『束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「束の間の休息」
人生において
これほどの特権があろうか!
休むことを
ずっと奪われた者もいれば
休むことの
意味さえ忘れた者もいる
だが休みもほどほどにしないと
怠けて人生の宝を失うこともある
偉大なる時間の旗手こそ
この特権が与えられんことを!
【束の間の休息】
執務室の机の上へ山と積み重なった書類の束。記された文章の全てに目を通し、問題があれば筆を入れ担当部署へ送り返し、問題がなければ印を押し実行部署へと命を出す。
この非効率な政治の回し方もいずれは是正しなければ、誰も宰相などやりたがらないと理解してはいるけれど、なかなかそこまで手が回らないのが実情だった。
城の鐘が三時を告げる。多くの官僚たちはもう一踏ん張りの気合いを入れ直す刻分、僕からすれば遅い昼食の時間だ。
いくつかの書類を持ち、執務室を離れる。向かう先は玉座の間。鐘の音も聞こえないレベルで集中し、自身の髪をグシャグシャと掻き回しながら書面と向き合う我らが王の眼前へと、新たに持ち込んだ書類をひらひらと振った。
「こちら、陛下のご判断が必要なものです」
「ああ、もうそんな時間か」
仕事の進みが芳しくないのか、陛下は小さく息を吐く。今日はよほど悩む案件が多かったらしく、思考を巡らせながら頭を掻く癖のある陛下の髪はひどく乱れていた。
検討していた提案書を大人しく放り出した陛下は、机の上の鈴を軽く鳴らす。恐らくは優秀な侍女たちの手で、すぐに二人分の昼食が運ばれてくるだろう。
僕は陛下を休ませるために。陛下は僕が昼食を抜かないように。互いのためじゃないと深夜まで通して働いてしまう僕たちが決めた、午後三時の休憩のルール。漂ってきた紅茶の香りが、疲弊しきった脳に優しい。
玉座の間の片隅に置かれた応接テーブルへと腰かける。束の間の休息に身をゆだね、僕は陛下の乱れた髪を指先でそっと梳いた。
手当
どれほどの時間が過ぎたのだろうか。この大陸に深く信仰されている聖光教会の教えに背く者たちの根城に踏み込んでから。
俺の足元には今し方斬り捨てた反逆者たちの死体が山のように折り重なっている。少し遠くで銃声が聞こえるから、彼方はまだ交戦中なのだろう。
「………」
本来なら救援に向かうべきなのだろうが、俺は足を運ぶことはしなかった。理由は気が向かない、それだけだ。
「ヴァシリー」
その声に振り返ると、俺と同じように敵の返り血で真っ赤に染まったミルの姿があった。娘には怪我一つ……いや、右腕から出血している。
「……怪我、してるな」
「少しだけね。大したものじゃないよ」
あっけらかんとした様子のミルに俺は息を吐く。彼女は不思議そうに首を傾げていたが、そんなことはいい。俺は娘の手を掴み、近くの部屋に入る。
そこは交戦した痕跡が無い客室の一つ。ミルを椅子に座らせ、衣服をずらす。腕には白い肌を切り裂く、痛々しい裂傷があった。絶えず血が溢れ、古い血は傷口で黒く変色しこびりついている。
「これの何処が少しだというのだ?何かの拍子で腕が動かなくなったら、どうするつもりだ?」
「……痛くはないもの」
似た言葉を繰り返すミルに俺はため息を吐き、近くの引き出しから処置に使えそうな白い布を取り出す。それから持っていた水をミルの傷口にかけた後、その白い布で傷口を拭う。すると、痛むのか娘は僅かに顔を顰めた。
「例え痛くなくても、処置は施せ。放っておけば細菌が入り、腕を切り落とすことになるぞ」
「……分かった。ごめんなさい」
素直に謝るミルの腕に処置を施し、最後に包帯できつく巻く。処置を終わらせた後、俺はミルを抱き上げ、ミルが座っていた椅子に腰掛ける。
