意味が無いこと
僕は無意味や無駄という言葉が好きだ。
無駄な感情。
それこそが、愛であり、人を想うということだ。
誰かを想うから迷い、悩み、思考し、疲れる。
誰かと共に生きるから、衝突し、砕け、再生する。
AIは「無意味」を知らない。僕らだけが知っている。
無駄、無意味こそが僕らを人間にする。
無意味から生まれるものは、いつも儚く美しい。
何も無い空間。誰もいない空間。ひとり。
ひとりでいるのは、無意味だと。せっかくなら人と関わりなさいと。学校という場所では嫌という程言われた。ひとり=無意味
確かにひとりは無意味だ。
無意味から生まれるのだから。
だからいいのだ。なぜ気づかない。
僕らが孤独の素晴らしさに気づくのはいつも、無意味な時だ。僕だってそうだった。
冬、早朝の道路。張り詰めた、清らかな空気。無音。そこに差した光の美しさがあなたに分かるだろうか。透明な光が、優しく指先を、桃色の爪を照らして、誰もいない交差点には、柔く、薄い、芸術的な、涙が流れるほど美しい光が差しこんでいる。
眼福。そんな言葉では足りない。
本当に虚しいけれど、今ある言語では言い表せないほどの美しさ。それこそが孤独の価値なんだ。
それが生まれたのも、気がついたのも。
ひとりの空間=無意味な空間だ。
僕は無意味を愛していたい。
11/8/2023, 12:49:31 PM