼女に嫌われた。
彼女の目に映る私は、不真面目で、自分勝手だったみたい。友達と二人でいる時の私は、私じゃないみたいに、ハメを外してしまう。そんな私を見ていたのだろう。最近は気も緩んでいたし、口の利き方が少しきつくなっていた。愚痴の量も増えていた気がする。私のせいなのに、悲しい。辛い。怖い。
違うの。私はもっと真面目だよ?あなたのためなら、しっかりと返事もするし、声だって張る。従うよ?あなたの目に映る私は私じゃないの。信じて。友達となんて話さないから、きちんと向き合うから、言葉遣いも正すよ?何でもする。
だからどうか私になんて構わずに、眺められるだけのあなたでいて?私はただ無害な人間でいたかった。なんでもない人間でいたかった。
そんなことを言ったら、あなたは、きっと
私に柔らかな雨を浴びせるのでしょうね。