「少し休む」
「でも、まだ皆が……」
「その状態で戦うか?今度こそ無事で済まんぞ」
「………」
大人しく俺にもたれかかったミルに軽く笑みを溢す。しばらくして娘から寝息が聞こえてきた。
(……俺らしくも無い)
今までは誰が傷つこうと気にしたことはなかった。だが、こいつは……出先で路頭に迷っていたこの娘だけは、どうにも俺の気を揉ませる。
俺はミルのこめかみにそっと口づけた。
「……俺はお前が勝手にいなくなることを許さない。いなくなるなら、その前に俺の手で殺してやる」
小声で呟いたは夢の中のミルには届かないだろう。この感情が一体何なのかは分からない。が、自然と悪い気はしなかった。
手放す作業はどんどん出てきて
本当に玉ねぎの皮を剥く作業だな
みんなそう思うものなんだよね
日常生活の中でも
イメージして
行動とともに外していく
そういうやり方している人も
いるんだなって知ったんだ
シャワーを浴びている時に
重たい感情が
シャワーのお湯と共に
体から外れていく
階段を登る時に
1段登る毎に
ゴロンと重いものが落ちていく
体がぶどうの房のようになっていて
歩いている時に
その重たい感情の一粒一粒が
ぼろぼろ落ちていく
もちろん
今まで使わせてくれてありがとう♪
の感覚でね
こういうことでもいいんだなって
わかると楽になるね
〜束の間の休息〜
[タイトル:星座にはなれない私]
[お題:束の間の休息]
深夜二時を回っても、自己PRが一文字も埋まらない私のような人間が入れる企業なんてものがあるのだろうか。
ないことはない、と思う。
通っている大学の去年の内定者情報を見れば、私と同じ学部学科は八〇パーセント以上が就職できている。似たもの同士であるはずの友人も、だいたい内定が出ていて、遺伝子のもとである両親も就活を成功している。
私だけがそこから溢れている、とは思えないし、思いたくない。
それに、世の中には自己PRなんて嘘で塗り固めて内定を勝ち取る人もいる。埋まらないなら、無理やり埋めればいい、と。
「それができたら苦労しないよなー」
なんて嘯いて、私は溜まりに溜まった検索タブを見返す。
『自己PRの書き方』
まず目に映るのは、特別なことなんて書かなくていい、という一文。
海外留学とか、バイトリーダーとしてとか、ゼミ長としてとか、そんなのはいらない、と。あくまで伝え方が重要で、華やかな経験がないからと嘘をつく必要はない。らしい。
じゃあ何を書けばいいんだ。そんな気持ちで先を進めると、バイトとかTOEICとかサークルとか言ってくる。
ねーよ、そんなの。コロナ禍なめんな。
必死に引きこもってた奴らがバカを見る世の中だと、つくづく思う。バイトもサークルも、コロナじゃなきゃやってた。ありがたいことに親からの仕送りで十分に生活できた。趣味もやりたいこともなかったから。TOEICはどうだろう。友達がいたら一緒に挑戦していたかもしれない。向上心がなくても書けたであろう、自己がとことんまで欠けている。
まぁ、結局自分のせいなんだろうな。だって、同世代はみんな条件同じだし。
こんなふうに悲観してばかりで、時間だけが過ぎていく。その結果の午前二時。
そういえば志望動機も書けてない。
生きるために働くだけなのに、やりたいこととか求められても困る。でも、なんでもいいってフリーターしてると、将来生きることができない。ここで生活保護で生きればいいやって、振り切れないのも私の弱さだろうか。
ふと、机の隅に置いていた履歴書に貼る予定の写真が目に入った。髪を束ねて背後に垂らし、葬式みたいな真っ黒のリクルートスーツに身を包む。せっかく写真館にお願いしたのに、目は死人みたいに澱んでいて、どことなく頬がこけている。私が人事ならこんなやつは採用したくない。
「・・・・・・一旦、休憩」
うんざりして呟いた。
休憩、といっても、常に半分くらい休憩しているようなものだ。一文字も書かずに見つめているだけで、履歴書を書いてる、とは言い難い。
束の間の休息に、私は外に出た。夏休みは既に終わり、少しずつ秋めいてきている。街灯に虫が寄り付き、自動販売機には蜘蛛の巣が張っている。近くの水田には蛙が多く棲息しているようで、ゲコゲコと煩く鳴いている。
七部袖くらいの緑のパーカーを着て、緩慢な速度で夜の住宅街を往く。先ほど自動販売機を通り過ぎたばかりだが、向かう先は別の自動販売機だ。そこにしか無いものが買いたい、というわけじゃなく、なんとなく歩きたい時に目印として定めた場所。往復で二十分程度なので、気分転換にちょうど良いのだ。
イヤホンからは少しだけ古い音楽が流れる。サブスクに加入して以降、リピートするのは高校時代に流行った曲ばかり。なぜかは知らないが、大学に入ってから流行った曲はあまり好きになれなかった。
懐かしさに身をやつしながら、少し空を見上げる。星座には詳しく無いので、オリオン座くらいしかわからない。
オリオン座の名前の由来になっているオリオンとは、ギリシャ神話に登場する狩人だ。たくましく凛々しい美青年の形で描かれることが多く、好色としても知られる。
彼を語るなら、恋人であるアルテミスも語らなくてはならない。ちょうど、今日は月も見える。月の女神であるアルテミスは、オリオンと運命的な出会いをした。なにせ狩人と狩猟の女神、気が合わないわけがない。
そんなこんなで二人は恋人になるが、これに反対したのがアルテミスの兄であるアポロン。オリオンの粗暴な性格と、アルテミスが処女神であることが理由、らしい。
ある日、アポロンは毒サソリをオリオンに放ち、彼は驚いて海に逃げる。海上付近を泳ぐオリオンの頭は、ただの光る岩にすら見えた。
そしてアポロンはアルテミスに言った。
「君でもあれは射ち当てることは出来まい」
巧みに、残酷に、でもギリシャ神話はそういうお話ばっかりだ。ギリシャ神話はとりわけ人間らしい神様だと評する人がいるけれど、間違いなく人である私は、やっぱりオリオンとアルテミスには幸せになって欲しかったなと思う。
浜に打ち上がった死体のオリオンを見たアルテミスはどんな気持ちだっただろうか。オリオンを星座にしてくれとゼウスに頼んだ気持ちは。
恋人はもう何年もいない。高校生の時、私に告白したアイツは、私が死んだら星座になって欲しいと思うだろうか。
「星座になれます、なんて自己PRじゃ誰も雇ってくれないな」
休憩だというのに、結局そのことを考える。私は切り替えが上手くない。短所発見。短所ならいくらでも浮かぶのに、よく裏表とかいわれる長所のはちっとも浮かばない。
長所もないしエピソードもない。〇から一はダメで、一から百はいいとかいうけど、私には一がない。
私は改めて自分が星座になったらと考えて、思わず笑みが溢れた。私が星座なら、毎朝の星座占いは常に最下位だろう。
言うことなんて何もない。ラッキーアイテムは心臓とか。あるいは履歴書。
色々と考えごとをしているうちに、私は目的の自動販売機の前に辿り着いた。値上がりした百八十円のコーラをCokeOnで買って、すぐに開ける。
プシュ、といい音がした。
道路の真ん中を、はしたなくガニ股で歩きながら、喉を鳴らす。炭酸は一気飲みには向かないけれど、三分の一くらいは飲んだ。
口の端が少しベタつく。
残りを飲みながら、中途半端に考えごとをする。そういえば就職しない道もあるにはある。家庭に入る、という選択肢。
「そんなのあったな」
そう言いながら、だからどうした、と思う。履歴書も婚姻届も、本質は変わりない。
自分が、貴方に、合うか。就活も恋も同じこと。そうでないなら、その紙の先は地獄になる。だから履歴書も書けないのに、婚姻届なんて書けるはずもない。
そう思いながら、私は左手を空に掲げる。先にはちょうど月があったので、なんとなく薬指の付け根あたりと被せてみる。
それで何が変わるわけでもないけれど。
「こんにちはー、Uber eatsでーす」
ガチャリとドアが開けられて、のそりと腕が伸びる。それにスシローから貰ってきた一人前の寿司を受け渡すと、小さくありがとうございますと聞こえた。
「ありがとうございましたー」
そう言って、専用のバックを背負うと、背中越しに鍵の閉まる音がした。防犯意識は大変よろしいのだが、自分が正しく不審者だと言われているようで、なんだか切ない気分になる。
そんな私の気落ちなんて関係なしに、次の依頼がスマホに届く。受けるか、受けないかは自分次第。もちろん、フリーターの私にとって、選択肢はあってないようなものである。
自転車に乗って店舗へと急ぐ。最近努力義務化したヘルメットが重い。元々体力があるわけでもないので、緩やかに五月の風を切る。
Uber eatsには履歴書がいらない。それが私の選んだ理由。
ネット上の先輩曰く、コロナ禍よりは稼げないが、今でも充分需要はあるとのこと。もちろん、不安定な職業だし、一生自転車を漕ぎ続けるわけにはいかない。就活失敗に対する気休めにしかならない。
両親は私の選択を渋々ながら了承したくれた。貴女の人生だから、と。我ながら甘い両親だと思う。時にその甘さが失敗を招くのだと、つい教えてあげたくなる。
「これは休憩だよ。人生の、束の間の休息だ」
こんな論理がまかり通るなんてこと、あっちゃいけないんだよ。なにせ、人生は常に人生だ。生きている限り人生なんだから、休息なんてあるはずもない。
あるいは、死んで星座になれば、それこそが休息なのかもしれない。
私は星座に向かないけれど。
やがて信号に差し掛かる。目の前では青が点滅し、もうすぐ切り替わることを教えてくれている。時々、マナーのなっていない配達員が歩道や赤信号をかっ飛ばす様がSNS上に流れるが、未だに私はそれをする度胸がない。これを突っ切って貰えるかもしれないチップに必死になれないのは、まだ私が半人前だからだろうか。
まだ信号は点滅だったけれど、大人しく止まる。私の速力じゃ、向こう岸まで辿り着けない。
私の死体は、きっと岸には辿り着かないだろう。
対向車の灯りがまぶた越しに見える
規則正しいワイパーは子守唄
私のゆりかご、停留所はまだ先
束の間の休息、それでも私は深い喜びを感じる。
瞬きの間に、疲れた心がほんの少し元気になり、
息をつくたびに新たな力が湧いてくる。
だから、この短い時間も大切にしよう。
心に響く瞬間こそ、私の人生を豊かにするのだから。
束の間の休息。お風呂の時間。シャンプーをする時は、湯船につかりながらが毎日の癖。昨夜もそうだった。湯船につかりながら、髪と頭皮を無心で洗う。シャンプーがしだいに泡立つ。泡立ったシャンプーを、顔の目の前で、両掌で丸めたり揉んだりする。無心でそれを続ける。ふと我にかえった時、掌をぼんやり眺め、とにかく無心でその行為を続けていたことに気づく。客観的に自分を眺め、こんなにも誰の目も気にしていない瞬間はないと気づく。日々は気を張ることの連続。束の間の休息は、お風呂の中。
仕事がまぁ、終わった。
今回は殲滅、事務仕事、資料ミスの処理、会合、取引。
「はぁ、疲れたぁ」
今日は.....まだ、残り仕事をしなければ。
早速、残りの仕事をやろうとした時だった、電話がなっていた。
見ると相手は糞野郎だった。
「なんだ?」
「やぁやぁ!元気かい!!」
「俺が此れから残りの仕事をするのを察して電話してきた奴が何を言ってるんだ?」
「いや、偶には束の間の休息も必要だよって言いたかっただけだよ?」
「手前がんな事言うとか糞気持ちわりぃな」
「倒れて森さんに心配かけて、そして姐さんに怒られても良いのかな?」
ウ"ッ、糞がぁ....此奴全部見破った上で電話してきたな。
死んどけ。
「はぁ、わかったわかった!じゃあな!!」
「ちゃんと、寝るんだよ」
「おぇ、きっしょ」
そう言い残して電話を切った。
はぁ、寝るかぁ。
# 146
束の間の休息は、別にいつもと変わらない。
特に予定も立てず、気分次第で動いていく。
それで良い。
だって、束の間の休息なんだから。
「はあー、うだるーーーー」
ぐだぐだ、ぐだぐだ、まるで自分がこのまま液体になるかのように、私はうだりまくっていた。
そんな時……………
ピロンッ
スマホが鳴った。
「うーん。だれだ〜」
スマホをのぞくと、そこには友達の桜があり、「今から会えない?」という文言が書いてあった。
私は特にやる事もなかったので「準備に時間かかるけど行けるよー」と返信をした。
すると、「分かったー。待ってる!」との返信。
「準備しなくちゃ………」
私は重い腰を上げ、なるべく早く準備を済ませていく。
あっという間に出来た準備に、やるじゃん私!と思いながらも家を出発。
桜に指定されたお店へ向かっていくと、そこに桜は居らず、代わりに樹(いつき)がそこに居た。
「なんで樹がここに居るの?桜は?」
「綾崎は先に帰った。俺が頼んで、真琴を呼んで貰ったんだ。……ごめん。騙して」
樹とは、高校生の頃に出会って、数少ない喋れる男の子だった。
当時の私は、樹に淡い思いを持っていた。けれど、樹はいつもその時付き合っていた彼女と一緒にいて、私に入れる隙はなかった。
「……何で、呼んだの?」
「……真琴に会いたいと思ったから。綾崎とは今日、ここでたまたま会って、無理言って呼んで貰ったんだ。」
別に気まずくなった訳では無いけれど、私の記憶は高校生の頃の私の感情に戻っていく。
楽しかったことも、悲しかったことも、全部。
「樹は、どうして私に会いたいと思ったの?……彼女が居なくなって寂しくなった?」
「違う。そんなんじゃない。もっと、その、純粋な気持ちだよ」
「ふーん。そっか……」
これからどんな話をするのか、私には想像も出来ない。
束の間の休息は、あっという間に流れて消えてしまった。
ふう〜
休みって大事だね
心も体も
何かするとかじゃなく、
何もしない
何も考えない
そしたらさ、
つぎの行先
見えてきたよ
肩肘張らず
のんびりペースでいこう
雲の切れ間に
差し込む光り
僕は目を瞑り
深く息をする
音が遠去かり
光輝く繭の内
浮かんで消え
消えては浮ぶ
ただ其を見る
何もかも忘れ
雲の切れ間に
思い出すのは
『束の間の休息』
「束の間の休息」
仕事において、午後のパフォーマンスをより良いものにするために、昼休みの過ごし方は重要だ。
午前中の疲れをリフレッシュさせ、気力・体力・集中力を回復させる役割がある。
私の場合、すぐに注文しておいた仕出し弁当を食べる。
前日のうちにメニューを見ているので、気になっていたおかずを堪能する。
この時は、食事に集中するためPCの画面は消し、スマホも緊急の連絡が無ければ触らないようにする。
その後は弁当の容器を片付け、歯磨きをする。
そして、昼休み終了までの30分ほどは、自席で目をつむり仮眠をとって過ごす。
昼休み明けは単純作業で頭と体を慣らしつつ、調子が上がってきてから大きめの仕事に取りかかる。
それは
束の間の休憩
心穏やかで
見る景色が
いつだって美しくて
食べる物が美味しくて
お酒が美味しくて
そんな自分が愛しくて
切なさも
締め付けられる痛みも
涙も無い
心の底から笑える
誰も
愛していない時間
「束の間の休憩」
【束の間の休息】
束の間の休息の間、私は夢を見る。
夢の中の君に逢いに行く。
夢の中での君は幸せそうに笑っている。
君との幸せな夢を見ているうちに
私はいつしか眠りに落ちてしまった。
数分後。私が目覚めた。
短い夢の中で、君に会えるのはたったの数秒間だけ。
こんなに悲しい夢なんてない。
だから、私の目からは涙がこぼれる。
そこからまた泣き続け、私はいつしか眠ってしまう。
これはもう、束の間の休息じゃなくなっている。
でもいい。夢の中でも、君に会えるならそれでいいの。
#束の間の休息…
目覚めは6時…
朝食を作る
平日の朝はいつも同じ
7時に主人を送り出し
家事をして
8時50分に仕事に向かう
終わりは18時頃
そこから買い物をして帰宅
19時半頃夕食
片付けて珈琲を淹れる…
飲みながらうとうと…
これが私の束の間の休息…
『束の間の休息』
私はふう、と息を吐き椅子に深く腰かける。作業に集中するために遠ざけてあったスマホを手にとり、束の間の休息にと画面をスクロール。どんな投稿が上がってるかな…。
しばらくすると、ふと一件の投稿に目が留まる。投稿主の名前が目に入った瞬間思わず笑みがこぼれてしまう。誰も居ないというのに私は慌てて口元を隠して、投稿をじっと見る。いいねはつけようか、つけていいものか、と逡巡する。その後、私は出来るだけ画面を自分から遠ざけながら恐る恐るハートのボタンの上に指先を乗せた。そしてまるで逃げるかのように素早く画面を閉じて、遂にはスマホもベッドの方へ投げ出して天井を仰ぎ、また一息。
「全然休息になってないよ…」そう言った私の声色は自分でも分かるほどに明るかった。
「あたしたちきっと、忘れてるの」
深夜3時、ベランダで煙草を吸いながら、彼女は囁くような声でそう言った。
「何を?」
僕はそう問いかける。
「浮遊すること」
彼女は時々、不思議なことを言う。それも唐突に。僕は彼女の言葉の意味をはかりかねて、首をかしげる。そんな僕を見て、彼女は柔らかく笑った。
「…眩しいの。色々なものが。きらきらして、魅力的だから目を離せなくなるけど、ずっと見つめていたら疲れてしまう。」
「浮遊したら、そうじゃなくなるの?」
「地に足をついていたら、帰るべき場所がわからなくなるから、あたしたちは一生眠れなくなる。だから浮遊するの。帰るべき場所を思い出すために。」
「…僕にはわからない」
そっか、と彼女は頷いた。いいの、と呟く。いいの、それでいいの。
「ねえ、もう眠ろうか」
煙草の火を消して、彼女は僕に言った。月明かりに照らされて、長い黒髪がきらきらと光っている。
「浮遊しようか、」
僕は、今そう言わなければならない気がした。彼女が驚いたように少し目を開いて、そして微笑んだ。
「…うん。」
僕らは浮遊する。これは束の間の休息である。
私の働き方は短期集中型
いつも休憩ばかりしてる気がする
束の間の休憩とは言えないよな
そう言えばうちの息子もそうだ
勉強は短期集中型で
スマホばかり触ってる
変なとこ似てしまった
休日ってなんでこんなにすぐ終わるの
束の間の休憩。
_ ₁₂₈